(国家総動員法中改正法律)
法令番号: 法律第十九號
公布年月日: 昭和16年3月3日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル國家總動員法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月一日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
內務大臣 男爵 平沼騏一郞
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田淸
陸軍大臣 東條英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
商工大臣 小林一三
大藏大臣 河田烈
遞信大臣 村田省藏
農林大臣 石黑忠篤
海軍大臣 及川古志郞
鐵道大臣 小川鄕太郞
國務大臣 星野直樹
司法大臣 柳川平助
法律第十九號
國家總動員法中左ノ通改正ス
第五條中「又ハ地方公共團體」ヲ「、地方公共團體又ハ政府ノ指定スル者」ニ改ム
第六條中「若ハ解雇」ノ下ニ「、就職、從業若ハ退職」ヲ加ヘ「賃金其ノ他ノ勞働條件」ヲ「賃金、給料其ノ他ノ從業條件」ニ改ム
第八條中「總動員物資」ヲ「物資」ニ改ム
第十條中「使用又ハ收用スルコトヲ得」ヲ「使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フ者ヲシテ之ヲ使用若ハ收用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十一條中「資金ノ運用」ヲ「資金ノ運用、債務ノ引受若ハ債務ノ保證」ニ改ム
第十三條第三項中「土地又ハ家屋其ノ他ノ工作物ヲ管理、使用又ハ收用スルコトヲ得」ヲ「土地若ハ家屋其ノ他ノ工作物ヲ管理、使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フ者ヲシテ之ヲ使用若ハ收用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十四條中「使用又ハ收用スルコトヲ得」ヲ「使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フ者ヲシテ特許發明及登錄實用新案ヲ實施セシメ若ハ鑛業權、砂鑛權及水ノ使用ニ關スル權利ヲ使用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十五條中「前二條ノ規定ニ依リ」ノ下ニ「政府ノ」ヲ、「十年內ニ拂下グルトキ」ノ下ニ「又ハ第十三條第三項ノ規定ニ依リ總動員業務ヲ行フ者ノ收用シタルモノ收用シタル時ヨリ十年內ニ不用ニ歸シタルトキ」ヲ加フ
第十六條ノ二 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ニ屬スル設備又ハ權利ノ讓渡其ノ他ノ處分、出資、使用又ハ移動ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十六條ノ三 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ノ開始、委託、共同經營、讓渡、廢止若ハ休止又ハ法人ノ目的變更、合併若ハ解散ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十七條中「總動員業務タル」ヲ削ル
第十八條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ同種若ハ異種ノ事業ノ事業主又ハ其ノ團體ニ對シ當該事業ノ統制又ハ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル團體又ハ會社ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令ニ依リ設立セラルル團體ハ法人トス
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者其ノ設立ヲ爲サザルトキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第一項ノ團體成立シタルトキハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ當該團體ノ構成員タル資格ヲ有スル者ヲシテ其ノ團體ノ構成員タラシムルコトヲ得
政府ハ第一項ノ團體ニ對シ其ノ構成員(其ノ構成員ノ構成員ヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ事業ニ關スル統制規程ノ設定、變更若ハ廢止ニ付認可ヲ受ケシメ、統制規程ノ設定若ハ變更ヲ命ジ又ハ其ノ構成員若ハ構成員タル資格ヲ有スル者ニ對シ團體ノ統制規程ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第一項ノ團體又ハ會社ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十八條ノ二 第十六條ノ二ノ規定ニ依リ設備若ハ權利ノ讓渡若ハ出資ヲ命ジ又ハ第十六條ノ三ノ規定ニ依リ事業ノ讓渡ヲ命ジタル場合ニ於テ讓渡者又ハ出資者ノ負擔スル債務ノ承繼及其ノ擔保ノ處理ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十八條ノ三 第十六條ノ二ノ規定ニ依ル設備若ハ權利ノ讓渡若ハ出資、第十六條ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ讓渡若ハ法人ノ合併又ハ第十八條第一項若ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラルル團體若ハ會社ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ課稅標準ノ計算ニ關スル特例ヲ設ケ又ハ租稅ノ減免ヲ爲スコトヲ得
第十九條中「又ハ加工賃」ヲ「、加工賃、修繕料其ノ他ノ財產的給付」ニ改ム
第二十七條 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第八條、第十條、第十三條、第十四條若ハ第十六條ノ二ノ規定ニ依ル處分、第九條ノ規定ニ依ル輸出若ハ輸入ノ命令、第十一條ノ規定ニ依ル資金ノ融通、有價證券ノ應募、引受若ハ買入、債務ノ引受若ハ債務ノ保證ノ命令、第十六條ノ規定ニ依ル設備ノ新設、擴張若ハ改良ノ命令又ハ第十六條ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ委託、讓渡、廢止若ハ休止若ハ法人ノ目的變更若ハ解散ノ命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス但シ第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
總動員業務ヲ行フ者ハ第十條、第十三條第三項又ハ第十四條ノ規定ニ依リ使用、收用又ハ實施ヲ爲ス場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生ジタル損失ヲ補償スベシ
第二十九條中「拂下」ヲ「買受」ニ改ム
第三十一條ノ二 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ十年以下ノ懲役又ハ五萬圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第八條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 第十九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第三十三條中第二號及第六號ヲ削リ第三號ヲ第二號トシ以下順次一號ヅツ繰上グ
第三十四條中第三號ヲ第五號トシ以下順次二號ヅツ繰下ゲ第二號ノ次ニ左ノ二號ヲ加フ
三 第十六條ノ二ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十六條ノ三ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第三十五條中「前三條」ヲ「前四條」ニ改ム
第三十八條第一號中「組合」ヲ「團體又ハ會社」ニ改メ同條中第二號ヲ第三號トシ第三號ヲ第四號トシ第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
二 第十八條第六項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第四十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
第十八條第一項又ハ第三項ノ規定ニ依リ事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル團體又ハ會社其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ爲ス法人其ノ他ノ團體ノ役員若ハ使用人又ハ其ノ職ニ在リタル者其ノ業務執行ニ關シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキ亦前項ニ同ジ
第四十六條第一項中「設立シタル組合ノ役員其ノ職務」ヲ「事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル團體又ハ會社其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ爲ス法人其ノ他ノ團體ノ役員又ハ使用人其ノ擔當スル統制事務」ニ改ム
第四十八條中「第三十二條」ヲ「第三十一條ノ二」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル国家総動員法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年三月一日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
内務大臣 男爵 平沼騏一郎
厚生大臣 金光庸夫
拓務大臣 秋田清
陸軍大臣 東条英機
外務大臣 松岡洋右
文部大臣 橋田邦彦
商工大臣 小林一三
大蔵大臣 河田烈
逓信大臣 村田省蔵
農林大臣 石黒忠篤
海軍大臣 及川古志郎
鉄道大臣 小川郷太郎
国務大臣 星野直樹
司法大臣 柳川平助
法律第十九号
国家総動員法中左ノ通改正ス
第五条中「又ハ地方公共団体」ヲ「、地方公共団体又ハ政府ノ指定スル者」ニ改ム
第六条中「若ハ解雇」ノ下ニ「、就職、従業若ハ退職」ヲ加ヘ「賃金其ノ他ノ労働条件」ヲ「賃金、給料其ノ他ノ従業条件」ニ改ム
第八条中「総動員物資」ヲ「物資」ニ改ム
第十条中「使用又ハ収用スルコトヲ得」ヲ「使用若ハ収用シ又ハ総動員業務ヲ行フ者ヲシテ之ヲ使用若ハ収用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十一条中「資金ノ運用」ヲ「資金ノ運用、債務ノ引受若ハ債務ノ保証」ニ改ム
第十三条第三項中「土地又ハ家屋其ノ他ノ工作物ヲ管理、使用又ハ収用スルコトヲ得」ヲ「土地若ハ家屋其ノ他ノ工作物ヲ管理、使用若ハ収用シ又ハ総動員業務ヲ行フ者ヲシテ之ヲ使用若ハ収用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十四条中「使用又ハ収用スルコトヲ得」ヲ「使用若ハ収用シ又ハ総動員業務ヲ行フ者ヲシテ特許発明及登録実用新案ヲ実施セシメ若ハ鉱業権、砂鉱権及水ノ使用ニ関スル権利ヲ使用セシムルコトヲ得」ニ改ム
第十五条中「前二条ノ規定ニ依リ」ノ下ニ「政府ノ」ヲ、「十年内ニ払下グルトキ」ノ下ニ「又ハ第十三条第三項ノ規定ニ依リ総動員業務ヲ行フ者ノ収用シタルモノ収用シタル時ヨリ十年内ニ不用ニ帰シタルトキ」ヲ加フ
第十六条ノ二 政府ハ戦時ニ際シ国家総動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ニ属スル設備又ハ権利ノ譲渡其ノ他ノ処分、出資、使用又ハ移動ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十六条ノ三 政府ハ戦時ニ際シ国家総動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ノ開始、委託、共同経営、譲渡、廃止若ハ休止又ハ法人ノ目的変更、合併若ハ解散ニ関シ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十七条中「総動員業務タル」ヲ削ル
第十八条 政府ハ戦時ニ際シ国家総動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ同種若ハ異種ノ事業ノ事業主又ハ其ノ団体ニ対シ当該事業ノ統制又ハ統制ノ為ニスル経営ヲ目的トスル団体又ハ会社ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ命令ニ依リ設立セラルル団体ハ法人トス
第一項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者其ノ設立ヲ為サザルトキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第一項ノ団体成立シタルトキハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ当該団体ノ構成員タル資格ヲ有スル者ヲシテ其ノ団体ノ構成員タラシムルコトヲ得
政府ハ第一項ノ団体ニ対シ其ノ構成員(其ノ構成員ノ構成員ヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ事業ニ関スル統制規程ノ設定、変更若ハ廃止ニ付認可ヲ受ケシメ、統制規程ノ設定若ハ変更ヲ命ジ又ハ其ノ構成員若ハ構成員タル資格ヲ有スル者ニ対シ団体ノ統制規程ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ得
第一項ノ団体又ハ会社ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十八条ノ二 第十六条ノ二ノ規定ニ依リ設備若ハ権利ノ譲渡若ハ出資ヲ命ジ又ハ第十六条ノ三ノ規定ニ依リ事業ノ譲渡ヲ命ジタル場合ニ於テ譲渡者又ハ出資者ノ負担スル債務ノ承継及其ノ担保ノ処理ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十八条ノ三 第十六条ノ二ノ規定ニ依ル設備若ハ権利ノ譲渡若ハ出資、第十六条ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ譲渡若ハ法人ノ合併又ハ第十八条第一項若ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラルル団体若ハ会社ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ課税標準ノ計算ニ関スル特例ヲ設ケ又ハ租税ノ減免ヲ為スコトヲ得
第十九条中「又ハ加工賃」ヲ「、加工賃、修繕料其ノ他ノ財産的給付」ニ改ム
第二十七条 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第八条、第十条、第十三条、第十四条若ハ第十六条ノ二ノ規定ニ依ル処分、第九条ノ規定ニ依ル輸出若ハ輸入ノ命令、第十一条ノ規定ニ依ル資金ノ融通、有価証券ノ応募、引受若ハ買入、債務ノ引受若ハ債務ノ保証ノ命令、第十六条ノ規定ニ依ル設備ノ新設、拡張若ハ改良ノ命令又ハ第十六条ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ委託、譲渡、廃止若ハ休止若ハ法人ノ目的変更若ハ解散ノ命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス但シ第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
総動員業務ヲ行フ者ハ第十条、第十三条第三項又ハ第十四条ノ規定ニ依リ使用、収用又ハ実施ヲ為ス場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生ジタル損失ヲ補償スベシ
第二十九条中「払下」ヲ「買受」ニ改ム
第三十一条ノ二 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ十年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第八条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 第十九条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第三十三条中第二号及第六号ヲ削リ第三号ヲ第二号トシ以下順次一号ヅツ繰上グ
第三十四条中第三号ヲ第五号トシ以下順次二号ヅツ繰下ゲ第二号ノ次ニ左ノ二号ヲ加フ
三 第十六条ノ二ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
四 第十六条ノ三ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第三十五条中「前三条」ヲ「前四条」ニ改ム
第三十八条第一号中「組合」ヲ「団体又ハ会社」ニ改メ同条中第二号ヲ第三号トシ第三号ヲ第四号トシ第一号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
二 第十八条第六項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第四十五条ニ左ノ一項ヲ加フ
第十八条第一項又ハ第三項ノ規定ニ依リ事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル団体又ハ会社其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ為ス法人其ノ他ノ団体ノ役員若ハ使用人又ハ其ノ職ニ在リタル者其ノ業務執行ニ関シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ秘密ヲ漏泄又ハ窃用シタルトキ亦前項ニ同ジ
第四十六条第一項中「設立シタル組合ノ役員其ノ職務」ヲ「事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル団体又ハ会社其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ為ス法人其ノ他ノ団体ノ役員又ハ使用人其ノ担当スル統制事務」ニ改ム
第四十八条中「第三十二条」ヲ「第三十一条ノ二」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム