第一條 政府ハ內外ノ情勢ニ依リ資本ノ內外移動ヲ取締ル爲必要ト認ムルトキハ命令ヲ以テ外國通貨及外國爲替ノ賣買、外國ニ對スル送金、外國通貨ヲ以テスル預金取引及貸借、外國通貨表示ノ證券其ノ他ノ債權ノ賣買及輸入竝ニ外國居住者ニ對シ信用ヲ與フル行爲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第二條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前條ノ禁止又ハ制限ニ關係アル事項ニ付報吿ヲ徵シ又ハ帳簿其ノ他ノ檢査ヲ行フコトヲ得
第三條 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ外國通貨、外國爲替又ハ外國通貨表示ノ證券其ノ他ノ債權ヲ有スル者ニ對シ之ヲ日本銀行其ノ他政府ノ指定スル者ニ賣却スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第四條 本法ニ基キテ發スル命令ヲ以テ規定スル取引又ハ行爲ノ禁止又ハ制限ニ違反シタル者ハ三年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ一萬圓以下(若シ當該取引價額ノ三倍ガ一萬圓ヲ超ユルトキハ當該取引價額ノ三倍以下)ノ罰金ニ處ス
本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル外國通貨其ノ他ヲ賣却スベキ旨ノ政府ノ命ニ從ハザル者ハ一年以下ノ禁錮又ハ當該外國通貨其ノ他ノ價額ノ二倍以下ノ罰金ニ處ス
本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シ報吿ヲ爲サズ、虛僞ノ報吿ヲ爲シ又ハ帳簿其ノ他ノ檢査ヲ拒ミタル者ハ六月以下ノ禁錮又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五條 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シテ前條ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ亦前條ノ罰金刑ヲ科ス
第六條 本法ノ罰則ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表者、代理人、使用人其ノ他ノ從業者ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニモ之ヲ適用ス