(恩給法中改正法律)
法令番号: 法律第五十號
公布年月日: 昭和8年4月10日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル恩給法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年四月八日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
大藏大臣 高橋是淸
內務大臣 男爵 山本達雄
外務大臣 伯爵 內田康哉
鐵道大臣 三土忠造
陸軍大臣 荒木貞夫
文部大臣 鳩山一郞
司法大臣 小山松吉
遞信大臣 南弘
商工大臣 男爵 中島久萬吉
農林大臣 後藤文夫
拓務大臣 永井柳太郞
海軍大臣 大角岑生
法律第五十號
恩給法中左ノ通改正ス
第二條中「增加恩給」ノ下ニ「、傷病年金」ヲ加フ
第六條中「又ハ增加恩給」ヲ「、增加恩給又ハ傷病年金」ニ改ム
第九條第二號中「六年以上ノ」ヲ「二年ヲ超ユル」ニ改ム
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
在職中ノ職務ニ關スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ因リ禁錮以上ノ刑(陸軍刑法又ハ海軍刑法ニ依ル一年未滿ノ禁錮ノ刑ヲ含マス)ニ處セラレタルトキハ其ノ權利消滅ス但シ其ノ在職カ普通恩給ヲ受ケタル後ニ爲サレタルモノナルトキハ其ノ再在職ニ因リテ生シタル權利ノミ消滅ス
第九條ノ二 裁定官廳ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ年金タル恩給ヲ受クルノ權利ヲ有スル者ニ付其ノ權利ノ存否ヲ調查スヘシ
第十三條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ公務傷病ノ程度ニ付テハ出訴ヲ爲スコトヲ得ス
第十六條第三號中「及盲啞學校其ノ他ノ」ヲ「、盲學校、聾啞學校及」ニ改ム
第十七條第一項中「前條第一號、第二號又ハ第四號ニ揭クル公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ在職年中」ヲ「前條第一號、第二號若ハ第四號ニ揭クル公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ在職年又ハ第五號若ハ第六號ニ揭クル公務員ニシテ國庫ヨリ俸給ヲ受クルモノノ在職年中」ニ、同條第四項中「第四號若ハ第五號」ヲ「第五號若ハ第六號」ニ改ム
第十八條第一項中「百分ノ一」ヲ「百分ノ二」ニ改メ「府縣費ヨリ俸給ヲ給スル文官、」ノ下ニ「神宮司廳又ハ神宮皇學館ノ職員タル文官、」ヲ加フ
第二十二條第一項中「學校若ハ」ヲ「學校、幼稚園若ハ」ニ、「府縣立」ヲ「道府縣立」ニ、同條第三項中「學校」ヲ「學校又ハ幼稚園」ニ改ム
第二十四條第二號ヲ左ノ如ク改ム
二 判任官以上ノ待遇ヲ受クル監獄ノ職員(前條第二號ニ揭クル者ヲ除ク)、感化院職員及矯正院職員
第二十六條第二號ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ下士官准士官以上ノ軍人ト爲リタルトキハ普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ノ計算ニ關シテハ之ヲ退職ト看做ス
第二十八條第二項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ一時恩給又ハ第八十二條ニ規定スル一時扶助料ノ基礎ト爲ルヘキ在職年ニ付テハ前ニ一時恩給ノ基礎ト爲リタル在職年其ノ他ノ前在職年ノ年月數ハ之ヲ合算セス
第三十條中「軍人ノ恩給權」ヲ「軍人又ハ警察監獄職員ノ恩給權」ニ、「十一年ニ達スル迄」ヲ「准士官以上ノ軍人ニ付テハ十三年ニ達スル迄、下士官以下ノ軍人及警察監獄職員ニ付テハ十二年ニ達スル迄」ニ、「四分ノ三」ヲ「十分ノ七」ニ改ム
第三十一條 削除
第三十九條第一項中「半月」ヲ「三分ノ一月」ニ改メ同項ノ末尾ニ左ノ如ク加フ
一年以上引續キ編隊艦船ニ乘シテ上陸制限ノ下ニ準戰訓練ニ服シタルトキ亦同シ
第四十條ノ二 休職、待命、歸休、停職其ノ他現實ニ職務ヲ執ルヲ要セサル在職期間ニシテ一月以上ニ亘ルモノハ勅令ノ定ムル所ニ依リ在職年ノ計算ニ於テ之ヲ半減ス
第四十一條第三號中「六年未滿」ヲ「二年以下」ニ改ム
同條中第四號ヲ第五號、第五號ヲ第六號トシ第三號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
四 公務員退職後在職中ノ職務ニ關スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ付陸軍刑法若ハ海軍刑法ニ依リ死刑、懲役刑若ハ一年以上ノ禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ其ノ他ノ法令ニ依リ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキハ其ノ犯罪ノ時ヲ含ム引續キタル在職年月數
第四十二條第二項ヲ左ノ如ク改ム
第二十八條、第二十九條及第三十條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ在職年ニ通算セラルヘキ年月數ノ計算ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ準軍人又ハ皇宮警手トシテノ在職年ハ夫々之ヲ軍人又ハ警察監獄職員トシテノ在職年ト看做ス
第四十三條第二項中「第四十一條」ヲ「第四十條ノ二及第四十一條」ニ、「前條第一項第二號乃至第四號」ヲ「前條第一項」ニ改ム
第四十六條第三項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ期間ヲ經過シタルトキト雖裁定官廳ニ於テ恩給審查會ノ議ニ付スルヲ相當ト認メ且恩給審查會ニ於テ不具癈疾カ公務ニ起因シタルコト顯著ナリト議決シタルトキハ議決シタル月ノ翌月ヨリ之ニ相當ノ恩給ヲ給シ又ハ之ヲ改定ス
第四十六條ノ二 公務員公務ノ爲永續性ヲ有スル傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ不具癈疾ノ程度ニ至ラサルモ勅令ノ定ムル程度ニ達シ失格原因ナクシテ之カ爲其ノ職ニ堪ヘスシテ一年內ニ退職シタルトキ又ハ其ノ公務員カ下士官以下ノ軍人ニシテ退職後一年內ニ之カ爲一種以上ノ兵役ヲ免セラレタルトキハ之ニ傷病年金ヲ給ス
前條第二項及第三項ノ規定ハ前項ニ規定スル條件(傷病ノ程度ヲ除ク)ヲ具備スル者ニシテ退職當時ノ傷病ノ程度カ前項ノ勅令ニ定ムル程度ニ達セサリシモノノ傷病年金ニ付之ヲ準用ス
前條第四項ノ規定ハ前二項ノ規定ニ依リ給スヘキ傷病年金ニ付之ヲ準用ス
傷病年金ハ之ヲ普通恩給又ハ一時恩給ト併給スルヲ妨ケス
第四十七條中「前條」ヲ「前二條」ニ改ム
第四十九條第二項中「及公務傷病ニ因ル不具癈疾ノ程度」ヲ「、公務傷病ニ因ル不具癈疾ノ程度及傷病年金ヲ給スヘキ傷病ノ程度」ニ改ム
第五十條ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ傷病年金ノ裁定ヲ爲ス場合ニ付之ヲ準用ス
第五十一條第二項中「第四號但書」ヲ「第二號但書及第四號但書」ニ改ム
第五十五條ノ二 前二條中增加恩給ノ改定ニ關スル規定ハ傷病年金ヲ受クル者再就職シ再就職後公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ退職シ增加恩給又ハ傷病年金ヲ受クヘキ場合ニ付之ヲ準用ス
第五十六條中「前二條」ヲ「前三條」ニ改ム
第五十七條中「前三條」ヲ「前四條」ニ改ム
第五十八條第一項第一號中「兵卒」ヲ「兵」ニ、同項第二號中「六年未滿」ヲ「二年以下」ニ改ム
同條第一項ニ左ノ二號ヲ加フ
三 之ヲ受クル者三十五歲ニ滿ツル月迄ハ普通恩給ノ六分ノ一、三十五歲以上四十歲ニ滿ツル月迄ハ普通恩給ノ八分ノ一ヲ停止ス但シ增加恩給又ハ傷病年金ト併給セラルル場合ニハ之ヲ停止セス
四 恩給年額千圓以上ニシテ其ノ恩給外ノ所得ノ年額五千圓ヲ超ユルトキハ恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ノ六千圓ヲ超ユル額ノ二割ニ相當スル金額ヲ停止ス但シ恩給ノ支給額年額千圓ヲ下ラシムルコトナク其ノ停止年額ハ恩給年額ノ二割ヲ超ユルコトナシ
同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第四號ノ所得ノ範圍及計算方法竝停止方法ニ關シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
同條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ、「增加恩給」ヲ「增加恩給及傷病年金」ニ改ム
第五十九條 文官ハ每月其ノ俸給ノ百分ノ二ニ相當スル金額ヲ國庫ニ納付スヘシ
下士官以上ノ軍人ハ每月其ノ俸給ノ百分ノ一ニ相當スル金額ヲ國庫ニ納付スヘシ
敎育職員ハ每月其ノ俸給ノ百分ノ二ニ相當スル金額ヲ國庫ニ納付スヘシ但シ朝鮮、臺灣又ハ樺太以外ノ地ニ於ケル公立ノ小學校、實業補習學校、幼稚園、盲學校、聾啞學校及小學校ニ類スル各種學校ノ敎育職員ハ其ノ學校又ハ幼稚園ノ所在地ヲ管轄スル府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟ニ對シ其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ一ニ相當スル金額ヲ納付スヘシ
警察監獄職員ハ之ニ俸給ヲ給スル國庫、府縣其ノ他ノ經濟ニ對シ每月其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ一ニ相當スル金額ヲ納付スヘシ
待遇職員ハ之ニ俸給ヲ給スル國庫、府縣其ノ他ノ經濟ニ對シ每月其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ二ニ相當スル金額ヲ納付スヘシ
第二章第二節中第六十條ノ前ニ左ノ一條ヲ加フ
第五十九條ノ二 本節ニ於テ退職前ノ俸給年額ト稱スルハ退職前一年內ノ俸給(軍人及準軍人ニ在リテハ各階等ニ付定メラレタル別表第一號表ノ假定俸給額ヲ以テ其ノ階等ニ對スル俸給額トス)ノ總額ヲ謂フ但シ左ノ特例ニ從フ
一 公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之カ爲退職シ又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡ノ際昇給アリタルトキハ其ノ爲サレタル昇給ノ中級俸ノ定アルモノ(軍人及準軍人ニ付テハ別表第一號表ノ假定俸給額ヲ以テ級俸トス)ニ付テハ一級、其ノ定ナキモノニ付テハ昇給前ノ俸給ノ百分ノ十五ヲ限度トシ退職一年前ヨリ昇給セラレタルモノトシテ計算ス
二 前號ニ規定スル場合以外ノ場合ニ於テ退職前一年內ニ昇給アリタルトキハ其ノ昇給カ前俸給二年以上据置ノ後爲サレタルモノナルトキニ限リ前號ノ規定ヲ準用ス
轉官職ニ依ル俸給ノ增額ハ之ヲ昇給ト看做シ前項但書ノ規定ヲ準用ス
前二項ニ規定スル退職前一年內ノ俸給ノ算出方法ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
實在職期間一年未滿ナルトキハ其ノ俸給額ヲ月數ノ割合ニ依リ一年分ニ換算ス
本節ニ於テ退職前ノ俸給月額ト稱スルハ退職前ノ俸給年額ノ十二分ノ一ニ相當スル金額ヲ謂フ
第六十條中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「在職年五年」ヲ「在職年七年」ニ、「退職當時」ヲ「退職前」ニ改ム
同條第六項中「第二號若ハ第三號」ノ下ニ「、第五十五條ノ二」ヲ加フ
第六十一條第一項乃至第四項ヲ左ノ如ク改ム
准士官以上ノ軍人在職年十三年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ規定ハ第二十一條第二項第一號ノ準軍人在職年十三年以上ニシテ退職シ且其ノ身分ヲ免セラレタル場合ニ付之ヲ準用ス
前二項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十三年以上十四年未滿ニ對シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相當スル金額トシ十四年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相當スル金額ヲ加ヘタル金額トス
前條第三項ノ規定ハ准士官以上ノ軍人ニ付之ヲ準用ス
同條第六項ヲ左ノ如ク改ム
陸海軍准士官ニシテ其ノ官ニ二年以上實在職シ最高ノ俸給ヲ受ケタル者ニハ高等官八等ノ額ヲ給ス
同條第七項中「又ハ第五十四條第一項第二號若ハ第三號」ヲ「、第五十四條第一項第二號若ハ第三號又ハ第五十五條ノ二」ニ、「十一年」ヲ「十三年」ニ改ム
第六十一條ノ二 下士官以下ノ軍人在職年十二年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ規定ハ第二十一條第二項第二號ノ準軍人在職年十二年以上ニシテ退職シ且其ノ身分ヲ免セラレタル場合ニ付之ヲ準用ス
前二項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年以上十三年未滿ニ對シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相當スル金額トシ十三年以上一年ヲ增ス每ニ其ノ一年ニ對シ下士官ニ在リテハ七圓、兵ニ在リテハ六圓ヲ加ヘタル金額トス
第六十條第三項竝前條第五項、第七項及第八項ノ規定ハ下士官以下ノ軍人ニ付之ヲ準用ス
第六十二條中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「退職當時」ヲ「退職前」ニ、「又ハ盲啞學校其ノ他ノ」ヲ「、盲學校、聾啞學校又ハ」ニ、「第一項ノ場合ニ於テ」ヲ「第二項ノ場合ニ於テ」ニ、「又ハ第五十四條第一項第二號若ハ第三號」ヲ「、第五十四條第一項第二號若ハ第三號又ハ第五十五條ノ二」ニ改ム
第六十三條中「十年」ヲ「十二年」ニ、「十一年」ヲ「十三年」ニ、「退職當時」ヲ「退職前」ニ、「又ハ第五十四條第一項第二號若ハ第三號」ヲ「、第五十四條第一項第二號若ハ第三號又ハ第五十五條ノ二」ニ改ム
第六十四條中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「退職當時」ヲ「退職前」ニ改ム
第六十四條ノ二 一時恩給ヲ受ケタル後其ノ一時恩給ノ基礎ト爲リタル在職年數一年ヲ二月ニ換算シタル月數內ニ召集其ノ他ノ强制ニ依ラスシテ再就職シタル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テハ當該換算月數ト退職ノ翌月ヨリ再就職ノ月迄ノ月數トノ差月數ヲ一時恩給額算出ノ基礎ト爲リタル俸給月額ノ二分ノ一ニ乘シタル金額ノ十五分ノ一ニ相當スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ普通恩給ノ年額トス但シ差月數一月ニ付一時恩給額算出ノ基礎ト爲リタル俸給月額ノ二分ノ一ノ割合ヲ以テ計算シタル金額ヲ勅令ノ定ムル時期ニ於テ返還シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六十五條ノ二 公務員ノ傷病年金ノ年額ハ退職當時ノ階等、傷病ノ原因及傷病ノ程度ニ依リ定メタル別表第三號表ノ金額トス
前項ノ規定ハ公務員ニ準スヘキ者ニ給スヘキ傷病年金ノ年額ニ付之ヲ準用ス
第六十六條中「下士」ヲ「下士官」ニ、「不具癈疾ノ程度ニ至ラサルモ」ヲ「傷病年金ヲ給セラルルノ程度ニ至ラサルモ」ニ、「第三號表」ヲ「第四號表」ニ改ム
第六十七條 文官、敎育職員又ハ待遇職員在職年三年以上十七年未滿ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職前ノ俸給月額ニ相當スル金額ニ在職年ノ年數ヲ乘シタル金額トス
第六十八條第一項中「下士以上ノ軍人在職年十一年未滿」ヲ「准士官以上ノ軍人在職年三年以上十三年未滿ニシテ又ハ下士官在職年三年以上十二年未滿」ニ、「下士以上トシテ」ヲ「下士官以上トシテ」ニ改ム
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職前ノ俸給月額ニ相當スル金額ニ在職年ノ年數ヲ乘シタル金額トス
第六十九條 削除
第七十條中「一年」ヲ「三年」ニ、「十年」ヲ「十二年」ニ、「退職當時」ヲ「退職前」ニ改ム
第七十一條 削除
第七十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一號又ハ第二號ニ規定スル場合及增加恩給ヲ併給セラルル者ノ死亡シタル場合ニハ其ノ死亡ノ月ノ翌月ヨリ五年間ハ前項ノ規定ニ依ル扶助料ノ年額ニ各其ノ十分ノ三ニ相當スル金額ヲ加給ス
第七十七條第一項中「六年未滿」ヲ「二年以下」ニ改ム
第八十條ニ左ノ二項ヲ加フ
屆出ヲ爲ササルモ事實上婚姻關係ト同樣ノ事情ニ入リタリト認メラルル遺族ニ付テハ裁定官廳ハ恩給審查會ニ諮問ノ上其ノ者ノ扶助料ヲ受クルノ權利ヲ失ハシムルコトヲ得
裁定官廳ハ前項ニ規定スル事情ヲ調查スル爲必要アルトキハ他ノ官廳又ハ公署ノ援助ヲ求ムルコトヲ得
第八十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
文官、敎育職員又ハ待遇職員在職年三年以上十七年未滿、准士官以上ノ軍人在職年三年以上十三年未滿、下士官タル軍人又ハ警察監獄職員在職年三年以上十二年未滿ニシテ在職中死亡シタル場合ニハ其ノ遺族ニ一時扶助料ヲ給ス
同條第二項中「死亡ノ當時」ヲ「死亡前」ニ改ム
同條第三項及第四項ヲ削リ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
第五十九條ノ二第五項ノ規定ハ死亡前ノ俸給月額ニ付之ヲ準用ス
第七十三條中遺族ノ順位ニ關スル規定及第七十四條ノ規定ハ第一項ノ扶助料ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス
第九十一條第二項中「六月」ヲ「一年」ニ、「二年」ヲ「三年」ニ、「三年」ヲ「四年」ニ改ム
第九十九條 削除
別表第一號表ヲ左ノ如ク改ム
第一號表
(甲)
階等
將官及相等官
佐尉官及相等官
親任
高等官
一等
同上
二等
同上
三等
同上
四等
同上
五等
同上
六等
同上
七等
同上
八等
假定俸給年額
七、五〇〇
六、五〇〇
五、六〇〇
四、六〇〇
三、九五〇
三、二五〇
二、三五〇
一、七〇〇
一、四〇〇
(乙)
階等
准士官
下士官
判任官
一等
同上
二等
同上
三等
同上
四等
海軍
一等兵
海軍上等兵
海軍一等兵
陸軍二等兵
海軍二等兵
海軍三等兵
海軍四等兵
假定俸給年額
一、二〇〇
八五五
七六五
六七五
六〇〇
五四〇
四九五
四五〇
別表第三號表ヲ左ノ如ク改ム
第三號表
傷病原因
症状等差
階等
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
准士官
下士官
甲號
戦闘又ハ戦闘ニ準スヘキ公務
第一款
三一二
二八六
二六〇
第二款
二四〇
二二〇
二〇〇
第三款
一九二
一七六
一六〇
第四款
一五六
一四三
一三〇
乙號
普通公務
第一款
二五二
二三一
二一〇
第二款
一九二
一七六
一六〇
第三款
一五六
一四三
一三〇
第四款
一三二
一二一
一一〇
高等官及同待遇者ニ給スヘキ金額ハ判任一等ノ者ニ給スヘキ金額ニ其ノ十分ノ一ニ相當スル金額ヲ加ヘタルモノトス
別表第四號表ヲ左ノ如ク改ム
第四號表
傷病原因
症狀等差
下士官
甲號
戰闘又ハ戰闘ニ準スヘキ公務
第一目
九九〇
九〇〇
第二目
八二五
七五〇
第三目
六六〇
六〇〇
第四目
四九五
四五〇
第五目
三三〇
三〇〇
第六目
一六五
一五〇
乙號
普通公務
第一目
七九二
七二〇
第二目
六六〇
六〇〇
第三目
五二八
四八〇
第四目
三九六
三六〇
第五目
二六四
二四〇
第六目
一三二
一二〇
附 則
第一條 本法ハ昭和八年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第四十六條ノ二、第五十八條第一項第四號及第五十九條ノ改正規定ハ昭和九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 本法施行前給與事由ノ生ジタル恩給ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル但シ第五十八條第一項第四號ノ改正規定ハ本法施行前給與事由ノ生ジタル恩給ニ付テモ之ヲ適用ス
第三條 第十三條第二項但書ノ改正規定ハ本法施行前ヨリ行政裁判所ニ繫屬スル事件ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四條 第十八條第一項ノ改正規定ニ依ル納付金額ハ同項ニ規定スル公務員ニ付テ附則第九條ノ規定ノ必要ナキニ至ル迄ハ第十八條第一項ノ改正規定ニ拘ラズ同項ニ規定スル公務員ガ第五十九條(改正前又ハ改正後)及附則第九條ノ規定ニ依リ納付スル金額ノ合計額ト同額トス
第五條 本法施行前ノ在職ニ付在職年ヲ計算スル場合ニ於テハ加算年又ハ休職等ノ減算ニ關スル改正規定ニ拘ラズ仍從前ノ規定ニ依ル
第六條 第四十條ノ二ノ改正規定ハ本法施行ノ際現ニ進行中ニ屬スル休職、待命、歸休、停職其ノ他同條ニ規定スル在職期間ニ付テハ其ノ期間ノ終了ニ至ル迄本法施行後ト雖モ同條ノ規定ヲ適用セズ
第七條 傷病年金ハ本法施行後公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ニ之ヲ給ス但シ本法施行前賑恤金(之ニ準ズルモノヲ含ム)又ハ傷病賜金ヲ受クベキ事由ヲ生ジタル者ニハ本法施行前其ノ事由ヲ生ジタルトキト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ傷病ノ程度ヲ查定シ將來ニ向ツテ之ヲ給ス
第八條 第五十八條第一項第三號ノ改正規定ハ本法施行前普通恩給ヲ受クルノ權利ヲ生ジタル者及本法施行ノ際現ニ在職シ本法施行後退職シテ普通恩給ヲ受クルノ權利ヲ生ズル者ニハ之ヲ適用セズ
前項ニ規定スル者本法施行後再就職シ其ノ普通恩給ヲ改定セラルル場合ニハ其ノ改定ニ因ル增額分ニ付第五十八條第一項第三號ノ改正規定ヲ適用ス
第九條 第五十九條ノ改正規定ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後就職シ又ハ俸給(又ハ給料)ガ昇給若ハ增額セラレタル月ノ翌月ヨリ之ヲ適用ス
第十條 第五十九條ノ二第一項但書ノ場合ニ於テ其ノ公務員ガ同一種類ノ公務員トシテ實在職年二十年以上勤續シタル者ニシテ特殊ノ事情アルモノニ付テハ當分ノ內同但書各號ニ於ケル制限ノ一級ヲ二級、百分ノ十五ヲ百分ノ三十トス
第十一條 本法施行ノ際從前ノ規定ニ依ル普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ニ達シタル者ニハ其ノ者ガ本法施行後改正規定ニ依ル最短恩給年限ニ達セズシテ退職シタル場合ト雖モ退職前ノ俸給ニ依リ之ニ普通恩給ヲ給ス但シ其ノ年額ハ在職年ノ不足一年ニ付退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相當スル金額ヲ控除シタルモノトス
第十二條 前條ノ規定ハ本法施行ノ際現ニ休職、再服役其ノ他法令上ノ在職期限ノ定アル地位ニ在ル者ニシテ本法施行後其ノ期間ノ終了ニ因リ從前ノ規定ニ依ル普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ニ達スルモノニ付之ヲ準用ス
第十三條 第六十四條ノ二ノ改正規定ハ本法施行前受ケタル一時恩給ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十四條 第七十五條第二項ノ改正規定ハ公務員ガ本法施行前死亡シタル場合ニ付テモ之ヲ適用ス但シ此ノ場合ニ於ケル加給ハ本法施行後ニ屬スル殘存期間ニ付テノミ之ヲ爲ス
第十五條 恩給法施行前同法第二十三條ニ揭グル公務員トシテ普通恩給(退隱料)ヲ受ケ引續キ文官ニ任ジ同法施行後迄在職シタル後本法施行前退職シ同法第八十五條第一項ノ規定ノ適用ニ依リ其ノ普通恩給(退隱料)ヲ文官ノ普通恩給ニ改定セラレザリシ者ニ付テハ同項ノ規定ニ拘ラズ特ニ恩給法第九十條第一項ノ規定ヲ適用シ本法施行ノ日ヨリ本法施行前ノ規定ニ依リ其ノ普通恩給(退隱料)ヲ文官ノ普通恩給ニ改定ス但シ恩給法施行後文官退職ニ因リ一時恩給ヲ受ケタル者ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ一時恩給ノ金額ヲ改定ニ因リ增額セラルル普通恩給額中ヨリ支給ニ際シ控除ス
前項ノ規定ハ恩給法施行後本法施行前ニ文官トシテ普通恩給ヲ受ケタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第一項ニ規定スル者引續キ本法施行後迄在職スルトキハ恩給法第八十五條第一項ノ規定ニ拘ラズ恩給法第九十條第一項ノ規定ヲ適用シ同法第二十三條ニ揭グル公務員トシテノ普通恩給(退隱料)ヲ文官トシテノ普通恩給ニ改定ス
第十六條 第九十一條第二項ノ改正規定ハ本法施行ノ際現ニ在職シ從前ノ同項ニ規定スル期間ヲ經過シタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十七條 本法施行ノ際現ニ在職シ恩給法第九十九條第一項ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八條ノ規定ノ適用ヲ受ケザル者ノ恩給ノ停止ニ付テハ其ノ者ガ引續キ其ノ官職ニ在職スル期間ニ限リ仍同法第九十九條第一項ノ規定ニ依ル
第十八條 本法施行前恩給法第九十九條第一項ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八條ノ規定ノ適用ヲ受ケザリシ者又ハ前條ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八條ノ規定ノ適用ヲ受ケザル者ノ當該在職期間ト他ノ公務員ノ在職年トノ通算ハ仍從前ノ例ニ依ル
第十九條 前條ニ規定スル者ヲ除クノ外恩給法第九十九條第一項ニ規定シタル者ノ大正十二年十月一日以後ノ在職年ハ同日以後ノ他ノ公務員ノ在職年ト互ニ通算ス但シ本法施行前ニ給與事由ノ生ジタル場合ニ於テハ其ノ者ガ再就職シ本法施行後退職又ハ死亡シタル場合ニ限リ此ノ規定ニ依ル
前項ニ規定スル者ノ大正十二年九月三十日以前ノ在職年ノ同日以前ノ他ノ公務員ノ在職年トノ通算ニ付テハ同日以前ノ舊法ノ例ニ依ル
第一項ニ規定スル者ノ大正十二年十月一日前後ノ在職年ノ通算ニ關シテハ恩給法第九十條第一項ノ規定ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル恩給法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和八年四月八日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
大蔵大臣 高橋是清
内務大臣 男爵 山本達雄
外務大臣 伯爵 内田康哉
鉄道大臣 三土忠造
陸軍大臣 荒木貞夫
文部大臣 鳩山一郎
司法大臣 小山松吉
逓信大臣 南弘
商工大臣 男爵 中島久万吉
農林大臣 後藤文夫
拓務大臣 永井柳太郎
海軍大臣 大角岑生
法律第五十号
恩給法中左ノ通改正ス
第二条中「増加恩給」ノ下ニ「、傷病年金」ヲ加フ
第六条中「又ハ増加恩給」ヲ「、増加恩給又ハ傷病年金」ニ改ム
第九条第二号中「六年以上ノ」ヲ「二年ヲ超ユル」ニ改ム
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
在職中ノ職務ニ関スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ因リ禁錮以上ノ刑(陸軍刑法又ハ海軍刑法ニ依ル一年未満ノ禁錮ノ刑ヲ含マス)ニ処セラレタルトキハ其ノ権利消滅ス但シ其ノ在職カ普通恩給ヲ受ケタル後ニ為サレタルモノナルトキハ其ノ再在職ニ因リテ生シタル権利ノミ消滅ス
第九条ノ二 裁定官庁ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ年金タル恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者ニ付其ノ権利ノ存否ヲ調査スヘシ
第十三条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ公務傷病ノ程度ニ付テハ出訴ヲ為スコトヲ得ス
第十六条第三号中「及盲唖学校其ノ他ノ」ヲ「、盲学校、聾唖学校及」ニ改ム
第十七条第一項中「前条第一号、第二号又ハ第四号ニ掲クル公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ在職年中」ヲ「前条第一号、第二号若ハ第四号ニ掲クル公務員若ハ之ニ準スヘキ者ノ在職年又ハ第五号若ハ第六号ニ掲クル公務員ニシテ国庫ヨリ俸給ヲ受クルモノノ在職年中」ニ、同条第四項中「第四号若ハ第五号」ヲ「第五号若ハ第六号」ニ改ム
第十八条第一項中「百分ノ一」ヲ「百分ノ二」ニ改メ「府県費ヨリ俸給ヲ給スル文官、」ノ下ニ「神宮司庁又ハ神宮皇学館ノ職員タル文官、」ヲ加フ
第二十二条第一項中「学校若ハ」ヲ「学校、幼稚園若ハ」ニ、「府県立」ヲ「道府県立」ニ、同条第三項中「学校」ヲ「学校又ハ幼稚園」ニ改ム
第二十四条第二号ヲ左ノ如ク改ム
二 判任官以上ノ待遇ヲ受クル監獄ノ職員(前条第二号ニ掲クル者ヲ除ク)、感化院職員及矯正院職員
第二十六条第二号ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ下士官准士官以上ノ軍人ト為リタルトキハ普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ノ計算ニ関シテハ之ヲ退職ト看做ス
第二十八条第二項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ一時恩給又ハ第八十二条ニ規定スル一時扶助料ノ基礎ト為ルヘキ在職年ニ付テハ前ニ一時恩給ノ基礎ト為リタル在職年其ノ他ノ前在職年ノ年月数ハ之ヲ合算セス
第三十条中「軍人ノ恩給権」ヲ「軍人又ハ警察監獄職員ノ恩給権」ニ、「十一年ニ達スル迄」ヲ「准士官以上ノ軍人ニ付テハ十三年ニ達スル迄、下士官以下ノ軍人及警察監獄職員ニ付テハ十二年ニ達スル迄」ニ、「四分ノ三」ヲ「十分ノ七」ニ改ム
第三十一条 削除
第三十九条第一項中「半月」ヲ「三分ノ一月」ニ改メ同項ノ末尾ニ左ノ如ク加フ
一年以上引続キ編隊艦船ニ乗シテ上陸制限ノ下ニ準戦訓練ニ服シタルトキ亦同シ
第四十条ノ二 休職、待命、帰休、停職其ノ他現実ニ職務ヲ執ルヲ要セサル在職期間ニシテ一月以上ニ亘ルモノハ勅令ノ定ムル所ニ依リ在職年ノ計算ニ於テ之ヲ半減ス
第四十一条第三号中「六年未満」ヲ「二年以下」ニ改ム
同条中第四号ヲ第五号、第五号ヲ第六号トシ第三号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
四 公務員退職後在職中ノ職務ニ関スル犯罪(過失犯ヲ除ク)ニ付陸軍刑法若ハ海軍刑法ニ依リ死刑、懲役刑若ハ一年以上ノ禁錮ノ刑ニ処セラレ又ハ其ノ他ノ法令ニ依リ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキハ其ノ犯罪ノ時ヲ含ム引続キタル在職年月数
第四十二条第二項ヲ左ノ如ク改ム
第二十八条、第二十九条及第三十条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ在職年ニ通算セラルヘキ年月数ノ計算ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ準軍人又ハ皇宮警手トシテノ在職年ハ夫々之ヲ軍人又ハ警察監獄職員トシテノ在職年ト看做ス
第四十三条第二項中「第四十一条」ヲ「第四十条ノ二及第四十一条」ニ、「前条第一項第二号乃至第四号」ヲ「前条第一項」ニ改ム
第四十六条第三項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ期間ヲ経過シタルトキト雖裁定官庁ニ於テ恩給審査会ノ議ニ付スルヲ相当ト認メ且恩給審査会ニ於テ不具廃疾カ公務ニ起因シタルコト顕著ナリト議決シタルトキハ議決シタル月ノ翌月ヨリ之ニ相当ノ恩給ヲ給シ又ハ之ヲ改定ス
第四十六条ノ二 公務員公務ノ為永続性ヲ有スル傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ不具廃疾ノ程度ニ至ラサルモ勅令ノ定ムル程度ニ達シ失格原因ナクシテ之カ為其ノ職ニ堪ヘスシテ一年内ニ退職シタルトキ又ハ其ノ公務員カ下士官以下ノ軍人ニシテ退職後一年内ニ之カ為一種以上ノ兵役ヲ免セラレタルトキハ之ニ傷病年金ヲ給ス
前条第二項及第三項ノ規定ハ前項ニ規定スル条件(傷病ノ程度ヲ除ク)ヲ具備スル者ニシテ退職当時ノ傷病ノ程度カ前項ノ勅令ニ定ムル程度ニ達セサリシモノノ傷病年金ニ付之ヲ準用ス
前条第四項ノ規定ハ前二項ノ規定ニ依リ給スヘキ傷病年金ニ付之ヲ準用ス
傷病年金ハ之ヲ普通恩給又ハ一時恩給ト併給スルヲ妨ケス
第四十七条中「前条」ヲ「前二条」ニ改ム
第四十九条第二項中「及公務傷病ニ因ル不具廃疾ノ程度」ヲ「、公務傷病ニ因ル不具廃疾ノ程度及傷病年金ヲ給スヘキ傷病ノ程度」ニ改ム
第五十条ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ傷病年金ノ裁定ヲ為ス場合ニ付之ヲ準用ス
第五十一条第二項中「第四号但書」ヲ「第二号但書及第四号但書」ニ改ム
第五十五条ノ二 前二条中増加恩給ノ改定ニ関スル規定ハ傷病年金ヲ受クル者再就職シ再就職後公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ退職シ増加恩給又ハ傷病年金ヲ受クヘキ場合ニ付之ヲ準用ス
第五十六条中「前二条」ヲ「前三条」ニ改ム
第五十七条中「前三条」ヲ「前四条」ニ改ム
第五十八条第一項第一号中「兵卒」ヲ「兵」ニ、同項第二号中「六年未満」ヲ「二年以下」ニ改ム
同条第一項ニ左ノ二号ヲ加フ
三 之ヲ受クル者三十五歳ニ満ツル月迄ハ普通恩給ノ六分ノ一、三十五歳以上四十歳ニ満ツル月迄ハ普通恩給ノ八分ノ一ヲ停止ス但シ増加恩給又ハ傷病年金ト併給セラルル場合ニハ之ヲ停止セス
四 恩給年額千円以上ニシテ其ノ恩給外ノ所得ノ年額五千円ヲ超ユルトキハ恩給年額ト恩給外ノ所得ノ年額トノ合計額ノ六千円ヲ超ユル額ノ二割ニ相当スル金額ヲ停止ス但シ恩給ノ支給額年額千円ヲ下ラシムルコトナク其ノ停止年額ハ恩給年額ノ二割ヲ超ユルコトナシ
同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第四号ノ所得ノ範囲及計算方法並停止方法ニ関シテハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
同条第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ、「増加恩給」ヲ「増加恩給及傷病年金」ニ改ム
第五十九条 文官ハ毎月其ノ俸給ノ百分ノ二ニ相当スル金額ヲ国庫ニ納付スヘシ
下士官以上ノ軍人ハ毎月其ノ俸給ノ百分ノ一ニ相当スル金額ヲ国庫ニ納付スヘシ
教育職員ハ毎月其ノ俸給ノ百分ノ二ニ相当スル金額ヲ国庫ニ納付スヘシ但シ朝鮮、台湾又ハ樺太以外ノ地ニ於ケル公立ノ小学校、実業補習学校、幼稚園、盲学校、聾唖学校及小学校ニ類スル各種学校ノ教育職員ハ其ノ学校又ハ幼稚園ノ所在地ヲ管轄スル府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済ニ対シ其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ一ニ相当スル金額ヲ納付スヘシ
警察監獄職員ハ之ニ俸給ヲ給スル国庫、府県其ノ他ノ経済ニ対シ毎月其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ一ニ相当スル金額ヲ納付スヘシ
待遇職員ハ之ニ俸給ヲ給スル国庫、府県其ノ他ノ経済ニ対シ毎月其ノ俸給(又ハ給料)ノ百分ノ二ニ相当スル金額ヲ納付スヘシ
第二章第二節中第六十条ノ前ニ左ノ一条ヲ加フ
第五十九条ノ二 本節ニ於テ退職前ノ俸給年額ト称スルハ退職前一年内ノ俸給(軍人及準軍人ニ在リテハ各階等ニ付定メラレタル別表第一号表ノ仮定俸給額ヲ以テ其ノ階等ニ対スル俸給額トス)ノ総額ヲ謂フ但シ左ノ特例ニ従フ
一 公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之カ為退職シ又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡ノ際昇給アリタルトキハ其ノ為サレタル昇給ノ中級俸ノ定アルモノ(軍人及準軍人ニ付テハ別表第一号表ノ仮定俸給額ヲ以テ級俸トス)ニ付テハ一級、其ノ定ナキモノニ付テハ昇給前ノ俸給ノ百分ノ十五ヲ限度トシ退職一年前ヨリ昇給セラレタルモノトシテ計算ス
二 前号ニ規定スル場合以外ノ場合ニ於テ退職前一年内ニ昇給アリタルトキハ其ノ昇給カ前俸給二年以上据置ノ後為サレタルモノナルトキニ限リ前号ノ規定ヲ準用ス
転官職ニ依ル俸給ノ増額ハ之ヲ昇給ト看做シ前項但書ノ規定ヲ準用ス
前二項ニ規定スル退職前一年内ノ俸給ノ算出方法ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
実在職期間一年未満ナルトキハ其ノ俸給額ヲ月数ノ割合ニ依リ一年分ニ換算ス
本節ニ於テ退職前ノ俸給月額ト称スルハ退職前ノ俸給年額ノ十二分ノ一ニ相当スル金額ヲ謂フ
第六十条中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「在職年五年」ヲ「在職年七年」ニ、「退職当時」ヲ「退職前」ニ改ム
同条第六項中「第二号若ハ第三号」ノ下ニ「、第五十五条ノ二」ヲ加フ
第六十一条第一項乃至第四項ヲ左ノ如ク改ム
准士官以上ノ軍人在職年十三年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ規定ハ第二十一条第二項第一号ノ準軍人在職年十三年以上ニシテ退職シ且其ノ身分ヲ免セラレタル場合ニ付之ヲ準用ス
前二項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十三年以上十四年未満ニ対シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十四年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタル金額トス
前条第三項ノ規定ハ准士官以上ノ軍人ニ付之ヲ準用ス
同条第六項ヲ左ノ如ク改ム
陸海軍准士官ニシテ其ノ官ニ二年以上実在職シ最高ノ俸給ヲ受ケタル者ニハ高等官八等ノ額ヲ給ス
同条第七項中「又ハ第五十四条第一項第二号若ハ第三号」ヲ「、第五十四条第一項第二号若ハ第三号又ハ第五十五条ノ二」ニ、「十一年」ヲ「十三年」ニ改ム
第六十一条ノ二 下士官以下ノ軍人在職年十二年以上ニシテ退職シタルトキハ之ニ普通恩給ヲ給ス
前項ノ規定ハ第二十一条第二項第二号ノ準軍人在職年十二年以上ニシテ退職シ且其ノ身分ヲ免セラレタル場合ニ付之ヲ準用ス
