(国際電気通信株式会社法中改正法律)
法令番号: 法律第八十三號
公布年月日: 昭和14年4月12日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル國際電氣通信株式會社法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年四月十一日
內閣總理大臣 男爵 平沼騏一郞
內務大臣 侯爵 木戶幸一
大藏大臣 石渡莊太郞
拓務大臣 小磯國昭
遞信大臣 田邉治通
法律第八十三號
國際電氣通信株式會社法中左ノ通改正ス
第一條中「其ノ附屬設備」ノ下ニ「(國內電氣通信ニ共用セラルル通信ケーブル設備及其ノ附屬設備ヲ含ム)」ヲ加フ
第二條 國際電氣通信株式會社ハ前條ニ定ムルモノノ外政府ノ命令ニ依リ又ハ其ノ認可ヲ受ケ左ノ事業ヲ營ムコトヲ得
一 外國ニ於ケル電氣通信事業ノ經營
二 外國ニ於ケル電氣通信ノ設備及其ノ附屬設備ノ貸付
三 電氣通信ノ設備及其ノ附屬設備ノ建設及保守ノ請負
四 電氣通信ノ用品ノ製造及販賣
五 前四號ニ揭クル事業ニ對スル投資
第三條及第四條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ改ム
第五條 國際電氣通信株式會社ノ株式ハ記名式トス
國際電氣通信株式會社ノ株主ハ政府、公共團體、帝國臣民又ハ帝國法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半數以上、資本ノ半額以上若ハ議決權ノ過半數カ外國人若ハ外國法人ニ屬セサルモノタルコトヲ要ス
勅令ノ定ムル法人ニシテ特ニ政府ノ許可ヲ受ケタルモノハ前項ノ規定ニ拘ラス國際電氣通信株式會社ノ株主ト爲ルコトヲ得
第六條 政府ハ國際電氣通信株式會社ニ對シ其ノ資本ノ半額ヲ限リ出資スルコトヲ得
政府所有ノ株式ノ株金拂込ハ其ノ他ノ株式ノ株金拂込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
政府ハ國ノ所有ニ屬スル第一條ニ揭クル設備及其ノ設備ヲ爲ス爲購入シタル土地ヲ以テ出資ノ目的ト爲スコトヲ得
第六條ノ二 前條ノ規定ニ依リ政府ニ於テ引受ケタル株式ノ拂込金ハ通信事業特別會計ノ資本勘定ノ歲出トス
通信事業特別會計ニ屬スル財產ノ出資ニ因リ政府ノ取得シタル株式ハ同特別會計ノ資本所屬物件トス
第八條 政府ハ國際電氣通信株式會社ノ設備ヲ使用シタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ該設備使用ニ對シ國際電氣通信株式會社ニ交付金ヲ交付ス
第八條ノ二 國際電氣通信株式會社ハ商法ニ規定スル制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ總額ハ拂込ミタル株金額ノ三倍ヲ超ユルコトヲ得ス
社債ヲ募集スル場合ニ於ケル株主總會ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ當ル株主出席シ其ノ議決權ノ過半數ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ得
第八條ノ三 政府ハ社債ノ元本ノ償還及利息ノ支拂ニ付保證スルコトヲ得
前項ノ保證ニ因ル政府ノ支出金ハ通信事業特別會計ノ業務勘定ノ歲出トス
第十二條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ、「電氣通信ノ設備若ハ其ノ附屬設備」ヲ「第一條ニ揭クル設備」ニ改ム
第十二條ノ二 政府ハ公益上必要アリト認ムルトキハ國際電氣通信株式會社ニ對シ電氣通信ノ技術ノ硏究ニ關シ必要ナル事項ヲ命スルコトヲ得
第十二條ノ三 國際電氣通信株式會社ハ命令ノ定ムル技術者ヲ選任シ技術ニ關スル事項ヲ擔任セシムヘシ
政府ハ前項ノ技術者カ其ノ職務ヲ怠リ又ハ其ノ職務ヲ行フニ當リ不當ナル行爲ヲ爲シタルトキハ其ノ解任ヲ命スルコトヲ得
第十二條ノ四 國際電氣通信株式會社社債ヲ募集セムトスルトキ又ハ借入金ヲ爲サムトスルトキハ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第十二條ノ五 國際電氣通信株式會社事業計畫ヲ設定シ又ハ變更セムトスルトキハ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第十三條 取締役及監査役ノ選任及解任、定款ノ變更、利益金ノ處分、合併竝解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ效力ヲ生セス
政府ハ國際電氣通信株式會社ノ決議又ハ取締役若ハ監査役ノ行爲カ法令、法令ニ基キテ爲ス處分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ取締役若ハ監査役ヲ解任スルコトヲ得
第十三條ノ二 國際電氣通信株式會社ヲ監督スル官廳ノ官吏タリシ者ハ退職後五年間ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非サレハ國際電氣通信株式會社ノ取締役及監査役ト爲ルコトヲ得ス
第十四條中「主務大臣」ヲ「政府」ニ改ム
第十四條ノ二 政府ハ國際電氣通信株式會社監理官ヲ置キ國際電氣通信株式會社ノ業務ヲ監視セシム
第十四條ノ三 國際電氣通信株式會社監理官ハ何時ニテモ國際電氣通信株式會社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ檢査スルコトヲ得
國際電氣通信株式會社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ國際電氣通信株式會社ニ命シ業務ニ關スル諸般ノ計算及狀況ヲ報吿セシムルコトヲ得
國際電氣通信株式會社監理官ハ株主總會其ノ他諸般ノ會議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第十四條ノ四 國際電氣通信株式會社ハ每營業期ニ於ケル配當シ得ヘキ利益金額カ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ要セス
第十四條ノ五 國際電氣通信株式會社勅令ノ定ムル營業期及爾後ノ每營業期ニ於ケル配當シ得ヘキ利益金額カ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込金額ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配當ヲ爲サムトスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配當カ總株式ニ付拂込ミタル株金額ニ對シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ拂込金額及政府ノ所有スル株式ノ拂込金額ニ對シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配當スヘシ
國際電氣通信株式會社前項ノ規定ニ依リ利益ノ配當ヲ爲ス場合ニ於テ昭和十四年三月三十一日以前ニ於テ發行シタル政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ對スル利益配當金カ其ノ拂込株金額ニ對シ年百分ノ七ノ割合ニ達セサルトキハ勅令ノ定ムル營業期及爾後十年間ヲ限リ政府ノ所有スル株式ニ對スル配當ニ充ツヘキ利益金ヲ以テ之ニ達スル迄該株式ニ對シ利益ノ配當ヲ爲スコトヲ得但シ昭和十四年四月一日以後ニ於テ拂込ミタル株金額ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス
第十四條ノ六 國際電氣通信株式會社ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ昭和十五年一月一日ヨリ十年間其ノ通信ケーブル設備ヲ以テ營ム事業ニ付所得稅及營業收益稅ヲ免除ス
第十四條ノ七 北海道、府縣及市町村其ノ他之ニ準スヘキモノハ前條ノ規定ニ依リ所得稅及營業收益稅ヲ免除セラレタル國際電氣通信株式會社ノ事業ニ對シ地方稅ヲ課スルコトヲ得ス但シ特別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十四條ノ八 國際電氣通信株式會社左ノ事項ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登錄稅ノ額ハ左ノ額トス
一 第六條第三項ニ規定スル出資ニ因ル資本ノ增加 增資拂込株金額ノ千分ノ一
二 第六條第三項ニ規定スル出資ニ基ク不動產ニ關スル權利ノ取得 不動產ノ價格ノ千分ノ三
第十四條ノ九 電信線電話線建設條例ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ國際電氣通信株式會社カ第一條ニ揭クル設備ノ建設及保守ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
國際電氣通信株式會社カ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス處分ニ違反シタルトキハ取締役又ハ其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ百圓以上五千圓以下ノ過料ニ處ス
第十六條ノ二 本法ヲ朝鮮、臺灣又ハ樺太ニ施行スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ爲スコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府國際電氣通信株式會社法第六條第三項ノ規定ニ依リ出資ヲ爲サントスルトキハ出資ノ目的タル財產ノ價格及之ニ對シテ與フル株式ノ數ニ付政府出資財產評價委員會ノ議ヲ經ベシ
政府出資財產評價委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府ハ一般會計ニ屬スル國際電氣通信株式會社ノ株式ヲ有償ニテ通信事業特別會計ニ保管換ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ保管換ヲ爲ス株式ノ對價タル支出金ハ通信事業特別會計ノ資本勘定ノ歲出トシ其ノ株式ハ同特別會計ノ資本所屬物件トス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル国際電気通信株式会社法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十四年四月十一日
内閣総理大臣 男爵 平沼騏一郎
内務大臣 侯爵 木戸幸一
大蔵大臣 石渡荘太郎
拓務大臣 小磯国昭
逓信大臣 田邉治通
法律第八十三号
国際電気通信株式会社法中左ノ通改正ス
第一条中「其ノ附属設備」ノ下ニ「(国内電気通信ニ共用セラルル通信ケーブル設備及其ノ附属設備ヲ含ム)」ヲ加フ
第二条 国際電気通信株式会社ハ前条ニ定ムルモノノ外政府ノ命令ニ依リ又ハ其ノ認可ヲ受ケ左ノ事業ヲ営ムコトヲ得
一 外国ニ於ケル電気通信事業ノ経営
二 外国ニ於ケル電気通信ノ設備及其ノ附属設備ノ貸付
三 電気通信ノ設備及其ノ附属設備ノ建設及保守ノ請負
四 電気通信ノ用品ノ製造及販売
五 前四号ニ掲クル事業ニ対スル投資
第三条及第四条中「主務大臣」ヲ「政府」ニ改ム
第五条 国際電気通信株式会社ノ株式ハ記名式トス
国際電気通信株式会社ノ株主ハ政府、公共団体、帝国臣民又ハ帝国法人ニシテ社員、株主若ハ業務ヲ執行スル役員ノ半数以上、資本ノ半額以上若ハ議決権ノ過半数カ外国人若ハ外国法人ニ属セサルモノタルコトヲ要ス
勅令ノ定ムル法人ニシテ特ニ政府ノ許可ヲ受ケタルモノハ前項ノ規定ニ拘ラス国際電気通信株式会社ノ株主ト為ルコトヲ得
第六条 政府ハ国際電気通信株式会社ニ対シ其ノ資本ノ半額ヲ限リ出資スルコトヲ得
政府所有ノ株式ノ株金払込ハ其ノ他ノ株式ノ株金払込ト之ヲ異ニスルコトヲ得
政府ハ国ノ所有ニ属スル第一条ニ掲クル設備及其ノ設備ヲ為ス為購入シタル土地ヲ以テ出資ノ目的ト為スコトヲ得
第六条ノ二 前条ノ規定ニ依リ政府ニ於テ引受ケタル株式ノ払込金ハ通信事業特別会計ノ資本勘定ノ歳出トス
通信事業特別会計ニ属スル財産ノ出資ニ因リ政府ノ取得シタル株式ハ同特別会計ノ資本所属物件トス
第八条 政府ハ国際電気通信株式会社ノ設備ヲ使用シタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ該設備使用ニ対シ国際電気通信株式会社ニ交付金ヲ交付ス
第八条ノ二 国際電気通信株式会社ハ商法ニ規定スル制限ヲ超エテ社債ヲ募集スルコトヲ得但シ社債ノ総額ハ払込ミタル株金額ノ三倍ヲ超ユルコトヲ得ス
社債ヲ募集スル場合ニ於ケル株主総会ノ決議ハ資本ノ半額以上ニ当ル株主出席シ其ノ議決権ノ過半数ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
第八条ノ三 政府ハ社債ノ元本ノ償還及利息ノ支払ニ付保証スルコトヲ得
前項ノ保証ニ因ル政府ノ支出金ハ通信事業特別会計ノ業務勘定ノ歳出トス
第十二条中「主務大臣」ヲ「政府」ニ、「電気通信ノ設備若ハ其ノ附属設備」ヲ「第一条ニ掲クル設備」ニ改ム
第十二条ノ二 政府ハ公益上必要アリト認ムルトキハ国際電気通信株式会社ニ対シ電気通信ノ技術ノ研究ニ関シ必要ナル事項ヲ命スルコトヲ得
第十二条ノ三 国際電気通信株式会社ハ命令ノ定ムル技術者ヲ選任シ技術ニ関スル事項ヲ担任セシムヘシ
政府ハ前項ノ技術者カ其ノ職務ヲ怠リ又ハ其ノ職務ヲ行フニ当リ不当ナル行為ヲ為シタルトキハ其ノ解任ヲ命スルコトヲ得
第十二条ノ四 国際電気通信株式会社社債ヲ募集セムトスルトキ又ハ借入金ヲ為サムトスルトキハ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第十二条ノ五 国際電気通信株式会社事業計画ヲ設定シ又ハ変更セムトスルトキハ政府ノ認可ヲ受クヘシ
第十三条 取締役及監査役ノ選任及解任、定款ノ変更、利益金ノ処分、合併並解散ノ決議ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其ノ効力ヲ生セス
政府ハ国際電気通信株式会社ノ決議又ハ取締役若ハ監査役ノ行為カ法令、法令ニ基キテ為ス処分若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ取締役若ハ監査役ヲ解任スルコトヲ得
第十三条ノ二 国際電気通信株式会社ヲ監督スル官庁ノ官吏タリシ者ハ退職後五年間ハ政府ノ認可ヲ受クルニ非サレハ国際電気通信株式会社ノ取締役及監査役ト為ルコトヲ得ス
第十四条中「主務大臣」ヲ「政府」ニ改ム
第十四条ノ二 政府ハ国際電気通信株式会社監理官ヲ置キ国際電気通信株式会社ノ業務ヲ監視セシム
第十四条ノ三 国際電気通信株式会社監理官ハ何時ニテモ国際電気通信株式会社ノ金庫、帳簿及諸般ノ文書物件ヲ検査スルコトヲ得
国際電気通信株式会社監理官必要ト認ムルトキハ何時ニテモ国際電気通信株式会社ニ命シ業務ニ関スル諸般ノ計算及状況ヲ報告セシムルコトヲ得
国際電気通信株式会社監理官ハ株主総会其ノ他諸般ノ会議ニ出席シ意見ヲ陳述スルコトヲ得
第十四条ノ四 国際電気通信株式会社ハ毎営業期ニ於ケル配当シ得ヘキ利益金額カ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ニ達スル迄政府ノ所有スル株式ニ対シ利益ノ配当ヲ為スコトヲ要セス
第十四条ノ五 国際電気通信株式会社勅令ノ定ムル営業期及爾後ノ毎営業期ニ於ケル配当シ得ヘキ利益金額カ政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込金額ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ超過スル場合ニ於テ政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ対シ年百分ノ六ノ割合ヲ超エ利益配当ヲ為サムトスルトキハ其ノ超過スル利益金額ハ利益配当カ総株式ニ付払込ミタル株金額ニ対シ均一ノ割合ニ達スル迄政府以外ノ者ノ所有スル株式ノ払込金額及政府ノ所有スル株式ノ払込金額ニ対シ一ト五トノ割合ヲ以テ之ヲ配当スヘシ
国際電気通信株式会社前項ノ規定ニ依リ利益ノ配当ヲ為ス場合ニ於テ昭和十四年三月三十一日以前ニ於テ発行シタル政府以外ノ者ノ所有スル株式ニ対スル利益配当金カ其ノ払込株金額ニ対シ年百分ノ七ノ割合ニ達セサルトキハ勅令ノ定ムル営業期及爾後十年間ヲ限リ政府ノ所有スル株式ニ対スル配当ニ充ツヘキ利益金ヲ以テ之ニ達スル迄該株式ニ対シ利益ノ配当ヲ為スコトヲ得但シ昭和十四年四月一日以後ニ於テ払込ミタル株金額ニ対シテハ此ノ限ニ在ラス
第十四条ノ六 国際電気通信株式会社ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ昭和十五年一月一日ヨリ十年間其ノ通信ケーブル設備ヲ以テ営ム事業ニ付所得税及営業収益税ヲ免除ス
第十四条ノ七 北海道、府県及市町村其ノ他之ニ準スヘキモノハ前条ノ規定ニ依リ所得税及営業収益税ヲ免除セラレタル国際電気通信株式会社ノ事業ニ対シ地方税ヲ課スルコトヲ得ス但シ特別ノ事情ニ基キ政府ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十四条ノ八 国際電気通信株式会社左ノ事項ニ付登記ヲ受クル場合ニ於テハ其ノ登録税ノ額ハ左ノ額トス
一 第六条第三項ニ規定スル出資ニ因ル資本ノ増加 増資払込株金額ノ千分ノ一
二 第六条第三項ニ規定スル出資ニ基ク不動産ニ関スル権利ノ取得 不動産ノ価格ノ千分ノ三
第十四条ノ九 電信線電話線建設条例ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ国際電気通信株式会社カ第一条ニ掲クル設備ノ建設及保守ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
第十六条第一項ヲ左ノ如ク改ム
国際電気通信株式会社カ本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ取締役又ハ其ノ職務ヲ行フ監査役ヲ百円以上五千円以下ノ過料ニ処ス
第十六条ノ二 本法ヲ朝鮮、台湾又ハ樺太ニ施行スル場合ニ於テ必要アルトキハ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ為スコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府国際電気通信株式会社法第六条第三項ノ規定ニ依リ出資ヲ為サントスルトキハ出資ノ目的タル財産ノ価格及之ニ対シテ与フル株式ノ数ニ付政府出資財産評価委員会ノ議ヲ経ベシ
政府出資財産評価委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
政府ハ一般会計ニ属スル国際電気通信株式会社ノ株式ヲ有償ニテ通信事業特別会計ニ保管換ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ保管換ヲ為ス株式ノ対価タル支出金ハ通信事業特別会計ノ資本勘定ノ歳出トシ其ノ株式ハ同特別会計ノ資本所属物件トス