第一條 國家總動員法第六條ノ規定ニ基ク工場ニ於ケル就業時間ノ制限ハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 本令ハ工場法ノ適用ヲ受クル工場ニシテ厚生大臣ノ指定スル事業ヲ營ムモノニ之ヲ適用ス
第三條 工業主ハ十六歲以上ノ男子職工ヲシテ一日ニ付十二時間ヲ超エテ就業セシムルコトヲ得ズ
第四條 工業主ハ十六歲以上ノ男子職工ニ對シ每月少クトモ二囘ノ休日ヲ設ケ一日ノ就業時間ガ六時間ヲ超ユルトキハ少クトモ三十分、十時間ヲ超ユルトキハ少クトモ一時間ノ休憩時間ヲ就業時間中ニ於テ設クベシ
第五條 十六歲以上ノ男子職工ヲ二組以上ニ分チ交替ニ就業セシムル爲又ハ業務ノ性質上特ニ必要アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ工業主ハ豫メ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監以下之ニ同ジ)ニ屆出デ第三條ノ就業時間ヲ延長スルコトヲ得
第六條 已ムヲ得ザル事由ニ因リ臨時必要アル場合ニ於テハ工業主ハ地方長官ノ許可ヲ受ケ期間ヲ限リ第三條ノ規定ニ拘ラズ就業時間ヲ延長シ又ハ第四條ノ休日ヲ廢スルコトヲ得但シ命令ヲ以テ定ムル場合ニ於テハ地方長官ノ許可ヲ受クルコトヲ要セズ
臨時必要アル場合ニ於テハ工業主ハ其ノ都度豫メ地方長官ニ屆出デ一月ニ付七日ヲ超エザル期間就業時間ヲ二時間以內延長スルコトヲ得
第一項但書ノ規定ニ依リ就業セシメタルトキハ遲滯ナク地方長官ニ屆出ヅベシ
第七條 厚生大臣又ハ地方長官必要アリト認ムルトキハ就業時間ノ制限ニ關シ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ基キ工業主ヨリ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ工場、事務所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ帳簿書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第九條 本令中工場法ノ適用ヲ受クル工場トアルハ朝鮮、臺灣又ハ南洋群島ニ在リテハ常時十人以上ノ職工ヲ使用スル工場、樺太ニ在リテハ工場取締規則ノ適用ヲ受クル工場トシ十六歲以上ノ男子職工トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ職工トス
本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長、樺太ニ在リテハ樺太廳長官、南洋群島ニ在リテハ南洋廳長官トス