(樺太臨時利得税令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百八十一號
公布年月日: 昭和15年3月31日
法令の形式: 勅令
朕樺太臨時利得稅令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
內閣總理大臣 米內光政
拓務大臣 小磯國昭
勅令第百八十一號
樺太臨時利得稅令中左ノ通改正ス
第三條第一項第二號中「利得」ノ下ニ「(營業利得ト稱ス以下同ジ)」ヲ加ヘ同條第二項ヲ削ル
第四條 法人ノ現事業年度ノ利益ガ現事業年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ以テ法人ノ利得トス
第四條ノ二乃至第四條ノ四ヲ削ル
第五條 法人ノ現事業年度ノ利益ハ現事業年度ノ總益金ヨリ總損金ヲ控除シタル金額ニ依ル
法人ガ現事業年度ニ於テ納付シタル又ハ納付スベキ第一種所得稅、第一種所得稅附加稅、法人資本稅及臨時利得稅竝ニ當該事業年度ニ於テ納付シタル第二種所得稅ニシテ樺太所得稅令第二十五條ノ規定ニ依リ其ノ額ヲ第一種所得稅額ヨリ控除スベキモノハ前項ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ臺灣又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル又ハ納付スベキ第一種所得稅附加稅ニ相當スル租稅ニシテ樺太廳長官ノ指定スルモノ、內地、朝鮮、臺灣、關東州又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル配當利子所得ニ對スル分類所得稅及第二種所得稅竝ニ臺灣ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル配當稅ニ付亦同ジ
法人ノ現事業年度開始ノ日前三年以內ニ開始シタル事業年度ニ於テ生ジタル損金ニシテ樺太廳長官ノ定ムルモノハ現事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入ス
樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有セザル法人ノ利益ハ樺太ニ於ケル資產又ハ營業ニ付前三項ノ規定ニ準ジ之ヲ計算ス
第五條ノ二 法人ガ事業年度中ニ解散シ又ハ合併ニ因リテ消滅シタル場合ニ於テハ其ノ事業年度ノ始ヨリ解散又ハ合併ニ至ル迄ノ期間ヲ以テ一事業年度ト看做ス
第六條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條第二項及第四項ヲ削ル
法人ノ現事業年度ノ資本金額ハ各月末ニ於ケル拂込株式金額、出資金額及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第七條 本令ニ於テ積立金額トハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ各事業年度ノ利益中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
第一種所得稅、第一種所得稅附加稅、法人資本稅及臨時利得稅トシテ納付スベキ金額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ之ヲ算入セズ臺灣又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付スベキ第一種所得稅附加稅ニ相當スル租稅ニシテ樺太廳長官ノ指定スルモノニ付亦同ジ
第九條 個人ノ利益ガ昭和十一年以前三年ノ平均利益ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ營業利得トス
第九條ノ二 前條ノ規定ニ依リ營業利得ヲ計算スル場合ニ於テ昭和十一年以前三年ノ平均利益ガ七千圓又ハ現年ノ利益ノ三分ノ一ニ相當スル金額ノ何レカ多額ナル一方ノ金額ニ達セザルトキハ其ノ多額ナル一方ノ金額ヲ以テ平均利益トス
第九條ノ三及第九條ノ四ヲ削ル
第十條 個人ノ利益ハ前年中ノ總收入金額ヨリ必要ノ經費(收入ヲ得ルニ必要ナル負債ノ利子ヲ含ム以下同ジ)ヲ控除シタル金額ニ依ル
所得稅、所得稅附加稅及臨時利得稅ハ前項ノ必要ノ經費ニ之ヲ算入セズ
相續シタル營業ニ付テハ相續人ガ引續キ之ヲ爲シタルモノト看做シテ其ノ利益ヲ計算ス
營業ヲ讓渡シ又ハ廢止シタル後相續ノ開始アリタル場合ニ於テハ被相續人ノ營業利得ハ相續人ノ營業利得ト看做ス
第十一條 個人ノ利益ガ一萬圓未滿ナルトキハ營業利得ニ對スル臨時利得稅ヲ課セズ
第十四條 法人ノ臨時利得稅ハ法人ノ利得ヲ左ノ部分ニ區分シ各部分ニ付左ノ稅率ヲ適用シテ之ヲ賦課ス
一 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ旣往事業年度ノ平均利益率ヲ乘ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ二十五
二 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ旣往事業年度ノ平均利益率ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ四十五
三 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ對シ年百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ六十五
現事業年度ノ資本金額十萬圓以下ナル法人ニ限リ前項ニ規定スル稅率百分ノ二十五ハ之ヲ百分ノ十五トシ同百分ノ四十五ハ之ヲ百分ノ三十五トシ同百分ノ六十五ハ之ヲ百分ノ五十五トス
第十四條ノ二 前條ノ規定ニ依リ現事業年度ノ資本金額ニ乘ズベキ旣往事業年度ノ平均利益率ハ昭和十一年十二月三十一日以前三年內ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均利益ノ平均資本金額ニ對スル割合トス但シ其ノ割合ガ年百分ノ十未滿ナルトキ又ハ法人ノ第一次事業年度ガ昭和十二年一月一日以後ニ終了シタルトキハ其ノ割合ヲ年百分ノ十トシ其ノ割合ガ年百分ノ二十ヲ超ユルトキハ之ヲ年百分ノ二十トス
第五條(第二項及第三項ヲ除ク)乃至第六條及第七條第一項ノ規定ハ前項ノ平均利益及平均資本金額算出ノ基礎タル昭和十一年十二月三十一日以前三年內ニ終了シタル各事業年度ノ利益及資本金額ノ計算ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ當該事業年度ニ於テ納付シタル又ハ納付スベカリシ第一種所得稅、第一種所得稅附加稅、樺太廳長官ノ指定スル第一種所得稅附加稅ニ相當スル租稅及臨時利得稅竝ニ當該事業年度ニ於テ納付シタル第二種所得稅ニシテ樺太所得稅令ニ依リ其ノ額ヲ第一種所得稅額ヨリ控除シタルモノハ當該事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
第十四條ノ三 前條第一項ノ規定ニ依ル旣往事業年度ノ平均利益率ガ年百分ノ十ノ割合ヲ超ユル場合ニ於テ現事業年度ノ資本金額中ニ增加資本金額アルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ現事業年度ノ資本金額中增加資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ト增加資本金額以外ノ部分ニ同項ノ規定ニ依ル旣往事業年度ノ平均利益率ニ相當スル割合ヲ乘ジテ算出シタル金額トノ合計額ノ現事業年度ノ資本金額ニ對スル割合ヲ以テ旣往事業年度ノ平均利益率トス
前項ノ增加資本金額トハ現事業年度ノ資本金額ガ昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額又ハ同日以前三年內ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均資本金額ノ何レカ多額ナル一方ノ金額ヲ超過スル場合ニ於ケル其ノ超過額ヲ謂フ
昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額ハ同日ニ於ケル拂込株式金額、出資金額及積立金額ニ依リ之ヲ計算ス
第六條第二項ノ規定ハ前項ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第十四條ノ四 法人合併ヲ爲シタル場合ニ於テ合併後存續スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ昭和十一年十二月三十一日以前三年內ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均利益及平均資本金額竝ニ昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第十四條ノ五 個人ノ臨時利得稅ハ左ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
營業利得 利得金額ノ百分ノ三十
讓渡利得 利得金額ノ百分ノ二十五
第十六條第一項中「甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「營業利得」ニ改ム
第十七條第一項及第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得ノ金額」ヲ「營業利得金額」ニ改ム
第十七條第三項及第十八條第一項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「營業利得」ニ改ム
第二十三條及第二十四條 削除
第二十四條ノ二ヲ削ル
第二十五條第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「營業利得」ニ改ム
第二十五條ノ二 法人解散シタル場合ニ於テ臨時利得稅ヲ納付セズシテ殘餘財產ヲ分配シタルトキハ其ノ稅金ニ付淸算人連帶シテ納稅ノ義務アルモノトス
第二十六條第一項中「第四十八條」ヲ「第四十三條、第四十四條」ニ、同條第二項中「臨時利得稅法施行地」ヲ「內地」ニ改メ同項但書ヲ削ル
附則第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「營業利得」ニ改ム
附 則
第一條 本令ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、營業利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ昭和十五年分ヨリ本令ヲ適用ス
第三條 昭和十五年四月一日ヲ含ム事業年度ノ直前事業年度前ノ各事業年度分ノ租稅ハ第五條第二項ノ改正規定ニ拘ラズ法人ノ現事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入ス
第四條 昭和十四年一月一日ヨリ昭和十六年一月一日ニ至ル期間引續キ爲シタルニ非ザル營業ニ因ル個人ノ利得ニ付テハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十五年分又ハ昭和十六年分ニ限リ臨時利得稅ヲ輕減若ハ免除シ又ハ營業利得金額ノ計算ニ關シ特例ヲ設クルコトヲ得
第五條 第十六條ノ改正規定中三月十五日トアルハ昭和十五年ニ限リ四月二十日トス
朕樺太臨時利得税令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年三月三十一日
内閣総理大臣 米内光政
拓務大臣 小磯国昭
勅令第百八十一号
樺太臨時利得税令中左ノ通改正ス
第三条第一項第二号中「利得」ノ下ニ「(営業利得ト称ス以下同ジ)」ヲ加ヘ同条第二項ヲ削ル
第四条 法人ノ現事業年度ノ利益ガ現事業年度ノ資本金額ニ対シ年百分ノ十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ以テ法人ノ利得トス
第四条ノ二乃至第四条ノ四ヲ削ル
第五条 法人ノ現事業年度ノ利益ハ現事業年度ノ総益金ヨリ総損金ヲ控除シタル金額ニ依ル
法人ガ現事業年度ニ於テ納付シタル又ハ納付スベキ第一種所得税、第一種所得税附加税、法人資本税及臨時利得税並ニ当該事業年度ニ於テ納付シタル第二種所得税ニシテ樺太所得税令第二十五条ノ規定ニ依リ其ノ額ヲ第一種所得税額ヨリ控除スベキモノハ前項ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ台湾又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル又ハ納付スベキ第一種所得税附加税ニ相当スル租税ニシテ樺太庁長官ノ指定スルモノ、内地、朝鮮、台湾、関東州又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル配当利子所得ニ対スル分類所得税及第二種所得税並ニ台湾ニ於ケル法令ニ依リ納付シタル配当税ニ付亦同ジ
法人ノ現事業年度開始ノ日前三年以内ニ開始シタル事業年度ニ於テ生ジタル損金ニシテ樺太庁長官ノ定ムルモノハ現事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入ス
樺太ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有セザル法人ノ利益ハ樺太ニ於ケル資産又ハ営業ニ付前三項ノ規定ニ準ジ之ヲ計算ス
第五条ノ二 法人ガ事業年度中ニ解散シ又ハ合併ニ因リテ消滅シタル場合ニ於テハ其ノ事業年度ノ始ヨリ解散又ハ合併ニ至ル迄ノ期間ヲ以テ一事業年度ト看做ス
第六条第一項ヲ左ノ如ク改メ同条第二項及第四項ヲ削ル
法人ノ現事業年度ノ資本金額ハ各月末ニ於ケル払込株式金額、出資金額及積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第七条 本令ニ於テ積立金額トハ積立金其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ法人ノ各事業年度ノ利益中其ノ留保シタル金額ヲ謂フ
第一種所得税、第一種所得税附加税、法人資本税及臨時利得税トシテ納付スベキ金額ハ前項ノ留保シタル金額ニハ之ヲ算入セズ台湾又ハ南洋群島ニ於ケル法令ニ依リ納付スベキ第一種所得税附加税ニ相当スル租税ニシテ樺太庁長官ノ指定スルモノニ付亦同ジ
第九条 個人ノ利益ガ昭和十一年以前三年ノ平均利益ヲ超過スル場合ニ於テ其ノ超過額ヲ営業利得トス
第九条ノ二 前条ノ規定ニ依リ営業利得ヲ計算スル場合ニ於テ昭和十一年以前三年ノ平均利益ガ七千円又ハ現年ノ利益ノ三分ノ一ニ相当スル金額ノ何レカ多額ナル一方ノ金額ニ達セザルトキハ其ノ多額ナル一方ノ金額ヲ以テ平均利益トス
第九条ノ三及第九条ノ四ヲ削ル
第十条 個人ノ利益ハ前年中ノ総収入金額ヨリ必要ノ経費(収入ヲ得ルニ必要ナル負債ノ利子ヲ含ム以下同ジ)ヲ控除シタル金額ニ依ル
所得税、所得税附加税及臨時利得税ハ前項ノ必要ノ経費ニ之ヲ算入セズ
相続シタル営業ニ付テハ相続人ガ引続キ之ヲ為シタルモノト看做シテ其ノ利益ヲ計算ス
営業ヲ譲渡シ又ハ廃止シタル後相続ノ開始アリタル場合ニ於テハ被相続人ノ営業利得ハ相続人ノ営業利得ト看做ス
第十一条 個人ノ利益ガ一万円未満ナルトキハ営業利得ニ対スル臨時利得税ヲ課セズ
第十四条 法人ノ臨時利得税ハ法人ノ利得ヲ左ノ部分ニ区分シ各部分ニ付左ノ税率ヲ適用シテ之ヲ賦課ス
一 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ既往事業年度ノ平均利益率ヲ乗ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ二十五
二 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ既往事業年度ノ平均利益率ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ四十五
三 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ対シ年百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ六十五
