第一條 左ノ各號ノ場合ニ於テ自己又ハ他人ノ生命、身體又ハ貞操ニ對スル現在ノ危險ヲ排除スル爲犯人ヲ殺傷シタルトキハ刑法第三十六條第一項ノ防衞行爲アリタルモノトス
二 兇器ヲ携帶シテ又ハ門戶牆壁等ヲ踰越損壞シ若ハ鎖鑰ヲ開キテ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入スル者ヲ防止セントスルトキ
三 故ナク人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ船舶ニ侵入シタル者又ハ要求ヲ受ケテ此等ノ場所ヨリ退去セザル者ヲ排斥セントスルトキ
前項各號ノ場合ニ於テ自己又ハ他人ノ生命、身體又ハ貞操ニ對スル現在ノ危險アルニ非ズト雖モ行爲者恐怖、驚愕、興奮又ハ狼狽ニ因リ現場ニ於テ犯人ヲ殺傷スルニ至リタルトキハ之ヲ罰セズ
第二條 常習トシテ左ノ各號ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五條、第二百三十六條、第二百三十八條若ハ第二百三十九條ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ對シ竊盜ヲ以テ論ズベキトキハ三年以上、强盜ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ處ス
三 門戶牆壁等ヲ踰越損壞シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ
四 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ
第三條 常習トシテ前條ニ揭ゲタル刑法各條ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行爲前十年內ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三囘以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ對シ刑ヲ科スベキトキハ前條ノ例ニ依ル
第四條 常習トシテ刑法第二百四十條前段ノ罪若ハ第二百四十一條前段ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ハ無期又ハ十年以上ノ懲役ニ處ス