第一條 本法ハ內地、朝鮮及臺灣ヲ通ズル過剩米穀ヲ統制スル爲內地、朝鮮及臺灣ニ於テ米穀ノ自治管理ヲ行ハシムルコトヲ目的トス
第二條 米穀生產者、土地ニ付權利ヲ有スル者ニシテ米穀ヲ小作料トシテ受クルモノ及命令ヲ以テ指定スル之ニ準ズル者ハ米穀統制組合ヲ設立スルコトヲ得
第三條 米穀統制組合ハ法人トシ第一條ノ自治管理ヲ行フヲ以テ目的トス
第四條 米穀統制組合ハ其ノ目的ヲ達スル爲左ノ事業ニ限リ之ヲ行フモノトス
一 第四十三條(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ組合ニ於テ統制スベキ米穀ノ數量ヲ組合員ニ對シ割當ツルコト
三 前號ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ニ付組合員ニ資金ノ融通又ハ其ノ斡旋ヲ爲スコト
四 第四十九條、第五十條(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第五十七條ノ規定ニ依リ米穀ノ賣渡ヲ爲スコト
六 第二號ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ニシテ貯藏ヲ解除シタルモノヲ委託ヲ受ケ販賣又ハ保管シ其ノ他米穀ノ自治管理ニ附帶シ必要ナル行爲ヲ爲スコト
前項第五號ノ倉庫證券及其ノ發行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條 米穀統制組合ノ地區ハ內地ニ在リテハ市町村、朝鮮ニ在リテハ府郡島、臺灣ニ在リテハ廳又ハ郡市ノ區域ニ依ル
特別ノ事情アルトキハ米穀統制組合ノ地區ハ前項ノ區域ニ依ラザルコトヲ得
命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外市町村等ノ區域ニ增減アリタルトキハ其ノ區域ヲ地區トスル米穀統制組合ノ地區モ亦之ニ應ジテ增減アリタルモノトス
第六條 米穀統制組合ノ名稱中ニハ米穀統制組合ナル文字ヲ用フベシ
本法ニ依リ設立シタル米穀統制組合ニ非ザレバ其ノ名稱中ニ米穀統制組合タルコトヲ示スベキ文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第七條 米穀統制組合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地區內ノ第二條ニ揭グル者ヲ以テ其ノ組合員トス
第八條 米穀統制組合ヲ設立セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地區內ノ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得テ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第九條 行政官廳ハ必要アリト認ムルトキハ區域ヲ指定シ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ米穀統制組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ創立總會ヲ開キ定款ヲ議定シ其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
設立ヲ命ゼラレタル者命令ノ定ムル期間內ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官廳ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十條 米穀統制組合ハ設立ノ認可アリタル時又ハ前條第三項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
前項ノ場合ニ於テハ行政官廳ハ遲滯ナク組合設立ノ旨竝ニ組合長及副組合長ノ住所及氏名ヲ吿示スベシ
第十一條 米穀統制組合成立シタルトキハ其ノ地區內ノ組合員タル資格ヲ有スル者ハ總テ其ノ組合員トス
第二條ニ該當スル者ニシテ第七條ノ命令ノ定ムル所ニ依リ組合員タル資格ヲ有セザルモノハ定款ノ定ムル所ニ從ヒ米穀統制組合ニ加入スルコトヲ得
第十三條 米穀統制組合ノ組合員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ組合員中ヨリ總代ヲ選擧スベシ
第十四條 左ニ揭グル事項ハ總代會ノ議決ヲ經ベシ
七 第四十三條(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ割當
前項第一號、第二號、第四號及第五號ニ揭グル事項ノ決議ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第十五條 定款ノ變更ハ總代會ニ於テ之ヲ組織スル者半數以上出席シ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス
定款ノ變更ガ地區ノ增減ニ關スルトキハ前項ノ規定ニ依ル議決ノ外新ニ編入セラレ又ハ削除セラルベキ區域內ノ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意アルコトヲ要ス
第十六條 本法ニ規定スルモノヲ除クノ外總代會及役員ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條 特別ノ事情アル米穀統制組合ハ命令ノ定ムル所ニ依リ總代會ヲ設ケズ組合員ノ總會ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
役員ハ組合員中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合長及副組合長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
役員ノ解任竝ニ第二項但書ノ規定ニ依ル組合長及副組合長ノ選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
組合長ノ職務ヲ行フ者ナキトキハ行政官廳ハ總代ヲ指定シ組合長ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
組合長及副組合長ノ選任及退任ハ第四項及第二十六條ノ場合ヲ除クノ外其ノ旨ヲ行政官廳ニ屆出ヅベシ
行政官廳第四項ノ認可、第五項ノ指定若ハ第二十六條ノ解任ヲ爲シ又ハ前項ノ屆出ヲ受ケタルトキハ遲滯ナク其ノ旨ヲ吿示スベシ
副組合長ハ組合長ヲ補佐シ組合長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
評議員ハ組合長ノ諮問ニ應ジ竝ニ組合ノ業務執行及財產ノ狀況ヲ監査ス
第二十條 總代會ノ議決ヲ經ベキ事項ニ關シ臨時急施ヲ要スル場合ニ於テ總代會成立セザルトキ又ハ之ヲ招集スルノ暇ナキトキハ命令ノ定ムル場合ヲ除クノ外組合長之ヲ專決處分スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ專決處分ヲ爲シタルトキハ組合長ハ次ノ總代會ニ之ヲ報吿スベシ
第二十一條 米穀統制組合ハ第十八條ノ役員ノ外定款ノ定ムル所ニ依リ職員ヲ置クコトヲ得
第二十二條 米穀統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ其ノ組合員ニ對シ經費ヲ分賦シ及過怠金ヲ徵收スルコトヲ得
米穀統制組合ノ經費又ハ過怠金ヲ滯納スル者アル場合ニ於テ其ノ組合長ノ請求アルトキハ市町村ハ市町村稅ノ例ニ依リ之ヲ處分ス此ノ場合ニ於テ米穀統制組合ハ其ノ徵收金額ノ百分ノ四ヲ市町村ニ交付スベシ
市町村ガ前項ノ請求ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ其ノ處分ニ著手セズ又ハ九十日以內ニ之ヲ結了セザルトキハ組合長ハ行政官廳ノ認可ヲ得テ之ヲ處分スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ町村制第百十一條第一項及第四項ノ規定ヲ準用ス
前二項ニ規定スル徵收金ノ先取特權ノ順位ハ市町村其ノ他之ニ準ズベキモノノ徵收金ニ次ギ其ノ時效ニ付テハ市町村稅ノ例ニ依ル
朝鮮及臺灣ニ於ケル米穀統制組合ノ經費及過怠金ノ分賦徵收、滯納處分、先取特權ノ順位及時效ニ關シテハ命令ノ定ムル所ニ依ル
經費ノ分賦及過怠金ノ徵收ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ異議ノ申立、訴願及行政訴訟(朝鮮ニ在リテハ異議ノ申立、臺灣ニ在リテハ異議ノ申立及訴願ニ限ル)ヲ爲スコトヲ得
第二十三條 米穀統制組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第二十四條 使用料及手數料ノ徵收、米穀ノ寄託其ノ他米穀統制組合ト組合員トノ間ニ於ケル權利義務ニ關シテハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ別段ノ規定アルモノヲ除クノ外民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第二十五條 行政官廳ハ米穀統制組合ニ對シ組合ノ事務ニ關スル報吿ヲ爲サシメ、組合ノ業務執行又ハ財產ノ狀況ヲ檢査シ、定款、收支豫算又ハ經費ノ分賦收入方法ノ變更ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得
第二十六條 行政官廳ハ米穀統制組合ノ決議若ハ選擧又ハ役員ノ行爲ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ公益ヲ害シ若ハ害スルノ虞アリト認ムルトキハ決議、選擧若ハ當選ヲ取消シ、役員ヲ解任シ、總代ノ改選ヲ命ジ、組合ノ事業ヲ停止シ又ハ組合ノ解散ヲ命ズルコトヲ得
第二十七條 米穀統制組合解散又ハ合併ヲ爲サントスルトキハ總代會ノ議決ヲ經且其ノ組合員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得尙合併ノ場合ニ在リテハ定款ヲ議定シ其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
米穀統制組合分割ヲ爲サントスルトキハ前項ノ規定ニ準ズル議決及同意ノ外分割ノ各組合ノ組合員又ハ組合員タル資格ヲ有スル者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得且定款ヲ議定シ其ノ他必要ナル事項ヲ定メ行政官廳ノ認可ヲ受クベシ
第十條及第十五條第一項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
前三項ニ規定スルモノヲ除クノ外解散、合併又ハ分割ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條 米穀ヲ取扱フ販賣組合(以下米穀販賣組合ト稱ス)ノ存スル市町村ニ於テ特別ノ事情アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ米穀統制組合ノ事業ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ米穀販賣組合ニ於テ之ヲ行フコトヲ得
米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ米穀販賣組合ナキ市町村ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ農會ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ米穀統制組合ノ事業ヲ行フコトヲ得
朝鮮及臺灣ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ米穀ヲ取扱フ產業組合又ハ農會ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ米穀統制組合ノ事業ヲ行フコトヲ得
第二十九條 米穀統制組合ノ事業ヲ行フ團體ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ團體員ニ非ズシテ其ノ區域內ニ於テ米穀統制組合ノ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ團體員ニ準ジ第四條第一項ニ揭グル事業ヲ行フコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ第四條第一項ニ揭グル事業ヲ行フ團體ハ前項ニ規定スル者ヨリ團體員ノ例ニ準ジ使用料及手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第三十條 米穀統制組合ノ事業ヲ行フ團體ガ第四十三條ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル割當ヲ爲ス場合ニ於テハ總會又ハ總代會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
米穀統制組合ノ事業ヲ行フ場合ニ於ケル前項ノ團體ノ監督及總會又ハ總代會ニ關シテハ勅令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第三十一條 米穀統制組合及其ノ事業ヲ行フ團體ハ團體相互ノ聯絡ヲ圖リ米穀ノ自治管理ヲ行フ目的ヲ以テ地方米穀統制組合聯合會ヲ設立スルコトヲ得
第三十三條 地方米穀統制組合聯合會ノ地區ハ內地ニ在リテハ道府縣、朝鮮ニ在リテハ道、臺灣ニ在リテハ州ノ區域ニ依ル
第三十五條 地方米穀統制組合聯合會ノ議員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ノ代表者ヲ以テ之ニ充ツ
第三十六條 地方米穀統制組合聯合會ニ左ノ役員ヲ置ク
役員ハ議員中ヨリ之ヲ選任ス但シ會長及副會長ハ其ノ他ノ者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ妨ゲズ
前項但書ノ規定ニ依ル會長及副會長ノ選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十七條 第四條第一項、第六條、第八條乃至第十條、第十一條第一項、第十四條乃至第十六條、第十八條第三項乃至第七項、第十九條乃至第二十一條、第二十二條第一項及第二十三條乃至第二十六條ノ規定竝ニ第二十七條中解散ニ關スル規定ハ地方米穀統制組合聯合會ニ之ヲ準用ス
第三十八條 勅令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ許可ヲ受ケ道府縣ヲ區域トスル米穀ヲ取扱フ販賣組合聯合會(以下道府縣米穀販賣組合聯合會ト稱ス)ハ地方米穀統制組合聯合會ノ事業ヲ行フコトヲ得
第三十九條 地方米穀統制組合聯合會ノ事業ヲ行フ道府縣米穀販賣組合聯合會ハ其ノ區域內ニ於ケル米穀統制組合及所屬組合ニ非ズシテ米穀統制組合ノ事業ヲ行フ團體ニ對シ所屬組合ニ準ジ第三十七條ニ於テ準用スル第四條第一項ニ揭グル事業ヲ行フコトヲ得
第四十條 地方米穀統制組合聯合會ノ事業ヲ行フ道府縣米穀販賣組合聯合會第四十三條ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル割當ヲ爲ス場合ニ於テハ總會又ハ總代會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
前條ニ規定スル米穀統制組合及其ノ事業ヲ行フ團體ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ代表者ヲ第一項ノ總會又ハ總代會ニ出席セシメ表決權ヲ行使セシムルコトヲ得
第四十一條 政府ハ每年內地、朝鮮及臺灣ヲ通ジ米穀需給推算ヲ行ヒ米穀ノ供給過剩ナリト認ムルトキハ其ノ過剩數量ノ範圍內ニ於テ定ムル一定數量ノ米穀ヲ內地、朝鮮及臺灣ニ於テ統制セシムルコトヲ得
第一項ノ一定數量ノ內地、朝鮮及臺灣ニ對スル割當ノ割合ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ內地、朝鮮及臺灣ノ米穀管外移出數量ノ增加趨勢ノ外ニ米穀管外移出數量、米穀收穫ノ豐凶等ヲモ參酌シテ之ヲ定ム
第四十二條 前條第一項ノ米穀需給推算及統制スベキ米穀ノ數量竝ニ同條第三項ノ割當ノ割合ニ付テハ米穀自治管理委員會ニ諮問シテ之ヲ定ム
米穀自治管理委員會ノ組織及權限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十三條 政府ハ第四十一條ノ規定ニ依リ內地、朝鮮及臺灣ニ付定マリタル數量ヲ各內地、朝鮮及臺灣ニ於ケル地方米穀統制組合聯合會又ハ其ノ事業ヲ行フ道府縣米穀販賣組合聯合會ニ對シ割當テ其ノ米穀ニ付統制ヲ命ジ、地方米穀統制組合聯合會又ハ其ノ事業ヲ行フ道府縣米穀販賣組合聯合會ハ其ノ割當テラレタル數量ヲ米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ニ對シ割當ツルコトヲ要ス
米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ハ其ノ割當テラレタル數量ヲ團體員及第二十九條ニ規定スル者ニ對シ割當ツルコトヲ要ス
朝鮮及臺灣ニ於テ統制セシムベキ米穀ノ數量ノ割當ニ付テハ前二項ノ規定ニ關シ勅令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第四十四條 地方米穀統制組合聯合會若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體前條ノ規定ニ依ル割當ヲ爲サザル場合ニ於テハ政府ハ之ニ代リ割當ヲ爲スコトヲ得
第四十五條 前二條ノ割當ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第四十六條 米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ハ其ノ割當テラレタル數量ノ米穀ヲ貯藏スルコトヲ要ス但シ其ノ貯藏ヲ解除シタルモノ及第四十九條又ハ第五十條ノ規定ニ依リ政府ノ買入ヲ爲シタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十七條 米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ノ團體員ハ第四十三條又ハ第四十四條ノ規定ニ依リ割當テラレタル數量ノ米穀ヲ命令ノ定ムル所ニ依リ米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ニ寄託スルコトヲ要ス第二十九條及第三十條ニ規定スル者ニ付亦同ジ
第四十八條 米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ハ第二項ノ場合及勅令ノ定ムル場合ヲ除クノ外第四十六條ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ニ付其ノ貯藏ノ解除ヲ爲スコトヲ得ズ
政府ハ必要アリト認ムルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第四十六條ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ニ付其ノ貯藏ノ解除ヲ命ズルコトヲ得
第四十九條 政府ハ米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ガ貯藏スベキ米穀中貯藏能力其ノ他ノ事情ニ依リ貯藏困難ナリト認ムルモノニ付當該團體ヨリ賣渡ノ申込アリタル場合ニ於テハ買入ヲ爲ス
前項ノ買入價格ハ內地ニ在リテハ米穀統制法第二條ノ最低價格、朝鮮及臺灣ニ在リテハ勅令ノ定ムル所ニ依リ米穀生產費、物價其ノ他ノ經濟事情ヲ參酌シテ定メタル價格トス
第五十條 政府ハ必要アリト認ムルトキハ米穀統制組合又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ガ第四十六條ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ニシテ當該米穀年度ヲ越ユルモ其ノ貯藏ヲ解除セラレザルモノニ付買入ヲ爲ス
第五十一條 命令ヲ以テ指定スル地ニ於ケル米穀取扱業者ハ米穀商統制組合ヲ設立スルコトヲ得
第五十二條 米穀商統制組合ハ法人トシ第一條ノ自治管理ヲ行フヲ以テ目的トス
第五十三條 第四條第一項、第六條及第八條乃至第二十七條ノ規定ハ米穀商統制組合ニ之ヲ準用ス
第五十四條 勅令ノ定ムル所ニ依リ米穀取扱業者ノ組織スル商業組合又ハ重要物產同業組合法若ハ朝鮮重要物產同業組合令ニ依ル同業組合ハ行政官廳ノ許可ヲ受ケ米穀商統制組合ノ事業ヲ行フコトヲ得
第二十九條及第三十條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十五條 勅令ノ定ムル所ニ依リ政府ハ第四十一條ノ統制ヲ爲スモ米穀ノ供給過剩ニシテ米價ガ米穀統制法ニ基キテ發スル命令ニ定ムル標準最低價格ヲ下ラントスル虞アリト認ムルトキハ米穀自治管理委員會ニ諮問シテ一定數量ノ米穀ヲ內地、朝鮮及臺灣ニ於テ統制セシムルコトヲ得
第五十六條 前條ノ場合ニ於テハ政府ハ各內地、朝鮮及臺灣ニ於ケル地方米穀統制組合聯合會若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀商統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體ニ對シ前條ノ一定數量ヲ割當テ其ノ米穀ニ付統制ヲ命ズ
第四十三條乃至第四十八條及第五十條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ統制ヲ命ゼラレタル場合ニ之ヲ準用ス
第五十七條 政府ハ米穀統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀商統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體ガ前條ノ規定ニ依リ貯藏スベキ米穀中貯藏能力其ノ他ノ事情ニ依リ貯藏困難ナリト認ムルモノニ付當該團體ヨリ賣渡ノ申込アリタル場合ニ於テハ買入ヲ爲ス
前項ノ買入價格ハ內地米ニ在リテハ米穀統制法第二條ノ最低價格、朝鮮米又ハ臺灣米ニ在リテハ勅令ノ定ムル一定價格以內ニ於テ時價ニ準據シテ定メタル價格トス
第五十八條 朝鮮及臺灣ニ於テハ第十二條、第十八條、第十九條及第三十六條ノ規定(第三十七條又ハ第五十三條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ關シ命令ヲ以テ特例ヲ設クルコトヲ得
第五十九條 地方米穀統制組合聯合會又ハ其ノ事業ヲ行フ團體ノ役員命令ノ定ムル第四十三條ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル割當ヲ爲スニ必要ナル行爲ヲ爲サザルトキハ五百圓以下ノ過料ニ處ス米穀統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀商統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體ノ役員命令ノ定ムル第四十三條ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル割當ヲ爲スニ必要ナル行爲ヲ爲サザルトキ亦同ジ
第六十條 非訟事件手續法第二百六條乃至第二百八條ノ規定ハ前條ノ過料ニ之ヲ準用ス
第六十一條 米穀統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀商統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體第四十六條ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタルトキハ其ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ヲ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ組合又ハ團體第四十八條第一項ノ規定(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタルトキ亦前項ニ同ジ
第六十二條 米穀統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體、地方米穀統制組合聯合會若ハ其ノ事業ヲ行フ團體又ハ米穀商統制組合若ハ其ノ事業ヲ行フ團體ノ役員、第二十一條ノ職員、總代、議員、組合員又ハ代議員本法ニ依ル割當又ハ貯藏ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ懲役ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第六十三條 前條第一項ニ揭グル者ニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第六十四條 第四十九條、第五十條(第五十六條第二項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及第五十七條ノ規定ニ依ル米穀ノ買入ニ關スル一切ノ歲入歲出ハ米穀需給調節特別會計ニ屬セシム