(国民労務手帳法及国民労務手帳法施行令ノ国ノ事業ニ関スル特例ノ件)
法令番号: 勅令第七百五號
公布年月日: 昭和16年6月14日
法令の形式: 勅令
朕國民勞務手帳法及國民勞務手帳法施行令ノ國ノ事業ニ關スル特例ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月十三日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
內務大臣 男爵 平沼騏一郞
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田淸
陸軍大臣 東條英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
大藏大臣 河田烈
遞信大臣 村田省藏
海軍大臣 及川古志郞
鐵道大臣 小川鄕太郞
司法大臣 柳川平助
商工大臣 豊田貞次郞
農林大臣 井野碩哉
勅令第七百五號
第一條 官衙(陸海軍ノ部隊及學校ヲ含ム以下同ジ)ニシテ從業者ヲ使用スルモノ(以下事業官廳ト稱ス)其ノ使用スル從業者(以下官廳從業者ト稱ス)ヲ使用セザルニ至リタル場合ニ於テ國民勞務手帳法施行令(以下施行令ト稱ス)第八條第一項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキハ官廳從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以內ニ同條第三項ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ通知ヲ爲シタル後國民勞務手帳ヲ返還シタルトキ亦同ジ
第二條 事業官廳施行令第八條第一項ノ規定ニ依リ國民勞務手帳ヲ返還セザルトキハ官廳從業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ三月間之ヲ保管シ其ノ期間經過シタルトキハ同條第四項ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ之ヲ送付スベシ
第三條 官廳從業者タリシ者國民勞務手帳ノ返還ニ關シ異議アルトキハ其ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以內ニ從前ノ事業官廳ノ所轄官衙(事業官廳ガ陸海軍ノ部隊又ハ學校ナル場合ニ於テハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル官衙トシ其ノ他ノ場合ニ於テ所轄官衙ナキトキハ事業官廳トス)ニ其ノ旨申立ツルコトヲ得
國民勞務手帳法第六條及第七條ノ規定ハ國ノ事業ニ關シテハ之ヲ適用セズ
第四條 事業官廳ハ官廳從業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ其ノ者ニ國民勞務手帳ヲ返還スルコト能ハザルトキハ事由ヲ具シ施行令第十一條ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ之ヲ送付スベシ
第五條 施行令第十二條第二號又ハ第三號ニ該當スル場合ニ於テ地方長官又ハ國民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ同條ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ニ對シ國民勞務手帳ノ送付ヲ求ムルコトヲ得
第六條 地方長官又ハ國民職業指導所長施行令第十三條ノ規定ニ依リ官廳從業者ニ對シ國民勞務手帳ノ返納ヲ命ズルトキハ事業官廳ヲ經由シテ之ヲ爲スベシ
第七條 事業官廳官廳從業者ノ使用ヲ開始シタルトキハ施行令第十四條各號ニ揭グル事項ヲ國民勞務手帳ニ記載シ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ同條ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ
第八條 事業官廳官廳從業者ヲ使用セザルニ至リタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ施行令第十五條ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ガ引續キ他ノ事業官廳ノ官廳從業者タルトキハ當該事業官廳ニ國民勞務手帳ノ保管ヲ移シ、官廳從業者タラザルトキハ國民勞務手帳ヲ其ノ者ニ返還スベシ
前項ノ場合ニ於テハ事業官廳ハ官廳從業者ヲ使用セザルニ至リタル日ヨリ十四日以內ニ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ
第九條 事業官廳ハ官廳從業者ニ關シ施行令第二條第一號、第三號乃至第六號、第八號、第九號、第十一號乃至第十三號又ハ第十五號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ同令第十六條第一項ノ規定ニ拘ラズ十四日以內(第十二條ノ規定ニ依ル報吿アルモノニ付テハ報吿アリタル日ヨリ十四日以內)ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ通知スベシ
第十條 官廳從業者ニシテ國民職業能力申吿令ニ依リ申吿シ居ル要申吿者タルモノ(同令第二條第六號ニ該當スル者ヲ除ク)同令第十一條ノ規定ニ該當スルニ至リタルトキハ事業官廳ハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ施行令第二十一條ノ規定ニ拘ラズ第二項ノ規定ニ依ル報吿アリタル日ヨリ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ通知スベシ通知ヲ爲シタル後ニ於テ國民職業能力申吿令第十一條ノ規定ニ該當セザルニ至リタルトキ亦同ジ
官廳從業者前項ノ場合ニ於テ國民職業能力申吿令第十一條ノ規定ニ該當スルニ至リタルトキ又ハ該當セザルニ至リタルトキハ直ニ事業官廳ニ其ノ旨報吿スベシ
第十一條 事業官廳ハ官廳從業者死亡シタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ十四日以內ニ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ施行令第二十二條ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ通知スベシ
第十二條 官廳從業者ハ施行令第二條第一號、第三號乃至第六號、第十二號、第十三號又ハ第十五號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ直ニ事業官廳ニ其ノ旨報吿スベシ
第十三條 厚生大臣、地方長官又ハ國民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ國民勞務手帳法第十六條第一項ノ規定ニ拘ラズ事業官廳ニ對シ官廳從業者ニ關シ通知ヲ求ムルコトヲ得
厚生大臣、地方長官又ハ國民職業指導所長國民勞務手帳法第十六條第一項ノ規定ニ依リ官廳從業者ニ對シ出頭ヲ求メ又ハ其ノ者ヨリ報吿ヲ徵スルトキハ事業官廳ヲ經由シテ之ヲ爲スベシ
第十四條 國民勞務手帳法第十六條第二項及第三項ノ規定ハ國ノ事業ニ關シテハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ昭和十六年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ國民勞務手帳法第二條ノ規定實施ノ爲ニ豫メ必要ナル範圍內ニ於テハ同年七月二十一日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年九月三十日迄ニ官廳從業者タルニ至リタル者ニシテ引續キ同年十月一日以後官廳從業者タラントスルモノハ施行令附則第二項ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ事業官廳ヲ經由シ事業官廳ノ所在地ヲ管轄スル國民職業指導所長ニ國民勞務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
前項ノ申請ニ基キ國民勞務手帳ノ交付ヲ受ケタル者其ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ昭和十六年九月三十日迄ニ施行令第二條第一號、第三號乃至第九號又ハ第十一號乃至第十三號ニ揭グル事項ニ變更アリタルトキハ其ノ旨國民勞務手帳ニ記載シ同年十月十四日迄ニ事業官廳ヲ經由シテ當該國民勞務手帳ノ提示ニ依リ前項ノ申請ヲ爲シタル國民職業指導所長ニ報吿スベシ但シ國民職業能力申吿令ニ依リ申吿シ居ル要申吿者タル者(同令第二條第六號ニ該當スル者ヲ除ク)ニ付當該變更ニ關シ同令第四條第二項又ハ第六條ノ規定ニ依ル申吿アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
朕国民労務手帳法及国民労務手帳法施行令ノ国ノ事業ニ関スル特例ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年六月十三日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
内務大臣 男爵 平沼騏一郎
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田清
陸軍大臣 東条英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
大蔵大臣 河田烈
逓信大臣 村田省蔵
海軍大臣 及川古志郎
鉄道大臣 小川郷太郎
司法大臣 柳川平助
商工大臣 豊田貞次郎
農林大臣 井野碩哉
勅令第七百五号
第一条 官衙(陸海軍ノ部隊及学校ヲ含ム以下同ジ)ニシテ従業者ヲ使用スルモノ(以下事業官庁ト称ス)其ノ使用スル従業者(以下官庁従業者ト称ス)ヲ使用セザルニ至リタル場合ニ於テ国民労務手帳法施行令(以下施行令ト称ス)第八条第一項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ返還セザルトキハ官庁従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以内ニ同条第三項ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ通知ヲ為シタル後国民労務手帳ヲ返還シタルトキ亦同ジ
第二条 事業官庁施行令第八条第一項ノ規定ニ依リ国民労務手帳ヲ返還セザルトキハ官庁従業者ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ三月間之ヲ保管シ其ノ期間経過シタルトキハ同条第四項ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ之ヲ送付スベシ
第三条 官庁従業者タリシ者国民労務手帳ノ返還ニ関シ異議アルトキハ其ノ退職シタル日又ハ解雇セラレタル日ヨリ十四日以内ニ従前ノ事業官庁ノ所轄官衙(事業官庁ガ陸海軍ノ部隊又ハ学校ナル場合ニ於テハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル官衙トシ其ノ他ノ場合ニ於テ所轄官衙ナキトキハ事業官庁トス)ニ其ノ旨申立ツルコトヲ得
国民労務手帳法第六条及第七条ノ規定ハ国ノ事業ニ関シテハ之ヲ適用セズ
第四条 事業官庁ハ官庁従業者タリシ者所在不明其ノ他ノ事由ニ因リ其ノ者ニ国民労務手帳ヲ返還スルコト能ハザルトキハ事由ヲ具シ施行令第十一条ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ之ヲ送付スベシ
第五条 施行令第十二条第二号又ハ第三号ニ該当スル場合ニ於テ地方長官又ハ国民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ同条ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ニ対シ国民労務手帳ノ送付ヲ求ムルコトヲ得
第六条 地方長官又ハ国民職業指導所長施行令第十三条ノ規定ニ依リ官庁従業者ニ対シ国民労務手帳ノ返納ヲ命ズルトキハ事業官庁ヲ経由シテ之ヲ為スベシ
第七条 事業官庁官庁従業者ノ使用ヲ開始シタルトキハ施行令第十四条各号ニ掲グル事項ヲ国民労務手帳ニ記載シ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ同条ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ
第八条 事業官庁官庁従業者ヲ使用セザルニ至リタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ施行令第十五条ノ規定ニ拘ラズ其ノ者ガ引続キ他ノ事業官庁ノ官庁従業者タルトキハ当該事業官庁ニ国民労務手帳ノ保管ヲ移シ、官庁従業者タラザルトキハ国民労務手帳ヲ其ノ者ニ返還スベシ
前項ノ場合ニ於テハ事業官庁ハ官庁従業者ヲ使用セザルニ至リタル日ヨリ十四日以内ニ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ其ノ旨通知スベシ
第九条 事業官庁ハ官庁従業者ニ関シ施行令第二条第一号、第三号乃至第六号、第八号、第九号、第十一号乃至第十三号又ハ第十五号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ同令第十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ十四日以内(第十二条ノ規定ニ依ル報告アルモノニ付テハ報告アリタル日ヨリ十四日以内)ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ通知スベシ
第十条 官庁従業者ニシテ国民職業能力申告令ニ依リ申告シ居ル要申告者タルモノ(同令第二条第六号ニ該当スル者ヲ除ク)同令第十一条ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキハ事業官庁ハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ施行令第二十一条ノ規定ニ拘ラズ第二項ノ規定ニ依ル報告アリタル日ヨリ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ通知スベシ通知ヲ為シタル後ニ於テ国民職業能力申告令第十一条ノ規定ニ該当セザルニ至リタルトキ亦同ジ
官庁従業者前項ノ場合ニ於テ国民職業能力申告令第十一条ノ規定ニ該当スルニ至リタルトキ又ハ該当セザルニ至リタルトキハ直ニ事業官庁ニ其ノ旨報告スベシ
第十一条 事業官庁ハ官庁従業者死亡シタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ十四日以内ニ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ施行令第二十二条ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ通知スベシ
第十二条 官庁従業者ハ施行令第二条第一号、第三号乃至第六号、第十二号、第十三号又ハ第十五号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ直ニ事業官庁ニ其ノ旨報告スベシ
第十三条 厚生大臣、地方長官又ハ国民職業指導所長必要アリト認ムルトキハ国民労務手帳法第十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ事業官庁ニ対シ官庁従業者ニ関シ通知ヲ求ムルコトヲ得
厚生大臣、地方長官又ハ国民職業指導所長国民労務手帳法第十六条第一項ノ規定ニ依リ官庁従業者ニ対シ出頭ヲ求メ又ハ其ノ者ヨリ報告ヲ徴スルトキハ事業官庁ヲ経由シテ之ヲ為スベシ
第十四条 国民労務手帳法第十六条第二項及第三項ノ規定ハ国ノ事業ニ関シテハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ昭和十六年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ国民労務手帳法第二条ノ規定実施ノ為ニ予メ必要ナル範囲内ニ於テハ同年七月二十一日ヨリ之ヲ施行ス
昭和十六年九月三十日迄ニ官庁従業者タルニ至リタル者ニシテ引続キ同年十月一日以後官庁従業者タラントスルモノハ施行令附則第二項ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ事業官庁ヲ経由シ事業官庁ノ所在地ヲ管轄スル国民職業指導所長ニ国民労務手帳ノ交付ヲ申請スベシ
前項ノ申請ニ基キ国民労務手帳ノ交付ヲ受ケタル者其ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ昭和十六年九月三十日迄ニ施行令第二条第一号、第三号乃至第九号又ハ第十一号乃至第十三号ニ掲グル事項ニ変更アリタルトキハ其ノ旨国民労務手帳ニ記載シ同年十月十四日迄ニ事業官庁ヲ経由シテ当該国民労務手帳ノ提示ニ依リ前項ノ申請ヲ為シタル国民職業指導所長ニ報告スベシ但シ国民職業能力申告令ニ依リ申告シ居ル要申告者タル者(同令第二条第六号ニ該当スル者ヲ除ク)ニ付当該変更ニ関シ同令第四条第二項又ハ第六条ノ規定ニ依ル申告アリタルトキハ此ノ限ニ在ラズ