第一條 事業主支拂ヲ爲スコト能ハザルトキ又ハ支拂ヲ停止シタルトキハ退職積立金及退職手當法第十三條第二項及第三項ノ供託國債ニ付同條第四項ノ權利ヲ有スル勞働者ハ當該事業ノ所在地ヲ管轄スル區裁判所ニ權利ノ實行ノ申立ヲ爲スコトヲ得
前項ノ申立ニ對スル裁判ハ非訟事件手續法ニ依リ之ヲ爲ス
第二條 申立ニ對スル裁判ハ事業主ニ之ヲ吿知スルコトヲ要ス
前項ノ裁判ニ對シテハ申立人又ハ事業主ハ卽時抗吿ヲ爲スコトヲ得
第三條 申立ヲ理由アリトスル裁判ハ退職積立金及退職手當法第十三條第二項及第三項ノ供託國債ニ付同條第四項ノ權利ヲ有スル勞働者全員ノ爲ニ其ノ效力ヲ有ス
申立人前項ノ裁判ノ吿知ヲ受ケタル後ハ申立ノ取下ヲ爲スコトヲ得ズ
第四條 前條第一項ノ裁判確定シタルトキハ裁判所ハ公吿ヲ以テ前條第一項ノ勞働者ニ對シ三十日以上ノ一定ノ期間內ニ債權ノ申出ヲ爲スベキ旨ヲ催吿スルコトヲ要ス
前項ノ公吿ハ裁判所ノ爲スベキ登記事項ノ公吿ト同一ノ方法ヲ以テ之ヲ爲スコトヲ要ス
裁判所第一項ノ催吿ヲ爲シタルトキハ地方長官又ハ鑛山監督局長ニ對シ國債ノ供託書及退職積立金ニ關スル帳簿其ノ他必要ナル書類ノ送付ヲ囑託スルコトヲ要ス
第五條 第三條第一項ノ裁判確定シタルトキハ裁判所ハ執達吏ヲシテ國債ヲ換價セシムルコトヲ要ス
第六條 裁判所ハ第四條第一項ノ期間滿了後遲滯ナク配當表ヲ作ルコトヲ要ス
裁判所配當表ニ關スル陳述及配當實施ノ期日ヲ指定シタルトキハ第三條第一項ノ勞働者及事業主ニ對シ各別ニ其ノ旨ヲ通知シ且之ヲ公吿スルコトヲ要ス
第七條 配當期日ニ出頭セザル勞働者ノ債權、期日ニ於テ異議ノ完結セザル債權及退職積立金及退職手當法第十二條ノ規定ニ依リ其ノ支拂ヲ受クルコトヲ得ザル勞働者ノ債權ニ對スル配當額ハ債權者ノ爲ニ之ヲ供託スルコトヲ要ス
第八條 國債換價及配當ノ手續ニ付テハ本令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外民事訴訟法ヲ準用ス
第九條 前八條ノ規定ハ退職積立金及退職手當法第十三條第四項ノ規定ヲ準用スル同法第二十一條第二項、第三十條第四項及第四十二條ノ權利ヲ實行スル場合ニ之ヲ準用ス