文官分限委員会官制
法令番号: 勅令第二百五十四號
公布年月日: 昭和7年9月24日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ文官分限委員會官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月二十二日
內閣總理大臣 子爵 齋藤實
勅令第二百五十四號
文官分限委員會官制
第一章 文官高等分限委員會
第一條 文官高等分限委員會ハ內閣總理大臣ノ監督ニ屬シ高等文官ニ關スル文官分限令第十一條第三項ノ諮問ニ應ジ意見ヲ答申ス
第二條 委員會ハ會長一人委員七人ヲ以テ之ヲ組織ス
第三條 會長ハ內閣總理大臣ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 樞密顧問官 一人
二 大審院長タル判事
三 會計檢查院長
四 行政裁判所長官
五 文官分限令ノ適用ヲ受クル勅任文官 三人
前項第一號及第五號ノ委員ハ內閣總理大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
第四條 委員會ニ豫備委員六人ヲ置ク
豫備委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 樞密顧問官 一人
二 大審院部長タル判事 一人
三 會計檢查院部長 一人
四 部長タル行政裁判所評定官 一人
五 文官分限令ノ適用ヲ受クル勅任文官 二人
豫備委員ハ內閣總理大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
第五條 會長事故アルトキハ上席ノ委員其ノ職務ヲ代理ス
委員中事故アルトキ又ハ闕員アルトキハ會長ハ同種ノ資格ヲ有スル豫備委員ニ代理ヲ命ズ但シ同種ノ資格ヲ有スル豫備委員ニ代理ヲ命ズルコト能ハザル場合ニハ他ノ豫備委員ノ中ヨリ代理ヲ命ズ
第六條 委員會ハ會長及委員ヲ併セ六人以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
委員會ノ議事ハ出席委員ノ多數ニ依リ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ會長之ヲ決ス
第七條 第三條第二項第一號及第五號ノ委員竝ニ豫備委員ノ任期ハ三年トス
第八條 委員會ニ幹事ヲ置ク高等官ノ中ヨリ內閣總理大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ會長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第九條 委員會ニ書記ヲ置ク判任官ノ中ヨリ內閣ニ於テ之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第二章 文官普通分限委員會
第十條 文官普通分限委員會ハ左ノ各官廳ニ之ヲ置ク當該官廳ノ長官ノ監督ニ屬シ判任文官ニ關スル文官分限令第十一條第三項ノ諮問ニ應ジ意見ヲ答申ス
一 內閣
二 樞密院
三 各省
四 朝鮮總督府
五 臺灣總督府
六 關東廳
七 樺太廳
八 南洋廳
九 會計檢査院
十 行政裁判所
十一 警視廳
十二 北海道廳
十三 府縣
十四 朝鮮總督府道
十五 臺灣總督府州
十六 貴族院事務局
十七 衆議院事務局
前項ノ外各省大臣ニ於テ必要アリト認ムルトキハ其ノ所轄官廳ニ文官普通分限委員會ヲ置クコトヲ得
第十一條 委員會ハ會長一人委員五人ヲ以テ之ヲ組織ス
第十二條 會長ハ當該官廳ノ長官ヲ以テ之ニ充ツ但シ內閣ニ在リテハ法制局長官、樞密院ニ在リテハ書記官長、各省ニ在リテハ次官、朝鮮總督府ニ在リテハ政務總監、臺灣總督府ニ在リテハ總務長官、關東廳ニ在リテハ內務局長ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ當該官廳ノ長官之ヲ命ズ
一 當該官廳部內ノ高等官 二人
二 當該官廳部外ノ高等官 三人
特別ノ事情アル官廳ニ在リテハ當該官廳ノ長官ハ內閣總理大臣ノ認可ヲ受ケ前項第二號ノ委員ニ代ヘ當該官廳部內ノ高等官ヲ委員ニ命ズルコトヲ得
第十三條 委員會ニ豫備委員三人ヲ置ク
豫備委員ハ左ニ揭グル者ヲ以テ之ニ充ツ
當該官廳ノ長官之ヲ命ズ
一 當該官廳部內ノ高等官 一人
二 當該官廳部外ノ高等官 二人
前條第三項ノ規定ハ豫備委員ニ付之ヲ準用ス
第十四條 會長事故アルトキハ上席ノ委員其ノ職務ヲ代理ス
第五條第二項ノ規定ハ委員ノ代理ニ付之ヲ準用ス
第十五條 委員會ハ會長及委員ヲ併セ五人以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ
委員會ノ議事ハ出席委員ノ多數ニ依リ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ會長之ヲ決ス
第十六條 委員及豫備委員ノ任期ハ三年トス
第十七條 委員會ニ書記ヲ置ク會長所屬官廳ノ判任官ノ中ヨリ其ノ官廳ノ長官之ヲ命ズ
書記ハ會長ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第三章 手續
第十八條 文官分限令第十一條第三項ノ諮問ハ勅任文官ニ在リテハ內閣總理大臣、奏任文官ニ在リテハ本屬長官ノ申請ニ依リ內閣總理大臣、判任文官ニ在リテハ本屬長官之ヲ行フ
第十九條 會長、委員及豫備委員ハ自己又ハ其ノ親族ニ關スル事件ノ會議ニ參與スルコトヲ得ズ
第二十條 委員會ノ審查手續ハ委員會之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ文官分限委員会官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和七年九月二十二日
内閣総理大臣 子爵 斎藤実
勅令第二百五十四号
文官分限委員会官制
第一章 文官高等分限委員会
第一条 文官高等分限委員会ハ内閣総理大臣ノ監督ニ属シ高等文官ニ関スル文官分限令第十一条第三項ノ諮問ニ応ジ意見ヲ答申ス
第二条 委員会ハ会長一人委員七人ヲ以テ之ヲ組織ス
第三条 会長ハ内閣総理大臣ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 枢密顧問官 一人
二 大審院長タル判事
三 会計検査院長
四 行政裁判所長官
五 文官分限令ノ適用ヲ受クル勅任文官 三人
前項第一号及第五号ノ委員ハ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
第四条 委員会ニ予備委員六人ヲ置ク
予備委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 枢密顧問官 一人
二 大審院部長タル判事 一人
三 会計検査院部長 一人
四 部長タル行政裁判所評定官 一人
五 文官分限令ノ適用ヲ受クル勅任文官 二人
予備委員ハ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
第五条 会長事故アルトキハ上席ノ委員其ノ職務ヲ代理ス
委員中事故アルトキ又ハ闕員アルトキハ会長ハ同種ノ資格ヲ有スル予備委員ニ代理ヲ命ズ但シ同種ノ資格ヲ有スル予備委員ニ代理ヲ命ズルコト能ハザル場合ニハ他ノ予備委員ノ中ヨリ代理ヲ命ズ
第六条 委員会ハ会長及委員ヲ併セ六人以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ
委員会ノ議事ハ出席委員ノ多数ニ依リ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ会長之ヲ決ス
第七条 第三条第二項第一号及第五号ノ委員並ニ予備委員ノ任期ハ三年トス
第八条 委員会ニ幹事ヲ置ク高等官ノ中ヨリ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
幹事ハ会長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第九条 委員会ニ書記ヲ置ク判任官ノ中ヨリ内閣ニ於テ之ヲ命ズ
書記ハ上司ノ命ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第二章 文官普通分限委員会
第十条 文官普通分限委員会ハ左ノ各官庁ニ之ヲ置ク当該官庁ノ長官ノ監督ニ属シ判任文官ニ関スル文官分限令第十一条第三項ノ諮問ニ応ジ意見ヲ答申ス
一 内閣
二 枢密院
三 各省
四 朝鮮総督府
五 台湾総督府
六 関東庁
七 樺太庁
八 南洋庁
九 会計検査院
十 行政裁判所
十一 警視庁
十二 北海道庁
十三 府県
十四 朝鮮総督府道
十五 台湾総督府州
十六 貴族院事務局
十七 衆議院事務局
前項ノ外各省大臣ニ於テ必要アリト認ムルトキハ其ノ所轄官庁ニ文官普通分限委員会ヲ置クコトヲ得
第十一条 委員会ハ会長一人委員五人ヲ以テ之ヲ組織ス
第十二条 会長ハ当該官庁ノ長官ヲ以テ之ニ充ツ但シ内閣ニ在リテハ法制局長官、枢密院ニ在リテハ書記官長、各省ニ在リテハ次官、朝鮮総督府ニ在リテハ政務総監、台湾総督府ニ在リテハ総務長官、関東庁ニ在リテハ内務局長ヲ以テ之ニ充ツ
委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ当該官庁ノ長官之ヲ命ズ
一 当該官庁部内ノ高等官 二人
二 当該官庁部外ノ高等官 三人
特別ノ事情アル官庁ニ在リテハ当該官庁ノ長官ハ内閣総理大臣ノ認可ヲ受ケ前項第二号ノ委員ニ代ヘ当該官庁部内ノ高等官ヲ委員ニ命ズルコトヲ得
第十三条 委員会ニ予備委員三人ヲ置ク
予備委員ハ左ニ掲グル者ヲ以テ之ニ充ツ
当該官庁ノ長官之ヲ命ズ
一 当該官庁部内ノ高等官 一人
二 当該官庁部外ノ高等官 二人
前条第三項ノ規定ハ予備委員ニ付之ヲ準用ス
第十四条 会長事故アルトキハ上席ノ委員其ノ職務ヲ代理ス
第五条第二項ノ規定ハ委員ノ代理ニ付之ヲ準用ス
第十五条 委員会ハ会長及委員ヲ併セ五人以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ
委員会ノ議事ハ出席委員ノ多数ニ依リ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ会長之ヲ決ス
第十六条 委員及予備委員ノ任期ハ三年トス
第十七条 委員会ニ書記ヲ置ク会長所属官庁ノ判任官ノ中ヨリ其ノ官庁ノ長官之ヲ命ズ
書記ハ会長ノ命ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第三章 手続
第十八条 文官分限令第十一条第三項ノ諮問ハ勅任文官ニ在リテハ内閣総理大臣、奏任文官ニ在リテハ本属長官ノ申請ニ依リ内閣総理大臣、判任文官ニ在リテハ本属長官之ヲ行フ
第十九条 会長、委員及予備委員ハ自己又ハ其ノ親族ニ関スル事件ノ会議ニ参与スルコトヲ得ズ
第二十条 委員会ノ審査手続ハ委員会之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス