(工場法施行令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第四百四十七號
公布年月日: 昭和11年12月21日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ工場法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十二月十九日
內閣總理大臣 廣田弘毅
內務大臣 潮惠之輔
勅令第四百四十七號
工場法施行令中左ノ通改正ス
第六條中「賃金百分ノ六十以上」ヲ「賃金百分ノ六十」ニ改メ同條但書ヲ削ル
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
職工ヲ病院ニ收容シタル場合ニ於テ本人ノ收入ニ依リ生計ヲ維持スル者ナキトキハ休業扶助料ハ賃金百分ノ二十トス
第七條 職工ノ負傷又ハ疾病治癒シタル時ニ於テ身體障害存スルトキハ工業主ハ別表ニ揭グル區別ニ依リ障害扶助料ヲ支給スベシ但シ從來ノ勞務ニ服スルコト能ハザルトキハ賃金百八十日分(其ノ金額男子ニ在リテハ百五十圓、女子ニ在リテハ九十圓ニ滿チザルトキハ夫々百五十圓又ハ九十圓)ヲ下ルコトヲ得ズ
別表ニ揭グル身體障害二以上存スルトキハ重キ身體障害ノ該當スル等級ニ依リ障害扶助料ヲ支給スベシ
左ニ揭グル場合ニ於テハ前二項ノ規定ニ依ル等級ヲ左ノ如ク繰リ上グ但シ其ノ障害扶助料ノ金額ハ各身體障害ノ該當スル等級ニ依ル障害扶助料ノ金額ヲ合算シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 第十三級以上ノ身體障害二以上存スルトキ 一級
二 第八級以上ノ身體障害二以上存スルトキ 二級
三 第五級以上ノ身體障害二以上存スルトキ 三級
別表ニ揭グルモノ以外ノ身體障害ヲ存スル者ニ付テハ障害ノ程度ニ應ジ別表ニ揭グル身體障害ニ準ジ障害扶助料ヲ支給スベシ
旣ニ身體障害ヲ存スル者負傷又ハ疾病ニ因リ同一部位ニ付障害ノ程度ヲ加重シタルトキハ其ノ加重セラレタル障害ノ該當スル障害扶助料ノ金額ヨリ旣ニ存シタル障害ノ該當スル障害扶助料ノ金額ヲ差引キタル金額ヲ支給スベシ
第八條中「賃金三百六十日分以上」ヲ「賃金四百日分(其ノ金額男子ニ在リテハ三百二十圓、女子ニ在リテハ二百圓ニ滿チザルトキハ夫々三百二十圓又ハ二百圓)」ニ改ム
第九條中「賃金三十日分(其ノ金額三十圓ニ滿チサルトキハ三十圓)以上」ヲ「賃金三十日分(其ノ金額三十圓ニ滿チザルトキハ三十圓)」ニ改ム
第十三條第二項ヲ左ノ如ク改ム
障害扶助料ハ職工ノ負傷又ハ疾病ノ治癒後遲滯ナク之ヲ支給スベシ但シ工業主ガ引續キ雇傭スル場合ニ於テ本人ノ承諾アリタルトキハ雇傭期間內障害扶助料ノ支給ヲ延期スルコトヲ得
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
遺族扶助料及葬祭料ハ職工ノ死亡後遲滯ナク之ヲ支給スベシ
工業主地方長官ノ許可ヲ受ケタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラズ障害扶助料及遺族扶助料ヲ數囘ニ分割シテ支給スルコトヲ得
第十四條中「賃金五百四十日分以上」ヲ「賃金五百四十日分(其ノ金額男子ニ在リテハ四百三十圓、女子ニ在リテハ二百七十圓ニ滿チザルトキハ夫々四百三十圓又ハ二百七十圓)」ニ改ム
第十四條ノ二 工業主豫メ地方長官ノ許可ヲ受ケタルトキハ工業主及職工ノ出捐スル共濟組合ノ爲シタル給付ノ限度ニ於テ之ニ相當スル本令ノ扶助ヲ爲スコトヲ要セズ
地方長官必要ト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十八條中「第七條各號」ヲ「別表」ニ改ム
第二十七條中「第七條第一號第二號」ヲ「別表第八級以上」ニ改ム
同令ニ左ノ別表ヲ加フ
(別表)
【表】
備考
一 視力ノ測定ハ萬國式試視力表ニ依ル屈折異狀アルモノニ付テハ矯正視力ニ付測定ス
二 指ヲ失ヒタルモノトハ拇指ハ指關節、其ノ他ノ指ハ第一指關節以上ヲ失ヒタルモノヲ謂フ
三 指ノ用ヲ癈シタルモノトハ指ノ末節ノ半以上ヲ失ヒ又ハ掌指關節若ハ第一指關節(拇指ニ在リテハ指關節)ニ著シキ運動障害ヲ殘スモノヲ謂フ
四 趾ヲ失ヒタルモノトハ其ノ全部ヲ失ヒタルモノヲ謂フ
五 趾ノ用ヲ癈シタルモノトハ第一趾ハ末節ノ半以上、其ノ他ノ趾ハ末關節以上ヲ失ヒタルモノ又ハ蹠趾關節若ハ第一趾關節(第一趾ニ在リテハ趾關節)ニ著シキ運動障害ヲ殘スモノヲ謂フ
附 則
本令ハ昭和十二年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前支給事由ヲ生ジタル扶助ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル
本令施行ノ際現ニ休業扶助料ヲ受クル者本令施行後引續キ休業扶助料ヲ受クルトキハ本令施行後ハ本令ノ規定ニ依リ之ヲ扶助スベシ本令施行前ニ扶助ヲ受ケテ治癒シタル負傷又ハ疾病ガ本令施行後再發シテ扶助ヲ受クルトキ亦同ジ
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ工場法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十二月十九日
内閣総理大臣 広田弘毅
内務大臣 潮恵之輔
勅令第四百四十七号
工場法施行令中左ノ通改正ス
第六条中「賃金百分ノ六十以上」ヲ「賃金百分ノ六十」ニ改メ同条但書ヲ削ル
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
職工ヲ病院ニ収容シタル場合ニ於テ本人ノ収入ニ依リ生計ヲ維持スル者ナキトキハ休業扶助料ハ賃金百分ノ二十トス
第七条 職工ノ負傷又ハ疾病治癒シタル時ニ於テ身体障害存スルトキハ工業主ハ別表ニ掲グル区別ニ依リ障害扶助料ヲ支給スベシ但シ従来ノ労務ニ服スルコト能ハザルトキハ賃金百八十日分(其ノ金額男子ニ在リテハ百五十円、女子ニ在リテハ九十円ニ満チザルトキハ夫々百五十円又ハ九十円)ヲ下ルコトヲ得ズ
別表ニ掲グル身体障害二以上存スルトキハ重キ身体障害ノ該当スル等級ニ依リ障害扶助料ヲ支給スベシ
左ニ掲グル場合ニ於テハ前二項ノ規定ニ依ル等級ヲ左ノ如ク繰リ上グ但シ其ノ障害扶助料ノ金額ハ各身体障害ノ該当スル等級ニ依ル障害扶助料ノ金額ヲ合算シタル額ヲ超ユルコトヲ得ズ
一 第十三級以上ノ身体障害二以上存スルトキ 一級
二 第八級以上ノ身体障害二以上存スルトキ 二級
三 第五級以上ノ身体障害二以上存スルトキ 三級
別表ニ掲グルモノ以外ノ身体障害ヲ存スル者ニ付テハ障害ノ程度ニ応ジ別表ニ掲グル身体障害ニ準ジ障害扶助料ヲ支給スベシ
既ニ身体障害ヲ存スル者負傷又ハ疾病ニ因リ同一部位ニ付障害ノ程度ヲ加重シタルトキハ其ノ加重セラレタル障害ノ該当スル障害扶助料ノ金額ヨリ既ニ存シタル障害ノ該当スル障害扶助料ノ金額ヲ差引キタル金額ヲ支給スベシ
第八条中「賃金三百六十日分以上」ヲ「賃金四百日分(其ノ金額男子ニ在リテハ三百二十円、女子ニ在リテハ二百円ニ満チザルトキハ夫々三百二十円又ハ二百円)」ニ改ム
第九条中「賃金三十日分(其ノ金額三十円ニ満チサルトキハ三十円)以上」ヲ「賃金三十日分(其ノ金額三十円ニ満チザルトキハ三十円)」ニ改ム
第十三条第二項ヲ左ノ如ク改ム
障害扶助料ハ職工ノ負傷又ハ疾病ノ治癒後遅滞ナク之ヲ支給スベシ但シ工業主ガ引続キ雇傭スル場合ニ於テ本人ノ承諾アリタルトキハ雇傭期間内障害扶助料ノ支給ヲ延期スルコトヲ得
同条ニ左ノ二項ヲ加フ
遺族扶助料及葬祭料ハ職工ノ死亡後遅滞ナク之ヲ支給スベシ
工業主地方長官ノ許可ヲ受ケタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラズ障害扶助料及遺族扶助料ヲ数回ニ分割シテ支給スルコトヲ得
第十四条中「賃金五百四十日分以上」ヲ「賃金五百四十日分(其ノ金額男子ニ在リテハ四百三十円、女子ニ在リテハ二百七十円ニ満チザルトキハ夫々四百三十円又ハ二百七十円)」ニ改ム
第十四条ノ二 工業主予メ地方長官ノ許可ヲ受ケタルトキハ工業主及職工ノ出捐スル共済組合ノ為シタル給付ノ限度ニ於テ之ニ相当スル本令ノ扶助ヲ為スコトヲ要セズ
地方長官必要ト認ムルトキハ前項ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十八条中「第七条各号」ヲ「別表」ニ改ム
第二十七条中「第七条第一号第二号」ヲ「別表第八級以上」ニ改ム
同令ニ左ノ別表ヲ加フ
(別表)
【表】
備考
一 視力ノ測定ハ万国式試視力表ニ依ル屈折異状アルモノニ付テハ矯正視力ニ付測定ス
二 指ヲ失ヒタルモノトハ拇指ハ指関節、其ノ他ノ指ハ第一指関節以上ヲ失ヒタルモノヲ謂フ
三 指ノ用ヲ廃シタルモノトハ指ノ末節ノ半以上ヲ失ヒ又ハ掌指関節若ハ第一指関節(拇指ニ在リテハ指関節)ニ著シキ運動障害ヲ残スモノヲ謂フ
四 趾ヲ失ヒタルモノトハ其ノ全部ヲ失ヒタルモノヲ謂フ
五 趾ノ用ヲ廃シタルモノトハ第一趾ハ末節ノ半以上、其ノ他ノ趾ハ末関節以上ヲ失ヒタルモノ又ハ蹠趾関節若ハ第一趾関節(第一趾ニ在リテハ趾関節)ニ著シキ運動障害ヲ残スモノヲ謂フ
附 則
本令ハ昭和十二年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前支給事由ヲ生ジタル扶助ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ル
本令施行ノ際現ニ休業扶助料ヲ受クル者本令施行後引続キ休業扶助料ヲ受クルトキハ本令施行後ハ本令ノ規定ニ依リ之ヲ扶助スベシ本令施行前ニ扶助ヲ受ケテ治癒シタル負傷又ハ疾病ガ本令施行後再発シテ扶助ヲ受クルトキ亦同ジ