南満洲鉄道附属地麦粉税令
法令番号: 勅令第百二十號
公布年月日: 昭和11年6月22日
法令の形式: 勅令
朕南滿洲鐵道附屬地麥粉稅令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年六月二十日
內閣總理大臣 廣田弘毅
勅令第百二十號
南滿洲鐵道附屬地麥粉稅令
第一條 麥粉ニハ本令ニ依リ麥粉稅ヲ課ス
第二條 麥粉ヲ製造セントスル者ハ製造場一箇所每ニ政府ノ免許ヲ受クベシ其ノ製造ヲ廢止セントスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムベシ
第三條 麥粉稅ノ稅率ハ麥粉一包裝ニ付十錢トス一包裝ニシテ二十四瓩ヲ超ユルモノアルトキハ二十四瓩又ハ其ノ端數每ニ十錢トス
第四條 麥粉稅ハ製造場ヨリ麥粉ヲ搬出スルトキ其ノ製造者ヨリ之ヲ徵收ス
麥粉ハ麥粉稅納付前ニ於テハ政府ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ製造場外ニ搬出スルコトヲ得ズ
第五條 麥粉ハ左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ製造場外ニ搬出セラレタルモノト看做ス
一 製造場內ニ於テ消費セラレタルトキ
二 製造場內ニ現存スルモノ公賣セラレタルトキ
三 製造免許取消ノ場合ニ於テ製造場內ニ現存スルトキ
第六條 輸出スル麥粉ニ付テハ滿洲國駐箚特命全權大使ノ定ムル所ニ依リ麥粉稅ヲ免除スルコトヲ得
第七條 政府ハ徵稅保全上必要アリト認ムルトキハ麥粉製造者ニ對シ擔保ノ提供ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ擔保ニ關スル規定ハ大使之ヲ定ム
第八條 麥粉稅ヲ納付シタルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ麥粉ノ包裝ニ納稅濟證ノ貼附ヲ受クベシ但シ第五條第一號ノ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
第九條 麥粉販賣者ハ包裝ニ納稅濟證ノ貼附ナキ麥粉ヲ讓受ケ又ハ讓渡スコトヲ得ズ但シ第六條及第十四條但書ニ揭グル麥粉ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十條 麥粉製造者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ政府ハ其ノ麥粉製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
一 本令又ハ本令ニ基ク命令若ハ處分ニ違反シタルトキ
二 一年以上引續キ麥粉ノ製造ヲ休止シタルトキ
第十一條 麥粉ノ製造者又ハ販賣者ハ帳簿ヲ備ヘ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造出入ニ關スル事項ヲ記載スベシ
第十二條 稅務官吏ハ麥粉ノ製造場又ハ販賣場ニ臨ミ麥粉、其ノ原料品、其ノ製造出入ニ關スル一切ノ帳簿書類、其ノ製造若ハ販賣上必要ナル建築物、容器、器具、機械其ノ他ノ物件ヲ檢査シ又ハ監督上必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十三條 稅務官吏ハ運搬中ニ在ル麥粉ヲ檢査シ監督上必要ト認ムルトキハ其ノ運搬ヲ停止シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十四條 輸入スル麥粉ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ輸入ノ際其ノ輸入者ニ麥粉稅ヲ課ス但シ滿洲國輸入稅ヲ課セラレタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十五條 左ニ揭グル場合ニ於テハ直ニ麥粉稅ヲ徵收ス
一 免許ヲ受ケズシテ麥粉ヲ製造シタルトキ
二 詐欺其ノ他不正ノ行爲ヲ以テ麥粉稅ヲ逋脫シ又ハ逋脫セントシタルトキ
第十六條 本令ニ於テ輸出又ハ輸入トハ南滿洲鐵道附屬地ト其ノ他ノ地域トノ間ニ於ケル搬出又ハ搬入ヲ謂フ
第十七條 自己又ハ其ノ同居家族ノ用ニ供スル麥粉ノミヲ製造スル者ニハ本令ヲ適用セズ
第十八條 大使ハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外麥粉稅ニ關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十一年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ麥粉ヲ製造スル者ニシテ本令施行後引續キ之ヲ製造セントスルモノハ昭和十一年七月三十一日迄ニ政府ニ免許ヲ申請スベシ其ノ申請ニ對シ許否ノ處分ヲ受クル迄ハ本令ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
第九條ノ規定ハ本令施行前製造場外ニ搬出シ又ハ輸入シタル麥粉ニ付テハ之ヲ適用セズ
朕南満洲鉄道附属地麦粉税令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年六月二十日
内閣総理大臣 広田弘毅
勅令第百二十号
南満洲鉄道附属地麦粉税令
第一条 麦粉ニハ本令ニ依リ麦粉税ヲ課ス
第二条 麦粉ヲ製造セントスル者ハ製造場一箇所毎ニ政府ノ免許ヲ受クベシ其ノ製造ヲ廃止セントスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムベシ
第三条 麦粉税ノ税率ハ麦粉一包装ニ付十銭トス一包装ニシテ二十四瓩ヲ超ユルモノアルトキハ二十四瓩又ハ其ノ端数毎ニ十銭トス
第四条 麦粉税ハ製造場ヨリ麦粉ヲ搬出スルトキ其ノ製造者ヨリ之ヲ徴収ス
麦粉ハ麦粉税納付前ニ於テハ政府ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ之ヲ製造場外ニ搬出スルコトヲ得ズ
第五条 麦粉ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ製造場外ニ搬出セラレタルモノト看做ス
一 製造場内ニ於テ消費セラレタルトキ
二 製造場内ニ現存スルモノ公売セラレタルトキ
三 製造免許取消ノ場合ニ於テ製造場内ニ現存スルトキ
第六条 輸出スル麦粉ニ付テハ満洲国駐箚特命全権大使ノ定ムル所ニ依リ麦粉税ヲ免除スルコトヲ得
第七条 政府ハ徴税保全上必要アリト認ムルトキハ麦粉製造者ニ対シ担保ノ提供ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ担保ニ関スル規定ハ大使之ヲ定ム
第八条 麦粉税ヲ納付シタルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ麦粉ノ包装ニ納税済証ノ貼附ヲ受クベシ但シ第五条第一号ノ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
第九条 麦粉販売者ハ包装ニ納税済証ノ貼附ナキ麦粉ヲ譲受ケ又ハ譲渡スコトヲ得ズ但シ第六条及第十四条但書ニ掲グル麦粉ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十条 麦粉製造者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ政府ハ其ノ麦粉製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
一 本令又ハ本令ニ基ク命令若ハ処分ニ違反シタルトキ
二 一年以上引続キ麦粉ノ製造ヲ休止シタルトキ
第十一条 麦粉ノ製造者又ハ販売者ハ帳簿ヲ備ヘ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造出入ニ関スル事項ヲ記載スベシ
第十二条 税務官吏ハ麦粉ノ製造場又ハ販売場ニ臨ミ麦粉、其ノ原料品、其ノ製造出入ニ関スル一切ノ帳簿書類、其ノ製造若ハ販売上必要ナル建築物、容器、器具、機械其ノ他ノ物件ヲ検査シ又ハ監督上必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第十三条 税務官吏ハ運搬中ニ在ル麦粉ヲ検査シ監督上必要ト認ムルトキハ其ノ運搬ヲ停止シ其ノ他必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第十四条 輸入スル麦粉ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ輸入ノ際其ノ輸入者ニ麦粉税ヲ課ス但シ満洲国輸入税ヲ課セラレタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十五条 左ニ掲グル場合ニ於テハ直ニ麦粉税ヲ徴収ス
一 免許ヲ受ケズシテ麦粉ヲ製造シタルトキ
二 詐欺其ノ他不正ノ行為ヲ以テ麦粉税ヲ逋脱シ又ハ逋脱セントシタルトキ
第十六条 本令ニ於テ輸出又ハ輸入トハ南満洲鉄道附属地ト其ノ他ノ地域トノ間ニ於ケル搬出又ハ搬入ヲ謂フ
第十七条 自己又ハ其ノ同居家族ノ用ニ供スル麦粉ノミヲ製造スル者ニハ本令ヲ適用セズ
第十八条 大使ハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外麦粉税ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十一年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ麦粉ヲ製造スル者ニシテ本令施行後引続キ之ヲ製造セントスルモノハ昭和十一年七月三十一日迄ニ政府ニ免許ヲ申請スベシ其ノ申請ニ対シ許否ノ処分ヲ受クル迄ハ本令ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
第九条ノ規定ハ本令施行前製造場外ニ搬出シ又ハ輸入シタル麦粉ニ付テハ之ヲ適用セズ