前二項ノ普通恩給ノ年額ハ在職年十二年以上十三年未満ニ対シ退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ五十ニ相当スル金額トシ十三年以上一年ヲ増ス毎ニ其ノ一年ニ対シ下士官ニ在リテハ七円、兵ニ在リテハ六円ヲ加ヘタル金額トス
第六十条第三項並前条第五項、第七項及第八項ノ規定ハ下士官以下ノ軍人ニ付之ヲ準用ス
第六十二条中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「退職当時」ヲ「退職前」ニ、「又ハ盲唖学校其ノ他ノ」ヲ「、盲学校、聾唖学校又ハ」ニ、「第一項ノ場合ニ於テ」ヲ「第二項ノ場合ニ於テ」ニ、「又ハ第五十四条第一項第二号若ハ第三号」ヲ「、第五十四条第一項第二号若ハ第三号又ハ第五十五条ノ二」ニ改ム
第六十三条中「十年」ヲ「十二年」ニ、「十一年」ヲ「十三年」ニ、「退職当時」ヲ「退職前」ニ、「又ハ第五十四条第一項第二号若ハ第三号」ヲ「、第五十四条第一項第二号若ハ第三号又ハ第五十五条ノ二」ニ改ム
第六十四条中「十五年」ヲ「十七年」ニ、「十六年」ヲ「十八年」ニ、「退職当時」ヲ「退職前」ニ改ム
第六十四条ノ二 一時恩給ヲ受ケタル後其ノ一時恩給ノ基礎ト為リタル在職年数一年ヲ二月ニ換算シタル月数内ニ召集其ノ他ノ強制ニ依ラスシテ再就職シタル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テハ当該換算月数ト退職ノ翌月ヨリ再就職ノ月迄ノ月数トノ差月数ヲ一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ニ乗シタル金額ノ十五分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノヲ以テ其ノ普通恩給ノ年額トス但シ差月数一月ニ付一時恩給額算出ノ基礎ト為リタル俸給月額ノ二分ノ一ノ割合ヲ以テ計算シタル金額ヲ勅令ノ定ムル時期ニ於テ返還シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第六十五条ノ二 公務員ノ傷病年金ノ年額ハ退職当時ノ階等、傷病ノ原因及傷病ノ程度ニ依リ定メタル別表第三号表ノ金額トス
前項ノ規定ハ公務員ニ準スヘキ者ニ給スヘキ傷病年金ノ年額ニ付之ヲ準用ス
第六十六条中「下士」ヲ「下士官」ニ、「不具廃疾ノ程度ニ至ラサルモ」ヲ「傷病年金ヲ給セラルルノ程度ニ至ラサルモ」ニ、「第三号表」ヲ「第四号表」ニ改ム
第六十七条 文官、教育職員又ハ待遇職員在職年三年以上十七年未満ニシテ退職シタルトキハ之ニ一時恩給ヲ給ス
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職前ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
第六十八条第一項中「下士以上ノ軍人在職年十一年未満」ヲ「准士官以上ノ軍人在職年三年以上十三年未満ニシテ又ハ下士官在職年三年以上十二年未満」ニ、「下士以上トシテ」ヲ「下士官以上トシテ」ニ改ム
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ一時恩給ノ金額ハ退職前ノ俸給月額ニ相当スル金額ニ在職年ノ年数ヲ乗シタル金額トス
第六十九条 削除
第七十条中「一年」ヲ「三年」ニ、「十年」ヲ「十二年」ニ、「退職当時」ヲ「退職前」ニ改ム
第七十一条 削除
第七十五条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一号又ハ第二号ニ規定スル場合及増加恩給ヲ併給セラルル者ノ死亡シタル場合ニハ其ノ死亡ノ月ノ翌月ヨリ五年間ハ前項ノ規定ニ依ル扶助料ノ年額ニ各其ノ十分ノ三ニ相当スル金額ヲ加給ス
第七十七条第一項中「六年未満」ヲ「二年以下」ニ改ム
第八十条ニ左ノ二項ヲ加フ
届出ヲ為ササルモ事実上婚姻関係ト同様ノ事情ニ入リタリト認メラルル遺族ニ付テハ裁定官庁ハ恩給審査会ニ諮問ノ上其ノ者ノ扶助料ヲ受クルノ権利ヲ失ハシムルコトヲ得
裁定官庁ハ前項ニ規定スル事情ヲ調査スル為必要アルトキハ他ノ官庁又ハ公署ノ援助ヲ求ムルコトヲ得
第八十二条第一項ヲ左ノ如ク改ム
文官、教育職員又ハ待遇職員在職年三年以上十七年未満、准士官以上ノ軍人在職年三年以上十三年未満、下士官タル軍人又ハ警察監獄職員在職年三年以上十二年未満ニシテ在職中死亡シタル場合ニハ其ノ遺族ニ一時扶助料ヲ給ス
同条第二項中「死亡ノ当時」ヲ「死亡前」ニ改ム
同条第三項及第四項ヲ削リ同条ニ左ノ二項ヲ加フ
第五十九条ノ二第五項ノ規定ハ死亡前ノ俸給月額ニ付之ヲ準用ス
第七十三条中遺族ノ順位ニ関スル規定及第七十四条ノ規定ハ第一項ノ扶助料ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス
第九十一条第二項中「六月」ヲ「一年」ニ、「二年」ヲ「三年」ニ、「三年」ヲ「四年」ニ改ム
第九十九条 削除
別表第一号表ヲ左ノ如ク改ム
第一号表
(甲)
階等
将官及相等官
佐尉官及相等官
親任
高等官
一等
同上
二等
同上
三等
同上
四等
同上
五等
同上
六等
同上
七等
同上
八等
仮定俸給年額
七、五〇〇
六、五〇〇
五、六〇〇
四、六〇〇
三、九五〇
三、二五〇
二、三五〇
一、七〇〇
一、四〇〇
(乙)
階等
准士官
下士官
判任官
一等
同上
二等
同上
三等
同上
四等
海軍
一等兵
海軍上等兵
海軍一等兵
陸軍二等兵
海軍二等兵
海軍三等兵
海軍四等兵
仮定俸給年額
一、二〇〇
八五五
七六五
六七五
六〇〇
五四〇
四九五
四五〇
別表第三号表ヲ左ノ如ク改ム
第三号表
傷病原因
症状等差
階等
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
准士官
下士官
甲号
戦闘又ハ戦闘ニ準スヘキ公務
第一款
三一二
二八六
二六〇
第二款
二四〇
二二〇
二〇〇
第三款
一九二
一七六
一六〇
第四款
一五六
一四三
一三〇
乙号
普通公務
第一款
二五二
二三一
二一〇
第二款
一九二
一七六
一六〇
第三款
一五六
一四三
一三〇
第四款
一三二
一二一
一一〇
高等官及同待遇者ニ給スヘキ金額ハ判任一等ノ者ニ給スヘキ金額ニ其ノ十分ノ一ニ相当スル金額ヲ加ヘタルモノトス
別表第四号表ヲ左ノ如ク改ム
第四号表
傷病原因
症状等差
下士官
甲号
戦闘又ハ戦闘ニ準スヘキ公務
第一目
九九〇
九〇〇
第二目
八二五
七五〇
第三目
六六〇
六〇〇
第四目
四九五
四五〇
第五目
三三〇
三〇〇
第六目
一六五
一五〇
乙号
普通公務
第一目
七九二
七二〇
第二目
六六〇
六〇〇
第三目
五二八
四八〇
第四目
三九六
三六〇
第五目
二六四
二四〇
第六目
一三二
一二〇
附 則
第一条 本法ハ昭和八年十月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第四十六条ノ二、第五十八条第一項第四号及第五十九条ノ改正規定ハ昭和九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 本法施行前給与事由ノ生ジタル恩給ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ル但シ第五十八条第一項第四号ノ改正規定ハ本法施行前給与事由ノ生ジタル恩給ニ付テモ之ヲ適用ス
第三条 第十三条第二項但書ノ改正規定ハ本法施行前ヨリ行政裁判所ニ繋属スル事件ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四条 第十八条第一項ノ改正規定ニ依ル納付金額ハ同項ニ規定スル公務員ニ付テ附則第九条ノ規定ノ必要ナキニ至ル迄ハ第十八条第一項ノ改正規定ニ拘ラズ同項ニ規定スル公務員ガ第五十九条(改正前又ハ改正後)及附則第九条ノ規定ニ依リ納付スル金額ノ合計額ト同額トス
第五条 本法施行前ノ在職ニ付在職年ヲ計算スル場合ニ於テハ加算年又ハ休職等ノ減算ニ関スル改正規定ニ拘ラズ仍従前ノ規定ニ依ル
第六条 第四十条ノ二ノ改正規定ハ本法施行ノ際現ニ進行中ニ属スル休職、待命、帰休、停職其ノ他同条ニ規定スル在職期間ニ付テハ其ノ期間ノ終了ニ至ル迄本法施行後ト雖モ同条ノ規定ヲ適用セズ
第七条 傷病年金ハ本法施行後公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者ニ之ヲ給ス但シ本法施行前賑恤金(之ニ準ズルモノヲ含ム)又ハ傷病賜金ヲ受クベキ事由ヲ生ジタル者ニハ本法施行前其ノ事由ヲ生ジタルトキト雖モ勅令ノ定ムル所ニ依リ傷病ノ程度ヲ査定シ将来ニ向ツテ之ヲ給ス
第八条 第五十八条第一項第三号ノ改正規定ハ本法施行前普通恩給ヲ受クルノ権利ヲ生ジタル者及本法施行ノ際現ニ在職シ本法施行後退職シテ普通恩給ヲ受クルノ権利ヲ生ズル者ニハ之ヲ適用セズ
前項ニ規定スル者本法施行後再就職シ其ノ普通恩給ヲ改定セラルル場合ニハ其ノ改定ニ因ル増額分ニ付第五十八条第一項第三号ノ改正規定ヲ適用ス
第九条 第五十九条ノ改正規定ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ本法施行後就職シ又ハ俸給(又ハ給料)ガ昇給若ハ増額セラレタル月ノ翌月ヨリ之ヲ適用ス
第十条 第五十九条ノ二第一項但書ノ場合ニ於テ其ノ公務員ガ同一種類ノ公務員トシテ実在職年二十年以上勤続シタル者ニシテ特殊ノ事情アルモノニ付テハ当分ノ内同但書各号ニ於ケル制限ノ一級ヲ二級、百分ノ十五ヲ百分ノ三十トス
第十一条 本法施行ノ際従前ノ規定ニ依ル普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ニ達シタル者ニハ其ノ者ガ本法施行後改正規定ニ依ル最短恩給年限ニ達セズシテ退職シタル場合ト雖モ退職前ノ俸給ニ依リ之ニ普通恩給ヲ給ス但シ其ノ年額ハ在職年ノ不足一年ニ付退職前ノ俸給年額ノ百五十分ノ一ニ相当スル金額ヲ控除シタルモノトス
第十二条 前条ノ規定ハ本法施行ノ際現ニ休職、再服役其ノ他法令上ノ在職期限ノ定アル地位ニ在ル者ニシテ本法施行後其ノ期間ノ終了ニ因リ従前ノ規定ニ依ル普通恩給ニ付テノ最短恩給年限ニ達スルモノニ付之ヲ準用ス
第十三条 第六十四条ノ二ノ改正規定ハ本法施行前受ケタル一時恩給ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十四条 第七十五条第二項ノ改正規定ハ公務員ガ本法施行前死亡シタル場合ニ付テモ之ヲ適用ス但シ此ノ場合ニ於ケル加給ハ本法施行後ニ属スル残存期間ニ付テノミ之ヲ為ス
第十五条 恩給法施行前同法第二十三条ニ掲グル公務員トシテ普通恩給(退隠料)ヲ受ケ引続キ文官ニ任ジ同法施行後迄在職シタル後本法施行前退職シ同法第八十五条第一項ノ規定ノ適用ニ依リ其ノ普通恩給(退隠料)ヲ文官ノ普通恩給ニ改定セラレザリシ者ニ付テハ同項ノ規定ニ拘ラズ特ニ恩給法第九十条第一項ノ規定ヲ適用シ本法施行ノ日ヨリ本法施行前ノ規定ニ依リ其ノ普通恩給(退隠料)ヲ文官ノ普通恩給ニ改定ス但シ恩給法施行後文官退職ニ因リ一時恩給ヲ受ケタル者ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ一時恩給ノ金額ヲ改定ニ因リ増額セラルル普通恩給額中ヨリ支給ニ際シ控除ス
前項ノ規定ハ恩給法施行後本法施行前ニ文官トシテ普通恩給ヲ受ケタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第一項ニ規定スル者引続キ本法施行後迄在職スルトキハ恩給法第八十五条第一項ノ規定ニ拘ラズ恩給法第九十条第一項ノ規定ヲ適用シ同法第二十三条ニ掲グル公務員トシテノ普通恩給(退隠料)ヲ文官トシテノ普通恩給ニ改定ス
第十六条 第九十一条第二項ノ改正規定ハ本法施行ノ際現ニ在職シ従前ノ同項ニ規定スル期間ヲ経過シタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
第十七条 本法施行ノ際現ニ在職シ恩給法第九十九条第一項ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八条ノ規定ノ適用ヲ受ケザル者ノ恩給ノ停止ニ付テハ其ノ者ガ引続キ其ノ官職ニ在職スル期間ニ限リ仍同法第九十九条第一項ノ規定ニ依ル
第十八条 本法施行前恩給法第九十九条第一項ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八条ノ規定ノ適用ヲ受ケザリシ者又ハ前条ノ規定ノ適用ニ依リ同法第五十八条ノ規定ノ適用ヲ受ケザル者ノ当該在職期間ト他ノ公務員ノ在職年トノ通算ハ仍従前ノ例ニ依ル
第十九条 前条ニ規定スル者ヲ除クノ外恩給法第九十九条第一項ニ規定シタル者ノ大正十二年十月一日以後ノ在職年ハ同日以後ノ他ノ公務員ノ在職年ト互ニ通算ス但シ本法施行前ニ給与事由ノ生ジタル場合ニ於テハ其ノ者ガ再就職シ本法施行後退職又ハ死亡シタル場合ニ限リ此ノ規定ニ依ル
前項ニ規定スル者ノ大正十二年九月三十日以前ノ在職年ノ同日以前ノ他ノ公務員ノ在職年トノ通算ニ付テハ同日以前ノ旧法ノ例ニ依ル
第一項ニ規定スル者ノ大正十二年十月一日前後ノ在職年ノ通算ニ関シテハ恩給法第九十条第一項ノ規定ヲ適用ス