日本研究のための歴史情報
法令データベース
本データベースについて
思想犯保護観察法施行令
法令番号: 勅令第四百一號
公布年月日: 昭和11年11月14日
法令の形式: 勅令
沿革
リンク
廃止:
昭和20年10月15日 勅令第575号
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕思想犯保護觀察法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十一月十三日
內閣總理大臣 廣田弘毅
司法大臣 林賴三郞
勅令第四百一號
思想犯保護觀察法施行令
第一章 總則
第一條
思想犯保護觀察法ニ依ル保護觀察ニ於テハ本人ノ思想轉向ヲ促進シ又ハ之ヲ確保スル爲其ノ思想ノ指導及生活ノ確立ニ付適當ナル處置ヲ爲スベシ
保護觀察ニ當リテハ穩健妥當ヲ旨トシ本人ノ名譽ヲ毀損セズ且其ノ就職又ハ業務ニ支障ヲ及ボサザルコトニ留意スベシ
第二條
思想犯保護觀察法第三條ノ規定ニ依ル委託ヲ爲スベキ保護團體ハ司法大臣之ヲ指定ス
第二章 保護觀察ニ付スル手續
第三條
思想犯保護觀察法第一條ニ定ムル事由ノ生ジタル場合ニ於テハ關係官廳ハ其ノ事由ヲ本人ノ現在地又ハ歸住地ヲ管轄スル保護觀察所ニ通知スベシ
前項ノ通知ニハ保護觀察ニ關スル意見ヲ附シ且犯罪事實ノ要旨其ノ他參考ト爲ルベキ資料ヲ添附スベシ
第四條
保護觀察所前條ノ通知ヲ受ケタルトキ其ノ他保護觀察ニ付スベキ者アルコトヲ認知シタルトキハ速ニ本人ノ經歷、境遇、性行、心身ノ狀況、思想ノ推移其ノ他必要ナル事項ヲ調査スベシ
第五條
保護觀察所ハ保護司ニ命ジテ必要ナル調査ヲ爲サシムベシ
第六條
保護觀察所ハ事實ノ取調ヲ保護者ニ命ジ又ハ保護團體ニ委託スルコトヲ得
保護者又ハ保護團體ハ參考ト爲ルベキ資料ヲ差出スコトヲ得
第七條
保護觀察所ハ參考人ニ出頭ヲ命ジ調査ノ爲必要ナル事實ノ供述又ハ鑑定ヲ爲サシムルコトヲ得
參考人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ費用ヲ請求スルコトヲ得
第八條
保護觀察所調査ノ結果ニ依リ保護觀察ニ付スベキモノト思料スルトキハ保護觀察審査會ノ審議ヲ求ムベシ
保護觀察所前項ノ審議ヲ求メタルトキハ其ノ旨ヲ本人ニ通知スベシ
第九條
保護觀察審査會ハ保護司其ノ他適當ナル者ノ出席ヲ求メ其ノ意見ヲ徵スルコトヲ得
第十條
保護觀察審査會ノ審議ハ之ヲ公行セズ但シ本人、保護者其ノ他適當ト認ムル者ニ在席ヲ許スコトヲ得
第十一條
保護觀察審査會ハ審査ノ結果ニ依リ保護觀察ニ付スベキヤ否ヤヲ決議ス
前項ノ決議ニハ理由ヲ附シ書面ヲ以テ之ヲ保護觀察所ニ通知スベシ
第十二條
保護觀察所保護觀察ニ付スベキ旨ノ決議ノ通知ヲ受ケタルトキハ思想犯保護觀察法第三條及第四條ノ規定ニ依ル處分ヲ爲スベシ
第十三條
保護觀察所居住ノ制限ノ處分ヲ爲スニハ本人及其ノ家族ノ居住及生計上ノ事情ヲ斟酌スベシ
第十四條
左ノ場合ニ於テハ保護觀察所ハ其ノ旨ヲ本人及關係官廳ニ通知スベシ
一
保護觀察所保護觀察審査會ノ審議ヲ求メズト決定シタルトキ
二
保護觀察審査會保護觀察ニ付スベキニ非ザル旨ノ決議ヲ爲シタルトキ
三
思想犯保護觀察法第三條、第四條又ハ第六條ノ規定ニ依ル處分ヲ爲シタルトキ
四
思想犯保護觀察法第七條ノ規定ニ依リテ處分ノ取消又ハ變更ヲ爲シタルトキ
第十五條
前條ノ場合及思想犯保護觀察法第八條ノ處分ヲ爲シタル場合ニ於テハ保護觀察所ハ其ノ旨ヲ保護者ニ通知スベシ
第十六條
保護觀察ヲ繼續スル場合ニ於テハ新ニ保護觀察ニ付スル場合ニ關スル規定ヲ準用ス
第三章 保護觀察處分ノ執行
第十七條
保護觀察所思想犯保護觀察法第三條又ハ第四條ノ規定ニ依ル處分ヲ爲シタルトキハ第十八條乃至第二十一條ノ規定ニ依リ直ニ其ノ執行ヲ爲スベシ
第十八條
本人ニ對シテハ處分ノ意義ヲ說示シ且將來ヲ戒ムル爲適當ナル訓諭ヲ爲スベシ
前項ノ場合ニ於テハ成ルベク保護者其ノ他適當ト認ムル者ヲシテ立會ハシムベシ
第十九條
保護司ノ觀察ニ付スルノ處分ヲ爲シタルトキハ保護司ニ對シ特ニ必要ナル事項ヲ指示シ本人ノ監督指導ヲ爲サシムベシ
第二十條
保護者ニ引渡スノ處分ヲ爲シタルトキハ保護者ニ對シ本人ノ監督指導ニ付參考ト爲ルベキ事項ヲ指示シ本人ヲ引渡スベシ
第二十一條
保護團體、寺院、敎會、病院其ノ他適當ナル者ニ委託スルノ處分ヲ爲シタルトキハ委託ヲ受クベキ者ニ對シ本人ノ處遇ニ付參考ト爲ルベキ事項ヲ指示シ監督指導ノ任務ヲ委囑スベシ
第二十二條
保護觀察所ノ處分ニ付テハ調書ヲ作リ處分ノ內容及其ノ執行ヲ明確ニシ其ノ他必要ト認ムル事項ヲ記載スベシ
第二十三條
保護觀察所第二十條及第二十一條ノ規定ニ依ル執行ヲ爲シタルトキハ保護者若ハ受託者ニ對シ成績報吿ヲ求メ又ハ保護司ヲシテ成績ヲ視察シ適當ナル指示ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十四條
保護司ハ保護觀察所ニ對シ左ノ事項ニ付其ノ視察シタル結果ヲ報吿スベシ
一
家庭關係
二
職業ノ有無及生計狀態
三
健康狀態
四
交友關係、通信狀況其ノ他ノ動靜
五
條件遵守ノ狀況
六
思想ノ推移
七
保護者又ハ受託者ノ監督指導ノ狀況
八
其ノ他參考ト爲ルベキ事項
第二十五條
保護司思想犯保護觀察法第三條又ハ第四條ノ規定ニ依ル處分ヲ取消シ若ハ變更シ又ハ保護觀察ヲ繼續スベキ事由アリト思料スルトキハ速ニ其ノ旨ヲ保護觀察所ニ報吿スベシ
第二十六條
假出獄ヲ許サレタル者ニ對スル保護觀察處分ノ執行ニ關シテハ本章ニ定ムルモノノ外命令ヲ以テ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ思想犯保護觀察法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前ニ思想犯保護觀察法第一條ニ定ムル事由ノ生ジタル場合ニ於テハ第三條ノ規定ニ依ル通知ハ關係官廳必要アリト思料スル者ニ付之ヲ爲スヲ以テ足ル
朕思想犯保護観察法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年十一月十三日
内閣総理大臣 広田弘毅
司法大臣 林頼三郎
勅令第四百一号
思想犯保護観察法施行令
第一章 総則
第一条
思想犯保護観察法ニ依ル保護観察ニ於テハ本人ノ思想転向ヲ促進シ又ハ之ヲ確保スル為其ノ思想ノ指導及生活ノ確立ニ付適当ナル処置ヲ為スベシ
保護観察ニ当リテハ穏健妥当ヲ旨トシ本人ノ名誉ヲ毀損セズ且其ノ就職又ハ業務ニ支障ヲ及ボサザルコトニ留意スベシ
第二条
思想犯保護観察法第三条ノ規定ニ依ル委託ヲ為スベキ保護団体ハ司法大臣之ヲ指定ス
第二章 保護観察ニ付スル手続
第三条
思想犯保護観察法第一条ニ定ムル事由ノ生ジタル場合ニ於テハ関係官庁ハ其ノ事由ヲ本人ノ現在地又ハ帰住地ヲ管轄スル保護観察所ニ通知スベシ
前項ノ通知ニハ保護観察ニ関スル意見ヲ附シ且犯罪事実ノ要旨其ノ他参考ト為ルベキ資料ヲ添附スベシ
第四条
保護観察所前条ノ通知ヲ受ケタルトキ其ノ他保護観察ニ付スベキ者アルコトヲ認知シタルトキハ速ニ本人ノ経歴、境遇、性行、心身ノ状況、思想ノ推移其ノ他必要ナル事項ヲ調査スベシ
第五条
保護観察所ハ保護司ニ命ジテ必要ナル調査ヲ為サシムベシ
第六条
保護観察所ハ事実ノ取調ヲ保護者ニ命ジ又ハ保護団体ニ委託スルコトヲ得
保護者又ハ保護団体ハ参考ト為ルベキ資料ヲ差出スコトヲ得
第七条
保護観察所ハ参考人ニ出頭ヲ命ジ調査ノ為必要ナル事実ノ供述又ハ鑑定ヲ為サシムルコトヲ得
参考人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ費用ヲ請求スルコトヲ得
第八条
保護観察所調査ノ結果ニ依リ保護観察ニ付スベキモノト思料スルトキハ保護観察審査会ノ審議ヲ求ムベシ
保護観察所前項ノ審議ヲ求メタルトキハ其ノ旨ヲ本人ニ通知スベシ
第九条
保護観察審査会ハ保護司其ノ他適当ナル者ノ出席ヲ求メ其ノ意見ヲ徴スルコトヲ得
第十条
保護観察審査会ノ審議ハ之ヲ公行セズ但シ本人、保護者其ノ他適当ト認ムル者ニ在席ヲ許スコトヲ得
第十一条
保護観察審査会ハ審査ノ結果ニ依リ保護観察ニ付スベキヤ否ヤヲ決議ス
前項ノ決議ニハ理由ヲ附シ書面ヲ以テ之ヲ保護観察所ニ通知スベシ
第十二条
保護観察所保護観察ニ付スベキ旨ノ決議ノ通知ヲ受ケタルトキハ思想犯保護観察法第三条及第四条ノ規定ニ依ル処分ヲ為スベシ
第十三条
保護観察所居住ノ制限ノ処分ヲ為スニハ本人及其ノ家族ノ居住及生計上ノ事情ヲ斟酌スベシ
第十四条
左ノ場合ニ於テハ保護観察所ハ其ノ旨ヲ本人及関係官庁ニ通知スベシ
一
保護観察所保護観察審査会ノ審議ヲ求メズト決定シタルトキ
二
保護観察審査会保護観察ニ付スベキニ非ザル旨ノ決議ヲ為シタルトキ
三
思想犯保護観察法第三条、第四条又ハ第六条ノ規定ニ依ル処分ヲ為シタルトキ
四
思想犯保護観察法第七条ノ規定ニ依リテ処分ノ取消又ハ変更ヲ為シタルトキ
第十五条
前条ノ場合及思想犯保護観察法第八条ノ処分ヲ為シタル場合ニ於テハ保護観察所ハ其ノ旨ヲ保護者ニ通知スベシ
第十六条
保護観察ヲ継続スル場合ニ於テハ新ニ保護観察ニ付スル場合ニ関スル規定ヲ準用ス
第三章 保護観察処分ノ執行
第十七条
保護観察所思想犯保護観察法第三条又ハ第四条ノ規定ニ依ル処分ヲ為シタルトキハ第十八条乃至第二十一条ノ規定ニ依リ直ニ其ノ執行ヲ為スベシ
第十八条
本人ニ対シテハ処分ノ意義ヲ説示シ且将来ヲ戒ムル為適当ナル訓諭ヲ為スベシ
前項ノ場合ニ於テハ成ルベク保護者其ノ他適当ト認ムル者ヲシテ立会ハシムベシ
第十九条
保護司ノ観察ニ付スルノ処分ヲ為シタルトキハ保護司ニ対シ特ニ必要ナル事項ヲ指示シ本人ノ監督指導ヲ為サシムベシ
第二十条
保護者ニ引渡スノ処分ヲ為シタルトキハ保護者ニ対シ本人ノ監督指導ニ付参考ト為ルベキ事項ヲ指示シ本人ヲ引渡スベシ
第二十一条
保護団体、寺院、教会、病院其ノ他適当ナル者ニ委託スルノ処分ヲ為シタルトキハ委託ヲ受クベキ者ニ対シ本人ノ処遇ニ付参考ト為ルベキ事項ヲ指示シ監督指導ノ任務ヲ委嘱スベシ
第二十二条
保護観察所ノ処分ニ付テハ調書ヲ作リ処分ノ内容及其ノ執行ヲ明確ニシ其ノ他必要ト認ムル事項ヲ記載スベシ
第二十三条
保護観察所第二十条及第二十一条ノ規定ニ依ル執行ヲ為シタルトキハ保護者若ハ受託者ニ対シ成績報告ヲ求メ又ハ保護司ヲシテ成績ヲ視察シ適当ナル指示ヲ為サシムルコトヲ得
第二十四条
保護司ハ保護観察所ニ対シ左ノ事項ニ付其ノ視察シタル結果ヲ報告スベシ
一
家庭関係
二
職業ノ有無及生計状態
三
健康状態
四
交友関係、通信状況其ノ他ノ動静
五
条件遵守ノ状況
六
思想ノ推移
七
保護者又ハ受託者ノ監督指導ノ状況
八
其ノ他参考ト為ルベキ事項
第二十五条
保護司思想犯保護観察法第三条又ハ第四条ノ規定ニ依ル処分ヲ取消シ若ハ変更シ又ハ保護観察ヲ継続スベキ事由アリト思料スルトキハ速ニ其ノ旨ヲ保護観察所ニ報告スベシ
第二十六条
仮出獄ヲ許サレタル者ニ対スル保護観察処分ノ執行ニ関シテハ本章ニ定ムルモノノ外命令ヲ以テ定ムル所ニ依ル
附 則
本令ハ思想犯保護観察法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前ニ思想犯保護観察法第一条ニ定ムル事由ノ生ジタル場合ニ於テハ第三条ノ規定ニ依ル通知ハ関係官庁必要アリト思料スル者ニ付之ヲ為スヲ以テ足ル
本文
詳細・沿革