第一條 政府ハ銀行ニ對シ左ノ各號ノ一ニ該當スル銀行ノ損失ニ付千五百八十七萬圓ヲ限リ之ヲ補塡スルノ契約ヲ爲スコトヲ得
一 銀行ガ絲價安定融資補償法第一條ノ規定ニ依リ本法施行前ニ政府ト爲シタル損失補償ノ契約ニ基キ損失ノ補償ヲ受ケタル場合ニ於テ尙補償ヲ受ケザル損失アルトキハ其ノ損失
二 銀行ガ帝國蠶絲株式會社ニ對シ同社ガ絲價安定ノ爲昭和四年十一月ヨリ昭和五年六月迄ノ間ニ於テ行ヒタル生絲共同保管事業ノ資金トシテ生絲ヲ擔保トシテ爲シタル資金ノ融通ニ付受ケタル損失
前項第二號ノ損失ハ銀行ガ擔保トシテ受取リタル生絲ニ付債權ノ辨濟ヲ受ケ尙不足アルトキ其ノ不足分トス
第二條 政府ノ補塡スベキ額ハ損失補塡ノ契約ニ定ムル條件ニ從ヒ絲價安定融資補償法ニ依ル絲價安定融資補償審査會之ヲ決定ス
第三條 政府ガ銀行ニ對シテ交付スベキ損失補塡金ハ五分利附國債證券ヲ以テ之ヲ交付スルコトヲ得
第四條 政府ハ前條ノ規定ニ依リ交付スル爲必要ナル額ヲ限度トシ公債ヲ發行スルコトヲ得
第五條 本法ニ依リ交付スル國債證券ノ交付價格ハ時價ヲ參酌シテ主務大臣之ヲ定ム
第六條 絲價安定融資補償法第九條ノ規定ハ同法第一條ノ規定ニ依リ本法施行前銀行ガ政府ト爲シタル損失補償ノ契約ニ付テハ之ヲ適用セズ
第七條 損失ノ補塡ヲ受クルノ契約ヲ爲シタル銀行ガ本法ニ基キテ發スル命令又ハ損失補塡ノ契約ニ違反シタルトキハ政府ハ契約ヲ解除シ、損失ノ全部若ハ一部ニ付補塡ヲ爲サズ又ハ損失補塡金ノ全部若ハ一部ノ償還ヲ命ズルコトヲ得
第八條 本法ノ適用ニ付テハ產業組合中央金庫ハ之ヲ銀行ト看做ス