海軍火薬廠及海軍燃料廠作業会計規則
法令番号: 勅令第四百六十九號
公布年月日: 昭和16年4月21日
法令の形式: 勅令
朕海軍火藥廠及海軍燃料廠作業會計規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年四月十九日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
大藏大臣 河田烈
海軍大臣 及川古志郞
勅令第四百六十九號
海軍火藥廠及海軍燃料廠作業會計規則
第一條 歲入歲出ノ豫定計算書ハ海軍大臣之ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
前項ノ豫定計算書ニハ其ノ年三月三十一日ニ終リタル會計年度ノ受拂勘定表及固定資本價格增減表ヲ添附スベシ
第二條 各會計ニ於テハ据置運轉資本ニ屬スル現金ノ持越高及當該年度ノ收入濟歲入額ヲ以テ支拂元受高トシ歲出ヲ支出スルハ此ノ支拂元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第三條 每年度ニ屬スル歲出ヲ支出スル爲小切手ヲ振出スハ當該年度三月三十一日限トス但シ會計法第十九條ノ規定ニ依リ歲出金ニ繰替使用シタル現金補塡ノ爲ニスル支出ニ付テハ翌年度四月三十日迄小切手ヲ振出スコトヲ得
第四條 每年度ニ屬スル定額戾入ヲ爲スハ當該年度三月三十一日限トス
第五條 每年度內ニ收入ヲ爲スベキ權利ヲ得テ當該年度內ニ收入濟ト爲ラザルモノハ收入未濟トシテ遞次翌年度ニ繰越シ現ニ收入ヲ爲シタル年度ノ歲入ニ組入ルベシ
第六條 每年度內ニ支拂ヲ爲スベキ義務ヲ生ジ當該年度內ニ小切手ヲ振出サザルモノハ支出未濟トシテ遞次翌年度ニ繰越シ時效完成ニ至ル迄ハ支拂ノ請求アル每ニ小切手ヲ振出スベシ但シ支出未濟ノ繰越額ハ支出濟額ト合シテ豫算定額ヲ超過スルコトヲ得ズ
第七條 歲入歲出ノ決定計算書ハ海軍大臣之ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スベシ
第八條 資本ハ價格ヲ附シテ之ヲ計算スベシ
第九條 資本ノ價格ハ左ノ方法ニ依リテ之ヲ定ム
一 土地ニ付テハ購入價格又ハ交換價格ニ依ル但シ購入價格又ハ交換價格ニ依ルコト能ハザルトキハ近隣地ノ賣買價格五年間ノ平均ニ依リ、近隣ニ比較スベキ相當ノ土地ナキトキハ五人以上ノ評價人ヲ定メ其ノ評價額ノ平均ニ依ル
二 建物、工作物、船舶、機械、器具及其ノ他ノ物品ニ付テハ建造費、製作費又ハ購入價格ニ依ル但シ建造費、製作費又ハ購入價格ニ依ルコト能ハザルトキハ二人以上ノ評價人ヲ定メ其ノ評價額ノ平均ニ依ル
三 材料素品及機械運轉用品ニ付テハ購入價格ニ依ル
四 半製品及生產品ニ付テハ生產費ニ依ル
第十條 土地ノ價格ハ近隣地ノ賣買價格五年間ノ平均ニ依リ、近隣ニ比較スベキ相當ノ土地ナキトキハ五人以上ノ評價人ヲ定メ其ノ評價額ニ依リ每五年度ニ之ヲ改定スベシ
第十一條 建物、工作物、船舶、機械、器具及其ノ他ノ物品ハ永遠保存品ヲ除キ保存期限ヲ定メ其ノ期限ニ應ジテ每年度價格ヲ遞減スベシ
前項ノ規定ニ依リ價格ヲ遞減スベキ物件ニシテ固定資本ニ屬スルモノヲ修理シタルトキハ其ノ修理費ヲ當年度ノ價格ニ加ヘ殘存期限ニ應ジテ價格ヲ遞減スベシ
第十二條 前條第二項ノ場合ニ於テハ保存期限ヲ延長スルコトヲ得
第十三條 每年度末ニ現在スル材料素品、機械運轉用品、半製品及生產品ノ價格ハ賣買契約濟ノモノニ付テハ其ノ賣渡代價ニ依リ、其ノ他ノモノニ付テハ其ノ市價又ハ當年度ノ生產費ガ第九條ノ規定ニ依リテ定マリタル價格ヲ下リタル場合ニ限リ市價又ハ當年度ノ生產費ニ依リ之ヲ改定スベシ
