(鉄道営業法中改正法律)
法令番号: 法律第三十八號
公布年月日: 昭和4年4月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル鐵道營業法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年三月三十日
內閣總理大臣 男爵 田中義一
鐵道大臣 小川平吉
遞信大臣 久原房之助
法律第三十八號
鐵道營業法中左ノ通改正ス
第十一條 旅客又ハ荷送人ハ手荷物又ハ運送品託送ノ際鐵道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ表示料ヲ支拂ヒ要償額ヲ表示スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル表示額カ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡期間末日ニ於ケル到達地ノ價格及引渡ナキ場合ニ於テ旅客又ハ荷送人カ受クヘキ其ノ他ノ損害ノ合計額ヲ超ユルトキハ其ノ超過部分ニ付テハ其ノ表示ハ之ヲ無效トス
第十一條ノ二 要償額ノ表示アル託送手荷物又ハ運送品ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鐵道ハ表示額ヲ限度トシテ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス此ノ場合ニ於テ鐵道ハ損害額カ左ノ額ニ達セサルコトヲ證明スルニ非サレハ左ノ額ノ支拂ヲ免ルルコトヲ得ス
一 全部滅失ノ場合ニ於テハ表示額
二 一部滅失又ハ毀損ノ場合ニ於テハ引渡アリタル日(延著シタルトキハ引渡期間末日)ニ於ケル到達地ノ價格ニ依リ計算シタル價格ノ減少割合ヲ表示額ニ乘シタル額
託送手荷物、高價品又ハ動物ニ付テハ託送ノ際旅客又ハ荷送人カ要償額ノ表示ヲ爲ササル場合ニ於テハ鐵道ハ鐵道運輸規程ノ定ムル最高金額ヲ超エ其ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ヲ賠償スル責ニ任セス
前二項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鐵道ノ惡意又ハ重大ナル過失ニ因リテ滅失又ハ毀損シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十二條 引渡期間滿了後託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ爲シタル場合ニ於テハ延著トス
引渡期間ハ鐵道運輸規程ノ定ムル所ニ依ル
延著ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鐵道ハ左ノ額ヲ限度トシテ鐵道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス
一 要償額ノ表示アルトキハ其ノ表示額
二 要償額ノ表示ナキトキハ其ノ運賃額
前項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鐵道ノ惡意又ハ重大ナル過失ニ因リテ延著シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十三條 鐵道カ引渡期間滿了後一月ヲ經過スルモ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ爲ササル場合ニ於テハ旅客又ハ貨主ハ滅失ニ因ル損害賠償ヲ請求スルコトヲ得但シ鐵道ノ責ニ歸スヘカラサル事由ニ因リ引渡ヲ爲ササル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ賠償ヲ受ケタル者ハ其ノ請求ノ際留保ヲ爲シタルトキハ到達ノ通知ヲ受ケタル後一月內ニ限リ賠償金ヲ返還シテ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ受クルコトヲ得
第十八條ノ二 第三條、第六條乃至第十三條、第十四條、第十五條及第十八條ノ規定ハ鐵道ト通シ運送ヲ爲ス場合ニ於ケル船舶、軌道、自動車又ハ索道ニ依ル運送ニ付之ヲ準用ス
第十八條ノ三 鐵道ト船舶ト通シ運送ヲ爲ス場合ノ運送ニ付テハ請求ニ因リ荷送人ハ全運送ニ對シ運送狀ヲ交付スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テハ荷送人ノ請求ニ因リ全運送ニ對シ貨物引換證ヲ交付スルコトヲ要ス
前二項ノ運送狀又ハ貨物引換證ニ付テハ鐵道運送ニ於ケル運送狀又ハ貨物引換證ニ關スル規定ヲ準用ス
第十八條ノ四 前二條ノ規定ノ適用ヲ受クヘキ船舶ニ依ル運送ノ區間及其ノ運送業者ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條 削除
第三十條 託送手荷物又ハ運送品ノ種類又ハ性質ヲ詐稱シタル者ハ五十圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス記名乘車券ヲ買求ムル際氏名ヲ詐稱シタル者亦同シ
第四十三條 削除
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル鉄道営業法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和四年三月三十日
内閣総理大臣 男爵 田中義一
鉄道大臣 小川平吉
逓信大臣 久原房之助
法律第三十八号
鉄道営業法中左ノ通改正ス
第十一条 旅客又ハ荷送人ハ手荷物又ハ運送品託送ノ際鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ表示料ヲ支払ヒ要償額ヲ表示スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル表示額カ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡期間末日ニ於ケル到達地ノ価格及引渡ナキ場合ニ於テ旅客又ハ荷送人カ受クヘキ其ノ他ノ損害ノ合計額ヲ超ユルトキハ其ノ超過部分ニ付テハ其ノ表示ハ之ヲ無効トス
第十一条ノ二 要償額ノ表示アル託送手荷物又ハ運送品ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鉄道ハ表示額ヲ限度トシテ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス此ノ場合ニ於テ鉄道ハ損害額カ左ノ額ニ達セサルコトヲ証明スルニ非サレハ左ノ額ノ支払ヲ免ルルコトヲ得ス
一 全部滅失ノ場合ニ於テハ表示額
二 一部滅失又ハ毀損ノ場合ニ於テハ引渡アリタル日(延著シタルトキハ引渡期間末日)ニ於ケル到達地ノ価格ニ依リ計算シタル価格ノ減少割合ヲ表示額ニ乗シタル額
託送手荷物、高価品又ハ動物ニ付テハ託送ノ際旅客又ハ荷送人カ要償額ノ表示ヲ為ササル場合ニ於テハ鉄道ハ鉄道運輸規程ノ定ムル最高金額ヲ超エ其ノ滅失又ハ毀損ニ因ル損害ヲ賠償スル責ニ任セス
前二項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鉄道ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リテ滅失又ハ毀損シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十二条 引渡期間満了後託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ為シタル場合ニ於テハ延著トス
引渡期間ハ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依ル
延著ニ因ル損害ニ付賠償ノ責ニ任スル場合ニ於テハ鉄道ハ左ノ額ヲ限度トシテ鉄道運輸規程ノ定ムル所ニ依リ一切ノ損害ヲ賠償スル責ニ任ス
一 要償額ノ表示アルトキハ其ノ表示額
二 要償額ノ表示ナキトキハ其ノ運賃額
前項ノ賠償額ノ制限ハ託送手荷物又ハ運送品カ鉄道ノ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リテ延著シタル場合ニハ之ヲ適用セス
第十三条 鉄道カ引渡期間満了後一月ヲ経過スルモ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ為ササル場合ニ於テハ旅客又ハ貨主ハ滅失ニ因ル損害賠償ヲ請求スルコトヲ得但シ鉄道ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リ引渡ヲ為ササル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ニ依リ賠償ヲ受ケタル者ハ其ノ請求ノ際留保ヲ為シタルトキハ到達ノ通知ヲ受ケタル後一月内ニ限リ賠償金ヲ返還シテ託送手荷物又ハ運送品ノ引渡ヲ受クルコトヲ得
第十八条ノ二 第三条、第六条乃至第十三条、第十四条、第十五条及第十八条ノ規定ハ鉄道ト通シ運送ヲ為ス場合ニ於ケル船舶、軌道、自動車又ハ索道ニ依ル運送ニ付之ヲ準用ス
第十八条ノ三 鉄道ト船舶ト通シ運送ヲ為ス場合ノ運送ニ付テハ請求ニ因リ荷送人ハ全運送ニ対シ運送状ヲ交付スルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テハ荷送人ノ請求ニ因リ全運送ニ対シ貨物引換証ヲ交付スルコトヲ要ス
前二項ノ運送状又ハ貨物引換証ニ付テハ鉄道運送ニ於ケル運送状又ハ貨物引換証ニ関スル規定ヲ準用ス
第十八条ノ四 前二条ノ規定ノ適用ヲ受クヘキ船舶ニ依ル運送ノ区間及其ノ運送業者ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七条 削除
第三十条 託送手荷物又ハ運送品ノ種類又ハ性質ヲ詐称シタル者ハ五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス記名乗車券ヲ買求ムル際氏名ヲ詐称シタル者亦同シ
第四十三条 削除
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム