第一條 政府ハ市町村ニシテ其ノ區域內ニ於テ昭和九年產米ノ收穫高ガ平年作ノ半ニ達セズ且冬季ニ於ケル應急土木事業ノ施行困難ナルモノニ對シ交付セシムル爲關係道府縣ニ對シ昭和十年三月三十一日迄總額五十萬石ヲ限リ米穀需給調節特別會計ニ屬スル米穀ヲ交付スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ米穀ノ交付ヲ受ケタル道府縣ハ前項ノ市町村ニ其ノ米穀ヲ交付シ當該市町村ハ其ノ住民ニ其ノ米穀ヲ貸付又ハ交付スルコトヲ要ス
前項ノ交付及貸付ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 市町村ハ交付ヲ受ケタル米穀ト同數量ノ米穀ヲ所有シ備荒貯蓄ノ目的ヲ以テ之ヲ貯藏スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依リ貯藏スルコトヲ要スル米穀ノ數量ハ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ヲ除クノ外交付ヲ受ケタル日ヨリ五年以內ニ其ノ全額ニ達セシムルコトヲ要ス
第三條 市町村ハ命令ノ定ムル場合ヲ除クノ外政府ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ前條第一項ノ規定ニ依リ貯藏シタル米穀ノ處分ヲ爲スコトヲ得ズ
市町村ハ前項ノ規定ニ依ル處分其ノ他ノ事由ニ因リ貯藏スルコトヲ要スル米穀ノ數量ニ不足ヲ生ジタルトキハ政府ノ許可ヲ受ケタル場合ヲ除クノ外次ノ收穫季節ニ於テ其ノ不足數量ヲ補充スルコトヲ要ス
第四條 市町村特別ノ事由アル場合ニ於テ政府ノ許可ヲ受ケタルトキハ米穀ノ貯藏ニ代ヘ米穀以外ノ穀物ヲ貯藏スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第二條第二項及前條ノ規定ヲ準用ス
第五條 政府ハ第一條ノ規定ニ違反シタル道府縣ニ對シ其ノ交付ヲ受ケタル米穀ノ價額ニ相當スル金額ノ全部又ハ一部ノ返還ヲ命ズルコトヲ得
政府ハ第一條乃至第三條ノ規定(前條ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ違反シタル市町村ニ對シ其ノ交付ヲ受ケタル米穀ノ價額ニ相當スル金額ノ全部又ハ一部ノ返還ヲ命ズルコトヲ得
第六條 本法ニ依ル米穀ノ交付ニ關スル政府ノ一切ノ歲入歲出ハ米穀需給調節特別會計ニ屬セシム