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(刑法中改正法律)
法令番号: 法律第六十一號
公布年月日: 昭和16年3月12日
法令の形式: 法律
被改正法
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改正:
刑法
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル刑法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月十一日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
內務大臣 男爵 平沼騏一郞
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田淸
陸軍大臣 東條英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
商工大臣 小林一三
大藏大臣 河田烈
遞信大臣 村田省藏
農林大臣 石黑忠篤
海軍大臣 及川古志郞
鐵道大臣 小川鄕太郞
司法大臣 柳川平助
法律第六十一號
刑法中左ノ通改正ス
目次中「第七章 犯人藏匿及ヒ證憑湮滅ノ罪」ノ次ニ「第七章ノ二 安寧秩序ニ對スル罪」ヲ加フ
第四條第三號中「第百九十七條ノ罪」ヲ「第百九十七條乃至第百九十七條ノ三ノ罪」ニ改ム
第十八條第一項中「一日以上一年以下」ヲ「一日以上二年以下」ニ改メ同條第三項ヲ左ノ如ク改ム
罰金ヲ併科シタル場合又ハ罰金ト科料トヲ併科シタル場合ニ於ケル留置ノ期間ハ三年ヲ超ユルコトヲ得ス科料ヲ併科シタル場合ニ於ケル留置ノ期間ハ六十日ヲ超ユルコトヲ得ス
第十九條第一項第三號中「又ハ之ニ因リ得タル物」ヲ「若クハ之ニ因リ得タル物又ハ犯罪行爲ノ報酬トシテ得タル物」ニ改メ同項ニ左ノ一號ヲ加フ
四
前號ニ記載シタル物ノ對價トシテ得タル物
同條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但犯罪ノ後犯人以外ノ者情ヲ知リテ其物ヲ取得シタルトキハ犯人以外ノ者ニ屬スル場合ト雖モ之ヲ沒收スルコトヲ得
第十九條ノ二
前條第一項第三號及ヒ第四號ニ記載シタル物ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハサルトキハ其價額ヲ追徵スルコトヲ得
第二編第五章中第九十六條ノ次ニ左ノ二條ヲ加フ
第九十六條ノ二
强制執行ヲ免ルル目的ヲ以テ財產ヲ隱匿、損壞若クハ假裝讓渡シ又ハ假裝ノ債務ヲ負擔シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十六條ノ三
僞計若クハ威力ヲ用ヒ公ノ競賣又ハ入札ノ公正ヲ害スヘキ行爲ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
公正ナル價格ヲ害シ又ハ不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シタル者亦同シ
第百五條ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第七章ノ二 安寧秩序ニ對スル罪
第百五條ノ二
人心ヲ惑亂スルコトヲ目的トシテ虛僞ノ事實ヲ流布シタル者ハ五年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
銀行預金ノ取付其他經濟上ノ混亂ヲ誘發スルコトヲ目的トシテ虛僞ノ事實ヲ流布シタル者ハ七年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第百五條ノ三
戰時、天災其他ノ事變ニ際シ人心ノ惑亂又ハ經濟上ノ混亂ヲ誘發スヘキ虛僞ノ事實ヲ流布シタル者ハ三年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第百五條ノ四
戰時、天災其他ノ事變ニ際シ暴利ヲ得ルコトヲ目的トシテ金融界ノ攪亂、重要物資ノ生產又ハ配給ノ阻害其他ノ方法ニ依リ國民經濟ノ運行ヲ著シク阻害スル虞アル行爲ヲ爲シタル者ハ無期又ハ一年以上ノ懲役ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情狀ニ因リ十萬圓以下ノ罰金ヲ併科スルコトヲ得
第百十六條第一項中「三百圓以下ノ罰金」ヲ「千圓以下ノ罰金」ニ改ム
第百十七條ノ二
第百十六條又ハ前條第一項ノ行爲カ業務上必要ナル注意ヲ怠リタルニ因ルトキ又ハ重大ナル過失ニ出テタルトキハ三年以下ノ禁錮又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第百五十七條第一項中「二年以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金」ヲ「五年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金」ニ、同條第二項中「六月以下ノ懲役又ハ五十圓以下ノ罰金」ヲ「一年以下ノ懲役又ハ三百圓以下ノ罰金」ニ改ム
第百九十七條
公務員又ハ仲裁人其職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス請託ヲ受ケタル場合ニ於テハ五年以下ノ懲役ニ處ス
公務員又ハ仲裁人タラントスル者其擔當スヘキ職務ニ關シ請託ヲ受ケテ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ公務員又ハ仲裁人ト爲リタル場合ニ於テハ三年以下ノ懲役ニ處ス
第百九十七條ノ二
公務員又ハ仲裁人其職務ニ關シ請託ヲ受ケテ第三者ニ賄賂ヲ供與セシメ又ハ其供與ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス
第百九十七條ノ三
公務員又ハ仲裁人前二條ノ罪ヲ犯シ因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲ササルトキハ一年以上ノ有期懲役ニ處ス
公務員又ハ仲裁人其職務上不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲ササリシコトニ關シ賄賂ヲ收受、要求若クハ約束シ又ハ第三者ニ之ヲ供與セシメ其供與ヲ要求若クハ約束シタルトキ亦同シ
公務員又ハ仲裁人タリシ者其在職中請託ヲ受ケテ職務上不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲ササリシコトニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ處ス
第百九十七條ノ四
犯人又ハ情ヲ知リタル第三者ノ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス其全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハサルトキハ其價額ヲ追徵ス
