第一條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ銀行ガ本法施行地內ニ住所又ハ營業所ヲ有スル者ニ對シ其ノ者ガ振出シタル約束手形ノ割引ノ方法ニ依リ左ノ各號ニ揭グル資金ヲ融通シ之ニ因リテ損失ヲ受ケタル場合ニ於テ當該銀行ニ對シ帝國議會ノ協贊ヲ經タル金額ノ範圍內ニ於テ其ノ損失ノ百分ノ八十ヲ限度トシ之ヲ補償スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
一 本法施行地ヨリ主務大臣ノ指定スル地域ニ內地、朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於テ製造(生產又ハ加工ヲ含ム以下之ニ同ジ)セラレタル商品ヲ輸出スル爲其ノ者ガ必要トスル資金
二 本法施行地ヨリ主務大臣ノ指定スル地域ニ輸出セラルル商品ヲ內地、朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ於テ製造スル爲其ノ者ガ必要トスル資金
第二條 前條ノ契約ヲ爲シタル銀行ガ其ノ契約ニ基キ資金ヲ融通シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ補償料ヲ政府ニ納付スベシ
第三條 第一條ノ損失ハ銀行ガ約束手形ノ滿期ニ支拂ヲ受クルコト能ハザリシ金額トス但シ補償前ニ其ノ金額ノ全部又ハ一部ノ支拂ヲ受ケタルトキハ之ヲ控除スルモノトス
第四條 銀行ハ補償ヲ受ケタルトキハ其ノ手形ニ付遲滯ナク手形上ノ權利ヲ行使スベシ但シ其ノ權利ノ行使ニ要スル費用ガ其ノ行使ニ依リテ得ベキ金額ヲ超ユルモノト認メラルル場合其ノ他特別ノ事情アル場合ニ於テ主務大臣ノ認可ヲ受ケタルトキハ其ノ權利ノ全部又ハ一部ヲ行使セズ又ハ一時行使セザルコトヲ得
銀行ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ權利ノ行使ニ依リテ得タル金額ヨリ滿期以後ノ利息及銀行ガ其ノ權利ノ行使ノ爲支出シタル費用ヲ控除シタル殘額ヲ政府ニ納付スベシ
第五條 第一條ノ契約ヲ爲シタル銀行ガ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ契約ニ違反シタルトキハ政府ハ契約ヲ解除シ、損失ノ全部若ハ一部ニ付補償ヲ爲サズ又ハ損失補償金ノ全部若ハ一部ノ返還ヲ命ズルコトヲ得
第六條 本法ノ適用ニ付テハ商工組合中央金庫ハ之ヲ銀行ト看做ス