南洋群島地方費令
法令番号: 勅令第二百二十四號
公布年月日: 昭和13年4月1日
法令の形式: 勅令
朕南洋群島地方費令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十一日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
拓務大臣 大谷尊由
勅令第二百二十四號
南洋群島地方費令
第一條 南洋群島地方費ハ地方費稅其ノ他ノ收入ヲ以テ之ヲ支辨ス
南洋群島地方費ハ南洋廳長官之ヲ管理ス
第二條 地方費ヲ以テ支辨シ得ル費目左ノ如シ
一 土木及營繕費
二 敎育費
三 勸業費
四 衞生費
五 社會事業費
六 地方費取扱費
公益上必要アル場合ニ於テハ寄附又ハ補助ヲ爲スコトヲ得
第三條 地方費稅トシテ賦課シ得ルモノ左ノ如シ
一 國稅附加稅
二 獨立稅
國稅附加稅及獨立稅ノ種類及課率ハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ南洋廳長官之ヲ定ム
第四條 地方費ハ營造物ノ使用ニ付使用料ヲ徵收スルコトヲ得
地方費ハ特ニ一個人ノ爲ニスル事務ニ付手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第五條 地方費ヲ以テ支辨スル事業ノ爲特別ノ必要アルトキハ夫役又ハ現品ヲ賦課スルコトヲ得但シ學藝、美術及手工ニ關スル勞役ヲ課スルコトヲ得ズ
第六條 地方費ニ屬スル徵收金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ徵收金ハ國ノ徵收金ニ次デ先取特權ヲ有シ其ノ追徵、還付及時效ニ付テハ國稅ノ例ニ依ル
地方費ノ支拂金ニ關スル時效ニ付テハ國ノ支拂金ノ例ニ依ル
第七條 地方費ハ其ノ永久ノ利益ト爲ルベキ支出ヲ爲ス爲、地方費ノ負擔ヲ償還スル爲又ハ天災事變等ノ爲必要アル場合ニ限リ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ起債ヲ爲スコトヲ得
地方費ハ豫算內ノ支出ヲ爲ス爲一時ノ借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ借入金ハ其ノ會計年度內ノ收入ヲ以テ之ヲ償還スベシ
第八條 地方費ハ每會計年度歲入出豫算ヲ調製シ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ豫算ノ追加又ハ更正ヲ爲ストキ亦同ジ
豫算ノ認可アリタルトキハ其ノ要領ヲ吿示スベシ
決算ハ出納閉鎖後三月以內ニ拓務大臣ニ報吿シ且其ノ要領ヲ吿示スベシ
地方費ノ會計年度ハ政府ノ會計年度ニ依ル
第九條 地方費ヲ以テ支辨スル事件ニシテ數年ヲ期シテ其ノ費用ヲ支出スベキモノハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ年期間各年度ノ支出額ヲ定メ繼續費ト爲スコトヲ得
第十條 地方費ニ有給ノ吏員ヲ置キ南洋廳長官之ヲ任免ス
吏員ハ南洋廳長官ノ命ヲ承ケ事務ニ從事ス
南洋廳長官ハ吏員ヲ指揮監督シ懲戒ヲ行フコトヲ得其ノ懲戒處分ハ譴責、二十五圓以下ノ過怠金及解職トス
第十一條 南洋廳長官ハ地方費ノ行政ニ關シ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ所部ノ官吏吏員ニ委任シ又ハ臨時代理セシムルコトヲ得
第十二條 官吏ノ地方費ノ行政ニ關スル職務關係ハ前條ニ規定スル場合ヲ除クノ外國ノ行政ニ關スル其ノ職務關係ノ例ニ依ル
第十三條 本令中拓務大臣ノ認可ヲ要スベキ事項ニシテ輕易ナルモノニ付テハ拓務大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ認可ヲ受ケシメザルコトヲ得
第十四條 本令ニ規定スルモノヲ除クノ外地方費ノ財務及吏員ニ關シ必要ナル事項ハ南洋廳長官之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕南洋群島地方費令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月三十一日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
拓務大臣 大谷尊由
勅令第二百二十四号
南洋群島地方費令
第一条 南洋群島地方費ハ地方費税其ノ他ノ収入ヲ以テ之ヲ支弁ス
南洋群島地方費ハ南洋庁長官之ヲ管理ス
第二条 地方費ヲ以テ支弁シ得ル費目左ノ如シ
一 土木及営繕費
二 教育費
三 勧業費
四 衛生費
五 社会事業費
六 地方費取扱費
公益上必要アル場合ニ於テハ寄附又ハ補助ヲ為スコトヲ得
第三条 地方費税トシテ賦課シ得ルモノ左ノ如シ
一 国税附加税
二 独立税
国税附加税及独立税ノ種類及課率ハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ南洋庁長官之ヲ定ム
第四条 地方費ハ営造物ノ使用ニ付使用料ヲ徴収スルコトヲ得
地方費ハ特ニ一個人ノ為ニスル事務ニ付手数料ヲ徴収スルコトヲ得
第五条 地方費ヲ以テ支弁スル事業ノ為特別ノ必要アルトキハ夫役又ハ現品ヲ賦課スルコトヲ得但シ学芸、美術及手工ニ関スル労役ヲ課スルコトヲ得ズ
第六条 地方費ニ属スル徴収金ハ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収スルコトヲ得
前項ノ徴収金ハ国ノ徴収金ニ次デ先取特権ヲ有シ其ノ追徴、還付及時効ニ付テハ国税ノ例ニ依ル
地方費ノ支払金ニ関スル時効ニ付テハ国ノ支払金ノ例ニ依ル
第七条 地方費ハ其ノ永久ノ利益ト為ルベキ支出ヲ為ス為、地方費ノ負担ヲ償還スル為又ハ天災事変等ノ為必要アル場合ニ限リ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ起債ヲ為スコトヲ得
地方費ハ予算内ノ支出ヲ為ス為一時ノ借入金ヲ為スコトヲ得
前項ノ借入金ハ其ノ会計年度内ノ収入ヲ以テ之ヲ償還スベシ
第八条 地方費ハ毎会計年度歳入出予算ヲ調製シ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ予算ノ追加又ハ更正ヲ為ストキ亦同ジ
予算ノ認可アリタルトキハ其ノ要領ヲ告示スベシ
決算ハ出納閉鎖後三月以内ニ拓務大臣ニ報告シ且其ノ要領ヲ告示スベシ
地方費ノ会計年度ハ政府ノ会計年度ニ依ル
第九条 地方費ヲ以テ支弁スル事件ニシテ数年ヲ期シテ其ノ費用ヲ支出スベキモノハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ年期間各年度ノ支出額ヲ定メ継続費ト為スコトヲ得
第十条 地方費ニ有給ノ吏員ヲ置キ南洋庁長官之ヲ任免ス
吏員ハ南洋庁長官ノ命ヲ承ケ事務ニ従事ス
南洋庁長官ハ吏員ヲ指揮監督シ懲戒ヲ行フコトヲ得其ノ懲戒処分ハ譴責、二十五円以下ノ過怠金及解職トス
第十一条 南洋庁長官ハ地方費ノ行政ニ関シ其ノ職権ニ属スル事務ノ一部ヲ所部ノ官吏吏員ニ委任シ又ハ臨時代理セシムルコトヲ得
第十二条 官吏ノ地方費ノ行政ニ関スル職務関係ハ前条ニ規定スル場合ヲ除クノ外国ノ行政ニ関スル其ノ職務関係ノ例ニ依ル
第十三条 本令中拓務大臣ノ認可ヲ要スベキ事項ニシテ軽易ナルモノニ付テハ拓務大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ認可ヲ受ケシメザルコトヲ得
第十四条 本令ニ規定スルモノヲ除クノ外地方費ノ財務及吏員ニ関シ必要ナル事項ハ南洋庁長官之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス