(府県制中改正法律)
法令番号: 法律第七十三號
公布年月日: 大正15年6月24日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル府縣制中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十五年六月二十四日
內閣總理大臣 若槻禮次郞
內務大臣 濱口雄幸
法律第七十三號
府縣制中左ノ通改正ス
第一條中「郡市」ヲ「市町村」ニ改ム
第三條第二項中「郡」ヲ削リ同條第三項中「府縣郡市參事會及町村會」ヲ「府縣參事會及市町村會」ニ改ム
第四條第二項中「郡市ノ區域」ヲ「市ノ區域又ハ從前郡長若ハ島司ノ管轄シタル區域」ニ改メ同條第三項及第四項ヲ削ル
第六條 府縣內ノ市町村公民ハ府縣會議員ノ選擧權及被選擧權ヲ有ス
陸海軍軍人ニシテ現役中ノ者(未タ入營セサル者及歸休下士官兵ヲ除ク)及戰時若ハ事變ニ際シ召集中ノ者ハ選擧權及被選擧權ヲ有セス兵籍ニ編入セラレタル學生生徒(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)及志願ニ依リ國民軍ニ編入セラレタル者亦同シ
市町村公民權停止中ノ者ハ選擧權及被選擧權ヲ有セス
在職ノ檢事、警察官吏及收稅官吏ハ被選擧權ヲ有セス
選擧事務ニ關係アル官吏及吏員ハ其ノ關係區域內ニ於テ被選擧權ヲ有セス
府縣ノ官吏及有給ノ吏員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノ者ハ其ノ府縣ノ府縣會議員ト相兼ヌルコトヲ得ス
衆議院議員ハ府縣會議員ト相兼ヌルコトヲ得ス
第八條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
府縣會議員中闕員ヲ生シタルトキハ三箇月以內ニ補闕選擧ヲ行フヘシ但シ其ノ闕員ト爲リタル議員カ第三十一條第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ於テ闕員ト爲リタル者ナル場合ニ於テ第二十九條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラサリシ者アルトキ又ハ其ノ期限經過後ニ於テ闕員ト爲リタル者ナル場合ニ於テ第二十九條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラサリシ者アルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第三十二條第三項ノ規定ヲ準用ス
第三十二條第四項及第五項ノ規定ハ補闕選擧ニ之ヲ準用ス
第九條 府縣會議員ノ選擧ハ其ノ府縣內ニ於ケル市町村會議員選擧人名簿ニ依リ之ヲ行フ
町村制第三十八條ノ町村ニ於テハ同法第十八條乃至第十八條ノ五ノ規定ニ準シ選擧人名簿ヲ調製スヘシ
前項ノ選擧人名簿ハ之ヲ町村會議員選擧人名簿ト看做シ第一項ノ規定ヲ適用ス
第十條 削除
第十一條 削除
第十二條 削除
第十三條第一項中「選擧ノ日ヨリ少クトモ二十日前」ヲ「選擧ノ期日前二十日目マテ」ニ、同條第二項中「少クトモ七日前」ヲ「投票ノ期日前七日目マテ」ニ改ム
第十三條ノ二 議員候補者タラムトスル者ハ選擧ノ期日ノ告示アリタル日ヨリ選擧ノ期日前七日目マテニ其ノ旨ヲ選擧長ニ屆出ツヘシ
選擧人名簿ニ登錄セラレタル者他人ヲ議員候補者ト爲サムトスルトキハ前項ノ期間內ニ其ノ推薦ノ屆出ヲ爲スコトヲ得
前二項ノ期間內ニ屆出アリタル議員候補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超ユル場合ニ於テ其ノ期間ヲ經過シタル後議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ前二項ノ例ニ依リ選擧ノ期日ノ前日マテ議員候補者ノ屆出又ハ推薦屆出ヲ爲スコトヲ得
議員候補者ハ選擧長ニ屆出ヲ爲スニ非サレハ議員候補者タルコトヲ辭スルコトヲ得ス
前四項ノ屆出アリタルトキ又ハ議員候補者ノ死亡シタルコトヲ知リタルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第十三條ノ三 議員候補者ノ屆出又ハ推薦屆出ヲ爲サムトスル者ハ議員候補者一人ニ付二百圓又ハ之ニ相當スル額面ノ國債證書ヲ供託スルコトヲ要ス
議員候補者ノ得票數其ノ選擧區ノ配當議員數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ得タル數ノ十分ノ一ニ達セサルトキハ前項ノ供託物ハ府縣ニ歸屬ス
議員候補者選擧ノ期日前十日以內ニ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス但シ被選擧權ヲ有セサルニ至リタル爲議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四條 市町村長ハ投票管理者ト爲リ投票ニ關スル事務ヲ擔任ス
第十五條 投票區ハ市町村ノ區域ニ依ル
投票所ハ市役所、町村役場又ハ投票管理者ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ク
投票管理者ハ選擧ノ期日前五日目マテニ投票所ヲ告示スヘシ
府縣知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ市町村ノ區域ヲ分チテ數投票區ヲ設ケ又ハ數町村ノ區域ヲ合セテ一投票區ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票區ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條 議員候補者ハ各投票區ニ於ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ投票立會人一人ヲ定メ選擧ノ期日ノ前日マテニ投票管理者ニ屆出ツルコトヲ得但シ議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辭シタルトキハ其ノ屆出テタル投票立會人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル投票立會人三人ニ達セサルトキ若ハ三人ニ達セサルニ至リタルトキ又ハ投票立會人ニシテ參會スル者投票所ヲ開クヘキ時刻ニ至リ三人ニ達セサルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セサルニ至リタルトキハ投票管理者ハ其ノ投票區ニ於ケル選擧人名簿ニ登錄セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スルマテノ投票立會人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ投票ニ立會ハシムヘシ
投票立會人ハ名譽職トス
投票立會人ハ正當ノ事故ナクシテ其ノ職ヲ辭スルコトヲ得ス
第十八條中「被選擧人」ヲ「議員候補者」ニ改メ同條第六項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
投票ニ關スル記載ニ付テハ勅令ヲ以テ定ムル點字ハ之ヲ文字ト看做ス
第十八條ノ二 確定名簿ニ登錄セラレサル者ハ投票ヲ爲スコトヲ得ス但シ選擧人名簿ニ登錄セラルヘキ確定裁決書又ハ判決書ヲ所持シ選擧ノ當日投票所ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラス
確定名簿ニ登錄セラレタル者選擧人名簿ニ登錄セラルルコトヲ得サル者ナルトキハ投票ヲ爲スコトヲ得ス選擧ノ當日選擧權ヲ有セサル者ナルトキ亦同シ
同府縣內ニ於ケル二以上ノ市町村ニ於テ公民權ヲ有スル者ハ住所地市町村ニ於テノミ投票ヲ爲スコトヲ得
第十九條 投票ノ拒否ハ投票立會人ノ意見ヲ聽キ投票管理者之ヲ決定スヘシ
前項ノ決定ヲ受ケタル選擧人不服アルトキハ投票管理者ハ假ニ投票ヲ爲サシムヘシ
前項ノ投票ハ選擧人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムヘシ
投票立會人ニ於テ異議アル選擧人ニ對シテモ亦前二項ニ同シ
第二十條 投票管理者ハ投票錄ヲ作リ投票ニ關スル顚末ヲ記載シ二人以上ノ投票立會人ト共ニ之ニ署名スヘシ
第二十一條 投票管理者ハ其ノ指定シタル投票立會人ト共ニ町村ノ投票區ニ於テハ投票ノ翌日マテニ、市ノ投票區ニ於テハ投票ノ當日投票函、投票錄及選擧人名簿ヲ選擧長ニ送致スヘシ
第二十二條中「投票函」ヲ「投票函、投票錄及選擧人名簿」ニ改ム
第二十三條 選擧長ハ市長又ハ府縣知事ノ指定シタル官吏ヲ以テ之ニ充ツ
選擧長ハ選擧會ニ關スル事務ヲ擔任ス
選擧會ハ市役所又ハ選擧長ノ指定シタル場所ニ之ヲ開ク
選擧長ハ豫メ選擧會ノ場所及日時ヲ告示スヘシ
第二十三條ノ二 府縣知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ區劃ヲ定メテ開票區ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票區ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條 第十六條ノ規定ハ選擧立會人ニ之ヲ準用ス
第二十五條 選擧長ハ總テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日ノ翌日選擧會ヲ開キ選擧立會人立會ノ上投票函ヲ開キ投票ノ總數ト投票人ノ總數トヲ計算スヘシ但シ場合ニ依リ投票函ノ送致ヲ受ケタル日選擧會ヲ開クコトヲ得
前項ノ計算終リタルトキハ選擧長ハ先ツ第十九條第二項及第四項ノ投票ヲ調査シ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ其ノ受理如何ヲ決定スヘシ
選擧長ハ選擧立會人ト共ニ投票區每ニ投票ヲ點檢スヘシ
天災事變等ノ爲選擧會ヲ開クコトヲ得サルトキハ選擧長ハ更ニ其ノ期日ヲ定ムヘシ
第二十六條ノ二 選擧會場ノ取締ニ付テハ第十七條第一項及第二項ノ規定ヲ準用ス
第二十七條 左ノ投票ハ之ヲ無效トス
一 成規ノ用紙ヲ用ヰサルモノ
二 議員候補者ニ非サル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
三 一投票中二人以上ノ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
四 被選擧權ナキ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
五 議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載シタルモノ但シ爵位、職業、身分、住所又ハ敬稱ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラス
六 議員候補者ノ氏名ヲ自書セサルモノ
七 議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカヲ確認シ難キモノ
八 府縣會議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
前項第八號ノ規定ハ第八條、第三十二條又ハ第三十六條ノ規定ニ依ル選擧ノ場合ニ限リ之ヲ適用ス
第二十八條 投票ノ效力ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スヘシ
第二十九條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ其ノ選擧區ノ配當議員數ヲ以テ有效投票ノ總數ヲ除シテ得タル數ノ五分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
第二十九條ノ二 當選者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セサルニ至リタルトキハ當選ヲ失フ此ノ場合ニ於テハ第三十七條第二項ノ規定ヲ準用ス
第二十九條ノ三 第十三條ノ二第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル屆出アリタル議員候補者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ヲ超エサルトキハ其ノ選擧區ニ於テハ投票ヲ行ハス
前項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フコトヲ要セサルトキハ選擧長ハ直ニ其ノ旨ヲ投票管理者ニ通知シ併セテ之ヲ告示シ且府縣知事ニ報告スヘシ
投票管理者前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第一項ノ場合ニ於テハ選擧長ハ選擧ノ期日ヨリ五日以內ニ選擧會ヲ開キ議員候補者ヲ以テ當選者ト定ムヘシ
前項ノ場合ニ於テ議員候補者ノ被選擧權ノ有無ハ選擧立會人ノ意見ヲ聽キ選擧長之ヲ決定スヘシ
第三十條 選擧長ハ選擧錄ヲ作リ選擧會ニ關スル顚末ヲ記載シ之ヲ朗讀シ二人以上ノ選擧立會人ト共ニ之ニ署名スヘシ
選擧錄、投票錄、投票其ノ他ノ關係書類ハ選擧長(府縣知事ノ指定シタル官吏選擧長タル場合ニ於テハ府縣知事)ニ於テ、府縣會議員選擧ニ用ヰタル選擧人名簿ハ市町村長ニ於テ議員ノ任期間之ヲ保存スヘシ
第三十一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
當選者定マリタルトキハ選擧長ハ直ニ當選者ニ當選ノ旨ヲ告知シ同時ニ當選者ノ住所氏名ヲ告示シ且選擧錄及投票錄ノ寫ヲ添ヘ之ヲ府縣知事ニ報告スヘシ當選者ナキトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ且選擧錄及投票錄ノ寫ヲ添ヘ之ヲ府縣知事ニ報告スヘシ
同條第四項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ第五項中「第六條第九項」ヲ「前項」ニ改ム
第六條第六項ニ揭クル在職ノ官吏以外ノ官吏ニシテ當選シタル者ハ所屬長官ノ許可ヲ受クルニ非サレハ之ニ應スルコトヲ得ス
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
府縣ニ對シ請負ヲ爲シ又ハ府縣ニ於テ費用ヲ負擔スル事業ニ付府縣知事若ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ對シ請負ヲ爲ス者若ハ其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人ニシテ當選シタル者ハ其ノ請負ヲ罷メ又ハ請負ヲ爲ス者ノ支配人若ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人タルコトナキニ至ルニ非サレハ當選ニ應スルコトヲ得ス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ準スヘキ者竝淸算人ヲ謂フ
第三十一條ノ二 選擧長ハ前條第一項ノ報告ヲ爲シタルトキハ直ニ選擧人名簿ヲ町村長ニ返付スヘシ
第三十二條 當選者左ニ揭クル事由ノ一ニ該當スルトキハ三箇月以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ但シ第二項ノ規定ニ依リ更ニ選擧ヲ行フコトナクシテ當選者ヲ定メ得ル場合ハ此ノ限ニ在ラス
一 當選ヲ辭シタルトキ
二 數選擧區ニ於テ選擧ニ當リタル場合ニ於テ第三十一條第三項ノ規定ニ依リ一ノ選擧區ノ選擧ニ應シタル爲他ノ選擧區ニ於テ當選者タラサルニ至リタルトキ
三 第二十九條ノ二ノ規定ニ依リ當選ヲ失ヒタルトキ
四 死亡者ナルトキ
五 選擧ニ關スル犯罪ニ依リ刑ニ處セラレ當選無效ト爲リタルトキ但シ同一人ニ關シ前各號ノ事由ニ依ル選擧又ハ補闕選擧ノ告示ヲ爲シタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
六 第三十四條ノ二ノ規定ニ依ル訴訟ノ結果當選無效ト爲リタルトキ
前項ノ事由第三十一條第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ生シタル場合ニ於テ第二十九條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラサリシ者アルトキ又ハ其ノ期限經過後ニ生シタル場合ニ於テ第二十九條第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ當選者ト爲ラサリシ者アルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ當選者ヲ定ムヘシ
前項ノ場合ニ於テ第二十九條第一項但書ノ得票者ニシテ當選者ト爲ラサリシ者選擧ノ期日後ニ於テ被選擧權ヲ有セサルニ至リタルトキハ之ヲ當選者ト定ムルコトヲ得ス此ノ場合ニ於テハ第三十七條第二項ノ規定ヲ準用ス
第一項ノ期間ハ第三十四條第七項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選擧ヲ行フコトヲ得サル事由已ミタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第一項ノ事由議員ノ任期滿了前六箇月以內ニ生シタルトキハ第一項ノ選擧ハ之ヲ行ハス但シ議員ノ數其ノ定員ノ三分ノ二ニ滿チサルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十三條ニ左ノ一項ヲ加フ
當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セサルニ至リタルトキハ府縣知事ハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第三十四條第一項中「選擧人選擧若ハ當選」ヲ「選擧人又ハ議員候補者選擧又ハ當選」ニ、「前條告示ノ日」ヲ「第三十一條第一項又ハ前條第二項ノ告示ノ日」ニ、同條第二項及第三項ヲ左ノ如ク、第六項中「郡市長」ヲ「又ハ選擧長」ニ、同條第七項中「第三十六條第二項」ヲ「第三十六條第一項若ハ第三項」ニ改ム
前項ノ異議申立アリタルトキハ府縣知事ハ七日以內ニ之ヲ府縣參事會ノ決定ニ付スヘシ
府縣知事選擧又ハ當選ノ效力ニ關シ異議アルトキハ第一項申立ノ有無ニ拘ラス第三十一條第一項ノ報告ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ府縣參事會ノ決定ニ付スルコトヲ得
第三十四條ノ二 衆議院議員選擧法第百十條ノ規定ノ準用ニ依リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ選擧人又ハ議員候補者ハ當選者ヲ被告トシ第三十一條第一項告示ノ日ヨリ三十日以內ニ控訴院ニ出訴スルコトヲ得
衆議院議員選擧法第百三十六條ノ規定ノ準用ニ依リ選擧事務長カ同法第百十二條又ハ第百十三條ノ規定ノ準用ニ依ル罪ヲ犯シ刑ニ處セラレタルニ因リ當選ヲ無效ナリト認ムルトキハ選擧人又ハ議員候補者ハ當選者ヲ被告トシ其ノ裁判確定ノ日ヨリ三十日以內ニ控訴院ニ出訴スルコトヲ得
前二項控訴院ノ判決ニ不服アル者ハ大審院ニ上告スルコトヲ得
衆議院議員選擧法第八十五條、第八十七條及第百四十一條ノ規定ハ前三項ノ規定ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
第三十五條第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ第二項ヲ削ル
但シ當選ニ異動ヲ生スルノ虞ナキ者ヲ區分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ當選ヲ失フコトナシ
第三十六條 選擧無效ト確定シタルトキハ三箇月以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ
當選無效ト確定シタルトキハ直ニ選擧會ヲ開キ更ニ當選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第三十二條第三項ノ規定ヲ準用ス
當選者ナキトキ、當選者ナキニ至リタルトキ又ハ當選者其ノ選擧ニ於ケル議員ノ定數ニ達セサルトキ若ハ定數ニ達セサルニ至リタルトキハ三箇月以內ニ更ニ選擧ヲ行フヘシ
第三十二條第四項及第五項ノ規定ハ第一項及前項ノ選擧ニ之ヲ準用ス
第三十七條第一項ヲ左ノ如ク改メ第二項中「被選擧權ヲ有セサル者」ノ下ニ「又ハ第三十一條第七項ニ揭クル者」ヲ、同條第三項中「通知ヲ受ケタルトキハ」ノ下ニ「七日以內ニ」ヲ、「被選擧權ヲ有セサル者」ノ下ニ「又ハ第三十一條第七項ニ揭クル者」ヲ加フ
府縣會議員被選擧權ヲ有セサル者ナルトキ又ハ第三十一條第七項ニ揭クル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選擧權ノ有無又ハ第三十一條第七項ニ揭クル者ニ該當スルヤ否ハ府縣會議員カ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因リ被選擧權ヲ有セサル場合ヲ除クノ外府縣參事會其ノ異議ヲ決定ス
一 禁治產者又ハ準禁治產者ト爲リタルトキ
二 破產者ト爲リタルトキ
三 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
四 選擧ニ關スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑ニ處セラレタルトキ
府縣會議員ハ住所ヲ移シタル爲被選擧權ヲ失フコトアルモ其ノ住所同府縣內ニ在ルトキハ之カ爲其ノ職ヲ失フコトナシ但シ同府縣內ニ於テ住所ヲ移シタル後被選擧權ヲ失フヘキ其ノ他ノ事由ニ該當スルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十九條 府縣會議員ノ選擧ニ付テハ衆議院議員選擧法第十章及第十一章竝第百四十條第二項及第百四十二條ノ規定ヲ準用ス但シ議員候補者一人ニ付定ムヘキ選擧事務所ノ數、選擧委員及選擧事務員ノ數竝選擧運動ノ費用ノ額ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第五十一條第二項中「開會ノ日ヨリ少クトモ十四日前」ヲ「開會ノ日前十四日目マテ」ニ改ム
第五十三條ニ左ノ一項ヲ加フ
議長ハ其ノ職務ヲ行フ場合ニ於テモ之カ爲議員トシテ議決ニ加ハルノ權ヲ失ハス
第六十四條第二項ヲ削ル
第六十五條 府縣ニ府縣參事會ヲ置キ議長及名譽職參事會員十人ヲ以テ之ヲ組織ス
第六十六條第五項中「每年」ヲ「隔年」ニ、同條第六項中「後任者就任ノ前日マテ」ヲ「後任者ノ就任スルニ至ルマテ」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
名譽職參事會員ハ其ノ選擧ニ關スル第八十二條第一項ノ處分確定シ又ハ判決アルマテハ會議ニ參與スルノ權ヲ失ハス
第六十七條中「高等官參事會員」ヲ「其ノ代理者」ニ改ム
第六十八條中左ノ如ク改ム
三 削除
第七十三條第二項ヲ削リ第三項中「過半數」ヲ「名譽職參事會員ノ過半數」ニ改ム
第七十四條第一項中「府縣參事會員」ヲ「議長、其ノ代理者及名譽職參事會員」ニ改ム
第七十九條 削除
第八十條第一項中「郡島ノ官吏吏員又ハ」ヲ削ル
第九十六條第二項中「前項ノ異議ハ」ヲ「前項ノ異議ノ申立アリタルトキハ府縣知事ハ七日以內ニ」ニ改ム
第百條第一項中「其ノ細則ニハ過料五圓以下ノ罰則ヲ設クルコトヲ得」ヲ及同條第二項ヲ削ル
第百十條ニ左ノ一項ヲ加フ
府縣ハ公益上其ノ他ノ事由ニ因リ課稅ヲ不適當トスル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ府縣稅ヲ課セサルコトヲ得
第百十一條 府縣ノ一部ニ對シ特ニ利益アル事件ニ關シテハ府縣ハ不均一ノ賦課ヲ爲シ又ハ府縣ノ一部ニ對シ賦課ヲ爲スコトヲ得
第百十四條 詐僞其ノ他ノ不正ノ行爲ニ依リ使用料ノ徵收ヲ免レ又ハ府縣稅ヲ逋脫シタル者ニ付テハ府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經テ其ノ徵收ヲ免レ又ハ逋脫シタル金額ノ三倍ニ相當スル金額(其ノ金額五圓未滿ナルトキハ五圓)以下ノ過料ヲ科スル規定ヲ設クルコトヲ得
前項ニ定ムルモノヲ除ク外使用料、手數料及府縣稅ノ賦課徵收ニ關シテハ府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經テ五圓以下ノ過料ヲ科スル規定ヲ設クルコトヲ得財產又ハ營造物ノ使用ニ關シ亦同シ
過料ヲ科シ及之ヲ徵收スルハ府縣知事之ヲ掌ル其ノ處分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百十五條第三項中「前二項ノ異議ハ」ヲ「前二項ノ異議ノ申立アリタルトキハ府縣知事ハ七日以內ニ」ニ、同條第五項中「郡島ノ官吏吏員」ヲ「、其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員又ハ」ニ改ム
第百二十四條第二項及第三項ヲ削ル
第百二十六條ノ四中「其ノ財產處分ニ付亦同シ」ヲ「關係府縣ノ協議ニ依リ之ヲ定ム」ニ改ム
第百二十八條ノ二 異議ノ決定ハ本法中別ニ期間ヲ定メタルモノヲ除ク外其ノ決定ニ付セラレタル日ヨリ三箇月以內ニ之ヲ爲スヘシ
府縣參事會訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三箇月以內ニ之ヲ裁決スヘシ
第百三十三條中左ノ如ク改ム
一 削除
四 第百十一條ノ規定ニ依リ不均一ノ賦課ヲ爲シ又ハ府縣ノ一部ニ對シ賦課ヲ爲スコト
第百三十九條第一項ヲ削ル
第百四十二條 本法中官吏ニ關スル規定ハ待遇官吏ニ之ヲ適用ス
第百四十三條 第四條第二項但書ノ市ニ於テハ第二章第一款中市ニ關スル規定ハ區ニ、市長ニ關スル規定ハ區長ニ、市役所ニ關スル規定ハ區役所ニ之ヲ適用ス
第百四十四條 町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同處理スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村、其ノ組合管理者ハ之ヲ町村長、其ノ組合吏員ハ之ヲ町村吏員、其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看做ス
第百四十五條 從前郡長又ハ島司ノ管轄シタル區域內ニ於テ市ノ設置アリタルトキ又ハ其ノ區域ノ境界ニ涉リテ市町村ノ境界ノ變更アリタルトキハ其ノ區域モ亦自ラ變更シタルモノト看做ス
從前郡長又ハ島司ノ管轄シタル區域ノ境界ニ涉リテ町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付其ノ町村ノ屬スヘキ區域ハ內務大臣之ヲ定ム
附 則
本法中議員選擧ニ關スル規定ハ次ノ總選擧ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
次ノ總選擧ニ至ルマテノ間從前ノ第九條、第十二條、第十四條、第二十一條、第二十三條乃至第二十五條、第三十條及第三十四條ノ規定ニ依リ難キ事項ニ付テハ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
大正十五年市制中改正法律又ハ町村制中改正法律中公民權ニ關スル規定ハ之ヲ施行セサル市町村ニ於テハ府縣制中市町村公民ニ關スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テ議員ノ選擧ニ必要ナル選擧人名簿ニ關シテハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
大正十五年市制中改正法律又ハ町村制中改正法律中公民權ニ關スル規定ハ之ヲ施行シタル市町村ニ於テハ府縣制中市町村公民ニ關スル規定ノ適用ニ付次ノ總選擧ニ至ルマテノ間未タ之ヲ施行セサルモノト看做ス
本法施行ノ際大正十四年法律第四十七號衆議院議員選擧法未タ施行セラレサル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付テハ同法ハ旣ニ施行セラレタルモノト看做ス
本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル府県制中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十五年六月二十四日
内閣総理大臣 若槻礼次郎
内務大臣 浜口雄幸
法律第七十三号
府県制中左ノ通改正ス
第一条中「郡市」ヲ「市町村」ニ改ム
第三条第二項中「郡」ヲ削リ同条第三項中「府県郡市参事会及町村会」ヲ「府県参事会及市町村会」ニ改ム
第四条第二項中「郡市ノ区域」ヲ「市ノ区域又ハ従前郡長若ハ島司ノ管轄シタル区域」ニ改メ同条第三項及第四項ヲ削ル
第六条 府県内ノ市町村公民ハ府県会議員ノ選挙権及被選挙権ヲ有ス
陸海軍軍人ニシテ現役中ノ者(未タ入営セサル者及帰休下士官兵ヲ除ク)及戦時若ハ事変ニ際シ召集中ノ者ハ選挙権及被選挙権ヲ有セス兵籍ニ編入セラレタル学生生徒(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)及志願ニ依リ国民軍ニ編入セラレタル者亦同シ
市町村公民権停止中ノ者ハ選挙権及被選挙権ヲ有セス
在職ノ検事、警察官吏及収税官吏ハ被選挙権ヲ有セス
選挙事務ニ関係アル官吏及吏員ハ其ノ関係区域内ニ於テ被選挙権ヲ有セス
府県ノ官吏及有給ノ吏員其ノ他ノ職員ニシテ在職中ノ者ハ其ノ府県ノ府県会議員ト相兼ヌルコトヲ得ス
衆議院議員ハ府県会議員ト相兼ヌルコトヲ得ス
第八条第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
府県会議員中闕員ヲ生シタルトキハ三箇月以内ニ補闕選挙ヲ行フヘシ但シ其ノ闕員ト為リタル議員カ第三十一条第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ於テ闕員ト為リタル者ナル場合ニ於テ第二十九条第一項但書ノ得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者アルトキ又ハ其ノ期限経過後ニ於テ闕員ト為リタル者ナル場合ニ於テ第二十九条第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者アルトキハ直ニ選挙会ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ当選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第三十二条第三項ノ規定ヲ準用ス
第三十二条第四項及第五項ノ規定ハ補闕選挙ニ之ヲ準用ス
第九条 府県会議員ノ選挙ハ其ノ府県内ニ於ケル市町村会議員選挙人名簿ニ依リ之ヲ行フ
町村制第三十八条ノ町村ニ於テハ同法第十八条乃至第十八条ノ五ノ規定ニ準シ選挙人名簿ヲ調製スヘシ
前項ノ選挙人名簿ハ之ヲ町村会議員選挙人名簿ト看做シ第一項ノ規定ヲ適用ス
第十条 削除
第十一条 削除
第十二条 削除
第十三条第一項中「選挙ノ日ヨリ少クトモ二十日前」ヲ「選挙ノ期日前二十日目マテ」ニ、同条第二項中「少クトモ七日前」ヲ「投票ノ期日前七日目マテ」ニ改ム
第十三条ノ二 議員候補者タラムトスル者ハ選挙ノ期日ノ告示アリタル日ヨリ選挙ノ期日前七日目マテニ其ノ旨ヲ選挙長ニ届出ツヘシ
選挙人名簿ニ登録セラレタル者他人ヲ議員候補者ト為サムトスルトキハ前項ノ期間内ニ其ノ推薦ノ届出ヲ為スコトヲ得
前二項ノ期間内ニ届出アリタル議員候補者其ノ選挙ニ於ケル議員ノ定数ヲ超ユル場合ニ於テ其ノ期間ヲ経過シタル後議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辞シタルトキハ前二項ノ例ニ依リ選挙ノ期日ノ前日マテ議員候補者ノ届出又ハ推薦届出ヲ為スコトヲ得
議員候補者ハ選挙長ニ届出ヲ為スニ非サレハ議員候補者タルコトヲ辞スルコトヲ得ス
前四項ノ届出アリタルトキ又ハ議員候補者ノ死亡シタルコトヲ知リタルトキハ選挙長ハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第十三条ノ三 議員候補者ノ届出又ハ推薦届出ヲ為サムトスル者ハ議員候補者一人ニ付二百円又ハ之ニ相当スル額面ノ国債証書ヲ供託スルコトヲ要ス
議員候補者ノ得票数其ノ選挙区ノ配当議員数ヲ以テ有効投票ノ総数ヲ除シテ得タル数ノ十分ノ一ニ達セサルトキハ前項ノ供託物ハ府県ニ帰属ス
議員候補者選挙ノ期日前十日以内ニ議員候補者タルコトヲ辞シタルトキハ前項ノ規定ヲ準用ス但シ被選挙権ヲ有セサルニ至リタル為議員候補者タルコトヲ辞シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十四条 市町村長ハ投票管理者ト為リ投票ニ関スル事務ヲ担任ス
第十五条 投票区ハ市町村ノ区域ニ依ル
投票所ハ市役所、町村役場又ハ投票管理者ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ク
投票管理者ハ選挙ノ期日前五日目マテニ投票所ヲ告示スヘシ