現事業年度ノ資本金額十万円以下ナル法人ニ限リ前項ニ規定スル税率百分ノ二十五ハ之ヲ百分ノ十五トシ同百分ノ四十五ハ之ヲ百分ノ三十五トシ同百分ノ六十五ハ之ヲ百分ノ五十五トス
第十四条ノ二 前条ノ規定ニ依リ現事業年度ノ資本金額ニ乗ズベキ既往事業年度ノ平均利益率ハ昭和十一年十二月三十一日以前三年内ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均利益ノ平均資本金額ニ対スル割合トス但シ其ノ割合ガ年百分ノ十未満ナルトキ又ハ法人ノ第一次事業年度ガ昭和十二年一月一日以後ニ終了シタルトキハ其ノ割合ヲ年百分ノ十トシ其ノ割合ガ年百分ノ二十ヲ超ユルトキハ之ヲ年百分ノ二十トス
第五条(第二項及第三項ヲ除ク)乃至第六条及第七条第一項ノ規定ハ前項ノ平均利益及平均資本金額算出ノ基礎タル昭和十一年十二月三十一日以前三年内ニ終了シタル各事業年度ノ利益及資本金額ノ計算ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ当該事業年度ニ於テ納付シタル又ハ納付スベカリシ第一種所得税、第一種所得税附加税、樺太庁長官ノ指定スル第一種所得税附加税ニ相当スル租税及臨時利得税並ニ当該事業年度ニ於テ納付シタル第二種所得税ニシテ樺太所得税令ニ依リ其ノ額ヲ第一種所得税額ヨリ控除シタルモノハ当該事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入セズ
第十四条ノ三 前条第一項ノ規定ニ依ル既往事業年度ノ平均利益率ガ年百分ノ十ノ割合ヲ超ユル場合ニ於テ現事業年度ノ資本金額中ニ増加資本金額アルトキハ同項ノ規定ニ拘ラズ現事業年度ノ資本金額中増加資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ト増加資本金額以外ノ部分ニ同項ノ規定ニ依ル既往事業年度ノ平均利益率ニ相当スル割合ヲ乗ジテ算出シタル金額トノ合計額ノ現事業年度ノ資本金額ニ対スル割合ヲ以テ既往事業年度ノ平均利益率トス
前項ノ増加資本金額トハ現事業年度ノ資本金額ガ昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額又ハ同日以前三年内ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均資本金額ノ何レカ多額ナル一方ノ金額ヲ超過スル場合ニ於ケル其ノ超過額ヲ謂フ
昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額ハ同日ニ於ケル払込株式金額、出資金額及積立金額ニ依リ之ヲ計算ス
第六条第二項ノ規定ハ前項ノ計算ニ付之ヲ準用ス
第十四条ノ四 法人合併ヲ為シタル場合ニ於テ合併後存続スル法人又ハ合併ニ因リテ設立シタル法人ノ昭和十一年十二月三十一日以前三年内ニ終了シタル事業年度ノ全部ノ平均利益及平均資本金額並ニ昭和十一年十二月三十一日ニ於ケル資本金額ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第十四条ノ五 個人ノ臨時利得税ハ左ノ税率ニ依リ之ヲ賦課ス
営業利得 利得金額ノ百分ノ三十
譲渡利得 利得金額ノ百分ノ二十五
第十六条第一項中「甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「営業利得」ニ改ム
第十七条第一項及第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得ノ金額」ヲ「営業利得金額」ニ改ム
第十七条第三項及第十八条第一項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「営業利得」ニ改ム
第二十三条及第二十四条 削除
第二十四条ノ二ヲ削ル
第二十五条第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「営業利得」ニ改ム
第二十五条ノ二 法人解散シタル場合ニ於テ臨時利得税ヲ納付セズシテ残余財産ヲ分配シタルトキハ其ノ税金ニ付清算人連帯シテ納税ノ義務アルモノトス
第二十六条第一項中「第四十八条」ヲ「第四十三条、第四十四条」ニ、同条第二項中「臨時利得税法施行地」ヲ「内地」ニ改メ同項但書ヲ削ル
附則第二項中「個人ノ甲種利得又ハ乙種利得」ヲ「営業利得」ニ改ム
附 則
第一条 本令ハ昭和十五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 法人ノ臨時利得税ニ付テハ昭和十五年四月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、営業利得ニ対スル臨時利得税ニ付テハ昭和十五年分ヨリ本令ヲ適用ス
第三条 昭和十五年四月一日ヲ含ム事業年度ノ直前事業年度前ノ各事業年度分ノ租税ハ第五条第二項ノ改正規定ニ拘ラズ法人ノ現事業年度ノ利益ノ計算上之ヲ損金ニ算入ス
第四条 昭和十四年一月一日ヨリ昭和十六年一月一日ニ至ル期間引続キ為シタルニ非ザル営業ニ因ル個人ノ利得ニ付テハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ昭和十五年分又ハ昭和十六年分ニ限リ臨時利得税ヲ軽減若ハ免除シ又ハ営業利得金額ノ計算ニ関シ特例ヲ設クルコトヲ得
第五条 第十六条ノ改正規定中三月十五日トアルハ昭和十五年ニ限リ四月二十日トス