(府県制中改正法律)
法令番号: 法律第四十四號
公布年月日: 昭和10年7月3日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル府縣制中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年七月二日
內閣總理大臣 岡田啓介
內務大臣 後藤文夫
法律第四十四號
府縣制中左ノ通改正ス
第四條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項ノ區域ノ人口著シク少キトキハ府縣條例ヲ以テ其ノ區域ト隣接ノ區域トヲ合セテ一選擧區ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選擧區ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條第二項中「戰時若ハ事變ニ際シ」ノ下ニ「又ハ兵役法第五十五條第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタルモノニ付テハ之ニ該當スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ」ヲ、同條第五項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
租稅滯納處分中ノ者ハ被選擧權ヲ有セズ
第八條第一項但書中「第三十一條第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ於テ」ヲ「選擧ノ期日ヨリ一年以內ニ」ニ、「其ノ期限經過後ニ於テ」ヲ「選擧ノ期日ヨリ一年經過後ニ於テ」ニ、「第三十二條第三項」ヲ「第三十二條第四項」ニ、同條第二項中「第三十二條第四項及第五項」ヲ「第三十二條第五項及第六項」ニ改ム
第十三條ノ二第三項中「選擧ノ期日ノ前日マテ」ヲ「選擧ノ期日前二日目マデ」ニ改ム
第十五條第四項中「特別ノ事情」ヲ「必要」ニ改ム
第十六條第一項中「選擧ノ期日ノ前日マテ」ヲ「選擧ノ期日前二日目マデ」ニ改ム
第十九條ノ二 選擧人ニシテ勅令ノ定ムル事由ニ因リ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ投票所ニ到リ投票ヲ爲シ能ハザルベキコトヲ證スル者ノ投票ニ關シテハ第十八條第三項及第五項、第十八條ノ二第一項但書竝ニ前條ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二十五條第三項中「投票區每」ヲ「市町村其ノ他府縣知事ノ定ムル區域每」ニ改ム
第三十一條第五項中「第六條第六項」ヲ「第六條第七項」ニ改ム
第三十二條第一項但書中「第二項」ヲ「第二項又ハ第三項」ニ、同條第三項中「前項」ヲ「前二項」ニ改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第一號乃至第四號ノ事由ヲ生ジタル場合ニ於テ第二十九條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシ者アルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ
第一項第五號又ハ第六號ノ事由ヲ生ジタルトキハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年以內ナル場合ニ於テ第二十九條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシ者アルトキ又ハ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ナル場合ニ於テ第二十九條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシ者アルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
第三十四條ノ二第三項中「前二項」ヲ「前項」ニ改メ同條第四項ヲ左ノ如ク改メ同條第二項ヲ削ル
檢事ハ衆議院議員選擧法第百十二條乃至第百十三條ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ該ル事件ノ被吿人ガ選擧事務長又ハ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ナルニ因リ同法第百三十六條ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帶シ當選者ヲ被吿トシテ訴訟ヲ提起スルコトヲ要ス
衆議院議員選擧法第八十五條、第八十七條、第百四十一條及第百四十一條ノ三ノ規定ハ第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ、同法第百四十一條ノ二及第百四十一條ノ三ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
前條第八項ノ規定ハ第一項乃至第三項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十六條第二項中「第三十二條第三項」ヲ「第三十二條第四項」ニ、同條第四項中「第三十二條第四項及第五項」ヲ「第三十二條第五項及第六項」ニ改ム
第三十九條中「及第百四十二條」ヲ「、第百四十二條及第百四十七條」ニ、同條但書中「選擧事務所ノ數、選擧委員及選擧事務員ノ數竝」ヲ「選擧委員ノ數、選擧運動ノ爲使用スル勞務者ノ數及」ニ改ム
第五十條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ場合ニ依リ府縣知事ハ臨時會ニ付七日以內ニ於テ別ニ會期ヲ定ムルコトヲ得
同條第三項中「前項ノ規定ニ拘ラズ三日以內」ヲ「通ジテ三日以內ニ於テ」ニ改ム
第五十一條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前條第二項但書ノ規定ニ依リ會期ヲ定メタル場合ニ於テハ前項ノ吿示ト同時ニ其ノ會期ヲ吿示スベシ
第五十五條第一項中「第二十九條」ヲ「第二十九條第一項」ニ、同條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ選擧ニ於テ當選者ヲ定ムルニ當リ得票ノ數同ジキトキハ議長抽籤シテ之ヲ定ム
第六十八條中第三號ヲ削リ同條第二號ヲ第三號トシ同條第一號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
二 府縣會閉會中府縣會ノ權限ニ屬スル事件ニシテ輕易ナルモノヲ府縣會ニ代ハリテ議決スルコト
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第二號ノ規定ニ依リ府縣參事會ニ於テ議決スベキ事件ハ府縣會ノ議決ヲ經テ府縣知事之ヲ定ム
第七十條中「第五十一條第三項」ヲ「第五十一條第四項」ニ改ム
附 則
本法中議員選擧ニ關スル規定ハ次ノ總選擧ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ニ依リ議員ヲ選擧スル場合ニ於テ昭和十年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中公民權及選擧人名簿ニ關スル規定ハ之ヲ施行セザル市町村ニ於テハ府縣制中選擧人名簿ニ關スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス
昭和十年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中公民權及選擧人名簿ニ關スル規定ハ之ヲ施行シタル市町村ニ於テハ府縣制中選擧人名簿ニ關スル規定ノ適用ニ付次ノ總選擧ニ至ル迄ノ間未ダ之ヲ施行セザルモノト看做ス
昭和十年町村制中改正法律中選擧人名簿ニ關スル規定ハ第九條第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ本法ノ施行ト同時ニ施行セラレタルモノト看做ス
前三項ノ場合ニ於テ議員ノ選擧ニ必要ナル選擧人名簿ニ關シテハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
昭和九年法律第四十九號ハ本法ノ適用ニ付テハ本法ノ施行ト同時ニ施行セラレタルモノト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル府県制中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年七月二日
内閣総理大臣 岡田啓介
内務大臣 後藤文夫
法律第四十四号
府県制中左ノ通改正ス
第四条ニ左ノ二項ヲ加フ
前項ノ区域ノ人口著シク少キトキハ府県条例ヲ以テ其ノ区域ト隣接ノ区域トヲ合セテ一選挙区ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選挙区ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条第二項中「戦時若ハ事変ニ際シ」ノ下ニ「又ハ兵役法第五十五条第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタルモノニ付テハ之ニ該当スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ」ヲ、同条第五項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
租税滞納処分中ノ者ハ被選挙権ヲ有セズ
第八条第一項但書中「第三十一条第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ於テ」ヲ「選挙ノ期日ヨリ一年以内ニ」ニ、「其ノ期限経過後ニ於テ」ヲ「選挙ノ期日ヨリ一年経過後ニ於テ」ニ、「第三十二条第三項」ヲ「第三十二条第四項」ニ、同条第二項中「第三十二条第四項及第五項」ヲ「第三十二条第五項及第六項」ニ改ム
第十三条ノ二第三項中「選挙ノ期日ノ前日マテ」ヲ「選挙ノ期日前二日目マデ」ニ改ム
第十五条第四項中「特別ノ事情」ヲ「必要」ニ改ム
第十六条第一項中「選挙ノ期日ノ前日マテ」ヲ「選挙ノ期日前二日目マデ」ニ改ム
第十九条ノ二 選挙人ニシテ勅令ノ定ムル事由ニ因リ選挙ノ当日投票時間内ニ自ラ投票所ニ到リ投票ヲ為シ能ハザルベキコトヲ証スル者ノ投票ニ関シテハ第十八条第三項及第五項、第十八条ノ二第一項但書並ニ前条ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二十五条第三項中「投票区毎」ヲ「市町村其ノ他府県知事ノ定ムル区域毎」ニ改ム
第三十一条第五項中「第六条第六項」ヲ「第六条第七項」ニ改ム
第三十二条第一項但書中「第二項」ヲ「第二項又ハ第三項」ニ、同条第三項中「前項」ヲ「前二項」ニ改メ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項第一号乃至第四号ノ事由ヲ生ジタル場合ニ於テ第二十九条第一項但書ノ得票者ニシテ当選者ト為ラザリシ者アルトキハ直ニ選挙会ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ当選者ヲ定ムベシ
第一項第五号又ハ第六号ノ事由ヲ生ジタルトキハ其ノ選挙ノ期日ヨリ一年以内ナル場合ニ於テ第二十九条第一項但書ノ得票者ニシテ当選者ト為ラザリシ者アルトキ又ハ其ノ選挙ノ期日ヨリ一年経過後ナル場合ニ於テ第二十九条第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ当選者ト為ラザリシ者アルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス
第三十四条ノ二第三項中「前二項」ヲ「前項」ニ改メ同条第四項ヲ左ノ如ク改メ同条第二項ヲ削ル
検事ハ衆議院議員選挙法第百十二条乃至第百十三条ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ該ル事件ノ被告人ガ選挙事務長又ハ選挙事務長ニ非ズシテ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者ナルニ因リ同法第百三十六条ノ規定ノ準用ニ依リ当選ヲ無効ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帯シ当選者ヲ被告トシテ訴訟ヲ提起スルコトヲ要ス
衆議院議員選挙法第八十五条、第八十七条、第百四十一条及第百四十一条ノ三ノ規定ハ第一項又ハ第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ、同法第百四十一条ノ二及第百四十一条ノ三ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
前条第八項ノ規定ハ第一項乃至第三項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十六条第二項中「第三十二条第三項」ヲ「第三十二条第四項」ニ、同条第四項中「第三十二条第四項及第五項」ヲ「第三十二条第五項及第六項」ニ改ム
第三十九条中「及第百四十二条」ヲ「、第百四十二条及第百四十七条」ニ、同条但書中「選挙事務所ノ数、選挙委員及選挙事務員ノ数並」ヲ「選挙委員ノ数、選挙運動ノ為使用スル労務者ノ数及」ニ改ム
第五十条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ場合ニ依リ府県知事ハ臨時会ニ付七日以内ニ於テ別ニ会期ヲ定ムルコトヲ得
同条第三項中「前項ノ規定ニ拘ラズ三日以内」ヲ「通ジテ三日以内ニ於テ」ニ改ム
第五十一条第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前条第二項但書ノ規定ニ依リ会期ヲ定メタル場合ニ於テハ前項ノ告示ト同時ニ其ノ会期ヲ告示スベシ
第五十五条第一項中「第二十九条」ヲ「第二十九条第一項」ニ、同条第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改メ同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ選挙ニ於テ当選者ヲ定ムルニ当リ得票ノ数同ジキトキハ議長抽籤シテ之ヲ定ム
第六十八条中第三号ヲ削リ同条第二号ヲ第三号トシ同条第一号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
二 府県会閉会中府県会ノ権限ニ属スル事件ニシテ軽易ナルモノヲ府県会ニ代ハリテ議決スルコト
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第二号ノ規定ニ依リ府県参事会ニ於テ議決スベキ事件ハ府県会ノ議決ヲ経テ府県知事之ヲ定ム
第七十条中「第五十一条第三項」ヲ「第五十一条第四項」ニ改ム
附 則
本法中議員選挙ニ関スル規定ハ次ノ総選挙ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法ニ依リ議員ヲ選挙スル場合ニ於テ昭和十年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中公民権及選挙人名簿ニ関スル規定ハ之ヲ施行セザル市町村ニ於テハ府県制中選挙人名簿ニ関スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス
昭和十年市制中改正法律又ハ同年町村制中改正法律中公民権及選挙人名簿ニ関スル規定ハ之ヲ施行シタル市町村ニ於テハ府県制中選挙人名簿ニ関スル規定ノ適用ニ付次ノ総選挙ニ至ル迄ノ間未ダ之ヲ施行セザルモノト看做ス
昭和十年町村制中改正法律中選挙人名簿ニ関スル規定ハ第九条第二項ノ規定ノ適用ニ付テハ本法ノ施行ト同時ニ施行セラレタルモノト看做ス
前三項ノ場合ニ於テ議員ノ選挙ニ必要ナル選挙人名簿ニ関シテハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
昭和九年法律第四十九号ハ本法ノ適用ニ付テハ本法ノ施行ト同時ニ施行セラレタルモノト看做ス