近年の建物価格高騰と借家不足により、賃貸人の中には期間満了や解約権の不当行使により、債務不履行のない賃借人を追い出し、空き家として他人に賃貸して不当な利益を得ようとする弊害が生じている。特に事変以来、資材不足と産業勃興による住宅不足と建物価格高騰により、この問題は深刻化している。これまで裁判所の調停で対応してきたが、もはや調停だけでは解決できない状況となった。そこで借家法を改正し、賃貸人が自ら使用する必要がある場合などの正当な事由がない限り、賃貸借の更新拒否や解約申入れができないようにすることで、善良な賃借人を保護しようとするものである。
参照した発言:
第76回帝国議会 貴族院 本会議 第7号