家屋賃貸価格調査令
法令番号: 勅令第四百三號
公布年月日: 昭和4年12月29日
法令の形式: 勅令
朕家屋賃貸價格調查令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年十二月二十八日
內閣總理大臣 濱口雄幸
大藏大臣 井上準之助
內務大臣 安達謙藏
勅令第四百三號
家屋賃貸價格調查令
第一章 家屋稅調查委員
第一條 大正十五年法律第二十四號ニ規定スル家屋稅調查委員ハ第一次家屋稅調查委員、第二次家屋稅調查委員及臨時家屋稅調查委員トス
第二章 第一次家屋稅調查委員
第二條 第一次家屋稅調查委員(以下本章ニ於テ之ヲ調查委員ト稱ス)ハ各市町村ノ區域ニ之ヲ置キ市町村長及家屋稅調查員(以下本令ニ於テ之ヲ調查員ト稱ス)ヲ以テ之ヲ組織ス
調查員ハ市町村ノ區域ニ於テ其ノ被選擧權アル者ニ就キ選擧人之ヲ選擧ス
第二條 各市町村ノ區域ニ於ケル調查員ノ定數左ノ如シ
一 人口五千未滿ノ市町村 六人
二 人口五千以上一萬未滿ノ市町村 九人
三 人口一萬以上二萬未滿ノ市町村 十二人
四 人口二萬以上五萬未滿ノ市町村 十五人
五 人口五萬以上十萬未滿ノ市町村 十八人
六 人口十萬以上ノ市町村 二十人
人口十萬ヲ超ユル市町村ニ於テハ人口十萬、人口五十萬ヲ超ユル市町村ニ於テハ人口二十萬ヲ加フル每ニ調査員二人ヲ增加ス
調査員ノ定數ハ人口ニ增減アルモ總選擧ヲ行フ場合ニ非ザレバ之ヲ增減セズ
第四條 府縣知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ區劃ヲ定メテ投票分會ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票分會ヲ設ケタルトキハ府縣知事ハ直ニ其ノ區劃ヲ告示スベシ
第五條 調査員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第六條 市町村內ノ家屋ニ付家屋稅ヲ納ムル者ハ當該市町村ノ區域ニ於テ調査員ノ選擧權ヲ有ス但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一 破產者ニシテ復權ヲ得ザル者
二 租稅滯納處分中ノ者
三 六年ノ懲役若ハ禁錮以上ノ刑ニ處セラレ又ハ舊刑法ノ重罪ノ刑ニ處セラレタル者
四 六年未滿ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ處セラレ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者
第七條 市町村內ニ住所ヲ有シ且其ノ市町村ノ區域ニ於テ選擧權ヲ有スル年齡二十五年以上ノ者ハ當該市町村ノ區域ニ於テ調査員ノ被選擧權ヲ有ス但シ禁治產者及準禁治產者ハ此ノ限ニ在ラズ
第八條 調査員ニ缺員ヲ生ジタルトキハ第三十一條ノ例ニ依リ之ヲ補充スベキ當選者ヲ定ムベシ
前項ノ規定ニ依リ當選者ヲ定ムルモ仍缺員アル場合ニ於テ其ノ缺員ガ當該市町村ノ區域ニ於ケル調査員ノ定數ノ三分ノ一ヲ超ユルトキ又ハ府縣知事ニ於テ必要ト認ムルトキハ補缺選擧ヲ行フベシ
補缺調査員ハ前任者ノ殘任期間在任ス
第九條 市町村長ハ選擧期日前四十日目ヲ期トシ其ノ日ノ現在ニ依リ選擧人名簿ヲ調製スベシ
第十條 市町村長ハ選擧期日前二十日目ヲ期トシ其ノ日ヨリ七日間市役所、町村役場又ハ其ノ指定シタル場所ニ於テ選擧人名簿ヲ關係者ノ縱覽ニ供スベシ
縱覽ノ場所ハ縱覽開始ノ日前三日目迄ニ之ヲ告示スベシ
第十一條 選擧人名簿ニ關シ關係者ニ於テ異議アルトキハ縱覽期間內ニ之ヲ市町村長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ五日內ニ之ヲ決定シ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ直ニ之ヲ修正スベシ
市町村長前項ノ決定ヲ爲シタルトキハ直ニ申立人ニ理由ヲ附シタル決定書ヲ交付シ併セテ其ノ要領ヲ告示スベシ
第一項ノ決定ニ不服アル者ハ其ノ決定書ノ交付ヲ受ケタル者ニ在リテハ其ノ受ケタル日ヨリ、其ノ他ノ者ニ在リテハ告示アリタル日ヨリ十日內ニ府縣知事ニ訴願スルコトヲ得
第十二條 選擧人名簿ハ選擧期日ノ前三日目ヲ以テ確定ス
確定名簿ハ其ノ確定シタル日ヨリ一年內ニ於テ行フ選擧ニ之ヲ用フ
前條第三項ノ場合ニ於テ裁決アリタルニ依リ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ市町村長ハ直ニ之ヲ修正シ併セテ其ノ旨ヲ告示スベシ
第十三條 第十一條ノ場合ニ於テ決定確定シ又ハ裁決アリタルニ依リ選擧人名簿無效ト爲リタルトキハ更ニ名簿ヲ調製スベシ
天災事變等ノ爲必要アルトキハ更ニ名簿ヲ調製スベシ
前二項ノ規定ニ依ル名簿ノ調製、縱覽、確定及異議決定ニ關スル期日及期間ハ府縣知事ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ規定ニ依リ期日及期間ヲ定メタルトキハ府縣知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
名簿調製後ニ於テ選擧期日ヲ變更スルコトアルモ其ノ名簿ヲ用ヒ縱覽、確定及異議ノ決定ニ關スル期日及期間ハ前選擧期日ニ依リ之ヲ算定ス
投票分會ヲ設ケタル場合ニ於ケル選擧人ノ所屬及選擧人名簿ノ抄本ノ調製ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第十四條 府縣知事ハ選擧ノ期日前七日目迄ニ選擧ヲ行フベキ區域、投票ヲ行フベキ日時及選擧スベキ調査員ノ員數ヲ告示スベシ
天災事變等ノ爲投票ヲ行フコトヲ得ザルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ府縣知事ハ當該市町村ノ區域又ハ投票分會ノ區劃ニ付投票ヲ行フベキ日時ヲ定メ投票ノ期日前七日目迄ニ之ヲ告示スベシ
第十五條 市町村長ハ選擧ノ期日前五日目迄ニ選擧會場(投票分會場ヲ含ム以下之ニ同ジ)ヲ告示スベシ
第十六條 市町村長ハ選擧長ト爲リ選擧會ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
市町村長ハ選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ニシテ被選擧權ヲ有スル者ノ中ヨリ二人ノ選擧立會人ヲ選任スベシ
投票分會ニ於テハ市町村長ノ指定シタル吏員投票分會長ト爲リ之ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
市町村長ハ投票分會ニ於テ投票スベキ選擧人ニシテ被選擧權ヲ有スル者ノ中ヨリ二人ノ投票立會人ヲ選任スベシ
第十七條 選擧ハ無記名投票ヲ以テ之ヲ行フ
投票ハ一市町村ノ區域ニ付テハ一人一票ニ限ル
選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ選擧會場ニ到リ選擧人名簿又ハ其ノ抄本ノ對照ヲ經テ投票ヲ爲スベシ
投票時間內ニ選擧會場ニ入リタル選擧人ハ其ノ時間ヲ過グルモ投票ヲ爲スコトヲ得
選擧人ハ選擧會場ニ於テ投票用紙ニ自ラ被選擧人一人ノ氏名ヲ記載シテ投函スベシ
自ラ被選擧人ノ氏名ヲ書スルコト能ハザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ
投票用紙ハ府縣知事ノ定ムル所ニ依リ一定ノ式ヲ用フベシ
投票分會ニ於テ爲シタル投票ハ投票分會長少クトモ一人ノ投票立會人ト共ニ投票函ノ儘之ヲ選擧長ニ送致スベシ
第十八條 確定名簿ニ登錄セラレザル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ但シ選擧人名簿ニ登錄セラルベキ確定決定書又ハ裁決書ヲ所持シ選擧ノ當日選擧會場ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラズ
確定名簿ニ登錄セラレタル者選擧人名簿ニ登錄セラルルコトヲ得ザル者ナルトキハ投票ヲ爲スコトヲ得ズ選擧ノ當日選擧權ヲ有セザル者ナルトキ亦同ジ
第十九條 投票ノ拒否ハ選擧立會人又ハ投票立會人之ヲ決定ス可否同數ナルトキハ選擧長又ハ投票分會長之ヲ決スベシ
投票分會ニ於テ投票拒否ノ決定ヲ受ケタル選擧人不服アルトキハ投票分會長ハ假ニ投票ヲ爲サシムベシ
前項ノ投票ハ選擧人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムベシ
第二十條 第三十五條ノ選擧及補缺選擧ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選擧ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第二十一條 市町村長ハ豫メ開票ノ日時ヲ告示スベシ
第二十二條 選擧長ハ投票ノ日又ハ其ノ翌日(投票分會ヲ設ケタルトキハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日)選擧立會人立會ノ上投票函ヲ開キ投票ノ總數ト投票人ノ總數トヲ計算スベシ
前項ノ計算終リタルトキハ選擧長ハ先ヅ第十九條第二項ノ投票ヲ調査スベシ其ノ投票ノ受理如何ハ選擧立會人之ヲ決定ス可否同數ナルトキハ選擧長之ヲ決スベシ
選擧長ハ選擧立會人ト共ニ投票ヲ點檢スベシ
天災事變等ノ爲開票ヲ行フコト能ハザルトキハ市町村長ハ更ニ開票ノ日時ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テ選擧會場ノ變更ヲ要スルトキハ豫メ更ニ其ノ場所ヲ告示スベシ
第二十三條 選擧人ハ其ノ選擧會ノ參觀ヲ求ムルコトヲ得但シ開票開始前ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條 府縣知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ區劃ヲ定メテ開票分會ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票分會ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第二十五條 左ノ投票ハ之ヲ無效トス
一 成規ノ用紙ヲ用ヒザルモノ
二 現ニ調査員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
三 一投票中二人以上ノ被選擧人ノ氏名ヲ記載シタルモノ
四 被選擧人ノ何人タルカヲ認メ難キモノ
五 被選擧權ナキ者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
六 被選擧人ノ氏名ノ外他事ヲ記入シタルモノ但シ爵位、職業、身分、住所又ハ敬稱ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラズ
七 被選擧人ノ氏名ヲ自書セザルモノ
第二十六條 投票ノ效力ハ選擧立會人之ヲ決定ス可否同數ナルトキハ選擧長之ヲ決スベシ
第二十七條 調査員ノ選擧ハ有效投票ノ最多數ヲ得タル者ヲ以テ當選者トス得票ノ數同ジキトキハ年長者ヲ取リ年齡同ジキトキハ選擧長抽籤シテ之ヲ定ムベシ
第二十八條 當選者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ當選ヲ失フ
第二十九條 選擧長ハ選擧錄ヲ作リ選擧會ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ選擧立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分會長ハ投票錄ヲ作リ投票ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ投票立會人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分會長ハ投票函ト同時ニ投票錄ヲ選擧長ニ送致スベシ
選擧錄及投票錄ハ投票、選擧人名簿其ノ他ノ關係書類ト共ニ調査員ノ任期間市町村長ニ於テ之ヲ保存スベシ
第三十條 當選者定マリタルトキハ市町村長ハ直ニ當選者ニ當選ノ旨ヲ告知シ同時ニ當選者ノ住所氏名ヲ告示スベシ當選者ナキトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於テ選擧スベキ調査員ノ員數ニ達セザルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府縣知事ニ報告スベシ
當選者當選ノ告知ヲ受ケタルトキハ十日內ニ其ノ當選ヲ承諾スルヤ否ヲ市町村長ニ申立ツベシ
當選者前項ノ申立ヲ其ノ期間內ニ爲サザルトキハ當選ヲ辭シタルモノト看做ス
市町村長第二項ノ規定ニ依ル申立ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ府縣知事ニ報告スベシ
當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於テ選擧スベキ調査員ノ員數ニ達セザルニ至リタルトキハ市町村長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府縣知事ニ報告スベシ
第三十一條 當選者左ニ揭グル事由ノ一ニ該當スル場合ニ於テ他ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラザリシ者アルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムベシ
一 當選ヲ辭シタルトキ又ハ死亡者ナルトキ
二 第二十八條ノ規定ニ依リ當選ヲ失ヒタルトキ
三 第三十四條ノ規定ニ依ル異議申立又ハ訴願ノ結果當選無效ト爲リタルトキ
前項ノ場合ニ於テ當選者ト爲ラザリシ者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セザルニ至リタルトキハ之ヲ當選者ト定ムルコトヲ得ズ
第一項ノ場合ニ於テハ市町村長ハ豫メ選擧會ノ場所及日時ヲ告示スベシ
第三十二條 當選者當選ヲ承諾シタルトキハ府縣知事ハ直ニ當選證書ヲ付與シ併セテ其ノ住所氏名ヲ告示スベシ
第三十三條 選擧ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選擧ノ結果ニ異動ヲ生ズルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選擧ノ全部又ハ一部ヲ無效トス但シ當選ニ異動ヲ生ズルノ虞ナキ者ヲ區分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ當選ヲ失フコトナシ
第三十四條 選擧人選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ選擧ニ關シテハ選擧ノ日ヨリ、當選ニ關シテハ第三十條第一項又ハ第五項ノ告示ノ日ヨリ七日內ニ之ヲ市町村長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ十四日內ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ決定ニ關シテハ第十一條第二項及第三項ノ規定ヲ準用ス
第八條第二項又ハ第三十五條ノ選擧ハ之ニ關係アル選擧又ハ當選ニ關スル異議申立期間、異議ノ決定確定セザル間又ハ訴願ノ裁決アル迄ハ之ヲ行フコトヲ得ズ
選擧又ハ當選ニ關スル異議ノ決定確定シ又ハ訴願ノ裁決アル迄ハ調査員ハ會議ニ列席シ議事ニ參與スルノ權ヲ失ハズ
第三十五條 選擧無效ト確定シタルトキ、當選者ナキトキ又ハ當選者ナキニ至リタルトキハ更ニ選擧ヲ行フベシ當選者其ノ選擧ニ於テ選擧スベキ調査員ノ員數ニ達セザルトキ又ハ員數ニ達セザルニ至リタルトキ其ノ不足ノ員數ニ付亦同ジ
第三十六條 調査員被選擧權ヲ有セザル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選擧權ノ有無ハ市町村長之ヲ決定ス
市町村長前項ノ決定ヲ爲シタルトキハ直ニ本人ニ理由ヲ附シタル決定書ヲ交付スベシ
第一項ノ決定ヲ受ケタル者不服アルトキハ其ノ決定書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ十日內ニ府縣知事ニ訴願スルコトヲ得
第三十四條第四項ノ規定ハ第一項及前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十七條 調査委員ハ市町村內ノ家屋ノ賃貸價格ヲ調査ス
調査委員ハ其ノ調査員中ヨリ第二次家屋稅調査委員ヲ組織スベキ者ヲ選擧スベシ
前項ノ規定ニ依リ選擧スベキ調査員ノ定數ハ人口十萬以上ノ市町村ノ區域ニ於ケル調査委員ニ在リテハ三人、人口二萬以上ノ市町村ノ區域ニ於ケル調査委員ニ在リテハ二人、其ノ他ノ調査委員ニ在リテハ一人トス
前項ノ定數ハ人口ニ增減アルモ第一次家屋稅調査委員ヲ組織スベキ調査員ノ定數ヲ變更スル場合ニ非ザレバ之ヲ增減セズ
第一項ノ規定ニ依リ第二次家屋稅調査委員ヲ組織スベキ者ヲ選擧シタルトキハ議長ハ直ニ其ノ氏名ヲ府縣知事ニ報告スベシ
第三十八條 調査委員ハ市町村長ヲ以テ議長トス
第三十九條 調査委員ノ會議ハ府縣知事之ヲ招集ス
招集及會議ノ事件ハ開會ノ日前三日目迄ニ府縣知事市町村長ヲシテ之ヲ告知セシムベシ
調査委員ノ會議ハ市町村長之ヲ開閉ス
調査委員ノ會議ノ開會日數ハ府縣知事之ヲ定ム
第四十條 調査委員ハ調査員定數ノ半數以上出席スルニ非ザレバ會議ヲ開クコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再囘ニ至ルモ仍半數ニ滿タザルトキ又ハ招集ニ應ズルモ出席調査員定數ヲ缺キ議長ニ於テ出席ヲ催告シ仍半數ニ滿タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四十一條 調査委員ノ議事ハ調査員ノ過半數ヲ以テ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
議長ハ其ノ職務ヲ行フ場合ニ於テモ之ガ爲調査員トシテ議決ニ加ハルノ權ヲ失ハズ
第四十二條 第三十七條第二項ノ規定ニ依リ調査委員ニ於テ行フ選擧ニ付テハ第十七條、第二十五條及第二十七條ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ效力ニ關シ異議アルトキハ調査委員之ヲ決定ス
前項ノ選擧ニ付テハ調査委員ハ調査員ニ於テ異議ナキ場合ニ限リ指名推選ノ法ヲ用ヒ全員ノ同意ヲ得タル被指名者ヲ以テ當選者ト定ムルコトヲ得
第四十三條 議長ハ會議ヲ總理シ會議ノ順序ヲ定メ其ノ日ノ會議ヲ開閉シ議場ノ秩序ヲ保持ス
第四十四條 調査委員ニ書記ヲ置キ議長之ヲ任免ス
書記ハ議長ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第四十五條 議長ハ書記ヲシテ會議錄ヲ調製シ會議ノ顚末及出席者ノ氏名ヲ記載セシムベシ
會議錄ハ議長及調査員二人以上之ニ署名スルコトヲ要ス其ノ調査員ハ調査委員ニ於テ之ヲ定ムベシ
議長ハ會議錄ノ寫ヲ添ヘ會議ノ結果ヲ府縣知事ニ報告スベシ
第四十六條 市町村長ハ市町村內ノ家屋ノ賃貸價格ニ關スル下調書ヲ調製シ之ヲ調査委員ニ提出スベシ
前項ノ下調書ノ提出アリタルトキハ調査委員ハ家屋ノ賃貸價格ヲ調査シ其ノ調査書ヲ作製シ直ニ第二次家屋稅調査委員ニ之ヲ送付スベシ但シ大正十五年勅令第三百三十九號第三條第一項及第二項ノ家屋ノ賃貸價格ニ關スル調査書ハ調査委員ノ會議ノ閉會後十日內ニ府縣知事ニ對シ之ヲ送付スベシ
第三章 第二次家屋稅調査委員
第四十七條 第二次家屋稅調査委員(以下本章ニ於テ之ヲ調査委員ト稱ス)ハ數市町村ノ區域ヲ合セタル區域ニ之ヲ置キ府縣知事ノ指定シタル官吏又ハ吏員一人及第一次家屋稅調査委員ニ於テ選擧シタル調査員ヲ以テ之ヲ組織ス
前項ノ區域ハ府縣知事之ヲ定ム
第四十八條 調査委員ハ其ノ區域內ノ家屋(大正十五年勅令第三百三十九號第三條第一項及第二項ノ家屋ヲ除ク)ノ賃貸價格ヲ調査ス
第四十九條 調査委員ハ第四十七條第一項ノ規定ニ依リ府縣知事ノ指定シタル官吏又ハ吏員ヲ以テ議長トス
第五十條 調査委員ノ會議ハ府縣知事之ヲ招集ス
招集及會議ノ事件ハ開會ノ日前十日目迄ニ府縣知事之ヲ告示スベシ
調査委員ノ會議ハ府縣知事之ヲ開閉ス
調査委員ノ會議ノ開會日數ハ府縣知事之ヲ定ム
第五十一條 第四十條、第四十一條及第四十三條乃至第四十五條ノ規定ハ調査委員ニ之ヲ準用ス
第五十二條 第四十六條第二項ノ規定ニ依ル調査書ノ送付ナキトキハ調査委員ハ市町村長ニ同條第一項ノ下調書(大正十五年勅令第三百三十九號第三條第一項及第二項ノ家屋ニ關スルモノヲ除ク)ノ送付ヲ求ムベシ
第四章 家屋ノ賃貸價格ノ決定
第五十三條 府縣知事ハ第二次家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ家屋ノ賃貸價格ヲ決定スベシ但シ第二次家屋稅調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不當ナリト認ムルトキハ府縣知事ハ其ノ指定シタル官吏又ハ吏員三人乃至五人ヲ以テ組織シタル臨時家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
臨時家屋稅調査委員ノ調査ノ方法ニ關シテハ府縣知事ノ定ムル所ニ依ル
第五十四條 大正十五年勅令第三百三十九號第三條第一項及第二項ノ家屋ノ賃貸價格ニ付テハ前條ノ規定ニ拘ラズ第一次家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ府縣知事之ヲ決定スベシ但シ第一次家屋稅調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不當ナリト認ムルトキハ府縣知事ハ其ノ指定シタル官吏又ハ吏員三人乃至五人ヲ以テ組織シタル臨時家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
第五章 補則
第五十五條 市町村ノ廢置分合又ハ境界變更アリタル場合ニ於テ府縣知事必要ト認ムルトキハ次ノ總選擧ニ至ル迄ノ間第三條第三項ノ規定ニ拘ラズ市町村ノ區域ニ於ケル調査員ノ定數ヲ增減スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ選擧人名簿竝ニ調査員及第二次家屋稅調査委員ヲ組織スベキ調査員ノ選擧、解任等ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第五十六條 第三條第一項及第二項竝ニ第三十七條第三項ノ人口ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第五十七條 法人タル選擧人ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ代人ヲ以テ投票ヲ行フ此ノ場合ニ於テハ第十七條第三項乃至第六項、第十九條第二項及第三項竝ニ第二十三條ノ規定ハ其ノ代人ニ之ヲ適用ス
禁治產者、準禁治產者及未成年者タル選擧人ニ關シテハ前項ノ規定ヲ準用ス
第五十八條 市制第六條及第八十二條第三項ノ市ニ於テハ本令中市ニ關スル規定ハ區ニ、市長ニ關スル規定ハ區長ニ、市役所ニ關スル規定ハ區役所ニ之ヲ適用ス
第五十九條 府縣知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ第二條ノ規定ニ拘ラズ市ノ區域ヲ數區域ニ分チ其ノ區域每ニ第一次家屋稅調査委員ヲ置クコトヲ得此ノ場合ニ關シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第二條、第三條第一項及第二項、第六條、第七條、第八條第二項、第十四條第二項、第十七條第二項、第三十七條第一項及第三項、第四十六條第一項、第四十七條第一項竝ニ第五十五條ノ規定ノ適用ニ關シテハ市町村又ハ市町村ノ區域トアルハ市ノ區域ヲ分チタル區域トス
二 選擧人名簿ハ市ノ區域ヲ分チタル區域每ニ之ヲ調製スベシ
三 選擧長ハ府縣知事ノ指定シタル市吏員トシ第二十一條、第二十二條第四項、第三十條第一項第二項第四項及第五項竝ニ第三十一條第三項ノ規定ニ依ル市長ノ職務ハ選擧長之ヲ行フ
四 第二條及第三十八條ノ規定ノ適用ニ關シテハ市町村長トアルハ府縣知事ノ指定シタル市吏員トス
第六十條 府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ市制第六條若ハ第八十二條第三項ノ市又ハ前條ノ規定ニ依リ其ノ區域ヲ數區域ニ分タレタル市ナル場合ニ於テハ其ノ市ニ關シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第三十條第一項第四項及第五項、第三十七條第五項、第四十五條第三項、第四十六條第二項但書竝ニ第五十一條ノ規定ニ依ル報告又ハ送付ハ市長ニ對シ之ヲ爲スベシ
二 第四條、第八條第二項、第十三條第三項及第四項、第十四條、第十七條第七項、第二十四條第一項、第三十二條、第三十九條第一項第二項及第四項、第四十七條、第五十條、第五十三條、第五十四條、第五十五條第一項竝ニ前條ノ規定ニ依ル府縣知事ノ職務ハ市長之ヲ行フ
第六十一條 府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ前條ノ市以外ノ市ナル場合ニ於テハ其ノ市ニ關シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第三十條第一項第四項及第五項ノ規定ニ依ル報告ハ之ヲ爲スコトヲ要セズ
二 第四十五條第三項及第四十六條第二項ノ規定ニ依ル報告又ハ送付ハ市長ニ對シ之ヲ爲スベシ
三 第四條、第八條第二項、第十三條第三項及第四項、第十四條、第十七條第七項、第二十四條第一項、第三十二條、第三十九條第一項第二項及第四項竝ニ第五十五條第一項ノ規定ニ依ル府縣知事ノ職務ハ市長之ヲ行フ
四 第三十七條第二項乃至第五項竝ニ第四十七條乃至第五十四條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
前項ノ場合ニ於テハ市長ハ第一次家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ家屋ノ賃貸價格ヲ決定スベシ但シ第一次家屋稅調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不當ナリト認ムルトキハ市長ハ其ノ指定シタル吏員三人ヲ以テ組織シタル臨時家屋稅調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
第六十二條 府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ府縣費ノ全部ノ分賦ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テハ其ノ市ノ家屋稅ノ調査員ハ之ヲ府縣ノ家屋稅ノ調査員トス
前項ノ調査員ハ府縣ノ總選擧ニ依リ選擧セラレタル調査員ノ任期滿了ノ日迄在任ス
第一項ノ場合ニ於テ第六十條ノ規定ニ依リ市長ノ分チタル區域ハ之ヲ第五十九條ノ規定ニ依リ府縣知事ノ分チタル區域ト看做ス
第六十三條 北海道ニ於テハ本令中府縣又ハ府縣知事ニ關スル規定ハ北海道又ハ北海道廳長官ニ、町村町村長又ハ町村役場ニ關スル規定ハ町村町村長又ハ町村役場ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
第六十四條 町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同處理スルモノハ本令ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村、其ノ組合管理者ハ之ヲ町村長、其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看做ス
第六十五條 交通至難ノ島嶼其ノ他ノ地ニ於テ本令ヲ適用シ難キ事項ニ付テハ府縣知事ハ主務大臣ノ許可ヲ受ケ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕家屋賃貸価格調査令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年十二月二十八日
内閣総理大臣 浜口雄幸
大蔵大臣 井上準之助
内務大臣 安達謙蔵
勅令第四百三号
家屋賃貸価格調査令
第一章 家屋税調査委員
第一条 大正十五年法律第二十四号ニ規定スル家屋税調査委員ハ第一次家屋税調査委員、第二次家屋税調査委員及臨時家屋税調査委員トス
第二章 第一次家屋税調査委員
第二条 第一次家屋税調査委員(以下本章ニ於テ之ヲ調査委員ト称ス)ハ各市町村ノ区域ニ之ヲ置キ市町村長及家屋税調査員(以下本令ニ於テ之ヲ調査員ト称ス)ヲ以テ之ヲ組織ス
調査員ハ市町村ノ区域ニ於テ其ノ被選挙権アル者ニ就キ選挙人之ヲ選挙ス
第二条 各市町村ノ区域ニ於ケル調査員ノ定数左ノ如シ
一 人口五千未満ノ市町村 六人
二 人口五千以上一万未満ノ市町村 九人
三 人口一万以上二万未満ノ市町村 十二人
四 人口二万以上五万未満ノ市町村 十五人
五 人口五万以上十万未満ノ市町村 十八人
六 人口十万以上ノ市町村 二十人
人口十万ヲ超ユル市町村ニ於テハ人口十万、人口五十万ヲ超ユル市町村ニ於テハ人口二十万ヲ加フル毎ニ調査員二人ヲ増加ス
調査員ノ定数ハ人口ニ増減アルモ総選挙ヲ行フ場合ニ非ザレバ之ヲ増減セズ
第四条 府県知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ区画ヲ定メテ投票分会ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票分会ヲ設ケタルトキハ府県知事ハ直ニ其ノ区画ヲ告示スベシ
第五条 調査員ノ任期ハ四年トシ総選挙ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第六条 市町村内ノ家屋ニ付家屋税ヲ納ムル者ハ当該市町村ノ区域ニ於テ調査員ノ選挙権ヲ有ス但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラズ
一 破産者ニシテ復権ヲ得ザル者
二 租税滞納処分中ノ者
三 六年ノ懲役若ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレ又ハ旧刑法ノ重罪ノ刑ニ処セラレタル者
四 六年未満ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者
第七条 市町村内ニ住所ヲ有シ且其ノ市町村ノ区域ニ於テ選挙権ヲ有スル年齢二十五年以上ノ者ハ当該市町村ノ区域ニ於テ調査員ノ被選挙権ヲ有ス但シ禁治産者及準禁治産者ハ此ノ限ニ在ラズ
第八条 調査員ニ欠員ヲ生ジタルトキハ第三十一条ノ例ニ依リ之ヲ補充スベキ当選者ヲ定ムベシ
前項ノ規定ニ依リ当選者ヲ定ムルモ仍欠員アル場合ニ於テ其ノ欠員ガ当該市町村ノ区域ニ於ケル調査員ノ定数ノ三分ノ一ヲ超ユルトキ又ハ府県知事ニ於テ必要ト認ムルトキハ補欠選挙ヲ行フベシ
補欠調査員ハ前任者ノ残任期間在任ス
第九条 市町村長ハ選挙期日前四十日目ヲ期トシ其ノ日ノ現在ニ依リ選挙人名簿ヲ調製スベシ
第十条 市町村長ハ選挙期日前二十日目ヲ期トシ其ノ日ヨリ七日間市役所、町村役場又ハ其ノ指定シタル場所ニ於テ選挙人名簿ヲ関係者ノ縦覧ニ供スベシ
縦覧ノ場所ハ縦覧開始ノ日前三日目迄ニ之ヲ告示スベシ
第十一条 選挙人名簿ニ関シ関係者ニ於テ異議アルトキハ縦覧期間内ニ之ヲ市町村長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ五日内ニ之ヲ決定シ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ直ニ之ヲ修正スベシ
市町村長前項ノ決定ヲ為シタルトキハ直ニ申立人ニ理由ヲ附シタル決定書ヲ交付シ併セテ其ノ要領ヲ告示スベシ
第一項ノ決定ニ不服アル者ハ其ノ決定書ノ交付ヲ受ケタル者ニ在リテハ其ノ受ケタル日ヨリ、其ノ他ノ者ニ在リテハ告示アリタル日ヨリ十日内ニ府県知事ニ訴願スルコトヲ得
第十二条 選挙人名簿ハ選挙期日ノ前三日目ヲ以テ確定ス
確定名簿ハ其ノ確定シタル日ヨリ一年内ニ於テ行フ選挙ニ之ヲ用フ
前条第三項ノ場合ニ於テ裁決アリタルニ依リ名簿ノ修正ヲ要スルトキハ市町村長ハ直ニ之ヲ修正シ併セテ其ノ旨ヲ告示スベシ
第十三条 第十一条ノ場合ニ於テ決定確定シ又ハ裁決アリタルニ依リ選挙人名簿無効ト為リタルトキハ更ニ名簿ヲ調製スベシ
天災事変等ノ為必要アルトキハ更ニ名簿ヲ調製スベシ
前二項ノ規定ニ依ル名簿ノ調製、縦覧、確定及異議決定ニ関スル期日及期間ハ府県知事ノ定ムル所ニ依ル
前項ノ規定ニ依リ期日及期間ヲ定メタルトキハ府県知事ハ直ニ之ヲ告示スベシ
名簿調製後ニ於テ選挙期日ヲ変更スルコトアルモ其ノ名簿ヲ用ヒ縦覧、確定及異議ノ決定ニ関スル期日及期間ハ前選挙期日ニ依リ之ヲ算定ス
投票分会ヲ設ケタル場合ニ於ケル選挙人ノ所属及選挙人名簿ノ抄本ノ調製ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第十四条 府県知事ハ選挙ノ期日前七日目迄ニ選挙ヲ行フベキ区域、投票ヲ行フベキ日時及選挙スベキ調査員ノ員数ヲ告示スベシ
天災事変等ノ為投票ヲ行フコトヲ得ザルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ府県知事ハ当該市町村ノ区域又ハ投票分会ノ区画ニ付投票ヲ行フベキ日時ヲ定メ投票ノ期日前七日目迄ニ之ヲ告示スベシ
第十五条 市町村長ハ選挙ノ期日前五日目迄ニ選挙会場(投票分会場ヲ含ム以下之ニ同ジ)ヲ告示スベシ
第十六条 市町村長ハ選挙長ト為リ選挙会ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
市町村長ハ選挙人名簿ニ登録セラレタル者ニシテ被選挙権ヲ有スル者ノ中ヨリ二人ノ選挙立会人ヲ選任スベシ
投票分会ニ於テハ市町村長ノ指定シタル吏員投票分会長ト為リ之ヲ開閉シ其ノ取締ニ任ズ
市町村長ハ投票分会ニ於テ投票スベキ選挙人ニシテ被選挙権ヲ有スル者ノ中ヨリ二人ノ投票立会人ヲ選任スベシ
第十七条 選挙ハ無記名投票ヲ以テ之ヲ行フ
投票ハ一市町村ノ区域ニ付テハ一人一票ニ限ル
選挙人ハ選挙ノ当日投票時間内ニ自ラ選挙会場ニ到リ選挙人名簿又ハ其ノ抄本ノ対照ヲ経テ投票ヲ為スベシ
投票時間内ニ選挙会場ニ入リタル選挙人ハ其ノ時間ヲ過グルモ投票ヲ為スコトヲ得
選挙人ハ選挙会場ニ於テ投票用紙ニ自ラ被選挙人一人ノ氏名ヲ記載シテ投函スベシ
自ラ被選挙人ノ氏名ヲ書スルコト能ハザル者ハ投票ヲ為スコトヲ得ズ
投票用紙ハ府県知事ノ定ムル所ニ依リ一定ノ式ヲ用フベシ
投票分会ニ於テ為シタル投票ハ投票分会長少クトモ一人ノ投票立会人ト共ニ投票函ノ儘之ヲ選挙長ニ送致スベシ
第十八条 確定名簿ニ登録セラレザル者ハ投票ヲ為スコトヲ得ズ但シ選挙人名簿ニ登録セラルベキ確定決定書又ハ裁決書ヲ所持シ選挙ノ当日選挙会場ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラズ
確定名簿ニ登録セラレタル者選挙人名簿ニ登録セラルルコトヲ得ザル者ナルトキハ投票ヲ為スコトヲ得ズ選挙ノ当日選挙権ヲ有セザル者ナルトキ亦同ジ
第十九条 投票ノ拒否ハ選挙立会人又ハ投票立会人之ヲ決定ス可否同数ナルトキハ選挙長又ハ投票分会長之ヲ決スベシ
投票分会ニ於テ投票拒否ノ決定ヲ受ケタル選挙人不服アルトキハ投票分会長ハ仮ニ投票ヲ為サシムベシ
前項ノ投票ハ選挙人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムベシ
第二十条 第三十五条ノ選挙及補欠選挙ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選挙ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第二十一条 市町村長ハ予メ開票ノ日時ヲ告示スベシ
第二十二条 選挙長ハ投票ノ日又ハ其ノ翌日(投票分会ヲ設ケタルトキハ総テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日又ハ其ノ翌日)選挙立会人立会ノ上投票函ヲ開キ投票ノ総数ト投票人ノ総数トヲ計算スベシ
前項ノ計算終リタルトキハ選挙長ハ先ヅ第十九条第二項ノ投票ヲ調査スベシ其ノ投票ノ受理如何ハ選挙立会人之ヲ決定ス可否同数ナルトキハ選挙長之ヲ決スベシ
選挙長ハ選挙立会人ト共ニ投票ヲ点検スベシ
天災事変等ノ為開票ヲ行フコト能ハザルトキハ市町村長ハ更ニ開票ノ日時ヲ定ムベシ此ノ場合ニ於テ選挙会場ノ変更ヲ要スルトキハ予メ更ニ其ノ場所ヲ告示スベシ
第二十三条 選挙人ハ其ノ選挙会ノ参観ヲ求ムルコトヲ得但シ開票開始前ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四条 府県知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ区画ヲ定メテ開票分会ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票分会ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第二十五条 左ノ投票ハ之ヲ無効トス
一 成規ノ用紙ヲ用ヒザルモノ
二 現ニ調査員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
三 一投票中二人以上ノ被選挙人ノ氏名ヲ記載シタルモノ
四 被選挙人ノ何人タルカヲ認メ難キモノ
五 被選挙権ナキ者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
六 被選挙人ノ氏名ノ外他事ヲ記入シタルモノ但シ爵位、職業、身分、住所又ハ敬称ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラズ
七 被選挙人ノ氏名ヲ自書セザルモノ
第二十六条 投票ノ効力ハ選挙立会人之ヲ決定ス可否同数ナルトキハ選挙長之ヲ決スベシ
第二十七条 調査員ノ選挙ハ有効投票ノ最多数ヲ得タル者ヲ以テ当選者トス得票ノ数同ジキトキハ年長者ヲ取リ年齢同ジキトキハ選挙長抽籤シテ之ヲ定ムベシ
第二十八条 当選者選挙ノ期日後ニ於テ被選挙権ヲ有セザルニ至リタルトキハ当選ヲ失フ
第二十九条 選挙長ハ選挙録ヲ作リ選挙会ニ関スル顛末ヲ記載シ之ヲ朗読シ選挙立会人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分会長ハ投票録ヲ作リ投票ニ関スル顛末ヲ記載シ之ヲ朗読シ投票立会人ト共ニ之ニ署名スベシ
投票分会長ハ投票函ト同時ニ投票録ヲ選挙長ニ送致スベシ
選挙録及投票録ハ投票、選挙人名簿其ノ他ノ関係書類ト共ニ調査員ノ任期間市町村長ニ於テ之ヲ保存スベシ
第三十条 当選者定マリタルトキハ市町村長ハ直ニ当選者ニ当選ノ旨ヲ告知シ同時ニ当選者ノ住所氏名ヲ告示スベシ当選者ナキトキ又ハ当選者其ノ選挙ニ於テ選挙スベキ調査員ノ員数ニ達セザルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府県知事ニ報告スベシ
当選者当選ノ告知ヲ受ケタルトキハ十日内ニ其ノ当選ヲ承諾スルヤ否ヲ市町村長ニ申立ツベシ
当選者前項ノ申立ヲ其ノ期間内ニ為サザルトキハ当選ヲ辞シタルモノト看做ス
市町村長第二項ノ規定ニ依ル申立ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ府県知事ニ報告スベシ
当選者ナキニ至リタルトキ又ハ当選者其ノ選挙ニ於テ選挙スベキ調査員ノ員数ニ達セザルニ至リタルトキハ市町村長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ併セテ之ヲ府県知事ニ報告スベシ
第三十一条 当選者左ニ掲グル事由ノ一ニ該当スル場合ニ於テ他ノ得票者ニシテ当選者ト為ラザリシ者アルトキハ直ニ選挙会ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ当選者ヲ定ムベシ
一 当選ヲ辞シタルトキ又ハ死亡者ナルトキ
二 第二十八条ノ規定ニ依リ当選ヲ失ヒタルトキ
三 第三十四条ノ規定ニ依ル異議申立又ハ訴願ノ結果当選無効ト為リタルトキ
前項ノ場合ニ於テ当選者ト為ラザリシ者選挙ノ期日後ニ於テ被選挙権ヲ有セザルニ至リタルトキハ之ヲ当選者ト定ムルコトヲ得ズ
第一項ノ場合ニ於テハ市町村長ハ予メ選挙会ノ場所及日時ヲ告示スベシ
第三十二条 当選者当選ヲ承諾シタルトキハ府県知事ハ直ニ当選証書ヲ付与シ併セテ其ノ住所氏名ヲ告示スベシ
第三十三条 選挙ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選挙ノ結果ニ異動ヲ生ズルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選挙ノ全部又ハ一部ヲ無効トス但シ当選ニ異動ヲ生ズルノ虞ナキ者ヲ区分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ当選ヲ失フコトナシ
第三十四条 選挙人選挙又ハ当選ノ効力ニ関シ異議アルトキハ選挙ニ関シテハ選挙ノ日ヨリ、当選ニ関シテハ第三十条第一項又ハ第五項ノ告示ノ日ヨリ七日内ニ之ヲ市町村長ニ申立ツルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ市町村長ハ其ノ申立ヲ受ケタル日ヨリ十四日内ニ之ヲ決定スベシ
前項ノ決定ニ関シテハ第十一条第二項及第三項ノ規定ヲ準用ス
第八条第二項又ハ第三十五条ノ選挙ハ之ニ関係アル選挙又ハ当選ニ関スル異議申立期間、異議ノ決定確定セザル間又ハ訴願ノ裁決アル迄ハ之ヲ行フコトヲ得ズ
選挙又ハ当選ニ関スル異議ノ決定確定シ又ハ訴願ノ裁決アル迄ハ調査員ハ会議ニ列席シ議事ニ参与スルノ権ヲ失ハズ
第三十五条 選挙無効ト確定シタルトキ、当選者ナキトキ又ハ当選者ナキニ至リタルトキハ更ニ選挙ヲ行フベシ当選者其ノ選挙ニ於テ選挙スベキ調査員ノ員数ニ達セザルトキ又ハ員数ニ達セザルニ至リタルトキ其ノ不足ノ員数ニ付亦同ジ
第三十六条 調査員被選挙権ヲ有セザル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選挙権ノ有無ハ市町村長之ヲ決定ス
市町村長前項ノ決定ヲ為シタルトキハ直ニ本人ニ理由ヲ附シタル決定書ヲ交付スベシ
第一項ノ決定ヲ受ケタル者不服アルトキハ其ノ決定書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ十日内ニ府県知事ニ訴願スルコトヲ得
第三十四条第四項ノ規定ハ第一項及前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十七条 調査委員ハ市町村内ノ家屋ノ賃貸価格ヲ調査ス
調査委員ハ其ノ調査員中ヨリ第二次家屋税調査委員ヲ組織スベキ者ヲ選挙スベシ
前項ノ規定ニ依リ選挙スベキ調査員ノ定数ハ人口十万以上ノ市町村ノ区域ニ於ケル調査委員ニ在リテハ三人、人口二万以上ノ市町村ノ区域ニ於ケル調査委員ニ在リテハ二人、其ノ他ノ調査委員ニ在リテハ一人トス
前項ノ定数ハ人口ニ増減アルモ第一次家屋税調査委員ヲ組織スベキ調査員ノ定数ヲ変更スル場合ニ非ザレバ之ヲ増減セズ
第一項ノ規定ニ依リ第二次家屋税調査委員ヲ組織スベキ者ヲ選挙シタルトキハ議長ハ直ニ其ノ氏名ヲ府県知事ニ報告スベシ
第三十八条 調査委員ハ市町村長ヲ以テ議長トス
第三十九条 調査委員ノ会議ハ府県知事之ヲ招集ス
招集及会議ノ事件ハ開会ノ日前三日目迄ニ府県知事市町村長ヲシテ之ヲ告知セシムベシ
調査委員ノ会議ハ市町村長之ヲ開閉ス
調査委員ノ会議ノ開会日数ハ府県知事之ヲ定ム
第四十条 調査委員ハ調査員定数ノ半数以上出席スルニ非ザレバ会議ヲ開クコトヲ得ズ但シ同一ノ事件ニ付招集再回ニ至ルモ仍半数ニ満タザルトキ又ハ招集ニ応ズルモ出席調査員定数ヲ欠キ議長ニ於テ出席ヲ催告シ仍半数ニ満タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第四十一条 調査委員ノ議事ハ調査員ノ過半数ヲ以テ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
議長ハ其ノ職務ヲ行フ場合ニ於テモ之ガ為調査員トシテ議決ニ加ハルノ権ヲ失ハズ
第四十二条 第三十七条第二項ノ規定ニ依リ調査委員ニ於テ行フ選挙ニ付テハ第十七条、第二十五条及第二十七条ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ効力ニ関シ異議アルトキハ調査委員之ヲ決定ス
前項ノ選挙ニ付テハ調査委員ハ調査員ニ於テ異議ナキ場合ニ限リ指名推選ノ法ヲ用ヒ全員ノ同意ヲ得タル被指名者ヲ以テ当選者ト定ムルコトヲ得
第四十三条 議長ハ会議ヲ総理シ会議ノ順序ヲ定メ其ノ日ノ会議ヲ開閉シ議場ノ秩序ヲ保持ス
第四十四条 調査委員ニ書記ヲ置キ議長之ヲ任免ス
書記ハ議長ノ命ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第四十五条 議長ハ書記ヲシテ会議録ヲ調製シ会議ノ顛末及出席者ノ氏名ヲ記載セシムベシ
会議録ハ議長及調査員二人以上之ニ署名スルコトヲ要ス其ノ調査員ハ調査委員ニ於テ之ヲ定ムベシ
議長ハ会議録ノ写ヲ添ヘ会議ノ結果ヲ府県知事ニ報告スベシ
第四十六条 市町村長ハ市町村内ノ家屋ノ賃貸価格ニ関スル下調書ヲ調製シ之ヲ調査委員ニ提出スベシ
前項ノ下調書ノ提出アリタルトキハ調査委員ハ家屋ノ賃貸価格ヲ調査シ其ノ調査書ヲ作製シ直ニ第二次家屋税調査委員ニ之ヲ送付スベシ但シ大正十五年勅令第三百三十九号第三条第一項及第二項ノ家屋ノ賃貸価格ニ関スル調査書ハ調査委員ノ会議ノ閉会後十日内ニ府県知事ニ対シ之ヲ送付スベシ
第三章 第二次家屋税調査委員
第四十七条 第二次家屋税調査委員(以下本章ニ於テ之ヲ調査委員ト称ス)ハ数市町村ノ区域ヲ合セタル区域ニ之ヲ置キ府県知事ノ指定シタル官吏又ハ吏員一人及第一次家屋税調査委員ニ於テ選挙シタル調査員ヲ以テ之ヲ組織ス
前項ノ区域ハ府県知事之ヲ定ム
第四十八条 調査委員ハ其ノ区域内ノ家屋(大正十五年勅令第三百三十九号第三条第一項及第二項ノ家屋ヲ除ク)ノ賃貸価格ヲ調査ス
第四十九条 調査委員ハ第四十七条第一項ノ規定ニ依リ府県知事ノ指定シタル官吏又ハ吏員ヲ以テ議長トス
第五十条 調査委員ノ会議ハ府県知事之ヲ招集ス
招集及会議ノ事件ハ開会ノ日前十日目迄ニ府県知事之ヲ告示スベシ
調査委員ノ会議ハ府県知事之ヲ開閉ス
調査委員ノ会議ノ開会日数ハ府県知事之ヲ定ム
第五十一条 第四十条、第四十一条及第四十三条乃至第四十五条ノ規定ハ調査委員ニ之ヲ準用ス
第五十二条 第四十六条第二項ノ規定ニ依ル調査書ノ送付ナキトキハ調査委員ハ市町村長ニ同条第一項ノ下調書(大正十五年勅令第三百三十九号第三条第一項及第二項ノ家屋ニ関スルモノヲ除ク)ノ送付ヲ求ムベシ
第四章 家屋ノ賃貸価格ノ決定
