船舶無線電信施設法
法令番号: 法律第十一號
公布年月日: 大正14年3月28日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル船舶無線電信施設法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十四年三月二十七日
內閣總理大臣 子爵 加藤高明
遞信大臣 犬養毅
法律第十一號
船舶無線電信施設法
第一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル日本船舶ハ無線電信ノ施設ナクシテ遠洋航路又ハ近海航路ニ於テ之ヲ航行セシムルコトヲ得ス但シ航海ノ目的其ノ他ノ事情ニ依リ已ムコトヲ得スト認メラルルトキハ主務大臣ハ期間ヲ指定シ其ノ施設ナクシテ之ヲ航行ノ用ニ供セシムルコトヲ得
一 總噸數二千噸以上ノ船舶
二 五十人以上ノ人員ヲ搭載スル船舶
前項第二號ノ人員ハ旅客ニ付テハ旅客定員ニ依リ之ヲ算定ス
傷病船員ノ補充、海難救助其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ臨時ニ搭載シタル人員ハ之ヲ第一項第二號ノ人員中ニ算入セス
第一項第二號ノ船舶ニシテ總噸數二千噸未滿ノモノニ付テハ主務大臣ハ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二條 當該官吏ハ無線電信施設ノ檢査ヲ行フ爲必要アルトキハ何時ニテモ船舶ニ臨檢シ又ハ其ノ航行ノ停止ヲ命スルコトヲ得
第三條 船舶所有者又ハ船長カ本法、本法ニ基キテ發スル命令又ハ前條ノ航行停止ノ命令ニ違反シテ船舶ヲ航行セシメタルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ規定ニ該當スル船舶所有者カ未成年者若ハ禁治產者ナル場合又ハ法人ナル場合ニ於テ其ノ者ニ適用スヘキ罰則ハ其ノ法定代理人又ハ法令ノ規定ニ依リテ法人ヲ代表スル者ニ之ヲ適用ス
第四條 正當ノ事由ナクシテ當該官吏ノ臨檢ヲ拒ミ妨ケ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サス若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第五條 本法ニ於テ船舶所有者ニ關スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテハ之ヲ船舶管理人ニ、船舶賃貸借ノ場合ニ在リテハ之ヲ船舶賃借人ニ適用シ船長ニ關スル規定ハ之ヲ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニ適用ス
第六條 本法ハ日本船舶ニ非サル船舶ニシテ本法施行地內ノ港ニ出入スルモノニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル船舶無線電信施設法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十四年三月二十七日
内閣総理大臣 子爵 加藤高明
逓信大臣 犬養毅
法律第十一号
船舶無線電信施設法
第一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル日本船舶ハ無線電信ノ施設ナクシテ遠洋航路又ハ近海航路ニ於テ之ヲ航行セシムルコトヲ得ス但シ航海ノ目的其ノ他ノ事情ニ依リ已ムコトヲ得スト認メラルルトキハ主務大臣ハ期間ヲ指定シ其ノ施設ナクシテ之ヲ航行ノ用ニ供セシムルコトヲ得
一 総噸数二千噸以上ノ船舶
二 五十人以上ノ人員ヲ搭載スル船舶
前項第二号ノ人員ハ旅客ニ付テハ旅客定員ニ依リ之ヲ算定ス
傷病船員ノ補充、海難救助其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ臨時ニ搭載シタル人員ハ之ヲ第一項第二号ノ人員中ニ算入セス
第一項第二号ノ船舶ニシテ総噸数二千噸未満ノモノニ付テハ主務大臣ハ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二条 当該官吏ハ無線電信施設ノ検査ヲ行フ為必要アルトキハ何時ニテモ船舶ニ臨検シ又ハ其ノ航行ノ停止ヲ命スルコトヲ得
第三条 船舶所有者又ハ船長カ本法、本法ニ基キテ発スル命令又ハ前条ノ航行停止ノ命令ニ違反シテ船舶ヲ航行セシメタルトキハ千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ規定ニ該当スル船舶所有者カ未成年者若ハ禁治産者ナル場合又ハ法人ナル場合ニ於テ其ノ者ニ適用スヘキ罰則ハ其ノ法定代理人又ハ法令ノ規定ニ依リテ法人ヲ代表スル者ニ之ヲ適用ス
第四条 正当ノ事由ナクシテ当該官吏ノ臨検ヲ拒ミ妨ケ若ハ忌避シ又ハ其ノ尋問ニ対シ答弁ヲ為サス若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第五条 本法ニ於テ船舶所有者ニ関スル規定ハ船舶共有ノ場合ニ在リテハ之ヲ船舶管理人ニ、船舶賃貸借ノ場合ニ在リテハ之ヲ船舶賃借人ニ適用シ船長ニ関スル規定ハ之ヲ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニ適用ス
第六条 本法ハ日本船舶ニ非サル船舶ニシテ本法施行地内ノ港ニ出入スルモノニ之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム