(陸軍補充令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百三十七號
公布年月日: 昭和13年3月26日
法令の形式: 勅令
朕陸軍補充令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十五日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
陸軍大臣 杉山元
勅令第百三十七號
陸軍補充令中左ノ通改正ス
第十五條第一項中「曹長」ノ下ニ「(下士官トシテノ實役停年四年以上ノ者ニ限ル)」ヲ加フ
第五十三條第一項第二號ヲ左ノ如ク改ム
二 兵トシテ槪ネ四月以上在營(召集ニ依リ部隊ニ在ル場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)シタル者
第五十四條第一項第二號ヲ左ノ如ク改ム
二 經理部幹部候補生 法律、經濟、商業、工業又ハ農業ニ關スル學科ヲ敎授スル專門學校又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認ムル學校ヲ卒業シタル者但シ工業ニ關スル學科ヲ敎授スル學校ヲ卒業シタル者ニ在リテハ建築、土木、應用化學、染色又ハ紡織ニ關スル學科ヲ修業シタル者、農業ニ關スル學科ヲ敎授スル學校ヲ卒業シタル者ニ在リテハ農藝化學ニ關スル學科ヲ修業シタル者ニ限ル
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第一號又ハ第二號ノ規定ニ依ルノ外技術ニ從事スベキ各兵科幹部候補生ニ在リテハ工業學校ヲ卒業シタル者ヲ以テ、經理部幹部候補生ニ在リテハ商業學校ヲ卒業シタル者又ハ工業學校若ハ農業學校ヲ卒業シ其ノ在學中主トシテ建築、土木、應用化學、染色、紡織若ハ農產製造ニ關スル學科ヲ修業シタル者ヲ以テ各前項ノ規定ニ準ジ之ヲ補充スルコトヲ得
前項ニ規定スル學校ハ實業學校令ニ依ル學校ニシテ陸軍大臣ノ定ムルモノヲ謂フ
第五十七條ヲ削リ第五十八條ヲ第五十七條トス
第五十八條 現役第一年次兵ヨリ採用セラレタル幹部候補生ノ修業期間ハ現役兵ノ入營期日ヨリ起算シ二年ニ滿ツル日迄トシ其ノ他ノ兵ヨリ採用セラレタル幹部候補生ノ修業期間ハ採用ノ日ヨリ起算シ槪ネ一年八月トス
第五十九條 幹部候補生ニ對シテハ採用ノ後直ニ一等兵ノ階級ヲ與ヘ爾後槪ネ二月ノ後上等兵ノ階級ニ進ム
甲種幹部候補生ニ對シテハ第五十七條ノ規定ニ依ル區分ノ後槪ネ一月ノ後伍長ノ階級ニ、爾後槪ネ三月ノ後軍曹ノ階級ニ進ム
乙種幹部候補生ニ對シテハ第五十七條ノ規定ニ依ル區分ノ後槪ネ四月ノ後伍長ノ階級ニ進ム
第六十條 各兵科甲種幹部候補生(航空兵科ノ者及技術ニ從事スベキ者ヲ除ク)ハ敎育總監之ヲ陸軍豫備士官學校、陸軍戰車學校、陸軍騎兵學校、陸軍野戰砲兵學校、陸軍重砲兵學校、陸軍防空學校、陸軍工兵學校、陸軍通信學校、陸軍自動車學校若ハ陸軍習志野學校ニ入學セシメ又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ槪ネ十一月間敎育ス
各部甲種幹部候補生ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ槪ネ十一月間敎育ス
甲種幹部候補生前二項ニ規定スル敎育ノ課程ヲ終リタルトキハ曹長ノ階級ニ進メ當該兵科部ノ見習士官ヲ命ジ槪ネ四月間所屬隊又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務ヲ習得セシム
第六十一條 航空兵科ノ幹部候補生ハ採用後槪ネ一月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ陸軍ノ學校ニ入學セシメ技術ニ從事スベキ幹部候補生(航空兵科ノ者ヲ除ク)ハ採用後直ニ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ陸軍造兵廠ニ分遣シ槪ネ一年間敎育ス但シ航空兵科ノ乙種幹部候補生(飛行機操縱ニ從事スベキ者ヲ除ク)ニ對スル敎育期間ハ槪ネ六月トス
前項ノ規定ニ依ル敎育ノ課程ヲ終リタル幹部候補生ハ陸軍大臣之ヲ便宜ノ軍隊ニ配當ス
前項ノ規定ニ依リ軍隊ニ配當セラレタル甲種幹部候補生ハ幹部候補生ニ採用後槪ネ一年三月ノ後曹長ノ階級ニ進メ當該兵科ノ見習士官ヲ命ジ其ノ本務ニ必要ナル勤務ヲ習得セシム
第六十二條 幹部候補生ハ前二條ノ規定ニ依ルノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ軍隊、學校又ハ官衙ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務及軍事學ヲ修得セシム
第六十二條ノ二 見習士官ヲ命ゼラレタル甲種幹部候補生ヲ將校ト爲スノ可否ハ所屬隊ノ將校ヲ以テ組織スル將校銓衡會議ニ於テ之ヲ決ス但シ其ノ修業期間ノ終迄他ノ部隊ニ分遣セラレタル者ニ付テハ當該部隊ノ將校ヲ以テ組織スル將校銓衡會議ニ於テ之ヲ決スルモノトス
前項ノ會議ニ於テ可決セラレタル者ハ當該兵科部ノ少尉(衞生部幹部候補生ニ在リテハ其ノ有スル免許證ノ種類ニ從ヒ軍醫少尉又ハ藥劑少尉トシ獸醫部幹部候補生ニ在リテハ獸醫少尉トス)ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第六十二條ノ三 乙種幹部候補生ハ幹部候補生ニ採用後槪ネ一年三月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ試驗ヲ行ヒ其ノ成績ト平素ニ於ケル勤務ノ成績トヲ參酌シ下士官タルノ適否ヲ決定ス
前項ニ規定スル成績優秀ナル者ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ軍曹ノ階級ニ進ム
第六十二條ノ四 削除
第六十二條ノ六第一項中「第五十八條」ヲ「第五十七條」ニ、同條第二項中「軍曹」ヲ「曹長、軍曹」ニ、「之ヲ上等兵」ヲ「本人ノ成績ニ依リ之ヲ軍曹、伍長又ハ上等兵」ニ改ム
第六十二條ノ七第一項第三號ヲ左ノ如ク改ム
三 第五十三條第一項第三號ノ規定ニ該當スル者
第六十二條ノ十 操縱候補生ハ入營後槪ネ一月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ熊谷陸軍飛行學校ニ入學セシメ槪ネ六月間敎育ス
操縱候補生ハ前項ノ規定ニ依ルノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ軍隊、學校又ハ官衙ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務及軍事學ヲ修得セシム
第六十二條ノ十一 見習士官ヲ命ゼラレタル操縱候補生ヲ將校ト爲スノ可否ハ所屬隊ノ將校ヲ以テ組織スル將校銓衡會議ニ於テ之ヲ決ス
前項ノ會議ニ於テ可決セラレタル者ハ航空兵科ノ少尉ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第六十二條ノ十二 第五十五條、第五十六條及第六十二條ノ五ノ規定ハ操縱候補生ニ之ヲ準用ス
同條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第六十二條ノ十三 第五十三條第一項第二號、第五十七條第一項、第五十八條、第五十九條、第六十條、第六十一條第一項及第三項、第六十二條ノ三第一項竝ニ第六十二條ノ八乃至第六十二條ノ十第一項ニ規定スル期間ハ戰時又ハ事變ノ際其ノ他必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ短縮スルコトヲ得
第六十五條第一項中「現役ノ第一年次兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第七十一條及第七十三條第一項中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第七十五條第一項中「現役ノ衞生兵」ヲ「衞生部ノ兵」ニ改ム
第八十條第一項第二號中「甲種幹部候補生」ノ下ニ「又ハ操縱候補生」ヲ加ヘ「終末試驗ニ合格セザル者及」ヲ削リ同項第六號中「豫備役ニ在ル幹部候補生」ヲ「銓衡會議ニ於テ可決セラレタル甲種幹部候補生又ハ操縱候補生」ニ改メ同項第七號ヲ削ル
第八十一條第一項中「、第二號又ハ第七號」ヲ「又ハ第二號」ニ改ム
同條第二項中「第七號」ヲ「第二號又ハ第六號」ニ改メ「軍曹トス」ノ下ニ「同條第一項第一號ニ該當スル者ニシテ退營ノ際軍曹ノ階級ヲ有スル者ニ付亦同ジ」ヲ加フ
第八十六條第一項中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第九十四條第一項第二號ヲ左ノ如ク改ム
二 削除
第九十八條及第百條中「(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ削ル
第百一條 砲、工兵技術下士官ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
一 陸軍工科學校生徒ニシテ槪ネ一年以上同校ノ課程ヲ修業シタル者
二 陸軍工機兵ニシテ槪ネ一年六月以上在營シタル者
三 兵器器材等ニ關スル技能ヲ有スル者ニシテ砲、工兵技術下士官ニ必要ナル學術ヲ習得シタル者
前項第三號ノ規定ニ依ル補充ノ方法及時期ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第百四條中「第二號又ハ」ヲ削ル
第百十六條中「(幹部候補生ヲ除ク)」ヲ削リ「操縱候補生」ヲ「幹部候補生及操縱候補生」ニ改ム
第百二十條中「航空兵團長」ヲ「航空兵團司令官」ニ改ム
第百三十三條中「衞生二等兵」ヲ「衞生一、二等兵」ニ、「各兵科二等兵」ヲ「各兵科一、二等兵」ニ改メ「槪ネ二月在營シタル」ヲ削ル
昭和八年勅令第七十一號附則中第三條及第四條ヲ削除シ第六條ヲ削ル
昭和十二年勅令第六百五十四號附則第六條中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
附 則
第一條 本令ハ昭和十三年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 從前ノ規定ニ依リ幹部候補生ニ採用セラレタル者及本令施行ノ際現ニ一年志願兵トシテ採用セラレ入營中又ハ入營延期中ノ者ノ取扱ハ仍從前ノ例ニ依ル但シ一年志願兵トシテ採用セラレ入營中又ハ入營延期中ノ者ニシテ本令ニ依ル幹部候補生ヲ志願スルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第三條 當分ノ內陸軍大臣ノ指定シタル學校ヲ卒業シタル者(高等學校高等科、大學令ニ依ル大學豫科又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メタル學校ニ在リテハ其ノ第一學年ノ課程ヲ修了シタル者ヲ含ム)ハ第五十三條第一項第三號ノ規定ニ拘ラズ特ニ之ヲ幹部候補生ニ採用スルコトヲ得
第四條 前條ノ規定ニ依リ幹部候補生ニ採用セラレタル者ハ豫備役將校ニ任ゼラルル前本令ノ規定ニ依ル修業期間ニ引續キ三月間敎育ノ爲之ヲ召集シ銓衡會議ハ當該召集ノ解除迄ニ於テ之ヲ行フ
前項ノ會議ニ於テ可決セラレタル者ハ第六十二條ノ二ノ例ニ依リ當該兵科部ノ將校ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第五條 當分ノ內甲種幹部候補生ニ對スル陸軍豫備士官學校ニ於ケル敎育ハ之ヲ陸軍敎導學校、陸軍步兵學校又ハ陸軍大臣ノ定ムル輜重兵聯隊ニ於テ行フコトヲ得
第六條 昭和十三年ニ於テ採用スベキ甲種幹部候補生ニ對スル第六十條第一項及第二項竝ニ前條ノ規定ニ依ル敎育期間ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ槪ネ七月迄短縮スルコトヲ得
前項ノ甲種幹部候補生ニ對シテハ第六十一條第三項ノ規定ヲ適用ス
第七條 當分ノ內現役下士官(憲兵科下士官ヲ除ク)ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
一 槪ネ二年在營シタル兵ニシテ現役下士官ヲ志願シ現役下士官タルニ適スル者
二 豫備役又ハ後備役ノ軍曹又ハ伍長ニシテ現役ヲ志願スル者
三 槪ネ一年在營シタル幹部候補生ニシテ現役下士官ヲ志願シ現役下士官タルニ適スル者
前項ノ規定ニ依リ現役下士官ニ補充セラルベキ者ハ任官ノ年(第二號ノ規定ニ該當スル者ニ在リテハ前項ノ規定ニ依リ補充セラルル年)ノ十二月一日ニ於ケル年齡三十年未滿ノ者トス
第一項第一號及第三號ニ規定スル在營期間ハ戰時又ハ事變ノ際其ノ他必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ短縮スルコトヲ得
朕陸軍補充令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十三年三月二十五日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
陸軍大臣 杉山元
勅令第百三十七号
陸軍補充令中左ノ通改正ス
第十五条第一項中「曹長」ノ下ニ「(下士官トシテノ実役停年四年以上ノ者ニ限ル)」ヲ加フ
第五十三条第一項第二号ヲ左ノ如ク改ム
二 兵トシテ概ネ四月以上在営(召集ニ依リ部隊ニ在ル場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)シタル者
第五十四条第一項第二号ヲ左ノ如ク改ム
二 経理部幹部候補生 法律、経済、商業、工業又ハ農業ニ関スル学科ヲ教授スル専門学校又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認ムル学校ヲ卒業シタル者但シ工業ニ関スル学科ヲ教授スル学校ヲ卒業シタル者ニ在リテハ建築、土木、応用化学、染色又ハ紡織ニ関スル学科ヲ修業シタル者、農業ニ関スル学科ヲ教授スル学校ヲ卒業シタル者ニ在リテハ農芸化学ニ関スル学科ヲ修業シタル者ニ限ル
同条ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第一号又ハ第二号ノ規定ニ依ルノ外技術ニ従事スベキ各兵科幹部候補生ニ在リテハ工業学校ヲ卒業シタル者ヲ以テ、経理部幹部候補生ニ在リテハ商業学校ヲ卒業シタル者又ハ工業学校若ハ農業学校ヲ卒業シ其ノ在学中主トシテ建築、土木、応用化学、染色、紡織若ハ農産製造ニ関スル学科ヲ修業シタル者ヲ以テ各前項ノ規定ニ準ジ之ヲ補充スルコトヲ得
前項ニ規定スル学校ハ実業学校令ニ依ル学校ニシテ陸軍大臣ノ定ムルモノヲ謂フ
第五十七条ヲ削リ第五十八条ヲ第五十七条トス
第五十八条 現役第一年次兵ヨリ採用セラレタル幹部候補生ノ修業期間ハ現役兵ノ入営期日ヨリ起算シ二年ニ満ツル日迄トシ其ノ他ノ兵ヨリ採用セラレタル幹部候補生ノ修業期間ハ採用ノ日ヨリ起算シ概ネ一年八月トス
第五十九条 幹部候補生ニ対シテハ採用ノ後直ニ一等兵ノ階級ヲ与ヘ爾後概ネ二月ノ後上等兵ノ階級ニ進ム
甲種幹部候補生ニ対シテハ第五十七条ノ規定ニ依ル区分ノ後概ネ一月ノ後伍長ノ階級ニ、爾後概ネ三月ノ後軍曹ノ階級ニ進ム
乙種幹部候補生ニ対シテハ第五十七条ノ規定ニ依ル区分ノ後概ネ四月ノ後伍長ノ階級ニ進ム
第六十条 各兵科甲種幹部候補生(航空兵科ノ者及技術ニ従事スベキ者ヲ除ク)ハ教育総監之ヲ陸軍予備士官学校、陸軍戦車学校、陸軍騎兵学校、陸軍野戦砲兵学校、陸軍重砲兵学校、陸軍防空学校、陸軍工兵学校、陸軍通信学校、陸軍自動車学校若ハ陸軍習志野学校ニ入学セシメ又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ概ネ十一月間教育ス
各部甲種幹部候補生ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ概ネ十一月間教育ス
甲種幹部候補生前二項ニ規定スル教育ノ課程ヲ終リタルトキハ曹長ノ階級ニ進メ当該兵科部ノ見習士官ヲ命ジ概ネ四月間所属隊又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務ヲ習得セシム
第六十一条 航空兵科ノ幹部候補生ハ採用後概ネ一月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ陸軍ノ学校ニ入学セシメ技術ニ従事スベキ幹部候補生(航空兵科ノ者ヲ除ク)ハ採用後直ニ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ陸軍造兵廠ニ分遣シ概ネ一年間教育ス但シ航空兵科ノ乙種幹部候補生(飛行機操縦ニ従事スベキ者ヲ除ク)ニ対スル教育期間ハ概ネ六月トス
前項ノ規定ニ依ル教育ノ課程ヲ終リタル幹部候補生ハ陸軍大臣之ヲ便宜ノ軍隊ニ配当ス
前項ノ規定ニ依リ軍隊ニ配当セラレタル甲種幹部候補生ハ幹部候補生ニ採用後概ネ一年三月ノ後曹長ノ階級ニ進メ当該兵科ノ見習士官ヲ命ジ其ノ本務ニ必要ナル勤務ヲ習得セシム
第六十二条 幹部候補生ハ前二条ノ規定ニ依ルノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ軍隊、学校又ハ官衙ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務及軍事学ヲ修得セシム
第六十二条ノ二 見習士官ヲ命ゼラレタル甲種幹部候補生ヲ将校ト為スノ可否ハ所属隊ノ将校ヲ以テ組織スル将校銓衡会議ニ於テ之ヲ決ス但シ其ノ修業期間ノ終迄他ノ部隊ニ分遣セラレタル者ニ付テハ当該部隊ノ将校ヲ以テ組織スル将校銓衡会議ニ於テ之ヲ決スルモノトス
前項ノ会議ニ於テ可決セラレタル者ハ当該兵科部ノ少尉(衛生部幹部候補生ニ在リテハ其ノ有スル免許証ノ種類ニ従ヒ軍医少尉又ハ薬剤少尉トシ獣医部幹部候補生ニ在リテハ獣医少尉トス)ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第六十二条ノ三 乙種幹部候補生ハ幹部候補生ニ採用後概ネ一年三月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ試験ヲ行ヒ其ノ成績ト平素ニ於ケル勤務ノ成績トヲ参酌シ下士官タルノ適否ヲ決定ス
前項ニ規定スル成績優秀ナル者ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ軍曹ノ階級ニ進ム
第六十二条ノ四 削除
第六十二条ノ六第一項中「第五十八条」ヲ「第五十七条」ニ、同条第二項中「軍曹」ヲ「曹長、軍曹」ニ、「之ヲ上等兵」ヲ「本人ノ成績ニ依リ之ヲ軍曹、伍長又ハ上等兵」ニ改ム
第六十二条ノ七第一項第三号ヲ左ノ如ク改ム
三 第五十三条第一項第三号ノ規定ニ該当スル者
第六十二条ノ十 操縦候補生ハ入営後概ネ一月ノ後陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ熊谷陸軍飛行学校ニ入学セシメ概ネ六月間教育ス
操縦候補生ハ前項ノ規定ニ依ルノ外陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ軍隊、学校又ハ官衙ニ於テ其ノ本務ニ必要ナル勤務及軍事学ヲ修得セシム
第六十二条ノ十一 見習士官ヲ命ゼラレタル操縦候補生ヲ将校ト為スノ可否ハ所属隊ノ将校ヲ以テ組織スル将校銓衡会議ニ於テ之ヲ決ス
前項ノ会議ニ於テ可決セラレタル者ハ航空兵科ノ少尉ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第六十二条ノ十二 第五十五条、第五十六条及第六十二条ノ五ノ規定ハ操縦候補生ニ之ヲ準用ス
同条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第六十二条ノ十三 第五十三条第一項第二号、第五十七条第一項、第五十八条、第五十九条、第六十条、第六十一条第一項及第三項、第六十二条ノ三第一項並ニ第六十二条ノ八乃至第六十二条ノ十第一項ニ規定スル期間ハ戦時又ハ事変ノ際其ノ他必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ短縮スルコトヲ得
第六十五条第一項中「現役ノ第一年次兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第七十一条及第七十三条第一項中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第七十五条第一項中「現役ノ衛生兵」ヲ「衛生部ノ兵」ニ改ム
第八十条第一項第二号中「甲種幹部候補生」ノ下ニ「又ハ操縦候補生」ヲ加ヘ「終末試験ニ合格セザル者及」ヲ削リ同項第六号中「予備役ニ在ル幹部候補生」ヲ「銓衡会議ニ於テ可決セラレタル甲種幹部候補生又ハ操縦候補生」ニ改メ同項第七号ヲ削ル
第八十一条第一項中「、第二号又ハ第七号」ヲ「又ハ第二号」ニ改ム
同条第二項中「第七号」ヲ「第二号又ハ第六号」ニ改メ「軍曹トス」ノ下ニ「同条第一項第一号ニ該当スル者ニシテ退営ノ際軍曹ノ階級ヲ有スル者ニ付亦同ジ」ヲ加フ
第八十六条第一項中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
第九十四条第一項第二号ヲ左ノ如ク改ム
二 削除
第九十八条及第百条中「(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ削ル
第百一条 砲、工兵技術下士官ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
一 陸軍工科学校生徒ニシテ概ネ一年以上同校ノ課程ヲ修業シタル者
二 陸軍工機兵ニシテ概ネ一年六月以上在営シタル者
三 兵器器材等ニ関スル技能ヲ有スル者ニシテ砲、工兵技術下士官ニ必要ナル学術ヲ習得シタル者
前項第三号ノ規定ニ依ル補充ノ方法及時期ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第百四条中「第二号又ハ」ヲ削ル
第百十六条中「(幹部候補生ヲ除ク)」ヲ削リ「操縦候補生」ヲ「幹部候補生及操縦候補生」ニ改ム
第百二十条中「航空兵団長」ヲ「航空兵団司令官」ニ改ム
第百三十三条中「衛生二等兵」ヲ「衛生一、二等兵」ニ、「各兵科二等兵」ヲ「各兵科一、二等兵」ニ改メ「概ネ二月在営シタル」ヲ削ル
昭和八年勅令第七十一号附則中第三条及第四条ヲ削除シ第六条ヲ削ル
昭和十二年勅令第六百五十四号附則第六条中「現役兵(輜重兵特務兵ヲ除ク)」ヲ「兵」ニ改ム
附 則
第一条 本令ハ昭和十三年四月十日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 従前ノ規定ニ依リ幹部候補生ニ採用セラレタル者及本令施行ノ際現ニ一年志願兵トシテ採用セラレ入営中又ハ入営延期中ノ者ノ取扱ハ仍従前ノ例ニ依ル但シ一年志願兵トシテ採用セラレ入営中又ハ入営延期中ノ者ニシテ本令ニ依ル幹部候補生ヲ志願スルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第三条 当分ノ内陸軍大臣ノ指定シタル学校ヲ卒業シタル者(高等学校高等科、大学令ニ依ル大学予科又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認メタル学校ニ在リテハ其ノ第一学年ノ課程ヲ修了シタル者ヲ含ム)ハ第五十三条第一項第三号ノ規定ニ拘ラズ特ニ之ヲ幹部候補生ニ採用スルコトヲ得
第四条 前条ノ規定ニ依リ幹部候補生ニ採用セラレタル者ハ予備役将校ニ任ゼラルル前本令ノ規定ニ依ル修業期間ニ引続キ三月間教育ノ為之ヲ召集シ銓衡会議ハ当該召集ノ解除迄ニ於テ之ヲ行フ
前項ノ会議ニ於テ可決セラレタル者ハ第六十二条ノ二ノ例ニ依リ当該兵科部ノ将校ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノトス
第五条 当分ノ内甲種幹部候補生ニ対スル陸軍予備士官学校ニ於ケル教育ハ之ヲ陸軍教導学校、陸軍歩兵学校又ハ陸軍大臣ノ定ムル輜重兵連隊ニ於テ行フコトヲ得
第六条 昭和十三年ニ於テ採用スベキ甲種幹部候補生ニ対スル第六十条第一項及第二項並ニ前条ノ規定ニ依ル教育期間ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ概ネ七月迄短縮スルコトヲ得
前項ノ甲種幹部候補生ニ対シテハ第六十一条第三項ノ規定ヲ適用ス
第七条 当分ノ内現役下士官(憲兵科下士官ヲ除ク)ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
一 概ネ二年在営シタル兵ニシテ現役下士官ヲ志願シ現役下士官タルニ適スル者
二 予備役又ハ後備役ノ軍曹又ハ伍長ニシテ現役ヲ志願スル者
三 概ネ一年在営シタル幹部候補生ニシテ現役下士官ヲ志願シ現役下士官タルニ適スル者
前項ノ規定ニ依リ現役下士官ニ補充セラルベキ者ハ任官ノ年(第二号ノ規定ニ該当スル者ニ在リテハ前項ノ規定ニ依リ補充セラルル年)ノ十二月一日ニ於ケル年齢三十年未満ノ者トス
第一項第一号及第三号ニ規定スル在営期間ハ戦時又ハ事変ノ際其ノ他必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ短縮スルコトヲ得