(恩給法施行令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第三百八十二號
公布年月日: 昭和13年5月28日
法令の形式: 勅令
朕恩給法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年五月二十七日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
海軍大臣 米內光政
司法大臣 鹽野季彥
陸軍大臣 杉山元
遞信大臣 永井柳太郞
農林大臣 伯爵 有馬賴寧
鐵道大臣 中島知久平
拓務大臣 大谷尊由
厚生大臣 侯爵 木戶幸一
內務大臣 末次信正
外務大臣 宇垣一成
文部大臣 男爵 荒木貞夫
大藏大臣兼商工大臣 池田成彬
勅令第三百八十二號
恩給法施行令中左ノ通改正ス
第一條ニ左ノ一項ヲ加フ
恩給法第七十五條第二項ノ規定ニ依リ加給ヲ受クル受給者ニ付テハ第一項ニ規定スル事項ノ外遺族ノ員數ヲ調査ス
第一條ノ二第一項第一號ヲ左ノ如ク改ム
一 前條第一項又ハ第三項ノ事實ヲ證スル爲ニハ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ニ在リテハ戶籍抄本、扶助料權者ニ在リテハ戶籍謄本
第三條第一號中「實業補習學校」ヲ「靑年學校」ニ改ム
同條第四號中「(南滿洲鐵道附屬地ヲ含ム以下同シ)」ヲ削ル
同條ニ左ノ一號ヲ加フ
七 在滿學校組合待遇職員令ニ依リ判任官以上ノ待遇ヲ受クル者及其ノ遺族ノ恩給ハ大使之ヲ裁定ス
第二十四條 恩給法第四十九條第二項ノ規定ニ依リ不具癈疾ノ程度ヲ分チテ左ノ八項トス
特別項症
一 常ニ就床ヲ要シ且複雜ナル介護ヲ要スルモノ
二 重大ナル精神障碍ノ爲常ニ監視又ハ複雜ナル介護ヲ要スルモノ
三 兩眼ノ視力カ明暗ヲ辨別シ得サルモノ
四 身體諸部ノ障碍ヲ綜合シテ其ノ程度第一項症ニ第一項症乃至第六項症ヲ加ヘタルモノ
第一項症
一 複雜ナル介護ヲ要セサルモ常ニ就床ヲ要スルモノ
二 精神的又ハ身體的作業能力ヲ失ヒ僅ニ自用ヲ辨シ得ルニ過キサルモノ
三 咀嚼及言語ノ機能ヲ併セ癈シタルモノ
四 兩眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
五 肘關節以上ニテ兩上肢ヲ失ヒタルモノ
六 膝關節以上ニテ兩下肢ヲ矢ヒタルモノ
第二項症
一 精神的又ハ身體的作業能力ノ大部ヲ失ヒタルモノ
二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ癈シタルモノ
三 兩眼ノ視力カ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
四 兩耳全ク聾シタルモノ
五 大動脈瘤、鎖骨下動脈瘤、總頸動脈瘤、無名動脈瘤又ハ腸骨動脈瘤ヲ發シタルモノ
六 腕關節以上ニテ兩上肢ヲ失ヒタルモノ
七 足關節以上ニテ兩下肢ヲ失ヒタルモノ
第三項症
一 肘關節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ
二 膝關節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ
第四項症
一 精神的又ハ身體的作業能力ヲ著シク妨クルモノ
二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ著シク妨クルモノ
三 兩眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
四 兩耳ノ聽力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大聲ヲ解シ得サルモノ
五 泌尿器ノ機能ヲ著シク妨クルモノ
六 兩睾丸ヲ全ク失ヒタルモノニシテ脫落症狀ノ著シカラサルモノ
七 腕關節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ
八 足關節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ
第五項症
一 頭部、顏面等ニ大ナル醜形ヲ殘シタルモノ
二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
三 一側總指ヲ全ク失ヒタルモノ
第六項症
一 精神的又ハ身體的作業能力ヲ高度ニ妨クルモノ
二 頸部又ハ軀幹ノ運動ニ著シク妨アルモノ
三 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
四 脾臟ヲ失ヒタルモノ
五 一側拇指及示指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側總指ノ機能ヲ癈シタルモノ
第七項症
一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
二 一耳全ク聾シ他耳尋常ノ話聲ヲ一・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側腎臟ヲ失ヒタルモノ
四 一側拇指ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側示指乃至小指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側足關節カ直角位ニ於テ强剛シタルモノ
七 一側總趾ヲ全ク失ヒタルモノ
前項ノ各症ニ該當セサル傷痍疾病ノ症項ハ前項ノ規定ニ準シ之ヲ査定ス
視力ヲ測定スル場合ニ於テハ屈折異常ノモノニ付テハ矯正視力ニ依リ視標ハ萬國共通視力標ニ依ル
第二十四條ノ二 思給法第四十九條第二項ニ規定スル傷病年金ヲ給スヘキ傷病ノ程度ヲ分チテ左ノ四款トス
第一款症
一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二・五メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
二 一耳全ク聾シタルモノ
三 一側拇指ノ機能ヲ癈シタルモノ
四 一側示指乃至小指ノ機能ヲ癈シタルモノ
五 一側總趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
第二款症
一 精神的又ハ身體的作業能力ヲ輕度ニ妨クルモノ
二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ三・五メートル以上ニテハ辨別シ得サルモノ
三 一耳ノ聽力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大聲ヲ解シ得サルモノ
四 一側睾丸ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側示指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側第一趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第三款症
一 一側示指ノ機能ヲ癈シタルモノ
二 一側中指ヲ全ク失ヒタルモノ
三 一側第一趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
四 一側第二趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第四款症
一 一眼ノ視力カ〇・一ニ滿タサルモノ
二 一耳ノ聽力カ尋常ノ話聲ヲ〇・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側中指ノ機能ヲ癈シタルモノ
四 一側環指ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側第二趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
六 一側第三趾乃至第五趾ノ中二趾ヲ全ク失ヒタルモノ
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ傷病ノ程度ノ査定ニ付之ヲ準用ス
第三十一條 恩給法第六十六條第四項ノ規定ニ依リ傷病賜金ヲ給スヘキ傷病ノ程度ヲ分チテ左ノ四目トス
第一目症
一 身體的作業能力ヲ輕度ニ妨クルコトアルモノ
二 一眼ノ視力カ〇・二ニ滿タサルモノ
三 一耳ノ聽力カ尋常ノ話聲ヲ一メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
四 一側環指ノ機能ヲ癈シタルモノ
五 一側小指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側第三趾乃至第五趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
第二目症
一 一側小指ノ機能ヲ癈シタルモノ
二 一側第三趾乃至第五趾ノ中二趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
第三目症
一 一眼ノ視力カ〇・三ニ滿タサルモノ
二 一耳ノ聽力カ尋常ノ話聲ヲ三メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側第三趾乃至第五趾ノ中一趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第四目症
一 一側第三趾乃至第五趾ノ中一趾ノ機能ヲ癈シタルモノ
二 前目ノ各症ニ次ク症ヲ貽シタルモノ
第二十四條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ傷病ノ程度ノ査定ニ付之ヲ準用ス
第三十一條ノ二 恩給法第六十六條ノ二ノ規定ニ依リ返還セシムヘキ額ハ傷病賜金ノ額ノ六十四分ノ一ニ相當スル金額ニ傷病賜金ヲ受ケタル月ヨリ起算シ增加恩給又ハ傷病年金ヲ受クルニ至リタル月迄ノ月數ト四十八月トノ差月數ヲ乘シタル金額トシ增加恩給又ハ傷病年金ノ支給ニ際シ其ノ返還額ニ達スル迄支給額ノ三分ノ一ニ相當スル金額ヲ控除シテ返還セシム
第三十一條ノ三 恩給法第七十五條第二項但書ニ規定スル遺族ノ員數ニ依ル加給ニ付テハ左ノ區分ニ依ル
