南満洲鉄道附属地酒税令
法令番号: 勅令第百十七號
公布年月日: 昭和11年6月22日
法令の形式: 勅令
朕南滿洲鐵道附屬地酒稅令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年六月二十日
內閣總理大臣 廣田弘毅
勅令第百十七號
南滿洲鐵道附屬地酒稅令
第一條 酒類ニハ本令ニ依リ酒稅ヲ課ス
本令ニ於テ酒類トハアルコールヲ含有スル飮料ヲ謂フ
第二條 酒稅ハ酒類ヲ製造スル者ヨリ之ヲ徵收ス
第三條 酒類ヲ製造セントスル者ハ其ノ種類ヲ定メ製造場一箇所每ニ政府ノ免許ヲ受クベシ其ノ製造ヲ廢止セントスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムベシ
種類ヲ異ニスル酒類ヲ混和シ又ハ酒類ニ酒類以外ノ物品ヲ混和スルハ之ヲ酒類ノ製造ト看做ス但シ酒類ニ水ノミヲ混和スルハ此ノ限ニ在ラズ
第四條 酒稅ノ稅率ハ左ノ區分ニ依ル
一 酒精 百リットルニ付 十四圓
二 燒酒
甲 酒精分五十以上ノモノ 百リットルニ付 八圓五十錢
乙 酒精分五十未滿ノモノ 百リットルニ付 六圓五十錢
三 黃酒 百リットルニ付 八圓五十錢
四 紹興酒 百リットルニ付 十一圓
五 麥酒 百リットルニ付 九圓五十錢
六 淸酒 百リットルニ付 十二圓
七 朝鮮藥酒 百リットルニ付 九圓五十錢
八 濁酒 百リットルニ付 八圓五十錢
九 前各號以外ノ酒類
甲 酒精分十五以上ノモノ 百リットルニ付 酒精分一每ニ 九十錢
乙 酒精分十五未滿ノモノ 百リットルニ付 十二圓
本令ニ於テ酒精トハ酒精分七十以上ノ蒸餾酒ヲ謂ヒ燒酒トハ酒精分七十未滿ノ蒸餾酒ヲ謂フ
本令ニ於テ黃酒、紹興酒、麥酒、淸酒、朝鮮藥酒及濁酒トハ各在來ノ方法ニ依リ製成シタル釀造酒ヲ謂フ
酒精ト燒酒トノ混和ニ依リテ得タル酒類ニシテ酒精分七十以上ノモノハ之ヲ酒精ト看做シ酒精分七十未滿ノモノハ之ヲ燒酒ト看做ス
本令ニ於テ酒精分トハアルコール含有容量ノ百分率ヲ謂フ
第五條 酒稅ハ酒類ノ製成リットル數ニ應ジ之ヲ課ス
酒類ノ製成リットル數ハ製成ノ時ニ於ケル實量ニ依リ之ヲ査定ス但シ實量ニ依リ査定スルコト困難ナル場合ニ於テハ滿洲國駐箚特命全權大使ノ定ムル所ニ依リ製成リットル數ヲ査定ス
犯則其ノ他ノ事故ニ依リ前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ現在ノ酒類又ハ證憑物件ニ就キ製成リットル數ヲ査定ス
第六條 酒稅ハ每月中ニ於テ製成シタル酒類ニ對スル分ヲ翌月末日限徵收ス但シ淸酒及紹興酒ニ付テハ每月中ニ於テ製成シタル酒類ニ對スル稅額ヲ十二分シ其ノ翌月ヨリ十二月間ニ各月末日限徵收ス
第七條 第三條第一項又ハ第十五條ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消シタルトキハ前條ノ規定ニ拘ラズ酒稅ノ全部又ハ一部ヲ徵收スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ又ハ國稅徵收法第四條ノ一ノ規定ニ準ジ酒稅ヲ徵收スル場合ニ於テハ納稅ノ擔保トシテ酒類ヲ差押フルコトヲ得
第八條 同一製造場內ニ於テ酒類ヲ製造スル爲原料トシテ製造スル酒類ニハ酒稅ヲ課セズ
前項ノ原料用酒類ハ製成ノ時其ノリットル數ノ檢定ヲ受クルコトヲ要ス
第九條 前條ノ檢定ヲ受ケタル酒類左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ其ノ檢定リットル數ヲ以テ査定リットル數ト看做シ酒稅ヲ課ス
一 他人ニ讓渡ストキ
二 質入スルトキ
三 公賣セラルルトキ
四 酒類製造用外ニ消費スルトキ
五 製造場外ニ搬出スルトキ
第十條 酒稅ヲ課セラレタル酒精ヲ原料トシテ製造スル酒類ニ對スル酒稅ハ之ニ課セラルベキ酒稅額中其ノ原料トシテ使用シタル酒精ニ對スル酒稅額ヲ控除シテ之ヲ徵收ス
第十一條 左ニ揭グル酒類ニ付テハ酒稅ヲ免除シ又ハ酒稅ニ相當スル金額ヲ交付スルコトヲ得但シ製造場外ニ搬出シタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 不可抗力ニ因リ亡失シタルモノ
二 腐敗其ノ他ノ事由ニ因リ飮用スルコト能ハザルニ至リタルモノ
三 酒精ニシテ飮用以外ノ用途ニ供スルモノ
第十二條 輸出スル酒類ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒稅ヲ免除シ又ハ酒稅ニ相當スル金額ヲ交付スルコトヲ得
第十三條 政府ハ徵稅保全上必要アリト認ムルトキハ酒類製造者ニ對シ擔保ノ提供ヲ命ジ又ハ其ノ製造リットル數ヲ制限スルコトヲ得
前項ノ擔保ニ關スル規定ハ大使之ヲ定ム
第十四條 酒類製造者ハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外製成リットル數査定前ニ於テ酒類ヲ他人ニ讓渡シ、質入シ、酒類製造用外ニ消費シ又ハ製造場外ニ搬出スルコトヲ得ズ
第十五條 酒類製造者左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ政府ハ其ノ酒類製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
一 酒稅ヲ滯納シタルトキ
二 本令又ハ本令ニ基ク命令若ハ處分ニ違反シタルトキ
三 一年以上引續キ酒類ノ製造ヲ休止シタルトキ
前項ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消シタル場合ニ於テ半製品現存スルトキハ製造者ノ申請ニ依リ一定ノ期間內其ノ製成其ノ他必要ナル行爲ヲ繼續セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ仍本令ヲ適用ス
第十六條 第三條第一項又ハ前條ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消サレタル者及其ノ相續人ニハ酒稅ヲ完納スルニ至ル迄ノ間仍本令ヲ適用ス
第十七條 酒類ヲ販賣セントスル者ハ販賣場一箇所每ニ政府ニ申吿スベシ但シ酒類製造者ガ其ノ製造場ニ於テ爲ス販賣ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
酒類販賣者其ノ販賣ヲ廢止シタルトキハ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スベシ
第十八條 酒類ノ製造者又ハ販賣者ハ帳簿ヲ備ヘ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造出入ニ關スル事項ヲ記載スベシ
第十九條 稅務官吏ハ酒類ノ製造場又ハ販賣場ニ臨ミ酒類、其ノ原料品若ハ半製品、其ノ製造出入ニ關スル一切ノ帳簿書類、其ノ製造若ハ販賣上必要ナル建築物、容器、器具、機械其ノ他ノ物件ヲ檢査シ又ハ監督上必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第二十條 稅務官吏ハ運搬中ニ在ル酒類ヲ檢査シ監督上必要ト認ムルトキハ其ノ運搬ヲ停止シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第二十一條 輸入スル酒類ニハ第四條ノ割合ニ依リ酒稅ヲ課ス但シ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノニ付テハ各其ノ定ムル所ニ依ル
一 滿洲國輸入稅ヲ課セラレタル酒類ニハ酒稅ヲ課セズ
二 滿洲國轉口稅ヲ課セラレタル酒類ニハ第四條ノ割合ニ依リ算出シタル酒稅額ト轉口稅額トノ差額ニ相當スル酒稅ヲ課ス
三 飮用以外ノ用途ニ供スル酒精ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒稅ヲ免除ス
前項ノ酒稅ハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒類ノ輸入リットル數ニ應ジ輸入ノ際其ノ輸入者ヨリ之ヲ徵收ス但シ淸酒及紹興酒ニ限リ其ノ酒稅ニ相當スル擔保ヲ提供シタルトキハ三月以內其ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ酒稅ノ徵收ヲ猶豫セラレタル酒類ヲ其ノ猶豫期間內ニ輸出スルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒稅ヲ免除スルコトヲ得
第二項ノ擔保ニ關スル規定ハ大使之ヲ定ム
第二十二條 左ニ揭グル場合ニ於テハ直ニ酒稅ヲ徵收ス
一 免許ヲ受ケズシテ酒類ヲ製造シタルトキ
二 詐僞其ノ他不正ノ行爲ヲ以テ酒稅ヲ逋脫シ又ハ逋脫セントシタルトキ
三 第十三條ノ規定ニ依リ擔保ノ提供ヲ命ゼラレ又ハ製造リットル數ヲ制限セラレタル場合ニ於テ擔保ヲ提供セザルトキ又ハ制限リットル數ヲ超過シテ酒類ヲ製造シタルトキ
第二十三條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ヲ以テ酒稅ノ免除又ハ酒稅ニ相當スル金額ノ交付ヲ受ケタルトキハ免除シタル酒稅ハ直ニ之ヲ徵收シ交付シタル金額ハ之ヲ追徵ス
前項ノ規定ニ依ル交付金額ノ追徵ニ付テハ國稅徵收ノ例ニ依ル
第二十四條 本令ニ於テ輸出又ハ輸入トハ南滿洲鐵道附屬地ト其ノ他ノ地域トノ間ニ於ケル搬出又ハ搬入ヲ謂フ
第二十五條 大使ハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外酒稅ニ關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
第二十六條 本令ハ昭和十一年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十七條 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ製造スル者ニシテ本令施行後引續キ之ヲ製造セントスルモノハ昭和十一年七月三十一日迄ニ政府ニ免許ヲ申請スベシ其ノ申請ニ對シ許否ノ處分ヲ受クル迄ハ本令ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
第二十八條 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ販賣スル者ニシテ本令施行後引續キ之ヲ販賣セントスルモノハ昭和十一年八月三十一日迄ニ政府ニ申吿スベシ
第二十九條 輸入スル酒類ニシテ本令施行前ノ製成ニ係ルモノニハ第二十一條ノ規定ニ依ル酒稅ヲ課セズ
第三十條 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ製造スル者ニシテ酒類ヲ所有シ又ハ所持スルモノハ本令施行後二十日內ニ其ノ酒類ノ種類、リットル數及所在ヲ政府ニ申吿スベシ
朕南満洲鉄道附属地酒税令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十一年六月二十日
内閣総理大臣 広田弘毅
勅令第百十七号
南満洲鉄道附属地酒税令
第一条 酒類ニハ本令ニ依リ酒税ヲ課ス
本令ニ於テ酒類トハアルコールヲ含有スル飲料ヲ謂フ
第二条 酒税ハ酒類ヲ製造スル者ヨリ之ヲ徴収ス
第三条 酒類ヲ製造セントスル者ハ其ノ種類ヲ定メ製造場一箇所毎ニ政府ノ免許ヲ受クベシ其ノ製造ヲ廃止セントスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムベシ
種類ヲ異ニスル酒類ヲ混和シ又ハ酒類ニ酒類以外ノ物品ヲ混和スルハ之ヲ酒類ノ製造ト看做ス但シ酒類ニ水ノミヲ混和スルハ此ノ限ニ在ラズ
第四条 酒税ノ税率ハ左ノ区分ニ依ル
一 酒精 百リットルニ付 十四円
二 焼酒
甲 酒精分五十以上ノモノ 百リットルニ付 八円五十銭
乙 酒精分五十未満ノモノ 百リットルニ付 六円五十銭
三 黄酒 百リットルニ付 八円五十銭
四 紹興酒 百リットルニ付 十一円
五 麦酒 百リットルニ付 九円五十銭
六 清酒 百リットルニ付 十二円
七 朝鮮薬酒 百リットルニ付 九円五十銭
八 濁酒 百リットルニ付 八円五十銭
九 前各号以外ノ酒類
甲 酒精分十五以上ノモノ 百リットルニ付 酒精分一毎ニ 九十銭
乙 酒精分十五未満ノモノ 百リットルニ付 十二円
本令ニ於テ酒精トハ酒精分七十以上ノ蒸餾酒ヲ謂ヒ焼酒トハ酒精分七十未満ノ蒸餾酒ヲ謂フ
本令ニ於テ黄酒、紹興酒、麦酒、清酒、朝鮮薬酒及濁酒トハ各在来ノ方法ニ依リ製成シタル醸造酒ヲ謂フ
酒精ト焼酒トノ混和ニ依リテ得タル酒類ニシテ酒精分七十以上ノモノハ之ヲ酒精ト看做シ酒精分七十未満ノモノハ之ヲ焼酒ト看做ス
本令ニ於テ酒精分トハアルコール含有容量ノ百分率ヲ謂フ
第五条 酒税ハ酒類ノ製成リットル数ニ応ジ之ヲ課ス
酒類ノ製成リットル数ハ製成ノ時ニ於ケル実量ニ依リ之ヲ査定ス但シ実量ニ依リ査定スルコト困難ナル場合ニ於テハ満洲国駐箚特命全権大使ノ定ムル所ニ依リ製成リットル数ヲ査定ス
犯則其ノ他ノ事故ニ依リ前項ノ規定ニ依リ難キ場合ニ於テハ現在ノ酒類又ハ証憑物件ニ就キ製成リットル数ヲ査定ス
第六条 酒税ハ毎月中ニ於テ製成シタル酒類ニ対スル分ヲ翌月末日限徴収ス但シ清酒及紹興酒ニ付テハ毎月中ニ於テ製成シタル酒類ニ対スル税額ヲ十二分シ其ノ翌月ヨリ十二月間ニ各月末日限徴収ス
第七条 第三条第一項又ハ第十五条ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消シタルトキハ前条ノ規定ニ拘ラズ酒税ノ全部又ハ一部ヲ徴収スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ又ハ国税徴収法第四条ノ一ノ規定ニ準ジ酒税ヲ徴収スル場合ニ於テハ納税ノ担保トシテ酒類ヲ差押フルコトヲ得
第八条 同一製造場内ニ於テ酒類ヲ製造スル為原料トシテ製造スル酒類ニハ酒税ヲ課セズ
前項ノ原料用酒類ハ製成ノ時其ノリットル数ノ検定ヲ受クルコトヲ要ス
第九条 前条ノ検定ヲ受ケタル酒類左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ其ノ検定リットル数ヲ以テ査定リットル数ト看做シ酒税ヲ課ス
一 他人ニ譲渡ストキ
二 質入スルトキ
三 公売セラルルトキ
四 酒類製造用外ニ消費スルトキ
五 製造場外ニ搬出スルトキ
第十条 酒税ヲ課セラレタル酒精ヲ原料トシテ製造スル酒類ニ対スル酒税ハ之ニ課セラルベキ酒税額中其ノ原料トシテ使用シタル酒精ニ対スル酒税額ヲ控除シテ之ヲ徴収ス
第十一条 左ニ掲グル酒類ニ付テハ酒税ヲ免除シ又ハ酒税ニ相当スル金額ヲ交付スルコトヲ得但シ製造場外ニ搬出シタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 不可抗力ニ因リ亡失シタルモノ
二 腐敗其ノ他ノ事由ニ因リ飲用スルコト能ハザルニ至リタルモノ
三 酒精ニシテ飲用以外ノ用途ニ供スルモノ
第十二条 輸出スル酒類ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒税ヲ免除シ又ハ酒税ニ相当スル金額ヲ交付スルコトヲ得
第十三条 政府ハ徴税保全上必要アリト認ムルトキハ酒類製造者ニ対シ担保ノ提供ヲ命ジ又ハ其ノ製造リットル数ヲ制限スルコトヲ得
前項ノ担保ニ関スル規定ハ大使之ヲ定ム
第十四条 酒類製造者ハ大使ノ定ムル場合ヲ除クノ外製成リットル数査定前ニ於テ酒類ヲ他人ニ譲渡シ、質入シ、酒類製造用外ニ消費シ又ハ製造場外ニ搬出スルコトヲ得ズ
第十五条 酒類製造者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ政府ハ其ノ酒類製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
一 酒税ヲ滞納シタルトキ
二 本令又ハ本令ニ基ク命令若ハ処分ニ違反シタルトキ
三 一年以上引続キ酒類ノ製造ヲ休止シタルトキ
前項ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消シタル場合ニ於テ半製品現存スルトキハ製造者ノ申請ニ依リ一定ノ期間内其ノ製成其ノ他必要ナル行為ヲ継続セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ仍本令ヲ適用ス
第十六条 第三条第一項又ハ前条ノ規定ニ依リ酒類製造ノ免許ヲ取消サレタル者及其ノ相続人ニハ酒税ヲ完納スルニ至ル迄ノ間仍本令ヲ適用ス
第十七条 酒類ヲ販売セントスル者ハ販売場一箇所毎ニ政府ニ申告スベシ但シ酒類製造者ガ其ノ製造場ニ於テ為ス販売ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
酒類販売者其ノ販売ヲ廃止シタルトキハ其ノ旨ヲ政府ニ申告スベシ
第十八条 酒類ノ製造者又ハ販売者ハ帳簿ヲ備ヘ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造出入ニ関スル事項ヲ記載スベシ
第十九条 税務官吏ハ酒類ノ製造場又ハ販売場ニ臨ミ酒類、其ノ原料品若ハ半製品、其ノ製造出入ニ関スル一切ノ帳簿書類、其ノ製造若ハ販売上必要ナル建築物、容器、器具、機械其ノ他ノ物件ヲ検査シ又ハ監督上必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第二十条 税務官吏ハ運搬中ニ在ル酒類ヲ検査シ監督上必要ト認ムルトキハ其ノ運搬ヲ停止シ其ノ他必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第二十一条 輸入スル酒類ニハ第四条ノ割合ニ依リ酒税ヲ課ス但シ左ノ各号ノ一ニ該当スルモノニ付テハ各其ノ定ムル所ニ依ル
一 満洲国輸入税ヲ課セラレタル酒類ニハ酒税ヲ課セズ
二 満洲国転口税ヲ課セラレタル酒類ニハ第四条ノ割合ニ依リ算出シタル酒税額ト転口税額トノ差額ニ相当スル酒税ヲ課ス
三 飲用以外ノ用途ニ供スル酒精ニ付テハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒税ヲ免除ス
前項ノ酒税ハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒類ノ輸入リットル数ニ応ジ輸入ノ際其ノ輸入者ヨリ之ヲ徴収ス但シ清酒及紹興酒ニ限リ其ノ酒税ニ相当スル担保ヲ提供シタルトキハ三月以内其ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ酒税ノ徴収ヲ猶予セラレタル酒類ヲ其ノ猶予期間内ニ輸出スルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ酒税ヲ免除スルコトヲ得
第二項ノ担保ニ関スル規定ハ大使之ヲ定ム
第二十二条 左ニ掲グル場合ニ於テハ直ニ酒税ヲ徴収ス
一 免許ヲ受ケズシテ酒類ヲ製造シタルトキ
二 詐偽其ノ他不正ノ行為ヲ以テ酒税ヲ逋脱シ又ハ逋脱セントシタルトキ
三 第十三条ノ規定ニ依リ担保ノ提供ヲ命ゼラレ又ハ製造リットル数ヲ制限セラレタル場合ニ於テ担保ヲ提供セザルトキ又ハ制限リットル数ヲ超過シテ酒類ヲ製造シタルトキ
第二十三条 詐偽其ノ他不正ノ行為ヲ以テ酒税ノ免除又ハ酒税ニ相当スル金額ノ交付ヲ受ケタルトキハ免除シタル酒税ハ直ニ之ヲ徴収シ交付シタル金額ハ之ヲ追徴ス
前項ノ規定ニ依ル交付金額ノ追徴ニ付テハ国税徴収ノ例ニ依ル
第二十四条 本令ニ於テ輸出又ハ輸入トハ南満洲鉄道附属地ト其ノ他ノ地域トノ間ニ於ケル搬出又ハ搬入ヲ謂フ
第二十五条 大使ハ本令ニ定ムルモノヲ除クノ外酒税ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
第二十六条 本令ハ昭和十一年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二十七条 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ製造スル者ニシテ本令施行後引続キ之ヲ製造セントスルモノハ昭和十一年七月三十一日迄ニ政府ニ免許ヲ申請スベシ其ノ申請ニ対シ許否ノ処分ヲ受クル迄ハ本令ニ依リ免許ヲ受ケタルモノト看做ス
第二十八条 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ販売スル者ニシテ本令施行後引続キ之ヲ販売セントスルモノハ昭和十一年八月三十一日迄ニ政府ニ申告スベシ
第二十九条 輸入スル酒類ニシテ本令施行前ノ製成ニ係ルモノニハ第二十一条ノ規定ニ依ル酒税ヲ課セズ
第三十条 本令施行ノ際現ニ酒類ヲ製造スル者ニシテ酒類ヲ所有シ又ハ所持スルモノハ本令施行後二十日内ニ其ノ酒類ノ種類、リットル数及所在ヲ政府ニ申告スベシ