中華民国ニ於ケル麻薬等取締令
法令番号: 勅令第八百十五號
公布年月日: 昭和16年8月13日
法令の形式: 勅令
朕中華民國ニ於ケル麻藥等取締令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年八月十二日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
外務大臣 豊田貞次郞
勅令第八百十五號
中華民國ニ於ケル麻藥等取締令
第一條 帝國臣民及帝國法人ニ對スル中華民國ニ於ケル麻藥及生阿片ノ取締ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ麻藥ノ種類ハ外務大臣之ヲ定ム
第二條 麻藥及生阿片ハ中華民國ニ於テ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
罌粟ハ中華民國ニ於テ生阿片製造ノ用ニ供スル目的ヲ以テ同國ニ於テ之ヲ栽培スルコトヲ得ズ
第三條 麻藥及生阿片ハ中華民國ヨリ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
第四條 麻藥及生阿片ハ中華民國ニ之ヲ輸入スルコトヲ得ズ
第五條 麻藥ハ中華民國ニ於テ一ノ領事官ノ管轄區域ヨリ他ノ領事官ノ管轄區域ニ之ヲ搬出スルコトヲ得ズ
第六條 中華民國ニ在ル麻藥及生阿片ハ之ヲ讓渡シ若ハ讓受ケ又ハ交付シ若ハ收受スルコトヲ得ズ
第七條 前三條ノ規定中麻藥ニ關スル部分ハ醫業者、藥業者其ノ他外務大臣ノ指定スル者外務大臣ノ定ムル所ニ依リ麻藥ヲ輸入シ、搬出シ、讓渡シ若ハ讓受ケ又ハ交付シ若ハ收受スル場合ニハ之ヲ適用セズ
第八條 麻藥ハ藥業者ニ非ザレバ販賣ノ目的ヲ以テ中華民國ニ於テ之ヲ所持スルコトヲ得ズ
生阿片ハ中華民國ニ於テ之ヲ所持スルコトヲ得ズ
第九條 麻藥ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ヲ除クノ外中華民國ニ於テ自己又ハ他人ニ之ヲ施用スルコトヲ得ズ
一 醫業者ガ業務上施用スルトキ
二 患者又ハ其ノ看護ヲ爲ス者ガ醫業者ノ業務上ノ指示ニ從ヒ施用スルトキ
三 前二號ノ外外務大臣ノ指定スル者外務大臣ノ定ムル所ニ依リ施用スルトキ
第十條 本令ニ於テ醫業者トハ醫業、齒科醫業又ハ獸醫業ヲ行フ者ニシテ外務大臣ノ定ムルモノ、藥業者トハ調劑業、藥品製造業又ハ藥品販賣業ヲ行フ者ニシテ外務大臣ノ定ムルモノヲ謂フ
第十一條 第二條乃至第六條、第八條又ハ第九條ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十二條 中華民國ニ於テ麻藥製造ノ用ニ供スル目的ヲ以テ同國ニ於テ器械又ハ原料ヲ準備シタル者ハ六月以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十三條 第二條乃至前條ニ定ムルモノノ外麻藥ノ取締ニ關シ必要ナル事項ハ外務大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十六年八月二十日ヨリ之ヲ施行ス
朕中華民国ニ於ケル麻薬等取締令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年八月十二日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
外務大臣 豊田貞次郎
勅令第八百十五号
中華民国ニ於ケル麻薬等取締令
第一条 帝国臣民及帝国法人ニ対スル中華民国ニ於ケル麻薬及生阿片ノ取締ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ麻薬ノ種類ハ外務大臣之ヲ定ム
第二条 麻薬及生阿片ハ中華民国ニ於テ之ヲ製造スルコトヲ得ズ
罌粟ハ中華民国ニ於テ生阿片製造ノ用ニ供スル目的ヲ以テ同国ニ於テ之ヲ栽培スルコトヲ得ズ
第三条 麻薬及生阿片ハ中華民国ヨリ之ヲ輸出スルコトヲ得ズ
第四条 麻薬及生阿片ハ中華民国ニ之ヲ輸入スルコトヲ得ズ
第五条 麻薬ハ中華民国ニ於テ一ノ領事官ノ管轄区域ヨリ他ノ領事官ノ管轄区域ニ之ヲ搬出スルコトヲ得ズ
第六条 中華民国ニ在ル麻薬及生阿片ハ之ヲ譲渡シ若ハ譲受ケ又ハ交付シ若ハ収受スルコトヲ得ズ
第七条 前三条ノ規定中麻薬ニ関スル部分ハ医業者、薬業者其ノ他外務大臣ノ指定スル者外務大臣ノ定ムル所ニ依リ麻薬ヲ輸入シ、搬出シ、譲渡シ若ハ譲受ケ又ハ交付シ若ハ収受スル場合ニハ之ヲ適用セズ
第八条 麻薬ハ薬業者ニ非ザレバ販売ノ目的ヲ以テ中華民国ニ於テ之ヲ所持スルコトヲ得ズ
生阿片ハ中華民国ニ於テ之ヲ所持スルコトヲ得ズ
第九条 麻薬ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ヲ除クノ外中華民国ニ於テ自己又ハ他人ニ之ヲ施用スルコトヲ得ズ
一 医業者ガ業務上施用スルトキ
二 患者又ハ其ノ看護ヲ為ス者ガ医業者ノ業務上ノ指示ニ従ヒ施用スルトキ
三 前二号ノ外外務大臣ノ指定スル者外務大臣ノ定ムル所ニ依リ施用スルトキ
第十条 本令ニ於テ医業者トハ医業、歯科医業又ハ獣医業ヲ行フ者ニシテ外務大臣ノ定ムルモノ、薬業者トハ調剤業、薬品製造業又ハ薬品販売業ヲ行フ者ニシテ外務大臣ノ定ムルモノヲ謂フ
第十一条 第二条乃至第六条、第八条又ハ第九条ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二百円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
第十二条 中華民国ニ於テ麻薬製造ノ用ニ供スル目的ヲ以テ同国ニ於テ器械又ハ原料ヲ準備シタル者ハ六月以下ノ懲役又ハ百円以下ノ罰金ニ処ス
第十三条 第二条乃至前条ニ定ムルモノノ外麻薬ノ取締ニ関シ必要ナル事項ハ外務大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十六年八月二十日ヨリ之ヲ施行ス