一 同一戶籍內ニ扶助料ヲ受クル者二人以上アル場合又ハ二以上ノ扶助料ヲ併セ受クル者アル場合ニ於テハ其ノ各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ裁定官廳ニ於テ最初ニ請求ヲ受理シタル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルモノトス但シ前段ノ場合ニ在リテハ各ノ扶助料ヲ受クル者全員ノ連署ヲ以テ、後段ノ場合ニ在リテハ之ヲ併セ受クル者ヨリ裁定官廳ニ於テ後ニ請求ヲ受理シタル一ノ扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タラシムルコトヲ請求シタルトキハ後扶助料ノ加給額カ最初ノ扶助料ノ加給額ヨリ多額ト爲ル場合ニ限リ改定請求アリタル月ノ翌月ヨリ加給額ヲ改定ス
二 前號ニ揭クル各ノ扶助料ノ請求ヲ裁定官廳ニ於テ同日ニ受理シタルトキハ其ノ各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ加給額ノ最多額ト爲ル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルモノトス
前項第一號但書ノ規定ニ依リ加給額ヲ改定シタル後ニ於テ請求セラレタル扶助料アル場合ニ於テハ其ノ扶助料ニ加給ヲ爲ストキ其ノ加給額カ旣ニ改定セラレタル加給額ヨリ多額ト爲ル場合ニ限リ更ニ改定ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項第一號但書ノ規定ヲ準用ス
附 則
第一條 本令ハ昭和十三年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 南滿洲鐵道附屬地ニ在勤シタル關東州ニ於ケル警察監獄職員及其ノ遺族ノ恩給ノ裁定ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル
第三條 第三十一條ノ三ノ規定ハ昭和十三年法律第五十六號(以下改正法律ト稱ス)附則第二條ノ規定ニ依リテ增給セラルベキ扶助料中恩給法第七十五條第二項但書ニ規定スル加給ノ場合ニ該當スルガ爲增給セラルベキ扶助料ニ付之ヲ準用ス
第四條 改正法律附則第二條ノ規定ニ依リテ爲ス增加恩給又ハ扶助料ノ增給ハ權利者ノ請求ヲ待タズシテ之ヲ爲ス但シ恩給法第七十五條第二項ニ規定スル加給ノ場合ニ該當スル扶助料ノ增給ハ權利者ノ請求ヲ待チテ之ヲ爲ス
第五條 改正法律附則第三條ノ規定ニ依リ第七項ノ增加恩給ヲ給セラルベキ者ガ本令施行ノ際從前ノ第一款ノ傷病年金ト普通恩給トヲ併給セラルル者ナル場合ニ於テハ從前ノ傷病年金第一款ノ年額ヲ以テ增加恩給第七項ノ年額トス
第六條 改正法律附則第五條ノ規定ニ依リ給スベキ傷病年金ハ前ニ傷病賜金ヲ受クルノ權利ヲ生ジタル者ニ付テハ之ヲ生ジタル月ヨリ起算シ新ニ受クベキ恩給法別表第三號表ノ改正規定ノ傷病年金額ヲ以テ其ノ者ノ受ケタル傷病賜金額ヲ除シテ得タル數ニ相當スル年數ヲ經過シタル後ニ非ザレバ之ヲ給セズ
前項ノ年數ノ一年ニ滿タザル部分ハ之ヲ月ニ換算シ月ニ滿タザルモノハ之ヲ切捨ツ
朕恩給法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年五月二十七日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
海軍大臣 米内光政
司法大臣 塩野季彦
陸軍大臣 杉山元
逓信大臣 永井柳太郎
農林大臣 伯爵 有馬頼寧
鉄道大臣 中島知久平
拓務大臣 大谷尊由
厚生大臣 侯爵 木戸幸一
内務大臣 末次信正
外務大臣 宇垣一成
文部大臣 男爵 荒木貞夫
大蔵大臣兼商工大臣 池田成彬
勅令第三百八十二号
恩給法施行令中左ノ通改正ス
第一条ニ左ノ一項ヲ加フ
恩給法第七十五条第二項ノ規定ニ依リ加給ヲ受クル受給者ニ付テハ第一項ニ規定スル事項ノ外遺族ノ員数ヲ調査ス
第一条ノ二第一項第一号ヲ左ノ如ク改ム
一 前条第一項又ハ第三項ノ事実ヲ証スル為ニハ公務員又ハ之ニ準スヘキ者ニ在リテハ戸籍抄本、扶助料権者ニ在リテハ戸籍謄本
第三条第一号中「実業補習学校」ヲ「青年学校」ニ改ム
同条第四号中「(南満洲鉄道附属地ヲ含ム以下同シ)」ヲ削ル
同条ニ左ノ一号ヲ加フ
七 在満学校組合待遇職員令ニ依リ判任官以上ノ待遇ヲ受クル者及其ノ遺族ノ恩給ハ大使之ヲ裁定ス
第二十四条 恩給法第四十九条第二項ノ規定ニ依リ不具廃疾ノ程度ヲ分チテ左ノ八項トス
特別項症
一 常ニ就床ヲ要シ且複雑ナル介護ヲ要スルモノ
二 重大ナル精神障碍ノ為常ニ監視又ハ複雑ナル介護ヲ要スルモノ
三 両眼ノ視力カ明暗ヲ弁別シ得サルモノ
四 身体諸部ノ障碍ヲ綜合シテ其ノ程度第一項症ニ第一項症乃至第六項症ヲ加ヘタルモノ
第一項症
一 複雑ナル介護ヲ要セサルモ常ニ就床ヲ要スルモノ
二 精神的又ハ身体的作業能力ヲ失ヒ僅ニ自用ヲ弁シ得ルニ過キサルモノ
三 咀嚼及言語ノ機能ヲ併セ廃シタルモノ
四 両眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
五 肘関節以上ニテ両上肢ヲ失ヒタルモノ
六 膝関節以上ニテ両下肢ヲ矢ヒタルモノ
第二項症
一 精神的又ハ身体的作業能力ノ大部ヲ失ヒタルモノ
二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ廃シタルモノ
三 両眼ノ視力カ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
四 両耳全ク聾シタルモノ
五 大動脈瘤、鎖骨下動脈瘤、総頸動脈瘤、無名動脈瘤又ハ腸骨動脈瘤ヲ発シタルモノ
六 腕関節以上ニテ両上肢ヲ失ヒタルモノ
七 足関節以上ニテ両下肢ヲ失ヒタルモノ
第三項症
一 肘関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ
二 膝関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ
第四項症
一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ著シク妨クルモノ
二 咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ著シク妨クルモノ
三 両眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
四 両耳ノ聴力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大声ヲ解シ得サルモノ
五 泌尿器ノ機能ヲ著シク妨クルモノ
六 両睾丸ヲ全ク失ヒタルモノニシテ脱落症状ノ著シカラサルモノ
七 腕関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ
八 足関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ
第五項症
一 頭部、顔面等ニ大ナル醜形ヲ残シタルモノ
二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ〇・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
三 一側総指ヲ全ク失ヒタルモノ
第六項症
一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ高度ニ妨クルモノ
二 頸部又ハ躯幹ノ運動ニ著シク妨アルモノ
三 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ一メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
四 脾臓ヲ失ヒタルモノ
五 一側拇指及示指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側総指ノ機能ヲ廃シタルモノ
第七項症
一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
二 一耳全ク聾シ他耳尋常ノ話声ヲ一・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側腎臓ヲ失ヒタルモノ
四 一側拇指ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側示指乃至小指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側足関節カ直角位ニ於テ強剛シタルモノ
七 一側総趾ヲ全ク失ヒタルモノ
前項ノ各症ニ該当セサル傷痍疾病ノ症項ハ前項ノ規定ニ準シ之ヲ査定ス
視力ヲ測定スル場合ニ於テハ屈折異常ノモノニ付テハ矯正視力ニ依リ視標ハ万国共通視力標ニ依ル
第二十四条ノ二 思給法第四十九条第二項ニ規定スル傷病年金ヲ給スヘキ傷病ノ程度ヲ分チテ左ノ四款トス
第一款症
一 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ二・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
二 一耳全ク聾シタルモノ
三 一側拇指ノ機能ヲ廃シタルモノ
四 一側示指乃至小指ノ機能ヲ廃シタルモノ
五 一側総趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
第二款症
一 精神的又ハ身体的作業能力ヲ軽度ニ妨クルモノ
二 一眼ノ視力カ視標〇・一ヲ三・五メートル以上ニテハ弁別シ得サルモノ
三 一耳ノ聴力カ〇・〇五メートル以上ニテハ大声ヲ解シ得サルモノ
四 一側睾丸ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側示指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側第一趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第三款症
一 一側示指ノ機能ヲ廃シタルモノ
二 一側中指ヲ全ク失ヒタルモノ
三 一側第一趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
四 一側第二趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第四款症
一 一眼ノ視力カ〇・一ニ満タサルモノ
二 一耳ノ聴力カ尋常ノ話声ヲ〇・五メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側中指ノ機能ヲ廃シタルモノ
四 一側環指ヲ全ク失ヒタルモノ
五 一側第二趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
六 一側第三趾乃至第五趾ノ中二趾ヲ全ク失ヒタルモノ
前条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ傷病ノ程度ノ査定ニ付之ヲ準用ス
第三十一条 恩給法第六十六条第四項ノ規定ニ依リ傷病賜金ヲ給スヘキ傷病ノ程度ヲ分チテ左ノ四目トス
第一目症
一 身体的作業能力ヲ軽度ニ妨クルコトアルモノ
二 一眼ノ視力カ〇・二ニ満タサルモノ
三 一耳ノ聴力カ尋常ノ話声ヲ一メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
四 一側環指ノ機能ヲ廃シタルモノ
五 一側小指ヲ全ク失ヒタルモノ
六 一側第三趾乃至第五趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
第二目症
一 一側小指ノ機能ヲ廃シタルモノ
二 一側第三趾乃至第五趾ノ中二趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
第三目症
一 一眼ノ視力カ〇・三ニ満タサルモノ
二 一耳ノ聴力カ尋常ノ話声ヲ三メートル以上ニテハ解シ得サルモノ
三 一側第三趾乃至第五趾ノ中一趾ヲ全ク失ヒタルモノ
第四目症
一 一側第三趾乃至第五趾ノ中一趾ノ機能ヲ廃シタルモノ
二 前目ノ各症ニ次ク症ヲ貽シタルモノ
第二十四条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ傷病ノ程度ノ査定ニ付之ヲ準用ス
第三十一条ノ二 恩給法第六十六条ノ二ノ規定ニ依リ返還セシムヘキ額ハ傷病賜金ノ額ノ六十四分ノ一ニ相当スル金額ニ傷病賜金ヲ受ケタル月ヨリ起算シ増加恩給又ハ傷病年金ヲ受クルニ至リタル月迄ノ月数ト四十八月トノ差月数ヲ乗シタル金額トシ増加恩給又ハ傷病年金ノ支給ニ際シ其ノ返還額ニ達スル迄支給額ノ三分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シテ返還セシム
第三十一条ノ三 恩給法第七十五条第二項但書ニ規定スル遺族ノ員数ニ依ル加給ニ付テハ左ノ区分ニ依ル
一 同一戸籍内ニ扶助料ヲ受クル者二人以上アル場合又ハ二以上ノ扶助料ヲ併セ受クル者アル場合ニ於テハ其ノ各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ裁定官庁ニ於テ最初ニ請求ヲ受理シタル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルモノトス但シ前段ノ場合ニ在リテハ各ノ扶助料ヲ受クル者全員ノ連署ヲ以テ、後段ノ場合ニ在リテハ之ヲ併セ受クル者ヨリ裁定官庁ニ於テ後ニ請求ヲ受理シタル一ノ扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タラシムルコトヲ請求シタルトキハ後扶助料ノ加給額カ最初ノ扶助料ノ加給額ヨリ多額ト為ル場合ニ限リ改定請求アリタル月ノ翌月ヨリ加給額ヲ改定ス
二 前号ニ掲クル各ノ扶助料ノ請求ヲ裁定官庁ニ於テ同日ニ受理シタルトキハ其ノ各ノ扶助料ニ付共通ニ加給ノ原因タルヘキ遺族ハ加給額ノ最多額ト為ル扶助料ニ付テノミ加給ノ原因タルモノトス
前項第一号但書ノ規定ニ依リ加給額ヲ改定シタル後ニ於テ請求セラレタル扶助料アル場合ニ於テハ其ノ扶助料ニ加給ヲ為ストキ其ノ加給額カ既ニ改定セラレタル加給額ヨリ多額ト為ル場合ニ限リ更ニ改定ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ前項第一号但書ノ規定ヲ準用ス
附 則
第一条 本令ハ昭和十三年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 南満洲鉄道附属地ニ在勤シタル関東州ニ於ケル警察監獄職員及其ノ遺族ノ恩給ノ裁定ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ル
第三条 第三十一条ノ三ノ規定ハ昭和十三年法律第五十六号(以下改正法律ト称ス)附則第二条ノ規定ニ依リテ増給セラルベキ扶助料中恩給法第七十五条第二項但書ニ規定スル加給ノ場合ニ該当スルガ為増給セラルベキ扶助料ニ付之ヲ準用ス
第四条 改正法律附則第二条ノ規定ニ依リテ為ス増加恩給又ハ扶助料ノ増給ハ権利者ノ請求ヲ待タズシテ之ヲ為ス但シ恩給法第七十五条第二項ニ規定スル加給ノ場合ニ該当スル扶助料ノ増給ハ権利者ノ請求ヲ待チテ之ヲ為ス
第五条 改正法律附則第三条ノ規定ニ依リ第七項ノ増加恩給ヲ給セラルベキ者ガ本令施行ノ際従前ノ第一款ノ傷病年金ト普通恩給トヲ併給セラルル者ナル場合ニ於テハ従前ノ傷病年金第一款ノ年額ヲ以テ増加恩給第七項ノ年額トス
第六条 改正法律附則第五条ノ規定ニ依リ給スベキ傷病年金ハ前ニ傷病賜金ヲ受クルノ権利ヲ生ジタル者ニ付テハ之ヲ生ジタル月ヨリ起算シ新ニ受クベキ恩給法別表第三号表ノ改正規定ノ傷病年金額ヲ以テ其ノ者ノ受ケタル傷病賜金額ヲ除シテ得タル数ニ相当スル年数ヲ経過シタル後ニ非ザレバ之ヲ給セズ
前項ノ年数ノ一年ニ満タザル部分ハ之ヲ月ニ換算シ月ニ満タザルモノハ之ヲ切捨ツ