府県知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ市町村ノ区域ヲ分チテ数投票区ヲ設ケ又ハ数町村ノ区域ヲ合セテ一投票区ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ投票区ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六条 議員候補者ハ各投票区ニ於ケル選挙人名簿ニ登録セラレタル者ノ中ヨリ本人ノ承諾ヲ得テ投票立会人一人ヲ定メ選挙ノ期日ノ前日マテニ投票管理者ニ届出ツルコトヲ得但シ議員候補者死亡シ又ハ議員候補者タルコトヲ辞シタルトキハ其ノ届出テタル投票立会人ハ其ノ職ヲ失フ
前項ノ規定ニ依ル投票立会人三人ニ達セサルトキ若ハ三人ニ達セサルニ至リタルトキ又ハ投票立会人ニシテ参会スル者投票所ヲ開クヘキ時刻ニ至リ三人ニ達セサルトキ若ハ其ノ後三人ニ達セサルニ至リタルトキハ投票管理者ハ其ノ投票区ニ於ケル選挙人名簿ニ登録セラレタル者ノ中ヨリ三人ニ達スルマテノ投票立会人ヲ選任シ直ニ之ヲ本人ニ通知シ投票ニ立会ハシムヘシ
投票立会人ハ名誉職トス
投票立会人ハ正当ノ事故ナクシテ其ノ職ヲ辞スルコトヲ得ス
第十八条中「被選挙人」ヲ「議員候補者」ニ改メ同条第六項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
投票ニ関スル記載ニ付テハ勅令ヲ以テ定ムル点字ハ之ヲ文字ト看做ス
第十八条ノ二 確定名簿ニ登録セラレサル者ハ投票ヲ為スコトヲ得ス但シ選挙人名簿ニ登録セラルヘキ確定裁決書又ハ判決書ヲ所持シ選挙ノ当日投票所ニ到ル者ハ此ノ限ニ在ラス
確定名簿ニ登録セラレタル者選挙人名簿ニ登録セラルルコトヲ得サル者ナルトキハ投票ヲ為スコトヲ得ス選挙ノ当日選挙権ヲ有セサル者ナルトキ亦同シ
同府県内ニ於ケル二以上ノ市町村ニ於テ公民権ヲ有スル者ハ住所地市町村ニ於テノミ投票ヲ為スコトヲ得
第十九条 投票ノ拒否ハ投票立会人ノ意見ヲ聴キ投票管理者之ヲ決定スヘシ
前項ノ決定ヲ受ケタル選挙人不服アルトキハ投票管理者ハ仮ニ投票ヲ為サシムヘシ
前項ノ投票ハ選挙人ヲシテ之ヲ封筒ニ入レ封緘シ表面ニ自ラ其ノ氏名ヲ記載シ投函セシムヘシ
投票立会人ニ於テ異議アル選挙人ニ対シテモ亦前二項ニ同シ
第二十条 投票管理者ハ投票録ヲ作リ投票ニ関スル顛末ヲ記載シ二人以上ノ投票立会人ト共ニ之ニ署名スヘシ
第二十一条 投票管理者ハ其ノ指定シタル投票立会人ト共ニ町村ノ投票区ニ於テハ投票ノ翌日マテニ、市ノ投票区ニ於テハ投票ノ当日投票函、投票録及選挙人名簿ヲ選挙長ニ送致スヘシ
第二十二条中「投票函」ヲ「投票函、投票録及選挙人名簿」ニ改ム
第二十三条 選挙長ハ市長又ハ府県知事ノ指定シタル官吏ヲ以テ之ニ充ツ
選挙長ハ選挙会ニ関スル事務ヲ担任ス
選挙会ハ市役所又ハ選挙長ノ指定シタル場所ニ之ヲ開ク
選挙長ハ予メ選挙会ノ場所及日時ヲ告示スヘシ
第二十三条ノ二 府県知事特別ノ事情アリト認ムルトキハ区画ヲ定メテ開票区ヲ設クルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ開票区ヲ設クル場合ニ於テ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四条 第十六条ノ規定ハ選挙立会人ニ之ヲ準用ス
第二十五条 選挙長ハ総テノ投票函ノ送致ヲ受ケタル日ノ翌日選挙会ヲ開キ選挙立会人立会ノ上投票函ヲ開キ投票ノ総数ト投票人ノ総数トヲ計算スヘシ但シ場合ニ依リ投票函ノ送致ヲ受ケタル日選挙会ヲ開クコトヲ得
前項ノ計算終リタルトキハ選挙長ハ先ツ第十九条第二項及第四項ノ投票ヲ調査シ選挙立会人ノ意見ヲ聴キ其ノ受理如何ヲ決定スヘシ
選挙長ハ選挙立会人ト共ニ投票区毎ニ投票ヲ点検スヘシ
天災事変等ノ為選挙会ヲ開クコトヲ得サルトキハ選挙長ハ更ニ其ノ期日ヲ定ムヘシ
第二十六条ノ二 選挙会場ノ取締ニ付テハ第十七条第一項及第二項ノ規定ヲ準用ス
第二十七条 左ノ投票ハ之ヲ無効トス
一 成規ノ用紙ヲ用ヰサルモノ
二 議員候補者ニ非サル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
三 一投票中二人以上ノ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
四 被選挙権ナキ議員候補者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
五 議員候補者ノ氏名ノ外他事ヲ記載シタルモノ但シ爵位、職業、身分、住所又ハ敬称ノ類ヲ記入シタルモノハ此ノ限ニ在ラス
六 議員候補者ノ氏名ヲ自書セサルモノ
七 議員候補者ノ何人ヲ記載シタルカヲ確認シ難キモノ
八 府県会議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
前項第八号ノ規定ハ第八条、第三十二条又ハ第三十六条ノ規定ニ依ル選挙ノ場合ニ限リ之ヲ適用ス
第二十八条 投票ノ効力ハ選挙立会人ノ意見ヲ聴キ選挙長之ヲ決定スヘシ
第二十九条第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ其ノ選挙区ノ配当議員数ヲ以テ有効投票ノ総数ヲ除シテ得タル数ノ五分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
第二十九条ノ二 当選者選挙ノ期日後ニ於テ被選挙権ヲ有セサルニ至リタルトキハ当選ヲ失フ此ノ場合ニ於テハ第三十七条第二項ノ規定ヲ準用ス
第二十九条ノ三 第十三条ノ二第一項乃至第三項ノ規定ニ依ル届出アリタル議員候補者其ノ選挙ニ於ケル議員ノ定数ヲ超エサルトキハ其ノ選挙区ニ於テハ投票ヲ行ハス
前項ノ規定ニ依リ投票ヲ行フコトヲ要セサルトキハ選挙長ハ直ニ其ノ旨ヲ投票管理者ニ通知シ併セテ之ヲ告示シ且府県知事ニ報告スヘシ
投票管理者前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第一項ノ場合ニ於テハ選挙長ハ選挙ノ期日ヨリ五日以内ニ選挙会ヲ開キ議員候補者ヲ以テ当選者ト定ムヘシ
前項ノ場合ニ於テ議員候補者ノ被選挙権ノ有無ハ選挙立会人ノ意見ヲ聴キ選挙長之ヲ決定スヘシ
第三十条 選挙長ハ選挙録ヲ作リ選挙会ニ関スル顛末ヲ記載シ之ヲ朗読シ二人以上ノ選挙立会人ト共ニ之ニ署名スヘシ
選挙録、投票録、投票其ノ他ノ関係書類ハ選挙長(府県知事ノ指定シタル官吏選挙長タル場合ニ於テハ府県知事)ニ於テ、府県会議員選挙ニ用ヰタル選挙人名簿ハ市町村長ニ於テ議員ノ任期間之ヲ保存スヘシ
第三十一条第一項ヲ左ノ如ク改ム
当選者定マリタルトキハ選挙長ハ直ニ当選者ニ当選ノ旨ヲ告知シ同時ニ当選者ノ住所氏名ヲ告示シ且選挙録及投票録ノ写ヲ添ヘ之ヲ府県知事ニ報告スヘシ当選者ナキトキハ直ニ其ノ旨ヲ告示シ且選挙録及投票録ノ写ヲ添ヘ之ヲ府県知事ニ報告スヘシ
同条第四項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ第五項中「第六条第九項」ヲ「前項」ニ改ム
第六条第六項ニ掲クル在職ノ官吏以外ノ官吏ニシテ当選シタル者ハ所属長官ノ許可ヲ受クルニ非サレハ之ニ応スルコトヲ得ス
同条ニ左ノ二項ヲ加フ
府県ニ対シ請負ヲ為シ又ハ府県ニ於テ費用ヲ負担スル事業ニ付府県知事若ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ対シ請負ヲ為ス者若ハ其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行為ヲ為ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人ニシテ当選シタル者ハ其ノ請負ヲ罷メ又ハ請負ヲ為ス者ノ支配人若ハ主トシテ同一ノ行為ヲ為ス法人ノ無限責任社員、役員若ハ支配人タルコトナキニ至ルニ非サレハ当選ニ応スルコトヲ得ス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ準スヘキ者並清算人ヲ謂フ
第三十一条ノ二 選挙長ハ前条第一項ノ報告ヲ為シタルトキハ直ニ選挙人名簿ヲ町村長ニ返付スヘシ
第三十二条 当選者左ニ掲クル事由ノ一ニ該当スルトキハ三箇月以内ニ更ニ選挙ヲ行フヘシ但シ第二項ノ規定ニ依リ更ニ選挙ヲ行フコトナクシテ当選者ヲ定メ得ル場合ハ此ノ限ニ在ラス
一 当選ヲ辞シタルトキ
二 数選挙区ニ於テ選挙ニ当リタル場合ニ於テ第三十一条第三項ノ規定ニ依リ一ノ選挙区ノ選挙ニ応シタル為他ノ選挙区ニ於テ当選者タラサルニ至リタルトキ
三 第二十九条ノ二ノ規定ニ依リ当選ヲ失ヒタルトキ
四 死亡者ナルトキ
五 選挙ニ関スル犯罪ニ依リ刑ニ処セラレ当選無効ト為リタルトキ但シ同一人ニ関シ前各号ノ事由ニ依ル選挙又ハ補闕選挙ノ告示ヲ為シタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
六 第三十四条ノ二ノ規定ニ依ル訴訟ノ結果当選無効ト為リタルトキ
前項ノ事由第三十一条第二項、第三項若ハ第六項ノ規定ニ依ル期限前ニ生シタル場合ニ於テ第二十九条第一項但書ノ得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者アルトキ又ハ其ノ期限経過後ニ生シタル場合ニ於テ第二十九条第二項ノ規定ノ適用ヲ受ケタル得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者アルトキハ直ニ選挙会ヲ開キ其ノ者ノ中ニ就キ当選者ヲ定ムヘシ
前項ノ場合ニ於テ第二十九条第一項但書ノ得票者ニシテ当選者ト為ラサリシ者選挙ノ期日後ニ於テ被選挙権ヲ有セサルニ至リタルトキハ之ヲ当選者ト定ムルコトヲ得ス此ノ場合ニ於テハ第三十七条第二項ノ規定ヲ準用ス
第一項ノ期間ハ第三十四条第七項ノ規定ノ適用アル場合ニ於テハ選挙ヲ行フコトヲ得サル事由已ミタル日ノ翌日ヨリ之ヲ起算ス
第一項ノ事由議員ノ任期満了前六箇月以内ニ生シタルトキハ第一項ノ選挙ハ之ヲ行ハス但シ議員ノ数其ノ定員ノ三分ノ二ニ満チサルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十三条ニ左ノ一項ヲ加フ
当選者ナキニ至リタルトキ又ハ当選者其ノ選挙ニ於ケル議員ノ定数ニ達セサルニ至リタルトキハ府県知事ハ直ニ其ノ旨ヲ告示スヘシ
第三十四条第一項中「選挙人選挙若ハ当選」ヲ「選挙人又ハ議員候補者選挙又ハ当選」ニ、「前条告示ノ日」ヲ「第三十一条第一項又ハ前条第二項ノ告示ノ日」ニ、同条第二項及第三項ヲ左ノ如ク、第六項中「郡市長」ヲ「又ハ選挙長」ニ、同条第七項中「第三十六条第二項」ヲ「第三十六条第一項若ハ第三項」ニ改ム
前項ノ異議申立アリタルトキハ府県知事ハ七日以内ニ之ヲ府県参事会ノ決定ニ付スヘシ
府県知事選挙又ハ当選ノ効力ニ関シ異議アルトキハ第一項申立ノ有無ニ拘ラス第三十一条第一項ノ報告ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内ニ府県参事会ノ決定ニ付スルコトヲ得
第三十四条ノ二 衆議院議員選挙法第百十条ノ規定ノ準用ニ依リ当選ヲ無効ナリト認ムルトキハ選挙人又ハ議員候補者ハ当選者ヲ被告トシ第三十一条第一項告示ノ日ヨリ三十日以内ニ控訴院ニ出訴スルコトヲ得
衆議院議員選挙法第百三十六条ノ規定ノ準用ニ依リ選挙事務長カ同法第百十二条又ハ第百十三条ノ規定ノ準用ニ依ル罪ヲ犯シ刑ニ処セラレタルニ因リ当選ヲ無効ナリト認ムルトキハ選挙人又ハ議員候補者ハ当選者ヲ被告トシ其ノ裁判確定ノ日ヨリ三十日以内ニ控訴院ニ出訴スルコトヲ得
前二項控訴院ノ判決ニ不服アル者ハ大審院ニ上告スルコトヲ得
衆議院議員選挙法第八十五条、第八十七条及第百四十一条ノ規定ハ前三項ノ規定ニ依ル訴訟ニ之ヲ準用ス
第三十五条第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ第二項ヲ削ル
但シ当選ニ異動ヲ生スルノ虞ナキ者ヲ区分シ得ルトキハ其ノ者ニ限リ当選ヲ失フコトナシ
第三十六条 選挙無効ト確定シタルトキハ三箇月以内ニ更ニ選挙ヲ行フヘシ
当選無効ト確定シタルトキハ直ニ選挙会ヲ開キ更ニ当選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第三十二条第三項ノ規定ヲ準用ス
当選者ナキトキ、当選者ナキニ至リタルトキ又ハ当選者其ノ選挙ニ於ケル議員ノ定数ニ達セサルトキ若ハ定数ニ達セサルニ至リタルトキハ三箇月以内ニ更ニ選挙ヲ行フヘシ
第三十二条第四項及第五項ノ規定ハ第一項及前項ノ選挙ニ之ヲ準用ス
第三十七条第一項ヲ左ノ如ク改メ第二項中「被選挙権ヲ有セサル者」ノ下ニ「又ハ第三十一条第七項ニ掲クル者」ヲ、同条第三項中「通知ヲ受ケタルトキハ」ノ下ニ「七日以内ニ」ヲ、「被選挙権ヲ有セサル者」ノ下ニ「又ハ第三十一条第七項ニ掲クル者」ヲ加フ
府県会議員被選挙権ヲ有セサル者ナルトキ又ハ第三十一条第七項ニ掲クル者ナルトキハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選挙権ノ有無又ハ第三十一条第七項ニ掲クル者ニ該当スルヤ否ハ府県会議員カ左ノ各号ノ一ニ該当スルニ因リ被選挙権ヲ有セサル場合ヲ除クノ外府県参事会其ノ異議ヲ決定ス
一 禁治産者又ハ準禁治産者ト為リタルトキ
二 破産者ト為リタルトキ
三 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
四 選挙ニ関スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑ニ処セラレタルトキ
府県会議員ハ住所ヲ移シタル為被選挙権ヲ失フコトアルモ其ノ住所同府県内ニ在ルトキハ之カ為其ノ職ヲ失フコトナシ但シ同府県内ニ於テ住所ヲ移シタル後被選挙権ヲ失フヘキ其ノ他ノ事由ニ該当スルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第三十九条 府県会議員ノ選挙ニ付テハ衆議院議員選挙法第十章及第十一章並第百四十条第二項及第百四十二条ノ規定ヲ準用ス但シ議員候補者一人ニ付定ムヘキ選挙事務所ノ数、選挙委員及選挙事務員ノ数並選挙運動ノ費用ノ額ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第五十一条第二項中「開会ノ日ヨリ少クトモ十四日前」ヲ「開会ノ日前十四日目マテ」ニ改ム
第五十三条ニ左ノ一項ヲ加フ
議長ハ其ノ職務ヲ行フ場合ニ於テモ之カ為議員トシテ議決ニ加ハルノ権ヲ失ハス
第六十四条第二項ヲ削ル
第六十五条 府県ニ府県参事会ヲ置キ議長及名誉職参事会員十人ヲ以テ之ヲ組織ス
第六十六条第五項中「毎年」ヲ「隔年」ニ、同条第六項中「後任者就任ノ前日マテ」ヲ「後任者ノ就任スルニ至ルマテ」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
名誉職参事会員ハ其ノ選挙ニ関スル第八十二条第一項ノ処分確定シ又ハ判決アルマテハ会議ニ参与スルノ権ヲ失ハス
第六十七条中「高等官参事会員」ヲ「其ノ代理者」ニ改ム
第六十八条中左ノ如ク改ム
三 削除
第七十三条第二項ヲ削リ第三項中「過半数」ヲ「名誉職参事会員ノ過半数」ニ改ム
第七十四条第一項中「府県参事会員」ヲ「議長、其ノ代理者及名誉職参事会員」ニ改ム
第七十九条 削除
第八十条第一項中「郡島ノ官吏吏員又ハ」ヲ削ル
第九十六条第二項中「前項ノ異議ハ」ヲ「前項ノ異議ノ申立アリタルトキハ府県知事ハ七日以内ニ」ニ改ム
第百条第一項中「其ノ細則ニハ過料五円以下ノ罰則ヲ設クルコトヲ得」ヲ及同条第二項ヲ削ル
第百十条ニ左ノ一項ヲ加フ
府県ハ公益上其ノ他ノ事由ニ因リ課税ヲ不適当トスル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ府県税ヲ課セサルコトヲ得
第百十一条 府県ノ一部ニ対シ特ニ利益アル事件ニ関シテハ府県ハ不均一ノ賦課ヲ為シ又ハ府県ノ一部ニ対シ賦課ヲ為スコトヲ得
第百十四条 詐偽其ノ他ノ不正ノ行為ニ依リ使用料ノ徴収ヲ免レ又ハ府県税ヲ逋脱シタル者ニ付テハ府県知事ハ府県会ノ議決ヲ経テ其ノ徴収ヲ免レ又ハ逋脱シタル金額ノ三倍ニ相当スル金額(其ノ金額五円未満ナルトキハ五円)以下ノ過料ヲ科スル規定ヲ設クルコトヲ得
前項ニ定ムルモノヲ除ク外使用料、手数料及府県税ノ賦課徴収ニ関シテハ府県知事ハ府県会ノ議決ヲ経テ五円以下ノ過料ヲ科スル規定ヲ設クルコトヲ得財産又ハ営造物ノ使用ニ関シ亦同シ
過料ヲ科シ及之ヲ徴収スルハ府県知事之ヲ掌ル其ノ処分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百十五条第三項中「前二項ノ異議ハ」ヲ「前二項ノ異議ノ申立アリタルトキハ府県知事ハ七日以内ニ」ニ、同条第五項中「郡島ノ官吏吏員」ヲ「、其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員又ハ」ニ改ム
第百二十四条第二項及第三項ヲ削ル
第百二十六条ノ四中「其ノ財産処分ニ付亦同シ」ヲ「関係府県ノ協議ニ依リ之ヲ定ム」ニ改ム
第百二十八条ノ二 異議ノ決定ハ本法中別ニ期間ヲ定メタルモノヲ除ク外其ノ決定ニ付セラレタル日ヨリ三箇月以内ニ之ヲ為スヘシ
府県参事会訴願ヲ受理シタルトキハ其ノ日ヨリ三箇月以内ニ之ヲ裁決スヘシ
第百三十三条中左ノ如ク改ム
一 削除
四 第百十一条ノ規定ニ依リ不均一ノ賦課ヲ為シ又ハ府県ノ一部ニ対シ賦課ヲ為スコト
第百三十九条第一項ヲ削ル
第百四十二条 本法中官吏ニ関スル規定ハ待遇官吏ニ之ヲ適用ス
第百四十三条 第四条第二項但書ノ市ニ於テハ第二章第一款中市ニ関スル規定ハ区ニ、市長ニ関スル規定ハ区長ニ、市役所ニ関スル規定ハ区役所ニ之ヲ適用ス
第百四十四条 町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同処理スルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ一町村、其ノ組合管理者ハ之ヲ町村長、其ノ組合吏員ハ之ヲ町村吏員、其ノ組合役場ハ之ヲ町村役場ト看做ス
第百四十五条 従前郡長又ハ島司ノ管轄シタル区域内ニ於テ市ノ設置アリタルトキ又ハ其ノ区域ノ境界ニ渉リテ市町村ノ境界ノ変更アリタルトキハ其ノ区域モ亦自ラ変更シタルモノト看做ス
従前郡長又ハ島司ノ管轄シタル区域ノ境界ニ渉リテ町村ノ設置アリタル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付其ノ町村ノ属スヘキ区域ハ内務大臣之ヲ定ム
附 則
本法中議員選挙ニ関スル規定ハ次ノ総選挙ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
次ノ総選挙ニ至ルマテノ間従前ノ第九条、第十二条、第十四条、第二十一条、第二十三条乃至第二十五条、第三十条及第三十四条ノ規定ニ依リ難キ事項ニ付テハ勅令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
大正十五年市制中改正法律又ハ町村制中改正法律中公民権ニ関スル規定ハ之ヲ施行セサル市町村ニ於テハ府県制中市町村公民ニ関スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス此ノ場合ニ於テ議員ノ選挙ニ必要ナル選挙人名簿ニ関シテハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
大正十五年市制中改正法律又ハ町村制中改正法律中公民権ニ関スル規定ハ之ヲ施行シタル市町村ニ於テハ府県制中市町村公民ニ関スル規定ノ適用ニ付次ノ総選挙ニ至ルマテノ間未タ之ヲ施行セサルモノト看做ス
本法施行ノ際大正十四年法律第四十七号衆議院議員選挙法未タ施行セラレサル場合ニ於テハ本法ノ適用ニ付テハ同法ハ既ニ施行セラレタルモノト看做ス
本法施行ノ際必要ナル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム