昭和8年制定の宇品港域軍事取締法について、日中戦争における輸送上の経験、今後の大陸への兵団輸送量増加、外国の対日諜報活動の活発化に鑑み、改正の必要が生じた。主な改正点は、輸送船舶の増加に対応する港域拡大、外国スパイへの防諜措置の強化、軍事輸送に関する禁止制限事項の増補である。具体的には宇品港域の拡大と北九州伊万里湾への法適用を行い、法律名を陸軍輸送港域軍事取締法に改称する。これにより軍事輸送の効率化と軍事機密の保護を図り、海面に関する新たな禁止制限事項と罰則規定を設ける。
参照した発言:
第75回帝国議会 貴族院 本会議 第15号