(労働者災害扶助法中改正法律)
法令番号: 法律第十八號
公布年月日: 昭和10年3月30日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル勞働者災害扶助法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年三月二十九日
內閣總理大臣 岡田啓介
內務大臣 後藤文夫
法律第十八號
勞働者災害扶助法中左ノ通改正ス
第一條第一項第二號(ロ)ヲ左ノ如ク改ム
(ロ) 鐵道、軌道若ハ索道ノ運輸事業又ハ水道、電氣若ハ瓦斯ノ事業ヲ營ム者ガ其ノ事業ノ爲ニスル直營工事竝ニ此等ノ事業ニ於ケル使用中ノ工作物(作業ノ運行ニ直接關係ナキモノヲ除ク)ニ關スル注文ニ依ル工事
第四條 第一條第一項第一號又ハ第四號ノ事業ガ專ラ同一ノ注文者ノ注文ニ依リ爲サルルモノナルトキハ其ノ注文者モ亦其ノ事業ニ付事業主トス船舶ヨリ若ハ船舶ヘノ貨物ノ積卸ノ作業(動力ニ依リ運轉スル揚重機ヲ用フルモノニ限ル)ニシテ注文ニ依リ爲サルルモノ又ハ同項第二號(ロ)ノ注文ニ依ル工事ニ付テハ其ノ注文者(數次ノ注文ニ依ル場合ニ於ケル上級注文者ヲ含ム)モ其ノ注文ニ依ル作業又ハ工事ニ關シ亦同ジ
前項ノ注文者ガ扶助ノ請求ヲ受ケタルトキハ勞働者ヲ使用シテ事業ヲ爲ス者ニ對シ、尙數次ノ注文ニ依ル場合ニ於テハ其ノ下級注文者ニ對シテモ先ヅ催吿スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得前條第三項但書ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四條ノ二 事業主本法ニ基キ扶助ヲ爲シタルトキハ事業主ハ其ノ扶助ノ價額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免ル
事業主及勞働者ノ出捐スル共濟組合勅令ノ定ムル所ニ依リ事業主ヲシテ扶助ヲ爲スヲ要セザラシムル給付ヲ爲シタルトキハ事業主ハ其ノ給付ノ價額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免ル
第四條ノ三 本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ權利ハ二年間之ヲ行ハザルトキハ時效ニ因リ消滅ス
第四條ノ四 本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ權利ハ之ヲ讓渡シ又ハ差押フルコトヲ得ズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
勞働者災害扶助法ニ基キ扶助ヲ受クルノ權利ノ時效ニシテ其ノ進行ガ本法施行前ニ始リタルモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シ其ノ殘期ガ二年ヨリ長キトキハ其ノ日ヨリ起算シテ第四條ノ三ノ規定ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル労働者災害扶助法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十年三月二十九日
内閣総理大臣 岡田啓介
内務大臣 後藤文夫
法律第十八号
労働者災害扶助法中左ノ通改正ス
第一条第一項第二号(ロ)ヲ左ノ如ク改ム
(ロ) 鉄道、軌道若ハ索道ノ運輸事業又ハ水道、電気若ハ瓦斯ノ事業ヲ営ム者ガ其ノ事業ノ為ニスル直営工事並ニ此等ノ事業ニ於ケル使用中ノ工作物(作業ノ運行ニ直接関係ナキモノヲ除ク)ニ関スル注文ニ依ル工事
第四条 第一条第一項第一号又ハ第四号ノ事業ガ専ラ同一ノ注文者ノ注文ニ依リ為サルルモノナルトキハ其ノ注文者モ亦其ノ事業ニ付事業主トス船舶ヨリ若ハ船舶ヘノ貨物ノ積卸ノ作業(動力ニ依リ運転スル揚重機ヲ用フルモノニ限ル)ニシテ注文ニ依リ為サルルモノ又ハ同項第二号(ロ)ノ注文ニ依ル工事ニ付テハ其ノ注文者(数次ノ注文ニ依ル場合ニ於ケル上級注文者ヲ含ム)モ其ノ注文ニ依ル作業又ハ工事ニ関シ亦同ジ
前項ノ注文者ガ扶助ノ請求ヲ受ケタルトキハ労働者ヲ使用シテ事業ヲ為ス者ニ対シ、尚数次ノ注文ニ依ル場合ニ於テハ其ノ下級注文者ニ対シテモ先ヅ催告スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得前条第三項但書ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四条ノ二 事業主本法ニ基キ扶助ヲ為シタルトキハ事業主ハ其ノ扶助ノ価額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免ル
事業主及労働者ノ出捐スル共済組合勅令ノ定ムル所ニ依リ事業主ヲシテ扶助ヲ為スヲ要セザラシムル給付ヲ為シタルトキハ事業主ハ其ノ給付ノ価額ノ限度ニ於テ民法ニ依ル損害賠償ノ責ヲ免ル
第四条ノ三 本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ権利ハ二年間之ヲ行ハザルトキハ時効ニ因リ消滅ス
第四条ノ四 本法ニ基キ扶助ヲ受クルノ権利ハ之ヲ譲渡シ又ハ差押フルコトヲ得ズ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
労働者災害扶助法ニ基キ扶助ヲ受クルノ権利ノ時効ニシテ其ノ進行ガ本法施行前ニ始リタルモノニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル但シ本法施行ノ日ヨリ起算シ其ノ残期ガ二年ヨリ長キトキハ其ノ日ヨリ起算シテ第四条ノ三ノ規定ヲ適用ス