第十四條 材料素品、機械運轉用品、半製品及生產品ニシテ毀損、變質其ノ他ノ事由ニ因リ減損シタルモノニ付テハ其ノ割合ニ應ジ其ノ價格ヲ改定スベシ
第十五條 材料素品、機械運轉用品、半製品、生產品其ノ他ノ物品ニシテ不用ニ歸シタルモノハ損失トシ其ノ價格ヲ削除シテ不用物品ニ組入レ之ヲ賣拂フベシ
第十六條 歲入ノ收入濟額、收入未濟額、据置運轉資本ニ屬スル現金ノ持越高、總生產品ノ價格、總半製品ノ價格、總材料素品ノ價格、總機械運轉用品ノ價格、作業場用總器具備品ノ價格及代價支出濟未收物品ノ價格ヲ以テ受入トシ歲出ノ支出濟額、支出未濟額、据置運轉資本額、賣拂代價收入濟旣出物品ノ價格、賣拂代價收入濟未出物品ノ價格、賣拂代價收入未濟旣出物品ノ價格、消費シタル半製品ノ價格、消費シタル材料素品ノ價格、消費シタル機械運轉用品ノ價格及損失ニ歸シタル物品ノ價格ヲ以テ拂出トシ受入ノ總額ヨリ拂出ノ總額ヲ控除シ殘餘アルトキハ作業ノ益金トシテ其ノ事業ヲ營ミタル年度ノ一般ノ歲入ニ納付スベシ
第十七條 海軍火藥廠及海軍燃料廠ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ其ノ事業ニ關スル一切ノ計算ヲ登記スベシ
第十八條 支出官ハ支出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第十九條 海軍省ハ歲出簿ノ外支拂元受高差引簿ヲ備ヘ支拂元受高、支出濟額及殘額ヲ登記スベシ
第二十條 本令ニ規定セザルモノニ付テハ會計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
作業會計規則第三十四條中「海軍火藥廠、海軍燃料廠、」及同令第三十五條中「海軍火藥本廠長、海軍燃料廠長、」ヲ削ル
朕海軍火薬廠及海軍燃料廠作業会計規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年四月十九日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
大蔵大臣 河田烈
海軍大臣 及川古志郎
勅令第四百六十九号
海軍火薬廠及海軍燃料廠作業会計規則
第一条 歳入歳出ノ予定計算書ハ海軍大臣之ヲ調製シ前年度九月三十日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
前項ノ予定計算書ニハ其ノ年三月三十一日ニ終リタル会計年度ノ受払勘定表及固定資本価格増減表ヲ添附スベシ
第二条 各会計ニ於テハ据置運転資本ニ属スル現金ノ持越高及当該年度ノ収入済歳入額ヲ以テ支払元受高トシ歳出ヲ支出スルハ此ノ支払元受高ヲ超過スルコトヲ得ズ
第三条 毎年度ニ属スル歳出ヲ支出スル為小切手ヲ振出スハ当該年度三月三十一日限トス但シ会計法第十九条ノ規定ニ依リ歳出金ニ繰替使用シタル現金補填ノ為ニスル支出ニ付テハ翌年度四月三十日迄小切手ヲ振出スコトヲ得
第四条 毎年度ニ属スル定額戻入ヲ為スハ当該年度三月三十一日限トス
第五条 毎年度内ニ収入ヲ為スベキ権利ヲ得テ当該年度内ニ収入済ト為ラザルモノハ収入未済トシテ逓次翌年度ニ繰越シ現ニ収入ヲ為シタル年度ノ歳入ニ組入ルベシ
第六条 毎年度内ニ支払ヲ為スベキ義務ヲ生ジ当該年度内ニ小切手ヲ振出サザルモノハ支出未済トシテ逓次翌年度ニ繰越シ時効完成ニ至ル迄ハ支払ノ請求アル毎ニ小切手ヲ振出スベシ但シ支出未済ノ繰越額ハ支出済額ト合シテ予算定額ヲ超過スルコトヲ得ズ
第七条 歳入歳出ノ決定計算書ハ海軍大臣之ヲ調製シ翌年度七月三十一日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スベシ
第八条 資本ハ価格ヲ附シテ之ヲ計算スベシ
第九条 資本ノ価格ハ左ノ方法ニ依リテ之ヲ定ム
一 土地ニ付テハ購入価格又ハ交換価格ニ依ル但シ購入価格又ハ交換価格ニ依ルコト能ハザルトキハ近隣地ノ売買価格五年間ノ平均ニ依リ、近隣ニ比較スベキ相当ノ土地ナキトキハ五人以上ノ評価人ヲ定メ其ノ評価額ノ平均ニ依ル
二 建物、工作物、船舶、機械、器具及其ノ他ノ物品ニ付テハ建造費、製作費又ハ購入価格ニ依ル但シ建造費、製作費又ハ購入価格ニ依ルコト能ハザルトキハ二人以上ノ評価人ヲ定メ其ノ評価額ノ平均ニ依ル
三 材料素品及機械運転用品ニ付テハ購入価格ニ依ル
四 半製品及生産品ニ付テハ生産費ニ依ル
第十条 土地ノ価格ハ近隣地ノ売買価格五年間ノ平均ニ依リ、近隣ニ比較スベキ相当ノ土地ナキトキハ五人以上ノ評価人ヲ定メ其ノ評価額ニ依リ毎五年度ニ之ヲ改定スベシ
第十一条 建物、工作物、船舶、機械、器具及其ノ他ノ物品ハ永遠保存品ヲ除キ保存期限ヲ定メ其ノ期限ニ応ジテ毎年度価格ヲ逓減スベシ
前項ノ規定ニ依リ価格ヲ逓減スベキ物件ニシテ固定資本ニ属スルモノヲ修理シタルトキハ其ノ修理費ヲ当年度ノ価格ニ加ヘ残存期限ニ応ジテ価格ヲ逓減スベシ
第十二条 前条第二項ノ場合ニ於テハ保存期限ヲ延長スルコトヲ得
第十三条 毎年度末ニ現在スル材料素品、機械運転用品、半製品及生産品ノ価格ハ売買契約済ノモノニ付テハ其ノ売渡代価ニ依リ、其ノ他ノモノニ付テハ其ノ市価又ハ当年度ノ生産費ガ第九条ノ規定ニ依リテ定マリタル価格ヲ下リタル場合ニ限リ市価又ハ当年度ノ生産費ニ依リ之ヲ改定スベシ
第十四条 材料素品、機械運転用品、半製品及生産品ニシテ毀損、変質其ノ他ノ事由ニ因リ減損シタルモノニ付テハ其ノ割合ニ応ジ其ノ価格ヲ改定スベシ
第十五条 材料素品、機械運転用品、半製品、生産品其ノ他ノ物品ニシテ不用ニ帰シタルモノハ損失トシ其ノ価格ヲ削除シテ不用物品ニ組入レ之ヲ売払フベシ
第十六条 歳入ノ収入済額、収入未済額、据置運転資本ニ属スル現金ノ持越高、総生産品ノ価格、総半製品ノ価格、総材料素品ノ価格、総機械運転用品ノ価格、作業場用総器具備品ノ価格及代価支出済未収物品ノ価格ヲ以テ受入トシ歳出ノ支出済額、支出未済額、据置運転資本額、売払代価収入済既出物品ノ価格、売払代価収入済未出物品ノ価格、売払代価収入未済既出物品ノ価格、消費シタル半製品ノ価格、消費シタル材料素品ノ価格、消費シタル機械運転用品ノ価格及損失ニ帰シタル物品ノ価格ヲ以テ払出トシ受入ノ総額ヨリ払出ノ総額ヲ控除シ残余アルトキハ作業ノ益金トシテ其ノ事業ヲ営ミタル年度ノ一般ノ歳入ニ納付スベシ
第十七条 海軍火薬廠及海軍燃料廠ハ日記簿、原簿及補助簿ヲ備ヘ其ノ事業ニ関スル一切ノ計算ヲ登記スベシ
第十八条 支出官ハ支出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第十九条 海軍省ハ歳出簿ノ外支払元受高差引簿ヲ備ヘ支払元受高、支出済額及残額ヲ登記スベシ
第二十条 本令ニ規定セザルモノニ付テハ会計規則ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
作業会計規則第三十四条中「海軍火薬廠、海軍燃料廠、」及同令第三十五条中「海軍火薬本廠長、海軍燃料廠長、」ヲ削ル