第百九十八條
第百九十七條乃至第百九十七條ノ三ニ規定スル賄賂ヲ供與シ又ハ其申込若クハ約束ヲ爲シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル刑法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月十一日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
内務大臣 男爵 平沼騏一郎
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田清
陸軍大臣 東条英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
商工大臣 小林一三
大蔵大臣 河田烈
逓信大臣 村田省蔵
農林大臣 石黒忠篤
海軍大臣 及川古志郎
鉄道大臣 小川郷太郎
司法大臣 柳川平助
法律第六十一号
刑法中左ノ通改正ス
目次中「第七章 犯人蔵匿及ヒ証憑湮滅ノ罪」ノ次ニ「第七章ノ二 安寧秩序ニ対スル罪」ヲ加フ
第四条第三号中「第百九十七条ノ罪」ヲ「第百九十七条乃至第百九十七条ノ三ノ罪」ニ改ム
第十八条第一項中「一日以上一年以下」ヲ「一日以上二年以下」ニ改メ同条第三項ヲ左ノ如ク改ム
罰金ヲ併科シタル場合又ハ罰金ト科料トヲ併科シタル場合ニ於ケル留置ノ期間ハ三年ヲ超ユルコトヲ得ス科料ヲ併科シタル場合ニ於ケル留置ノ期間ハ六十日ヲ超ユルコトヲ得ス
第十九条第一項第三号中「又ハ之ニ因リ得タル物」ヲ「若クハ之ニ因リ得タル物又ハ犯罪行為ノ報酬トシテ得タル物」ニ改メ同項ニ左ノ一号ヲ加フ
四
前号ニ記載シタル物ノ対価トシテ得タル物
同条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但犯罪ノ後犯人以外ノ者情ヲ知リテ其物ヲ取得シタルトキハ犯人以外ノ者ニ属スル場合ト雖モ之ヲ没収スルコトヲ得
第十九条ノ二
前条第一項第三号及ヒ第四号ニ記載シタル物ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハサルトキハ其価額ヲ追徴スルコトヲ得
第二編第五章中第九十六条ノ次ニ左ノ二条ヲ加フ
第九十六条ノ二
強制執行ヲ免ルル目的ヲ以テ財産ヲ隠匿、損壊若クハ仮装譲渡シ又ハ仮装ノ債務ヲ負担シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第九十六条ノ三
偽計若クハ威力ヲ用ヒ公ノ競売又ハ入札ノ公正ヲ害スヘキ行為ヲ為シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
公正ナル価格ヲ害シ又ハ不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ談合シタル者亦同シ
第百五条ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第七章ノ二 安寧秩序ニ対スル罪
第百五条ノ二
人心ヲ惑乱スルコトヲ目的トシテ虚偽ノ事実ヲ流布シタル者ハ五年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
銀行預金ノ取付其他経済上ノ混乱ヲ誘発スルコトヲ目的トシテ虚偽ノ事実ヲ流布シタル者ハ七年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
第百五条ノ三
戦時、天災其他ノ事変ニ際シ人心ノ惑乱又ハ経済上ノ混乱ヲ誘発スヘキ虚偽ノ事実ヲ流布シタル者ハ三年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第百五条ノ四
戦時、天災其他ノ事変ニ際シ暴利ヲ得ルコトヲ目的トシテ金融界ノ攪乱、重要物資ノ生産又ハ配給ノ阻害其他ノ方法ニ依リ国民経済ノ運行ヲ著シク阻害スル虞アル行為ヲ為シタル者ハ無期又ハ一年以上ノ懲役ニ処ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ十万円以下ノ罰金ヲ併科スルコトヲ得
第百十六条第一項中「三百円以下ノ罰金」ヲ「千円以下ノ罰金」ニ改ム
第百十七条ノ二
第百十六条又ハ前条第一項ノ行為カ業務上必要ナル注意ヲ怠リタルニ因ルトキ又ハ重大ナル過失ニ出テタルトキハ三年以下ノ禁錮又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第百五十七条第一項中「二年以下ノ懲役又ハ百円以下ノ罰金」ヲ「五年以下ノ懲役又ハ千円以下ノ罰金」ニ、同条第二項中「六月以下ノ懲役又ハ五十円以下ノ罰金」ヲ「一年以下ノ懲役又ハ三百円以下ノ罰金」ニ改ム
第百九十七条
公務員又ハ仲裁人其職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ処ス請託ヲ受ケタル場合ニ於テハ五年以下ノ懲役ニ処ス
公務員又ハ仲裁人タラントスル者其担当スヘキ職務ニ関シ請託ヲ受ケテ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ公務員又ハ仲裁人ト為リタル場合ニ於テハ三年以下ノ懲役ニ処ス
第百九十七条ノ二
公務員又ハ仲裁人其職務ニ関シ請託ヲ受ケテ第三者ニ賄賂ヲ供与セシメ又ハ其供与ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ処ス
第百九十七条ノ三
公務員又ハ仲裁人前二条ノ罪ヲ犯シ因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為ササルトキハ一年以上ノ有期懲役ニ処ス
公務員又ハ仲裁人其職務上不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為ササリシコトニ関シ賄賂ヲ収受、要求若クハ約束シ又ハ第三者ニ之ヲ供与セシメ其供与ヲ要求若クハ約束シタルトキ亦同シ
公務員又ハ仲裁人タリシ者其在職中請託ヲ受ケテ職務上不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為ササリシコトニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若クハ約束シタルトキハ三年以下ノ懲役ニ処ス
第百九十七条ノ四
犯人又ハ情ヲ知リタル第三者ノ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス其全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハサルトキハ其価額ヲ追徴ス
第百九十八条
第百九十七条乃至第百九十七条ノ三ニ規定スル賄賂ヲ供与シ又ハ其申込若クハ約束ヲ為シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本文
詳細・沿革