第一條 南洋群島地方費ハ地方費稅其ノ他ノ收入ヲ以テ之ヲ支辨ス
公益上必要アル場合ニ於テハ寄附又ハ補助ヲ爲スコトヲ得
國稅附加稅及獨立稅ノ種類及課率ハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ南洋廳長官之ヲ定ム
第四條 地方費ハ營造物ノ使用ニ付使用料ヲ徵收スルコトヲ得
地方費ハ特ニ一個人ノ爲ニスル事務ニ付手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第五條 地方費ヲ以テ支辨スル事業ノ爲特別ノ必要アルトキハ夫役又ハ現品ヲ賦課スルコトヲ得但シ學藝、美術及手工ニ關スル勞役ヲ課スルコトヲ得ズ
第六條 地方費ニ屬スル徵收金ハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ之ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ徵收金ハ國ノ徵收金ニ次デ先取特權ヲ有シ其ノ追徵、還付及時效ニ付テハ國稅ノ例ニ依ル
地方費ノ支拂金ニ關スル時效ニ付テハ國ノ支拂金ノ例ニ依ル
第七條 地方費ハ其ノ永久ノ利益ト爲ルベキ支出ヲ爲ス爲、地方費ノ負擔ヲ償還スル爲又ハ天災事變等ノ爲必要アル場合ニ限リ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ起債ヲ爲スコトヲ得
地方費ハ豫算內ノ支出ヲ爲ス爲一時ノ借入金ヲ爲スコトヲ得
前項ノ借入金ハ其ノ會計年度內ノ收入ヲ以テ之ヲ償還スベシ
第八條 地方費ハ每會計年度歲入出豫算ヲ調製シ拓務大臣ノ認可ヲ受クベシ豫算ノ追加又ハ更正ヲ爲ストキ亦同ジ
決算ハ出納閉鎖後三月以內ニ拓務大臣ニ報吿シ且其ノ要領ヲ吿示スベシ
第九條 地方費ヲ以テ支辨スル事件ニシテ數年ヲ期シテ其ノ費用ヲ支出スベキモノハ拓務大臣ノ認可ヲ受ケ其ノ年期間各年度ノ支出額ヲ定メ繼續費ト爲スコトヲ得
第十條 地方費ニ有給ノ吏員ヲ置キ南洋廳長官之ヲ任免ス
南洋廳長官ハ吏員ヲ指揮監督シ懲戒ヲ行フコトヲ得其ノ懲戒處分ハ譴責、二十五圓以下ノ過怠金及解職トス
第十一條 南洋廳長官ハ地方費ノ行政ニ關シ其ノ職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ所部ノ官吏吏員ニ委任シ又ハ臨時代理セシムルコトヲ得
第十二條 官吏ノ地方費ノ行政ニ關スル職務關係ハ前條ニ規定スル場合ヲ除クノ外國ノ行政ニ關スル其ノ職務關係ノ例ニ依ル
第十三條 本令中拓務大臣ノ認可ヲ要スベキ事項ニシテ輕易ナルモノニ付テハ拓務大臣ハ其ノ定ムル所ニ依リ認可ヲ受ケシメザルコトヲ得
第十四條 本令ニ規定スルモノヲ除クノ外地方費ノ財務及吏員ニ關シ必要ナル事項ハ南洋廳長官之ヲ定ム