樺太開発株式会社法
法令番号: 法律第五十號
公布年月日: 昭和16年3月7日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル樺太開發株式會社法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月六日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
拓務大臣 秋田淸
大藏大臣 河田烈
法律第五十號
樺太開發株式會社法
第一章 總則
第一條 樺太開發株式會社ハ樺太ニ於ケル經濟開發ヲ目的トスル株式會社トシ其ノ本店ヲ豐原市ニ置ク
第二條 樺太開發株式會社ノ資本ハ五千萬圓トス但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ增加スルコトヲ得
第三條 政府ハ樺太開發株式會社ニ對シ其ノ資本ノ半額ヲ限リ出資スルコトヲ得
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
政府ハ樺太廳長官ノ管理ニ屬スル金錢以外ノ財產ヲ以テ樺太開發株式會社ニ對スル出資ノ目的ト爲シ又ハ其ノ所有スル株式ノ第二囘以後ノ株金拂込ニ充ツルコトヲ得
政府前項ノ規定ニ依リ出資又ハ株金ノ拂込ヲ爲サントスルトキハ出資又ハ株金拂込ノ目的タル財產ノ價格ニ付樺太官有財產評價委員會ニ諮問スベシ
樺太官有財產評價委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 前條ノ規定ニ依リ政府ニ於テ引受ケタル株式ノ拂込金ハ樺太廳特別會計ノ歲出トス
第五條 樺太開發株式會社ニ對スル政府ノ出資ハ樺太廳特別會計ノ所屬トス
第六條 樺太開發株式會社ノ株式ハ記名式トシ政府、公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數ガ外國人若ハ外國法人ニ屬セザルモノニ限リ之ヲ所有スルコトヲ得
第七條 樺太開發株式會社ニ非ザルモノハ樺太開發株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ其ノ商號ト爲スコトヲ得ズ
第二章 役員
第八條 樺太開發株式會社ニ社長副社長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第九條 社長ハ樺太開發株式會社ヲ代表シ其ノ業務ヲ總理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長缺員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ依リ樺太開發株式會社ノ業務ヲ分掌シ又ハ之ニ參與ス
監事ハ樺太開發株式會社ノ業務ヲ監査ス
第十條 社長及副社長ハ主務大臣之ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主總會ニ於テ選擧シタル二倍ノ候補者中ヨリ主務大臣之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
監事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ其ノ任期ヲ二年トス
第十一條 社長、副社長及業務ヲ分掌スル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ從事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三章 營業
第十二條 樺太開發株式會社ハ左ノ事業ヲ營ムモノトス
一 鑛業、林業、農業及畜產業
二 農林畜產物ノ加工事業
三 經濟開發ノ爲必要ナル資金ノ供給
四 前各號ノ事業ニ附帶スル事業
五 前各號ノ外經濟開發ノ爲必要ナル事業
前項第四號又ハ第五號ノ事業ヲ營マントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四章 樺太開發債券
第十三條 樺太開發株式會社ハ拂込ミタル株金額ノ三倍ヲ限リ樺太開發債券ヲ發行スルコトヲ得
樺太開發債券ヲ發行スル場合ニ於テハ商法第二百九十六條ノ規定ヲ適用セズ
第十四條 樺太開發債券ヲ發行セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十五條 樺太開發債券ノ所有者ハ樺太開發株式會社ノ財產ニ付他ノ債權者ニ先立チテ自己ノ債權ノ辨濟ヲ受クル權利ヲ有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特權ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第五章 利益金ノ處分
第十六條 樺太開發株式會社利益金ノ處分ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十七條 樺太開發株式會社ハ每營業年度ニ準備金トシテ資本ノ缺損ヲ補フ爲利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立テ且利益配當ノ平均ヲ得シムル爲利益金額ノ百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第十八條 樺太開發株式會社ハ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セズ
第十九條 樺太開發株式會社ハ每營業年度ニ於ケル配當シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配當ヲ爲サントスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配當ガ總株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額及政府ノ所有スル株式ノ拂込ミタル株金額ニ對シ一ト四トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スベシ
第六章 政府ノ監督
第二十條 主務大臣ハ樺太開發株式會社ノ業務ヲ監督ス
第二十一條 主務大臣ハ樺太開發株式會社監理官ヲ置キ樺太開發株式會社ノ業務ヲ監視セシム
樺太開發株式會社監理官ハ何時ニテモ樺太開發株式會社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査スルコトヲ得
樺太開發株式會社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ樺太開發株式會社ニ命ジ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
樺太開發株式會社監理官ハ株主總會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第二十二條 樺太開發株式會社借入金ヲ爲サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二十三條 樺太開發株式會社ハ每營業年度ノ事業計畫ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ變更セントスルトキ亦同ジ
第二十四條 樺太開發株式會社ノ定款ノ變更、合併及解散ノ決議ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十五條 主務大臣ハ樺太開發株式會社ノ業務ニ關シ監督上必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得
第二十六條 主務大臣ハ樺太開發株式會社ノ決議又ハ役員ノ行爲ガ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十七條 主務大臣ハ本法中其ノ職務ニ屬スル事項ノ一部ヲ樺太廳長官ニ委任スルコトヲ得
第七章 罰則
第二十八條 樺太開發株式會社本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ五千圓以下ノ過料ニ處ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ處スルコト亦同ジ
第二十九條 第七條ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ過料ニ處ス
附 則
第三十條 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第三十一條 主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ樺太開發株式會社ノ設立ニ關スル事務ヲ處理セシム
第三十二條 設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十三條 前條ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式總數ヨリ政府ニ割當ツベキ株式ヲ控除シタル殘餘ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第三十四條 株式申込證ニハ定款認可ノ年月日竝ニ商法第百七十五條第二項第二號及第四號乃至第七號ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第三十五條 設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込證ヲ主務大臣ニ提出シ其ノ檢査ヲ受クベシ
設立委員ハ前項ノ檢査ヲ受ケタル後遲滯ナク各株ニ付第一囘ノ拂込ヲ爲サシメ其ノ拂込アリタルトキハ遲滯ナク創立總會ヲ招集スベシ
第三十六條 創立總會ニ於テハ第十條ノ規定ニ準ジ理事候補者ノ選擧及監事ノ選任ヲ行フベシ
第三十七條 創立總會終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ樺太開發株式會社社長ニ引渡スベシ
第三十八條 商法第百六十七條、第百八十一條及第百八十五條ノ規定ハ樺太開發株式會社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第三十九條 本法施行ノ際現ニ樺太開發株式會社又ハ之ニ類似ノ名稱ヲ以テ商號ト爲ス會社ハ本法施行後六月以內ニ其ノ商號ヲ變更スルコトヲ要ス
第七條ノ規定ハ前項ノ期間內之ヲ同項ニ揭グル者ニ適用セズ
第四十條 
明治四十五年法律第二十三號第一條第二項中「人造石油製造事業ノ許可ヲ受ケタル會社」ノ下ニ「又ハ樺太開發株式會社」ヲ加フ
第四十一條 
登錄稅法第六條第一項第十一號中「又ハ鑛業開發債券」ヲ「、鑛業開發債券又ハ樺太開發債券」ニ改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル樺太開発株式会社法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月六日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
拓務大臣 秋田清
大蔵大臣 河田烈
法律第五十号
樺太開発株式会社法
第一章 総則
第一条 樺太開発株式会社ハ樺太ニ於ケル経済開発ヲ目的トスル株式会社トシ其ノ本店ヲ豊原市ニ置ク
第二条 樺太開発株式会社ノ資本ハ五千万円トス但シ主務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ増加スルコトヲ得
第三条 政府ハ樺太開発株式会社ニ対シ其ノ資本ノ半額ヲ限リ出資スルコトヲ得
政府所有ノ株式ノ株金払込ハ其ノ他ノ株式ノ株金払込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
政府ハ樺太庁長官ノ管理ニ属スル金銭以外ノ財産ヲ以テ樺太開発株式会社ニ対スル出資ノ目的ト為シ又ハ其ノ所有スル株式ノ第二回以後ノ株金払込ニ充ツルコトヲ得
政府前項ノ規定ニ依リ出資又ハ株金ノ払込ヲ為サントスルトキハ出資又ハ株金払込ノ目的タル財産ノ価格ニ付樺太官有財産評価委員会ニ諮問スベシ
樺太官有財産評価委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条 前条ノ規定ニ依リ政府ニ於テ引受ケタル株式ノ払込金ハ樺太庁特別会計ノ歳出トス
第五条 樺太開発株式会社ニ対スル政府ノ出資ハ樺太庁特別会計ノ所属トス
第六条 樺太開発株式会社ノ株式ハ記名式トシ政府、公共団体、帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半数以上、資本ノ半額以上若ハ議決権ノ過半数ガ外国人若ハ外国法人ニ属セザルモノニ限リ之ヲ所有スルコトヲ得
第七条 樺太開発株式会社ニ非ザルモノハ樺太開発株式会社又ハ之ニ類似ノ名称ヲ以テ其ノ商号ト為スコトヲ得ズ
第二章 役員
第八条 樺太開発株式会社ニ社長副社長各一人、理事三人以上及監事二人以上ヲ置ク
第九条 社長ハ樺太開発株式会社ヲ代表シ其ノ業務ヲ総理ス
副社長ハ社長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理シ社長欠員ノトキハ其ノ職務ヲ行フ
副社長及理事ハ社長ヲ輔佐シ定款ノ定ムル所ニ依リ樺太開発株式会社ノ業務ヲ分掌シ又ハ之ニ参与ス
監事ハ樺太開発株式会社ノ業務ヲ監査ス
第十条 社長及副社長ハ主務大臣之ヲ命ジ其ノ任期ヲ五年トス
理事ハ株主総会ニ於テ選挙シタル二倍ノ候補者中ヨリ主務大臣之ヲ命ジ其ノ任期ヲ四年トス
監事ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任シ其ノ任期ヲ二年トス
第十一条 社長、副社長及業務ヲ分掌スル理事ハ他ノ職務又ハ商業ニ従事スルコトヲ得ズ但シ主務大臣ノ許可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第三章 営業
第十二条 樺太開発株式会社ハ左ノ事業ヲ営ムモノトス
一 鉱業、林業、農業及畜産業
二 農林畜産物ノ加工事業
三 経済開発ノ為必要ナル資金ノ供給
四 前各号ノ事業ニ附帯スル事業
五 前各号ノ外経済開発ノ為必要ナル事業
前項第四号又ハ第五号ノ事業ヲ営マントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第四章 樺太開発債券
第十三条 樺太開発株式会社ハ払込ミタル株金額ノ三倍ヲ限リ樺太開発債券ヲ発行スルコトヲ得
樺太開発債券ヲ発行スル場合ニ於テハ商法第二百九十六条ノ規定ヲ適用セズ
第十四条 樺太開発債券ヲ発行セントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十五条 樺太開発債券ノ所有者ハ樺太開発株式会社ノ財産ニ付他ノ債権者ニ先立チテ自己ノ債権ノ弁済ヲ受クル権利ヲ有ス
前項ノ規定ハ民法上ノ一般ノ先取特権ノ行使ヲ妨グルコトナシ
第五章 利益金ノ処分
第十六条 樺太開発株式会社利益金ノ処分ヲ為サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第十七条 樺太開発株式会社ハ毎営業年度ニ準備金トシテ資本ノ欠損ヲ補フ為利益金額ノ百分ノ八以上ヲ積立テ且利益配当ノ平均ヲ得シムル為利益金額ノ百分ノ二以上ヲ積立ツベシ
第十八条 樺太開発株式会社ハ毎営業年度ニ於ケル配当シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ対シ利益ノ配当ヲ為スコトヲ要セズ
第十九条 樺太開発株式会社ハ毎営業年度ニ於ケル配当シ得ベキ利益金額ガ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配当ヲ為サントスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配当ガ総株式ニ付払込ミタル株金額ニ対シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額及政府ノ所有スル株式ノ払込ミタル株金額ニ対シ一ト四トノ割合ヲ以テ之ヲ配当スベシ
第六章 政府ノ監督
第二十条 主務大臣ハ樺太開発株式会社ノ業務ヲ監督ス
第二十一条 主務大臣ハ樺太開発株式会社監理官ヲ置キ樺太開発株式会社ノ業務ヲ監視セシム
樺太開発株式会社監理官ハ何時ニテモ樺太開発株式会社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ検査スルコトヲ得
樺太開発株式会社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ樺太開発株式会社ニ命ジ業務ニ関スル諸般ノ計算及状況ヲ報告セシムルコトヲ得
樺太開発株式会社監理官ハ株主総会其ノ他諸般ノ会議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第二十二条 樺太開発株式会社借入金ヲ為サントスルトキハ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第二十三条 樺太開発株式会社ハ毎営業年度ノ事業計画ヲ定メ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ之ヲ変更セントスルトキ亦同ジ
第二十四条 樺太開発株式会社ノ定款ノ変更、合併及解散ノ決議ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十五条 主務大臣ハ樺太開発株式会社ノ業務ニ関シ監督上必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得
第二十六条 主務大臣ハ樺太開発株式会社ノ決議又ハ役員ノ行為ガ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ヲ解任スルコトヲ得
第二十七条 主務大臣ハ本法中其ノ職務ニ属スル事項ノ一部ヲ樺太庁長官ニ委任スルコトヲ得
第七章 罰則
第二十八条 樺太開発株式会社本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ社長又ハ社長ノ職務ヲ行ヒ若ハ代理スル副社長ヲ五千円以下ノ過料ニ処ス副社長又ハ理事ノ分掌業務ニ係ルトキハ副社長又ハ理事ヲ過料ニ処スルコト亦同ジ
第二十九条 第七条ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ過料ニ処ス
附 則
第三十条 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第三十一条 主務大臣ハ設立委員ヲ命ジ樺太開発株式会社ノ設立ニ関スル事務ヲ処理セシム
第三十二条 設立委員ハ定款ヲ作成シ主務大臣ノ認可ヲ受クベシ
第三十三条 前条ノ認可アリタルトキハ設立委員ハ株式総数ヨリ政府ニ割当ツベキ株式ヲ控除シタル残余ノ株式ニ付株主ヲ募集スベシ
第三十四条 株式申込証ニハ定款認可ノ年月日並ニ商法第百七十五条第二項第二号及第四号乃至第七号ニ規定スル事項ヲ記載スベシ
第三十五条 設立委員ハ株主ノ募集ヲ終リタルトキハ株式申込証ヲ主務大臣ニ提出シ其ノ検査ヲ受クベシ
設立委員ハ前項ノ検査ヲ受ケタル後遅滞ナク各株ニ付第一回ノ払込ヲ為サシメ其ノ払込アリタルトキハ遅滞ナク創立総会ヲ招集スベシ
第三十六条 創立総会ニ於テハ第十条ノ規定ニ準ジ理事候補者ノ選挙及監事ノ選任ヲ行フベシ
第三十七条 創立総会終結シタルトキハ設立委員ハ其ノ事務ヲ樺太開発株式会社社長ニ引渡スベシ
第三十八条 商法第百六十七条、第百八十一条及第百八十五条ノ規定ハ樺太開発株式会社ノ設立ニハ之ヲ適用セズ
第三十九条 本法施行ノ際現ニ樺太開発株式会社又ハ之ニ類似ノ名称ヲ以テ商号ト為ス会社ハ本法施行後六月以内ニ其ノ商号ヲ変更スルコトヲ要ス
第七条ノ規定ハ前項ノ期間内之ヲ同項ニ掲グル者ニ適用セズ
第四十条 
明治四十五年法律第二十三号第一条第二項中「人造石油製造事業ノ許可ヲ受ケタル会社」ノ下ニ「又ハ樺太開発株式会社」ヲ加フ
第四十一条 
登録税法第六条第一項第十一号中「又ハ鉱業開発債券」ヲ「、鉱業開発債券又ハ樺太開発債券」ニ改ム