農産物検査法
法令番号: 法律第九十八號
公布年月日: 昭和15年4月5日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル農產物檢査法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月四日
內閣總理大臣 米內光政
農林大臣 島田俊雄
法律第九十八號
農產物檢査法
第一條 米穀其ノ他ノ農產物ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ種別、品位、量目又ハ包裝ニ付政府ノ行フ檢査ヲ受ケタルモノニ非ザレバ之ヲ受渡シ又ハ第二號ノ地域ニ搬入スルコトヲ得ズ但シ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 內地以外ノ地域ニ於テ生產セラレタルコト明ナルモノ
二 主務大臣ノ指定スル地域內ニ在ルモノ
三 災害ニ因リ檢査ヲ免除セラレタルモノ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
本法ニ於テ受渡トハ賣買其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由ニ因ル授受ヲ謂フ
第二條 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前條第一項ニ規定スル農產物以外ノ農產物ノ檢査ヲ行フコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ檢査ヲ行フ農產物ニ付テハ命令ヲ以テ其ノ檢査ヲ受ケザルモノノ授受又ハ移動ヲ制限スルコトヲ得
第三條 前二條ノ規定ニ依ル檢査ノ手數料ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依ル檢査ヲ受ケタル農產物ニ一定ノ印章、記號及證票ヲ附ス
前項ノ印章、記號又ハ證票ヲ抹消シ、除却シ又ハ隱蔽シタル農產物ハ之ヲ本法ニ依ル檢査ヲ受ケザルモノト看做ス
第五條 行政官廳取締上必要アリト認ムルトキハ當該官吏又ハ吏員ヲシテ本法ニ依リ檢査ヲ行フ農產物ノ生產者、取引業者、倉庫業者、運送業者其ノ他占有者ニ對シ質問ヲ爲シ又ハ其ノ事務所、營業所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨檢シ其ノ帳簿書類、農產物其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ當該官吏又ハ吏員ハ其ノ身分ヲ證明スル證票ヲ携帶スベシ
第六條 第一條第一項ノ規定ニ違反シテ農產物ヲ受渡シ又ハ搬入シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第五條ノ規定ニ依ル當該官吏若ハ吏員ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ臨檢檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
二 不正ノ手段ニ依リ檢査ヲ受ケ又ハ受ケントシタル者
第八條 農產物ノ生產者、取引業者、倉庫業者、運送業者其ノ他占有者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ第六條又ハ前條第二號ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第九條 第六條及第七條第二號ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一條第一項ニ規定スル農產物ニシテ從前廳府縣令ニ依ル農產物檢査ヲ受ケ道府縣ノ區域外ニ移出スルコトヲ得ルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ同項ノ規定ニ依ル檢査ヲ受ケタルモノト看做ス
農產物檢査ニ關スル廳府縣令ニ依リ前項ノ農產物ニ附シタル印章、記號及證票ハ之ヲ第四條ノ印章、記號及證票ト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル農産物検査法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十五年四月四日
内閣総理大臣 米内光政
農林大臣 島田俊雄
法律第九十八号
農産物検査法
第一条 米穀其ノ他ノ農産物ニシテ勅令ヲ以テ指定スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ種別、品位、量目又ハ包装ニ付政府ノ行フ検査ヲ受ケタルモノニ非ザレバ之ヲ受渡シ又ハ第二号ノ地域ニ搬入スルコトヲ得ズ但シ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 内地以外ノ地域ニ於テ生産セラレタルコト明ナルモノ
二 主務大臣ノ指定スル地域内ニ在ルモノ
三 災害ニ因リ検査ヲ免除セラレタルモノ
四 其ノ他命令ヲ以テ定ムルモノ
本法ニ於テ受渡トハ売買其ノ他命令ヲ以テ定ムル事由ニ因ル授受ヲ謂フ
第二条 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前条第一項ニ規定スル農産物以外ノ農産物ノ検査ヲ行フコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ農産物ニ付テハ命令ヲ以テ其ノ検査ヲ受ケザルモノノ授受又ハ移動ヲ制限スルコトヲ得
第三条 前二条ノ規定ニ依ル検査ノ手数料ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依ル検査ヲ受ケタル農産物ニ一定ノ印章、記号及証票ヲ附ス
前項ノ印章、記号又ハ証票ヲ抹消シ、除却シ又ハ隠蔽シタル農産物ハ之ヲ本法ニ依ル検査ヲ受ケザルモノト看做ス
第五条 行政官庁取締上必要アリト認ムルトキハ当該官吏又ハ吏員ヲシテ本法ニ依リ検査ヲ行フ農産物ノ生産者、取引業者、倉庫業者、運送業者其ノ他占有者ニ対シ質問ヲ為シ又ハ其ノ事務所、営業所、倉庫其ノ他ノ場所ニ臨検シ其ノ帳簿書類、農産物其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ当該官吏又ハ吏員ハ其ノ身分ヲ証明スル証票ヲ携帯スベシ
第六条 第一条第一項ノ規定ニ違反シテ農産物ヲ受渡シ又ハ搬入シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス
一 第五条ノ規定ニ依ル当該官吏若ハ吏員ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ臨検検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
二 不正ノ手段ニ依リ検査ヲ受ケ又ハ受ケントシタル者
第八条 農産物ノ生産者、取引業者、倉庫業者、運送業者其ノ他占有者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ第六条又ハ前条第二号ノ違反行為ヲ為シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第九条 第六条及第七条第二号ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第一条第一項ニ規定スル農産物ニシテ従前庁府県令ニ依ル農産物検査ヲ受ケ道府県ノ区域外ニ移出スルコトヲ得ルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ同項ノ規定ニ依ル検査ヲ受ケタルモノト看做ス
農産物検査ニ関スル庁府県令ニ依リ前項ノ農産物ニ附シタル印章、記号及証票ハ之ヲ第四条ノ印章、記号及証票ト看做ス