(高等試験令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第一號
公布年月日: 昭和16年1月6日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ高等試驗令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月四日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
外務大臣 松岡洋右
司法大臣 柳川平助
勅令第一號
高等試驗令中左ノ通改正ス
第一條中「奏任文官ノ任用資格試驗、外交官及領事官ノ任用資格試驗」ヲ「奏任文官及外交官領事官ノ任用資格試驗」ニ改ム
第十條 本試驗ヲ分チテ行政科及司法科ノ二科トス
受驗者ハ二科ノ試驗ヲ併セ受クルコトヲ得
第十三條 行政科試驗ノ筆記試驗ハ左ノ七科目ニ付之ヲ行フ
一 憲法
二 國史
三 行政法
四 經濟學
五 民法、國際公法及外國語ノ中二科目(受驗者ヲシテ豫メ選擇セシム)
六 哲學、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、國際公法、國際私法、政治學、財政學、經濟政策、外交史、經濟地理及外國語ノ中一科目(受驗者ヲシテ豫メ選擇セシム但シ民法、國際公法及外國語ハ受驗者ガ前號ニ於テ選擇セザル場合ニ限リ之ヲ選擇スルコトヲ得)
行政科試驗ノ口述試驗ハ國史、行政法(筆記試驗ニ於テ國際公法及外國語ヲ受驗シタル者ニ付テハ其ノ志望ニ依リ國際公法ヲ以テ之ニ代フ)及經濟學ニ付之ヲ行フ
外國語ハ英語、佛語、獨語、支那語、露語及西班牙語ノ中ニ就キ受驗者ヲシテ豫メ一種ヲ選擇セシム
受驗者ノ願ニ依リ其ノ選擇シタル外國語ノ外他ノ外國語ヲ併セ試驗スルコトアルベシ
第十四條 削除
第十五條 司法科試驗ノ筆記試驗ハ左ノ七科目ニ付之ヲ行フ
一 憲法
二 國史
三 民法
四 刑法
五 商法、民事訴訟法及刑事訴訟法ノ中二科目(受驗者ヲシテ豫メ選擇セシム)
六 哲學、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、破產法、行政法、國際私法、經濟學及刑事政策ノ中一科目(受驗者ヲシテ豫メ選擇セシム但シ商法、民事訴訟法及刑事訴訟法ハ受驗者ガ前號ニ於テ選擇セザル場合ニ限リ之ヲ選擇スルコトヲ得)
司法科試驗ノ口述試驗ハ國史、民法及刑法ニ付之ヲ行フ
第十六條 第十三條及前條ニ揭グル科目中必要ト認ムルモノニ付テハ閣令ヲ以テ其ノ範圍ヲ定ムルコトヲ得
第十八條 一ノ科ノ本試驗ニ合格シタル者ニシテ他ノ科ノ本試驗ヲ受ケントスルモノニ付テハ受驗者ノ願ニ依リ其ノ旣ニ受驗シタル科目ノ試驗ヲ免ズ但シ行政科本試驗ヲ受ケントスル者ニ在リテハ行政法及經濟學、司法科本試驗ヲ受ケントスル者ニ在リテハ民法及刑法ノ試驗ハ之ヲ免ゼズ
附 則
本令ハ昭和十七年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
從前ノ規定ニ依ル行政科又ハ外交科ノ本試驗又ハ其ノ筆記試驗ニ合格シタル者ハ各之ヲ改正規定ニ依ル行政科ノ本試驗又ハ其ノ筆記試驗ニ合格シタル者ト看做ス
前項ノ規定ニ依リ改正規定ニ依ル行政科試驗ノ筆記試驗ニ合格シタル者ト看做サレタル者及從前ノ規定ニ依リ司法科試驗ノ筆記試驗ニ合格シタル者ニ對シテ第十七條ノ規定ヲ適用シテ口述試驗ヲ行フ場合ニ於テハ仍從前ノ例ニ依ル
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ高等試験令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年一月四日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
外務大臣 松岡洋右
司法大臣 柳川平助
勅令第一号
高等試験令中左ノ通改正ス
第一条中「奏任文官ノ任用資格試験、外交官及領事官ノ任用資格試験」ヲ「奏任文官及外交官領事官ノ任用資格試験」ニ改ム
第十条 本試験ヲ分チテ行政科及司法科ノ二科トス
受験者ハ二科ノ試験ヲ併セ受クルコトヲ得
第十三条 行政科試験ノ筆記試験ハ左ノ七科目ニ付之ヲ行フ
一 憲法
二 国史
三 行政法
四 経済学
五 民法、国際公法及外国語ノ中二科目(受験者ヲシテ予メ選択セシム)
六 哲学、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法、国際公法、国際私法、政治学、財政学、経済政策、外交史、経済地理及外国語ノ中一科目(受験者ヲシテ予メ選択セシム但シ民法、国際公法及外国語ハ受験者ガ前号ニ於テ選択セザル場合ニ限リ之ヲ選択スルコトヲ得)
行政科試験ノ口述試験ハ国史、行政法(筆記試験ニ於テ国際公法及外国語ヲ受験シタル者ニ付テハ其ノ志望ニ依リ国際公法ヲ以テ之ニ代フ)及経済学ニ付之ヲ行フ
外国語ハ英語、仏語、独語、支那語、露語及西班牙語ノ中ニ就キ受験者ヲシテ予メ一種ヲ選択セシム
受験者ノ願ニ依リ其ノ選択シタル外国語ノ外他ノ外国語ヲ併セ試験スルコトアルベシ
第十四条 削除
第十五条 司法科試験ノ筆記試験ハ左ノ七科目ニ付之ヲ行フ
一 憲法
二 国史
三 民法
四 刑法
五 商法、民事訴訟法及刑事訴訟法ノ中二科目(受験者ヲシテ予メ選択セシム)
六 哲学、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、破産法、行政法、国際私法、経済学及刑事政策ノ中一科目(受験者ヲシテ予メ選択セシム但シ商法、民事訴訟法及刑事訴訟法ハ受験者ガ前号ニ於テ選択セザル場合ニ限リ之ヲ選択スルコトヲ得)
司法科試験ノ口述試験ハ国史、民法及刑法ニ付之ヲ行フ
第十六条 第十三条及前条ニ掲グル科目中必要ト認ムルモノニ付テハ閣令ヲ以テ其ノ範囲ヲ定ムルコトヲ得
第十八条 一ノ科ノ本試験ニ合格シタル者ニシテ他ノ科ノ本試験ヲ受ケントスルモノニ付テハ受験者ノ願ニ依リ其ノ既ニ受験シタル科目ノ試験ヲ免ズ但シ行政科本試験ヲ受ケントスル者ニ在リテハ行政法及経済学、司法科本試験ヲ受ケントスル者ニ在リテハ民法及刑法ノ試験ハ之ヲ免ゼズ
附 則
本令ハ昭和十七年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
従前ノ規定ニ依ル行政科又ハ外交科ノ本試験又ハ其ノ筆記試験ニ合格シタル者ハ各之ヲ改正規定ニ依ル行政科ノ本試験又ハ其ノ筆記試験ニ合格シタル者ト看做ス
前項ノ規定ニ依リ改正規定ニ依ル行政科試験ノ筆記試験ニ合格シタル者ト看做サレタル者及従前ノ規定ニ依リ司法科試験ノ筆記試験ニ合格シタル者ニ対シテ第十七条ノ規定ヲ適用シテ口述試験ヲ行フ場合ニ於テハ仍従前ノ例ニ依ル