明治32年制定の要塞地帯法は、大正4年の改正後、社会情勢の変化や軍事技術の進歩により、要塞の戦備と軍機保護の要求を満たせなくなった。そのため、要塞地域の拡大、禁止制限事項の整理・増補・合理化、罰則の現状への適合という3点の改正が必要となった。特に区域拡大は、兵器・資材の進歩と戦闘方式の変化に対応し、要塞戦闘の自由確保と防諜の完全化を図るためである。これらの改正により、要塞の戦備と軍事機密保持の両目的を遺漏なく達成できると考える。
参照した発言:
第75回帝国議会 貴族院 本会議 第12号