(王公族ヨリ内地ノ家ニ入リタル者及内地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者ノ戸籍等ニ関スル法律)
法令番号: 法律第51号
公布年月日: 昭和2年4月19日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

大正15年に王公族の権義に関する法律が発布され、これに基づき王公家軌範が制定された。これにより一般臣民との身分上の交渉が生じることとなったため、王公家と内地の家との間での入籍、除籍、復籍、家創立、実家再興などの戸籍手続きに関する規定が必要となった。本案は明治43年法律第39号の皇族と一般臣民との関係に関する規定に倣い、必要な規定を設けたものである。

参照した発言:
第52回帝国議会 貴族院 本会議 第14号

審議経過

第52回帝国議会

貴族院
本会議 - 第14号
(昭和2年2月22日)
王公族より内地の家に入りたる者及内地の家を去り王公家に入りたる者の戸籍等に関する法律案外一件特別委員会 - 第1号
(昭和2年2月25日)
本会議 - 第16号
(昭和2年2月28日)
衆議院
本会議 - 第25号
(昭和2年3月12日)
王公族より内地の家に入りたる者及内地の家を去り王公家に入りたる者の戸籍等に関する法律案外一件委員会 - 第1号
(昭和2年3月16日)
王公族より内地の家に入りたる者及内地の家を去り王公家に入りたる者の戸籍等に関する法律案外一件委員会 - 第2号
(昭和2年3月17日)
王公族より内地の家に入りたる者及内地の家を去り王公家に入りたる者の戸籍等に関する法律案外一件委員会 - 第3号
(昭和2年3月22日)
本会議 - 第29号
(昭和2年3月22日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル王公族ヨリ內地ノ家ニ入リタル者及內地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者ノ戶籍等ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二年四月十八日
內閣總理大臣　若槻禮次郞
司法大臣　江木翼
法律第五十一號
第一條　養子緣組又ハ婚嫁ニ因リ內地ノ家ニ入リタル王公族離緣又ハ離婚ノ場合ニ於テハ其ノ直系尊屬ガ王公家軌範ニ依リ一般臣民ト爲リタル爲創立シタル家アルトキハ其ノ家ニ入リ其ノ家ナキトキハ一家ヲ創立ス
第二條　王公家軌範第六十八條又ハ第百二十六條ノ規定ニ依リ實家ニ復籍シタル者ハ一月內ニ左ノ事項ヲ具シ復籍ノ原因ヲ證スル書面ヲ添附シ其ノ旨市町村長ニ屆出ヅルコトヲ要ス
一　復籍シタル者ノ父母及其ノ者ト父母トノ續柄
二　復籍ノ原因及年月日
第三條　王公家軌範第百二十六條ノ規定ニ依リ一家ヲ創立シタル者ハ一月內ニ左ノ事項ヲ具シ一家創立ノ原因ヲ證スル書面ヲ添附シ其ノ旨市町村長ニ屆出ヅルコトヲ要ス
一　一家ヲ創立シタル者ノ父母及其ノ者ト父母トノ續柄
二　一家創立ノ原因及年月日
三　一家創立ノ場所
第四條　王公家軌範第百二十六條ノ規定ニ依リ實家ヲ再興セント欲スル者ハ一月內ニ左ノ事項ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ屆出ヅルコトヲ要ス
一　廢絕シタル實家ノ戶主ノ氏名及本籍
二　廢絕ノ年月日
三　再興ノ場所
第五條　養子緣組若ハ婚嫁ニ因リ內地ノ家ニ入リタル王公族又ハ婚嫁ニ因リ內地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者アル場合ニ於テハ其ノ入リ又ハ去リタル內地ノ家ノ戶主ハ一月內ニ其ノ者ノ氏名、出生ノ年月日、本籍又ハ原籍、父母及其ノ者ト父母トノ續柄竝入籍又ハ除籍ノ原因及年月日ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ屆出ヅルコトヲ要ス
第六條　前條ニ揭グル場合ヲ除クノ外王公家軌範ニ依リ內地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者アルトキハ宮內大臣ハ左ノ事項ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ通知スベシ
一　王公家ニ入リタル者ノ氏名、出生ノ年月日及原籍竝戶主トノ續柄
二　除籍ノ原因及年月日
前項ノ場合ニ於テ戶主ガ王公家ニ入リタルトキハ家督相續ハ之ニ因リ開始ス
第七條　市町村長第二條乃至第五條ノ屆出ヲ受理シ又ハ前條ノ通知ヲ受ケタルトキハ之ニ依リ戶籍記載ノ手續ヲ爲スベシ
附　則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル王公族ヨリ内地ノ家ニ入リタル者及内地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者ノ戸籍等ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二年四月十八日
内閣総理大臣　若槻礼次郎
司法大臣　江木翼
法律第五十一号
第一条　養子縁組又ハ婚嫁ニ因リ内地ノ家ニ入リタル王公族離縁又ハ離婚ノ場合ニ於テハ其ノ直系尊属ガ王公家軌範ニ依リ一般臣民ト為リタル為創立シタル家アルトキハ其ノ家ニ入リ其ノ家ナキトキハ一家ヲ創立ス
第二条　王公家軌範第六十八条又ハ第百二十六条ノ規定ニ依リ実家ニ復籍シタル者ハ一月内ニ左ノ事項ヲ具シ復籍ノ原因ヲ証スル書面ヲ添附シ其ノ旨市町村長ニ届出ヅルコトヲ要ス
一　復籍シタル者ノ父母及其ノ者ト父母トノ続柄
二　復籍ノ原因及年月日
第三条　王公家軌範第百二十六条ノ規定ニ依リ一家ヲ創立シタル者ハ一月内ニ左ノ事項ヲ具シ一家創立ノ原因ヲ証スル書面ヲ添附シ其ノ旨市町村長ニ届出ヅルコトヲ要ス
一　一家ヲ創立シタル者ノ父母及其ノ者ト父母トノ続柄
二　一家創立ノ原因及年月日
三　一家創立ノ場所
第四条　王公家軌範第百二十六条ノ規定ニ依リ実家ヲ再興セント欲スル者ハ一月内ニ左ノ事項ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ届出ヅルコトヲ要ス
一　廃絶シタル実家ノ戸主ノ氏名及本籍
二　廃絶ノ年月日
三　再興ノ場所
第五条　養子縁組若ハ婚嫁ニ因リ内地ノ家ニ入リタル王公族又ハ婚嫁ニ因リ内地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者アル場合ニ於テハ其ノ入リ又ハ去リタル内地ノ家ノ戸主ハ一月内ニ其ノ者ノ氏名、出生ノ年月日、本籍又ハ原籍、父母及其ノ者ト父母トノ続柄並入籍又ハ除籍ノ原因及年月日ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ届出ヅルコトヲ要ス
第六条　前条ニ掲グル場合ヲ除クノ外王公家軌範ニ依リ内地ノ家ヲ去リ王公家ニ入リタル者アルトキハ宮内大臣ハ左ノ事項ヲ具シ其ノ旨市町村長ニ通知スベシ
一　王公家ニ入リタル者ノ氏名、出生ノ年月日及原籍並戸主トノ続柄
二　除籍ノ原因及年月日
前項ノ場合ニ於テ戸主ガ王公家ニ入リタルトキハ家督相続ハ之ニ因リ開始ス
第七条　市町村長第二条乃至第五条ノ届出ヲ受理シ又ハ前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ之ニ依リ戸籍記載ノ手続ヲ為スベシ
附　則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム