(衆議院議員選挙法中改正法律)
法令番号: 法律第四十九號
公布年月日: 昭和9年6月23日
法令の形式: 法律
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ帝國議會ノ協贊ヲ經タル衆議院議員選擧法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和九年六月二十二日
內閣總理大臣兼文部大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
內務大臣 男爵 山本達雄
鐵道大臣 三土忠造
司法大臣 小山松吉
遞信大臣 南弘
農林大臣 後藤文夫
拓務大臣 永井柳太郞
海軍大臣 大角岑生
外務大臣 廣田弘毅
陸軍大臣 林銑十郞
商工大臣 松本烝治
法律第四十九號
衆議院議員選擧法中左ノ通改正ス
第二條第二項中「特別ノ事情」ヲ「必要」ニ改ム
第三條第二項中「數開票區ヲ設クルコトヲ得」ヲ「數開票區ヲ設ケ又ハ數郡市ノ區域ヲ合セテ一開票區ヲ設クルコトヲ得」ニ改ム
第七條第二項中「戰時若ハ事變ニ際シ」ノ下ニ「又ハ兵役法第五十五條第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之ニ該當スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ」ヲ加フ
第十二條第一項中「一年以上」ヲ「六月以上」ニ、同條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
選擧人ノ年齡ハ選擧人名簿確定ノ期日ニ依リ之ヲ算定ス
第二十四條第一項中「選擧ノ期日ノ前日迄」ヲ「選擧ノ期日前二日迄」ニ改ム
第四十八條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ場合ニ依リ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日其ノ手續ヲ行フコトヲ得
第四十九條第二項ヲ左ノ如ク改ム
開票管理者ハ開票立會人ト共ニ市町村其ノ他地方長官ノ定ムル區域每ニ投票ヲ點檢スベシ
第六十七條第三項中「選擧ノ期日ノ前日迄」ヲ「選擧ノ期日前二日迄」ニ改ム
第六十九條第五項中「其ノ第七十四條ノ規定ニ依ル當選承諾屆出期限前ナル場合ニ於テハ前項ノ例ニ依リ其ノ屆出期限經過後ナル場合ニ於テハ」ヲ「其ノ選擧ノ期日ヨリ一年以內ナル場合ニ於テハ前項ノ例ニ依リ其ノ選擧ノ期日ヨリ一年經過後ナル場合ニ於テハ」ニ改ム
第七十五條第一項中「第七十九條第六項」ヲ「第七十九條第八項」ニ、同條第二項中「第九章」ヲ「第八十一條又ハ第八十三條」ニ、同條第三項中「第九章」ヲ「第八十一條又ハ第八十三條」ニ、「第百四十三條」ヲ「第八十六條第二項若ハ第百四十三條」ニ改ム
第七十九條第三項中「第七十四條ノ規定ニ依ル當選承諾屆出ノ期限前ニ於テ」ヲ「選擧ノ期日ヨリ一年以內ニ」ニ、「其ノ期限經過後ニ於テ」ヲ「選擧ノ期日ヨリ一年經過後ニ於テ」ニ改メ同條第五項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
議員ノ闕員ノ數同一選擧區ニ於テ二人ニ達セザルモ其ノ選擧區ニ於テ第七十五條ノ選擧ノ行ハルル場合ニ於テハ第一項及前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ選擧ト同時ニ補闕選擧ヲ行フ但シ第七十五條ノ規定ニ依ル選擧ノ期日ノ吿示アリタル後地方長官第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ補闕選擧ノ期日ハ第七十五條ノ選擧ノ期日ニ依ル
第八十四條第二項ヲ左ノ如ク改ム
檢事ハ第百十二條乃至第百十三條ノ罪ニ該ル事件ノ被吿人ガ選擧事務長又ハ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ナルニ因リ第百三十六條ノ規定ニ依リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帶シ當選人ヲ被吿トシテ訴訟ヲ提起スルコトヲ要ス
第八十五條中「本章」ヲ「第八十一條、第八十三條又ハ前條第一項」ニ改ム
第八十六條第一項中「本章」ヲ「第八十一條又ハ第八十三條」ニ、同條第二項中「本章ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキハ大審院長ハ」ヲ「第八十一條、第八十三條若ハ第八十四條第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキ又ハ第八十四條第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決確定シ效力ヲ生ジタルトキハ裁判所ノ長ハ」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第八十四條第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキ又ハ同條第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決確定シ效力ヲ生ジタルトキハ裁判所ノ長ハ其ノ旨ヲ內務大臣及關係地方長官ニ通知スベシ
第八十七條第一項中「本章」ヲ「第八十一條、第八十三條又ハ第八十四條第一項」ニ改ム
第八十九條第一項中「選擧事務員」ヲ「選擧運動ノ爲使用スル勞務者」ニ改メ同條第二項及第三項中「又ハ選擧事務員」竝ニ同條第四項中「若ハ選擧事務員」ヲ削ル
第九十條 選擧事務所ハ議員候補者一人ニ付一箇所ニ限ル但シ命令ノ定ムル所ニ依リ三箇所迄之ヲ設置スルコトヲ得
第九十三條 選擧委員ハ議員候補者一人ニ付二十人ヲ超ユルコトヲ得ズ其ノ異動アリタル場合ト雖モ通ジテ五十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
選擧ノ一部無效ト爲リ更ニ選擧ヲ行フ場合又ハ第三十七條ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ選擧委員ハ前項ノ規定ニ依ル定數ヲ超エザル範圍內ニ於テ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監)ノ定メタル數ヲ超ユルコトヲ得ズ
地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監)前項ノ規定ニ依リ選擧委員ノ數ヲ定メタル場合ニ於テハ選擧ノ期日ノ吿示アリタル後直ニ之ヲ吿示スベシ
第九十三條ノ二 第八十九條第一項ノ規定ニ依リ選任スル勞務者ハ議員候補者一人一日ニ付三十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ勞務者ニ關シ之ヲ準用ス
第九十四條第二項中「第九十條第一項又ハ第二項」ヲ「第九十條」ニ、同條第三項中「前條」ヲ「第九十三條第一項又ハ第二項」ニ改メ同條第三項中「又ハ選擧事務員」ヲ削リ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前條ノ規定ニ依ル定數ヲ超エテ選擧運動ノ爲勞務者ノ選任アリト認ムルトキハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視總監)ハ直ニ其ノ超過シタル數ノ勞務者ノ解任ヲ命ズベシ
第九十五條ノ二 選擧運動ハ第六十七條第一項乃至第三項ノ屆出アリタル後ニ非ザレバ之ヲ爲スコトヲ得ズ
第九十六條 議員候補者、選擧事務長又ハ選擧委員ニ非ザレバ選擧運動ヲ爲スコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ演說又ハ推薦狀ニ依ル選擧運動ヲ爲スハ此ノ限ニ在ラズ
第八十九條第一項ノ規定ニ依リ選任セラレタル勞務者ニ非ザレバ選擧運動ノ爲勞務ヲ提供スルコトヲ得ズ但シ議員候補者ト同居スル親族、家族及常傭ノ使用人ハ此ノ限ニ在ラズ
第九十七條 選擧事務長又ハ選擧委員ハ選擧運動ノ爲ニ要スル飮食物、船車馬等ノ供給又ハ旅費、休泊料其ノ他ノ實費ノ辨償ヲ受クルコトヲ得演說又ハ推薦狀ニ依リ選擧運動ヲ爲ス者豫メ議員候補者又ハ選擧事務長ノ文書ニ依ル承諾ヲ得テ其ノ運動ヲ爲スニ付亦同ジ
第九十八條ノ二 何人ト雖モ第百四十條第四項ノ文書ヲ發行スル區域ニ關シテハ演說會吿知ノ爲ニスル文書及第九十六條第一項但書ノ規定ニ依ル推薦狀ヲ除クノ外選擧運動ノ爲文書圖畫ヲ頒布スルコトヲ得ズ但シ第百四十條第一項ノ規定ニ依リ通常郵便物ヲ差出ス場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九十八條ノ三 選擧演說會ニ出演シ得ベキ者ハ一ノ演說會ニ付四人ヲ超ユルコトヲ得ズ議員候補者又ハ其ノ代理者出演セザルトキハ三人ヲ超ユルコトヲ得ズ
第九十九條第一項中「、選擧委員又ハ選擧事務員」ヲ「又ハ選擧委員」ニ改ム
第百條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第百條ノ二 內務大臣ハ選擧ノ期日後ニ於テ當選又ハ落選ニ關シ選擧人ニ挨拶スルノ目的ヲ以テ爲ス行爲ニ關シ命令ヲ以テ制限ヲ設クルコトヲ得
第百一條第一項及第二項中「、選擧委員又ハ選擧事務員」ヲ「又ハ選擧委員」ニ改ム
第百二條第一項第一號及第二號中「四十錢」ヲ「三十錢」ニ改ム
第百四條第三號中「又ハ選擧事務員」ヲ削リ同條第四號中「、選擧委員又ハ選擧事務員」ヲ「又ハ選擧委員」ニ改ム
第百九條中「選擧事務員」ヲ「選擧運動ノ爲使用スル勞務者」ニ改ム
第百十二條中「二年以下」ヲ「三年以下」ニ、「千圓以下」ヲ「二千圓以下」ニ改メ同條第五號ヲ第六號トシ同條第四號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
五 第一號乃至第三號ニ揭グル行爲ヲ爲サシムル目的ヲ以テ選擧運動者ニ對シ金錢若ハ物品ノ交付、交付ノ申込若ハ約束ヲ爲シ又ハ選擧運動者其ノ交付ヲ受ケ若ハ要求シ若ハ其ノ申込ヲ承諾シタルトキ
第百十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
選擧事務ニ關係アル官吏又ハ吏員當該選擧ニ關シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ四年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス警察官吏其ノ關係道府縣內ノ選擧ニ關シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキ亦同ジ
第百十二條ノ二 左ノ各號ニ揭グル行爲ヲ爲シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ處ス
一 財產上ノ利益ヲ圖ル目的ヲ以テ議員候補者ノ爲多數ノ選擧人又ハ選擧運動者ニ對シ前條第一項第一號乃至第三號、第五號又ハ第六號ニ揭グル行爲ヲ爲シ又ハ爲サシメタルトキ
二 財產上ノ利益ヲ圖ル目的ヲ以テ議員候補者ノ爲多數ノ選擧人又ハ選擧運動者ニ對シ前條第一項第一號乃至第三號、第五號又ハ第六號ニ揭グル行爲ヲ爲スコトヲ請負ヒ若ハ請負ハシメ又ハ其ノ申込ヲ爲シタルトキ
前條第一項第一號乃至第三號、第五號又ハ第六號ノ罪ヲ犯シタル者常習者ナルトキ亦前項ニ同ジ
第百十三條中「三年以下」ヲ「四年以下」ニ、「二千圓以下」ヲ「三千圓以下」ニ、同條第一號及第二號中「前條」ヲ「第百十二條第一項」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
選擧事務ニ關係アル官吏又ハ吏員當該選擧ニ關シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ五年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ四千圓以下ノ罰金ニ處ス警察官吏其ノ關係道府縣內ノ選擧ニ關シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキ亦同ジ
第百十四條中「前二條」ヲ「第三條」ニ、「收受シタル利益」ヲ「收受シ又ハ交付ヲ受ケタル利益」ニ改ム
第百十五條中「三年以下」ヲ「四年以下」ニ、「二千圓以下」ヲ「三千圓以下」ニ改ム
第百十六條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條第二項中「三月以下」ヲ「六月以下」ニ、「百圓以下」ヲ「三百圓以下」ニ改ム
選擧ニ關シ官吏又ハ吏員故意ニ其ノ職務ノ執行ヲ怠リ又ハ正當ノ事由ナクシテ議員候補者、選擧事務長若ハ選擧委員ニ追隨シ、其ノ居宅若ハ選擧事務所ニ立入ル等其ノ職權ヲ濫用シテ選擧ノ自由ヲ妨害シタルトキハ四年以下ノ禁錮ニ處ス
第百二十五條中「第百十二條、」ヲ「第百十二條乃至」ニ改ム
第百二十九條中「第九十六條若ハ第九十八條」ヲ「第九十五條ノ二、第九十六條第一項、第九十八條若ハ第九十八條ノ二」ニ改ム
第百三十條第一項中「第九十條第一項第二項」ヲ「第九十條」ニ改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
第九十三條第一項若ハ第二項ノ規定ニ依ル定數ヲ超エテ選擧委員ノ選任ヲ爲シタル者、第九十三條ノ二ノ規定ニ依ル定數ヲ超エテ選擧運動ノ爲使用スル勞務者ノ選任ヲ爲シタル者又ハ第九十六條第二項若ハ第九十八條ノ三ノ規定ニ違反シタル者亦前項ニ同ジ
第百三十六條 當選人其ノ選擧ニ關シ本章ニ揭グル罪ヲ犯シ刑ニ處セラレタルトキハ其ノ當選ヲ無效トス選擧事務長又ハ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者第百十二條乃至第百十三條ノ罪ヲ犯シ刑ニ處セラレタルトキ亦同ジ但シ選擧事務長ガ刑ニ處セラレタル場合ニ於テ當選人ガ選擧事務長ノ選任及監督ニ付相當ノ注意ヲ爲シタルトキ又ハ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ガ刑ニ處セラレタル場合ニ於テ當選人ガ選擧事務長ニ非ズシテ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ナルコトヲ知ラザリシトキ若ハ其ノ者ガ當選人ノ制止ニ拘ラズ事實上選擧運動ヲ總括主宰シタル者ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第百三十七條第一項中「本章ニ揭クル罪」ノ下ニ「(第百三十條及第百三十二條ノ罪ヲ除ク)」ヲ加ヘ同條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
第百十二條乃至第百十三條ノ罪又ハ此等ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ付刑ニ處セラレタル者ニシテ更ニ第百十二條乃至第百十三條ノ罪ニ付刑ニ處セラルル者ニ在リテハ前項ノ五年間ハ之ヲ十年間トス
裁判所ハ情狀ニ因リ刑ノ言渡ト同時ニ第一項ニ規定スル者ニ對シ同項五年間選擧權及被選擧權ヲ有セザル旨ノ規定ヲ適用セズ若ハ其ノ期間ヲ短縮スル旨ノ宣吿ヲ爲シ又ハ前項ニ規定スル者ニ對シ同項ノ十年間ヲ短縮スル旨ノ宣吿ヲ爲スコトヲ得
前三項ノ規定ハ第六條第五號ノ規定ニ該當スル者ニハ之ヲ適用セズ
第百四十條第一項中「推薦屆出者」ヲ「選擧事務長」ニ改メ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
前項ノ營造物ノ管理者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ演說會開催ノ爲ニ必要ナル施設ヲ爲スベシ
地方長官ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ議員候補者ノ政見等ヲ揭載シタル文書ヲ發行スベシ
第百四十一條 第十六條、第八十一條、第八十三條又ハ第八十四條第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付テハ本法ニ規定シタルモノヲ除クノ外民事訴訟ノ例ニ依ル
第百四十一條ノ二 第八十四條第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付テハ刑事訴訟法中第五百七十二條第二號第三號第五號乃至第八號第十號乃至第十三號、第五百七十四條、第五百八十二條、第五百八十八條、第五百八十九條、第五百九十一條、第六百五條乃至第六百十條及第六百十二條ノ規定ヲ除クノ外私訴ニ關スル規定ヲ準用ス但シ同法第五百七十六條中民事訴訟法トアルハ刑事訴訟法トシ民事部トアルハ刑事部トス
第八十四條第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付當選無效ノ判決確定スト雖モ其ノ判決ハ公訴ニ付有罪ノ判決確定スルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第百四十一條ノ三 選擧ニ關スル訴訟ニ付テハ裁判所ハ他ノ訴訟ノ順序ニ拘ラズ速ニ其ノ裁判ヲ爲スベシ
第百四十三條中「第百十二條若ハ」ヲ「第百十二條乃至」ニ改ム
第百四十五條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第十二條ノ規定ノ適用ニ付テハ其ノ日迄引續キ六月以上其ノ市町村內ニ住居ヲ有スル者トアルハ其ノ日迄引續キ六月以上其ノ市內ニ住居ヲ有シ且其ノ日ニ於テ其ノ區內ニ住居ヲ有スル者トス
第百五十條中「新知郡、得撫郡及色丹郡」ヲ「新知郡及得撫郡」ニ改ム
附 則
本法ハ次ノ總選擧ヨリ之ヲ施行ス
本法ニ依リ初テ議員ヲ選擧合スル場ニ於テ第十八條ノ規定ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ總選擧ノ期日ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル總選擧ニ必要ナル選擧人名簿ニ關シ第十二條、第十三條、第十五條又ハ第十七條ニ規定スル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ其ノ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選擧人名簿ハ次ノ選擧人名簿確定迄其ノ效力ヲ有ス
第百三十七條第二項ノ規定ハ第百十二條乃至第百十三條ノ改正規定ニ依リ又ハ此等ノ規定ノ準用ニ依リ刑ニ處セラレタル者ニシテ更ニ第百十二條乃至第百十三條ノ規定ニ依リ刑ニ處セラルル者ニ之ヲ適用ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ帝国議会ノ協賛ヲ経タル衆議院議員選挙法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和九年六月二十二日
内閣総理大臣兼文部大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
内務大臣 男爵 山本達雄
鉄道大臣 三土忠造
司法大臣 小山松吉
逓信大臣 南弘
農林大臣 後藤文夫
拓務大臣 永井柳太郎
海軍大臣 大角岑生
外務大臣 広田弘毅
陸軍大臣 林銑十郎
商工大臣 松本烝治
法律第四十九号
衆議院議員選挙法中左ノ通改正ス
第二条第二項中「特別ノ事情」ヲ「必要」ニ改ム
第三条第二項中「数開票区ヲ設クルコトヲ得」ヲ「数開票区ヲ設ケ又ハ数郡市ノ区域ヲ合セテ一開票区ヲ設クルコトヲ得」ニ改ム
第七条第二項中「戦時若ハ事変ニ際シ」ノ下ニ「又ハ兵役法第五十五条第二項ノ規定(志願ニ依リ兵籍ニ編入セラレタル者ニ付テハ之ニ該当スル勅令ノ規定ヲ含ム)ニ依リ」ヲ加フ
第十二条第一項中「一年以上」ヲ「六月以上」ニ、同条第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ改メ同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
選挙人ノ年齢ハ選挙人名簿確定ノ期日ニ依リ之ヲ算定ス
第二十四条第一項中「選挙ノ期日ノ前日迄」ヲ「選挙ノ期日前二日迄」ニ改ム
第四十八条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ場合ニ依リ総テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日其ノ手続ヲ行フコトヲ得
第四十九条第二項ヲ左ノ如ク改ム
開票管理者ハ開票立会人ト共ニ市町村其ノ他地方長官ノ定ムル区域毎ニ投票ヲ点検スベシ
第六十七条第三項中「選挙ノ期日ノ前日迄」ヲ「選挙ノ期日前二日迄」ニ改ム
第六十九条第五項中「其ノ第七十四条ノ規定ニ依ル当選承諾届出期限前ナル場合ニ於テハ前項ノ例ニ依リ其ノ届出期限経過後ナル場合ニ於テハ」ヲ「其ノ選挙ノ期日ヨリ一年以内ナル場合ニ於テハ前項ノ例ニ依リ其ノ選挙ノ期日ヨリ一年経過後ナル場合ニ於テハ」ニ改ム
第七十五条第一項中「第七十九条第六項」ヲ「第七十九条第八項」ニ、同条第二項中「第九章」ヲ「第八十一条又ハ第八十三条」ニ、同条第三項中「第九章」ヲ「第八十一条又ハ第八十三条」ニ、「第百四十三条」ヲ「第八十六条第二項若ハ第百四十三条」ニ改ム
第七十九条第三項中「第七十四条ノ規定ニ依ル当選承諾届出ノ期限前ニ於テ」ヲ「選挙ノ期日ヨリ一年以内ニ」ニ、「其ノ期限経過後ニ於テ」ヲ「選挙ノ期日ヨリ一年経過後ニ於テ」ニ改メ同条第五項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
議員ノ闕員ノ数同一選挙区ニ於テ二人ニ達セザルモ其ノ選挙区ニ於テ第七十五条ノ選挙ノ行ハルル場合ニ於テハ第一項及前項ノ規定ニ拘ラズ其ノ選挙ト同時ニ補闕選挙ヲ行フ但シ第七十五条ノ規定ニ依ル選挙ノ期日ノ告示アリタル後地方長官第二項ノ規定ニ依ル通知ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ補闕選挙ノ期日ハ第七十五条ノ選挙ノ期日ニ依ル
第八十四条第二項ヲ左ノ如ク改ム
検事ハ第百十二条乃至第百十三条ノ罪ニ該ル事件ノ被告人ガ選挙事務長又ハ選挙事務長ニ非ズシテ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者ナルニ因リ第百三十六条ノ規定ニ依リ当選ヲ無効ナリト認ムルトキハ公訴ニ附帯シ当選人ヲ被告トシテ訴訟ヲ提起スルコトヲ要ス
第八十五条中「本章」ヲ「第八十一条、第八十三条又ハ前条第一項」ニ改ム
第八十六条第一項中「本章」ヲ「第八十一条又ハ第八十三条」ニ、同条第二項中「本章ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキハ大審院長ハ」ヲ「第八十一条、第八十三条若ハ第八十四条第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキ又ハ第八十四条第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決確定シ効力ヲ生ジタルトキハ裁判所ノ長ハ」ニ改メ同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第八十四条第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決アリタルトキ又ハ同条第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付判決確定シ効力ヲ生ジタルトキハ裁判所ノ長ハ其ノ旨ヲ内務大臣及関係地方長官ニ通知スベシ
第八十七条第一項中「本章」ヲ「第八十一条、第八十三条又ハ第八十四条第一項」ニ改ム
第八十九条第一項中「選挙事務員」ヲ「選挙運動ノ為使用スル労務者」ニ改メ同条第二項及第三項中「又ハ選挙事務員」並ニ同条第四項中「若ハ選挙事務員」ヲ削ル
第九十条 選挙事務所ハ議員候補者一人ニ付一箇所ニ限ル但シ命令ノ定ムル所ニ依リ三箇所迄之ヲ設置スルコトヲ得
第九十三条 選挙委員ハ議員候補者一人ニ付二十人ヲ超ユルコトヲ得ズ其ノ異動アリタル場合ト雖モ通ジテ五十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
選挙ノ一部無効ト為リ更ニ選挙ヲ行フ場合又ハ第三十七条ノ規定ニ依リ投票ヲ行フ場合ニ於テハ選挙委員ハ前項ノ規定ニ依ル定数ヲ超エザル範囲内ニ於テ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監)ノ定メタル数ヲ超ユルコトヲ得ズ
地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監)前項ノ規定ニ依リ選挙委員ノ数ヲ定メタル場合ニ於テハ選挙ノ期日ノ告示アリタル後直ニ之ヲ告示スベシ
第九十三条ノ二 第八十九条第一項ノ規定ニ依リ選任スル労務者ハ議員候補者一人一日ニ付三十人ヲ超ユルコトヲ得ズ
前条第二項及第三項ノ規定ハ前項ノ労務者ニ関シ之ヲ準用ス
第九十四条第二項中「第九十条第一項又ハ第二項」ヲ「第九十条」ニ、同条第三項中「前条」ヲ「第九十三条第一項又ハ第二項」ニ改メ同条第三項中「又ハ選挙事務員」ヲ削リ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前条ノ規定ニ依ル定数ヲ超エテ選挙運動ノ為労務者ノ選任アリト認ムルトキハ地方長官(東京府ニ在リテハ警視総監)ハ直ニ其ノ超過シタル数ノ労務者ノ解任ヲ命ズベシ
第九十五条ノ二 選挙運動ハ第六十七条第一項乃至第三項ノ届出アリタル後ニ非ザレバ之ヲ為スコトヲ得ズ
第九十六条 議員候補者、選挙事務長又ハ選挙委員ニ非ザレバ選挙運動ヲ為スコトヲ得ズ但シ命令ノ定ムル所ニ依リ演説又ハ推薦状ニ依ル選挙運動ヲ為スハ此ノ限ニ在ラズ
第八十九条第一項ノ規定ニ依リ選任セラレタル労務者ニ非ザレバ選挙運動ノ為労務ヲ提供スルコトヲ得ズ但シ議員候補者ト同居スル親族、家族及常傭ノ使用人ハ此ノ限ニ在ラズ
第九十七条 選挙事務長又ハ選挙委員ハ選挙運動ノ為ニ要スル飲食物、船車馬等ノ供給又ハ旅費、休泊料其ノ他ノ実費ノ弁償ヲ受クルコトヲ得演説又ハ推薦状ニ依リ選挙運動ヲ為ス者予メ議員候補者又ハ選挙事務長ノ文書ニ依ル承諾ヲ得テ其ノ運動ヲ為スニ付亦同ジ
第九十八条ノ二 何人ト雖モ第百四十条第四項ノ文書ヲ発行スル区域ニ関シテハ演説会告知ノ為ニスル文書及第九十六条第一項但書ノ規定ニ依ル推薦状ヲ除クノ外選挙運動ノ為文書図画ヲ頒布スルコトヲ得ズ但シ第百四十条第一項ノ規定ニ依リ通常郵便物ヲ差出ス場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第九十八条ノ三 選挙演説会ニ出演シ得ベキ者ハ一ノ演説会ニ付四人ヲ超ユルコトヲ得ズ議員候補者又ハ其ノ代理者出演セザルトキハ三人ヲ超ユルコトヲ得ズ
第九十九条第一項中「、選挙委員又ハ選挙事務員」ヲ「又ハ選挙委員」ニ改ム
第百条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第百条ノ二 内務大臣ハ選挙ノ期日後ニ於テ当選又ハ落選ニ関シ選挙人ニ挨拶スルノ目的ヲ以テ為ス行為ニ関シ命令ヲ以テ制限ヲ設クルコトヲ得
第百一条第一項及第二項中「、選挙委員又ハ選挙事務員」ヲ「又ハ選挙委員」ニ改ム
第百二条第一項第一号及第二号中「四十銭」ヲ「三十銭」ニ改ム
第百四条第三号中「又ハ選挙事務員」ヲ削リ同条第四号中「、選挙委員又ハ選挙事務員」ヲ「又ハ選挙委員」ニ改ム
第百九条中「選挙事務員」ヲ「選挙運動ノ為使用スル労務者」ニ改ム
第百十二条中「二年以下」ヲ「三年以下」ニ、「千円以下」ヲ「二千円以下」ニ改メ同条第五号ヲ第六号トシ同条第四号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
五 第一号乃至第三号ニ掲グル行為ヲ為サシムル目的ヲ以テ選挙運動者ニ対シ金銭若ハ物品ノ交付、交付ノ申込若ハ約束ヲ為シ又ハ選挙運動者其ノ交付ヲ受ケ若ハ要求シ若ハ其ノ申込ヲ承諾シタルトキ
第百十二条ニ左ノ一項ヲ加フ
選挙事務ニ関係アル官吏又ハ吏員当該選挙ニ関シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ四年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス警察官吏其ノ関係道府県内ノ選挙ニ関シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキ亦同ジ
第百十二条ノ二 左ノ各号ニ掲グル行為ヲ為シタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
一 財産上ノ利益ヲ図ル目的ヲ以テ議員候補者ノ為多数ノ選挙人又ハ選挙運動者ニ対シ前条第一項第一号乃至第三号、第五号又ハ第六号ニ掲グル行為ヲ為シ又ハ為サシメタルトキ
二 財産上ノ利益ヲ図ル目的ヲ以テ議員候補者ノ為多数ノ選挙人又ハ選挙運動者ニ対シ前条第一項第一号乃至第三号、第五号又ハ第六号ニ掲グル行為ヲ為スコトヲ請負ヒ若ハ請負ハシメ又ハ其ノ申込ヲ為シタルトキ
前条第一項第一号乃至第三号、第五号又ハ第六号ノ罪ヲ犯シタル者常習者ナルトキ亦前項ニ同ジ
第百十三条中「三年以下」ヲ「四年以下」ニ、「二千円以下」ヲ「三千円以下」ニ、同条第一号及第二号中「前条」ヲ「第百十二条第一項」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
選挙事務ニ関係アル官吏又ハ吏員当該選挙ニ関シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ五年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ四千円以下ノ罰金ニ処ス警察官吏其ノ関係道府県内ノ選挙ニ関シ前項ノ罪ヲ犯シタルトキ亦同ジ
第百十四条中「前二条」ヲ「第三条」ニ、「収受シタル利益」ヲ「収受シ又ハ交付ヲ受ケタル利益」ニ改ム
第百十五条中「三年以下」ヲ「四年以下」ニ、「二千円以下」ヲ「三千円以下」ニ改ム
第百十六条第一項ヲ左ノ如ク改メ同条第二項中「三月以下」ヲ「六月以下」ニ、「百円以下」ヲ「三百円以下」ニ改ム
選挙ニ関シ官吏又ハ吏員故意ニ其ノ職務ノ執行ヲ怠リ又ハ正当ノ事由ナクシテ議員候補者、選挙事務長若ハ選挙委員ニ追随シ、其ノ居宅若ハ選挙事務所ニ立入ル等其ノ職権ヲ濫用シテ選挙ノ自由ヲ妨害シタルトキハ四年以下ノ禁錮ニ処ス
第百二十五条中「第百十二条、」ヲ「第百十二条乃至」ニ改ム
第百二十九条中「第九十六条若ハ第九十八条」ヲ「第九十五条ノ二、第九十六条第一項、第九十八条若ハ第九十八条ノ二」ニ改ム
第百三十条第一項中「第九十条第一項第二項」ヲ「第九十条」ニ改メ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
第九十三条第一項若ハ第二項ノ規定ニ依ル定数ヲ超エテ選挙委員ノ選任ヲ為シタル者、第九十三条ノ二ノ規定ニ依ル定数ヲ超エテ選挙運動ノ為使用スル労務者ノ選任ヲ為シタル者又ハ第九十六条第二項若ハ第九十八条ノ三ノ規定ニ違反シタル者亦前項ニ同ジ
第百三十六条 当選人其ノ選挙ニ関シ本章ニ掲グル罪ヲ犯シ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ当選ヲ無効トス選挙事務長又ハ選挙事務長ニ非ズシテ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者第百十二条乃至第百十三条ノ罪ヲ犯シ刑ニ処セラレタルトキ亦同ジ但シ選挙事務長ガ刑ニ処セラレタル場合ニ於テ当選人ガ選挙事務長ノ選任及監督ニ付相当ノ注意ヲ為シタルトキ又ハ選挙事務長ニ非ズシテ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者ガ刑ニ処セラレタル場合ニ於テ当選人ガ選挙事務長ニ非ズシテ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者ナルコトヲ知ラザリシトキ若ハ其ノ者ガ当選人ノ制止ニ拘ラズ事実上選挙運動ヲ総括主宰シタル者ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第百三十七条第一項中「本章ニ掲クル罪」ノ下ニ「(第百三十条及第百三十二条ノ罪ヲ除ク)」ヲ加ヘ同条第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
第百十二条乃至第百十三条ノ罪又ハ此等ノ規定ノ準用ニ依ル罪ニ付刑ニ処セラレタル者ニシテ更ニ第百十二条乃至第百十三条ノ罪ニ付刑ニ処セラルル者ニ在リテハ前項ノ五年間ハ之ヲ十年間トス
裁判所ハ情状ニ因リ刑ノ言渡ト同時ニ第一項ニ規定スル者ニ対シ同項五年間選挙権及被選挙権ヲ有セザル旨ノ規定ヲ適用セズ若ハ其ノ期間ヲ短縮スル旨ノ宣告ヲ為シ又ハ前項ニ規定スル者ニ対シ同項ノ十年間ヲ短縮スル旨ノ宣告ヲ為スコトヲ得
前三項ノ規定ハ第六条第五号ノ規定ニ該当スル者ニハ之ヲ適用セズ
第百四十条第一項中「推薦届出者」ヲ「選挙事務長」ニ改メ同条ニ左ノ二項ヲ加フ
前項ノ営造物ノ管理者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ演説会開催ノ為ニ必要ナル施設ヲ為スベシ
地方長官ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ議員候補者ノ政見等ヲ掲載シタル文書ヲ発行スベシ
第百四十一条 第十六条、第八十一条、第八十三条又ハ第八十四条第一項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付テハ本法ニ規定シタルモノヲ除クノ外民事訴訟ノ例ニ依ル
第百四十一条ノ二 第八十四条第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付テハ刑事訴訟法中第五百七十二条第二号第三号第五号乃至第八号第十号乃至第十三号、第五百七十四条、第五百八十二条、第五百八十八条、第五百八十九条、第五百九十一条、第六百五条乃至第六百十条及第六百十二条ノ規定ヲ除クノ外私訴ニ関スル規定ヲ準用ス但シ同法第五百七十六条中民事訴訟法トアルハ刑事訴訟法トシ民事部トアルハ刑事部トス
第八十四条第二項ノ規定ニ依ル訴訟ニ付当選無効ノ判決確定スト雖モ其ノ判決ハ公訴ニ付有罪ノ判決確定スルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第百四十一条ノ三 選挙ニ関スル訴訟ニ付テハ裁判所ハ他ノ訴訟ノ順序ニ拘ラズ速ニ其ノ裁判ヲ為スベシ
第百四十三条中「第百十二条若ハ」ヲ「第百十二条乃至」ニ改ム
第百四十五条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第十二条ノ規定ノ適用ニ付テハ其ノ日迄引続キ六月以上其ノ市町村内ニ住居ヲ有スル者トアルハ其ノ日迄引続キ六月以上其ノ市内ニ住居ヲ有シ且其ノ日ニ於テ其ノ区内ニ住居ヲ有スル者トス
第百五十条中「新知郡、得撫郡及色丹郡」ヲ「新知郡及得撫郡」ニ改ム
附 則
本法ハ次ノ総選挙ヨリ之ヲ施行ス
本法ニ依リ初テ議員ヲ選挙合スル場ニ於テ第十八条ノ規定ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ総選挙ノ期日ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル総選挙ニ必要ナル選挙人名簿ニ関シ第十二条、第十三条、第十五条又ハ第十七条ニ規定スル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ其ノ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選挙人名簿ハ次ノ選挙人名簿確定迄其ノ効力ヲ有ス
第百三十七条第二項ノ規定ハ第百十二条乃至第百十三条ノ改正規定ニ依リ又ハ此等ノ規定ノ準用ニ依リ刑ニ処セラレタル者ニシテ更ニ第百十二条乃至第百十三条ノ規定ニ依リ刑ニ処セラルル者ニ之ヲ適用ス