第五十三条 府県知事ハ第二次家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ家屋ノ賃貸価格ヲ決定スベシ但シ第二次家屋税調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不当ナリト認ムルトキハ府県知事ハ其ノ指定シタル官吏又ハ吏員三人乃至五人ヲ以テ組織シタル臨時家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
臨時家屋税調査委員ノ調査ノ方法ニ関シテハ府県知事ノ定ムル所ニ依ル
第五十四条 大正十五年勅令第三百三十九号第三条第一項及第二項ノ家屋ノ賃貸価格ニ付テハ前条ノ規定ニ拘ラズ第一次家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ府県知事之ヲ決定スベシ但シ第一次家屋税調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不当ナリト認ムルトキハ府県知事ハ其ノ指定シタル官吏又ハ吏員三人乃至五人ヲ以テ組織シタル臨時家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
第五章 補則
第五十五条 市町村ノ廃置分合又ハ境界変更アリタル場合ニ於テ府県知事必要ト認ムルトキハ次ノ総選挙ニ至ル迄ノ間第三条第三項ノ規定ニ拘ラズ市町村ノ区域ニ於ケル調査員ノ定数ヲ増減スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ選挙人名簿並ニ調査員及第二次家屋税調査委員ヲ組織スベキ調査員ノ選挙、解任等ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第五十六条 第三条第一項及第二項並ニ第三十七条第三項ノ人口ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依ル
第五十七条 法人タル選挙人ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ代人ヲ以テ投票ヲ行フ此ノ場合ニ於テハ第十七条第三項乃至第六項、第十九条第二項及第三項並ニ第二十三条ノ規定ハ其ノ代人ニ之ヲ適用ス
禁治産者、準禁治産者及未成年者タル選挙人ニ関シテハ前項ノ規定ヲ準用ス
第五十八条 市制第六条及第八十二条第三項ノ市ニ於テハ本令中市ニ関スル規定ハ区ニ、市長ニ関スル規定ハ区長ニ、市役所ニ関スル規定ハ区役所ニ之ヲ適用ス
第五十九条 府県知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ第二条ノ規定ニ拘ラズ市ノ区域ヲ数区域ニ分チ其ノ区域毎ニ第一次家屋税調査委員ヲ置クコトヲ得此ノ場合ニ関シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第二条、第三条第一項及第二項、第六条、第七条、第八条第二項、第十四条第二項、第十七条第二項、第三十七条第一項及第三項、第四十六条第一項、第四十七条第一項並ニ第五十五条ノ規定ノ適用ニ関シテハ市町村又ハ市町村ノ区域トアルハ市ノ区域ヲ分チタル区域トス
二 選挙人名簿ハ市ノ区域ヲ分チタル区域毎ニ之ヲ調製スベシ
三 選挙長ハ府県知事ノ指定シタル市吏員トシ第二十一条、第二十二条第四項、第三十条第一項第二項第四項及第五項並ニ第三十一条第三項ノ規定ニ依ル市長ノ職務ハ選挙長之ヲ行フ
四 第二条及第三十八条ノ規定ノ適用ニ関シテハ市町村長トアルハ府県知事ノ指定シタル市吏員トス
第六十条 府県費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ市制第六条若ハ第八十二条第三項ノ市又ハ前条ノ規定ニ依リ其ノ区域ヲ数区域ニ分タレタル市ナル場合ニ於テハ其ノ市ニ関シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第三十条第一項第四項及第五項、第三十七条第五項、第四十五条第三項、第四十六条第二項但書並ニ第五十一条ノ規定ニ依ル報告又ハ送付ハ市長ニ対シ之ヲ為スベシ
二 第四条、第八条第二項、第十三条第三項及第四項、第十四条、第十七条第七項、第二十四条第一項、第三十二条、第三十九条第一項第二項及第四項、第四十七条、第五十条、第五十三条、第五十四条、第五十五条第一項並ニ前条ノ規定ニ依ル府県知事ノ職務ハ市長之ヲ行フ
第六十一条 府県費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ前条ノ市以外ノ市ナル場合ニ於テハ其ノ市ニ関シテハ左ノ規定ニ依ル
一 第三十条第一項第四項及第五項ノ規定ニ依ル報告ハ之ヲ為スコトヲ要セズ
二 第四十五条第三項及第四十六条第二項ノ規定ニ依ル報告又ハ送付ハ市長ニ対シ之ヲ為スベシ
三 第四条、第八条第二項、第十三条第三項及第四項、第十四条、第十七条第七項、第二十四条第一項、第三十二条、第三十九条第一項第二項及第四項並ニ第五十五条第一項ノ規定ニ依ル府県知事ノ職務ハ市長之ヲ行フ
四 第三十七条第二項乃至第五項並ニ第四十七条乃至第五十四条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
前項ノ場合ニ於テハ市長ハ第一次家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ家屋ノ賃貸価格ヲ決定スベシ但シ第一次家屋税調査委員ノ調査完了セザルトキ又ハ其ノ調査ヲ不当ナリト認ムルトキハ市長ハ其ノ指定シタル吏員三人ヲ以テ組織シタル臨時家屋税調査委員ノ調査ノ結果ニ依リ之ヲ決定スベシ
第六十二条 府県費ノ全部ノ分賦ヲ受ケタル市ガ府県費ノ全部ノ分賦ヲ受ケザルニ至リタル場合ニ於テハ其ノ市ノ家屋税ノ調査員ハ之ヲ府県ノ家屋税ノ調査員トス
前項ノ調査員ハ府県ノ総選挙ニ依リ選挙セラレタル調査員ノ任期満了ノ日迄在任ス
第一項ノ場合ニ於テ第六十条ノ規定ニ依リ市長ノ分チタル区域ハ之ヲ第五十九条ノ規定ニ依リ府県知事ノ分チタル区域ト看做ス
第六十三条 北海道ニ於テハ本令中府県又ハ府県知事ニ関スル規定ハ北海道又ハ北海道庁長官ニ、町村町村長又ハ町村役場ニ関スル規定ハ町村町村長又ハ町村役場ニ準ズベキモノニ之ヲ適用ス
第六十四条 町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同処理スルモノハ本令ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村、其ノ組合管理者ハ之ヲ町村長、其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看做ス
第六十五条 交通至難ノ島嶼其ノ他ノ地ニ於テ本令ヲ適用シ難キ事項ニ付テハ府県知事ハ主務大臣ノ許可ヲ受ケ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス