(営業税法中改正法律)
法令番号: 法律第九號
公布年月日: 大正12年3月27日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル營業稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十二年三月二十六日
內閣總理大臣 男爵 加藤友三郞
大藏大臣 市來乙彥
法律第九號
營業稅法中左ノ通改正ス
第五條ノ二中「私設鐵道法、輕便鐵道法」ヲ「地方鐵道法」ニ改ム
第十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
營業稅ハ左ノ課稅標準及稅率ニ依リ每年之ヲ賦課ス
業名
課稅標準
稅率
物品販賣業
賣上金額
卸賣
甲 萬分ノ八
乙 萬分ノ十一
小賣
甲 萬分ノ二十
乙 萬分ノ三十
從業者
一人毎ニ二圓
銀行業、保險業、無盡業
資本金額
千分ノ三、五
從業者
一人毎ニ二圓
金錢貸付業、物品貸付業
運轉資本金額
千分ノ四、八
從業者
一人毎ニ二圓
製造業、印刷業、出版業、寫眞業
資本金額
千分ノ三、三
從業者
一人毎ニ二圓
従業者ノ内職工勞役者
一人毎五十銭
運送業、運河業、棧橋業、船舶碇繋場業、貨物陸揚場業
資本金額
千分ノ三、五
從業者
一人毎ニ二圓
従業者ノ内職工勞役者
一人毎五十銭
倉庫業
建物賃貸價格
千分ノ五十七
從業者
一人毎ニ二圓
従業者ノ内職工勞役者
一人毎五十銭
鐡道業
収入金額
千分ノ十四
從業者
一人毎ニ二圓
従業者ノ内職工勞役者
一人毎五十銭
請負業
請負金額
千分ノ二、八
從業者
一人毎ニ二圓
従業者ノ内職工勞役者
一人毎五十銭
席貸業
建物賃貸價格
千分ノ七十九
從業者
一人毎ニ二圓
料理店業
建物賃貸價格
千分ノ八十
從業者
一人毎ニ二圓
旅人宿業
建物賃貸價格
千分ノ五十七
從業者
一人毎ニ二圓
周旋業、代理業、仲立業、問屋業、信託業
報償金額
千分ノ二十一
從業者
一人毎ニ二圓
第十七條 製造業ノ資本金額カ左ノ金額ノ十二割ニ相當スル金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ヲ課稅標準ヨリ控除ス
一 前年ノ資本金額カ前前年ノ資本金額以下ナルトキハ前年ノ資本金額
二 前年ノ資本金額カ前前年ノ資本金額ヲ超過スルトキハ前前年ノ資本金額
第二十六條 課稅標準ハ營業稅調査委員會ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
調査委員會閉會後課稅標準ノ決定ニ付脫漏アルコトヲ發見シタルトキハ其ノ決定ヲ爲スヘカリシ年ノ翌年ニ於ケル調査委員會ノ調査ニ依リ政府ニ於テ其ノ課稅標準ヲ決定スルコトヲ得
調査委員會閉會後營業者納稅義務アルコトヲ申出テ又ハ課稅標準ノ增加アルコトヲ申出テタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラス政府ニ於テ其ノ課稅標準ヲ決定ス
第二十六條ノ二ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ前條第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十六條ノ三中「又ハ北海道、沖繩縣ノ區」ヲ削ル
第二十六條ノ四 調査委員ハ各選擧區ニ於テ之ヲ選擧ス
調査委員ヲ選擧スルトキハ同時ニ之ト同數ノ補闕員ヲ選擧スヘシ
第二十六條ノ五 調査委員及補闕員ノ選擧區域ハ調査委員會ヲ置クヘキ區域ニ依リ投票區及開票區ハ市町村ノ區域ニ依ル但シ市制第六條ノ規定ニ依リ指定セラレタル市ニ在リテハ區ノ區域ニ依ル
町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同處理スルモノハ之ヲ一町村ト看做ス
第二十六條ノ六 選擧區域內ニ於テ營業シ其ノ年第十三條ノ申告ヲ爲シ課稅標準ノ決定ヲ受ケタル者ニシテ選擧人名簿ニ登錄セラレタルモノハ調査委員及補闕員ヲ選擧シ又ハ調査委員若ハ補闕員ニ選擧セラルルコトヲ得但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ此ノ限ニ在ラス
一 無能力者
二 破產若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復權セサル者又ハ身代限ノ處分ヲ受ケ債務ノ辨濟ヲ了ヘサル者
三 國稅滯納處分ヲ受ケタル後一年ヲ經サル者
四 六年以上ノ懲役若ハ禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ舊刑法ノ重罪ノ刑ニ處セラレタル者
五 六年未滿ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ處セラレタル者ニシテ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者
六 第三十四條ノ二又ハ第三十四條ノ三ノ規定ニ依リ處罰セラレタル後五年ヲ經サル者
其ノ年分課稅標準決定前選擧ヲ爲ス場合ニ於テハ前年營業稅ヲ納メ其ノ年第十三條ノ申告ヲ爲シタル者ヲ以テ課稅標準ノ決定ヲ受ケタル者ト看做ス
營業繼續ノ場合ニ於テハ前ノ營業者ノ爲シタル申告若ハ納稅又ハ其ノ受ケタル課稅標準ノ決定ハ後ノ營業者ノ爲シタル申告若ハ納稅又ハ其ノ受ケタル課稅標準ノ決定ト看做ス
營業者カ法人ナル場合ニ於テハ選擧ニ關スル代表者ヲ定メ政府ニ申告スヘシ
調査委員ニ當選シタル者又ハ第一項但書ニ該當スル者ハ法人ノ代表者タルコトヲ得ス
選擧人名簿ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六條ノ七 投票及開票ニ關スル事務ハ市區町村長又ハ戶長之ヲ擔任シ選擧會ニ關スル事務ハ稅務署長之ヲ擔任ス
第二十六條ノ五第二項ノ町村組合ニ付テハ其ノ組合管理者ヲ町村長ト看做ス
第二十六條ノ八 稅務署長ハ調査委員及補闕員ノ選擧期日ヲ定メ之ヲ市區町村長又ハ戶長ニ通知スヘシ
市區町村長又ハ戶長前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ少クトモ選擧期日七日前其ノ旨ヲ公示スヘシ
第二十六條ノ九 選擧ハ無記名投票ヲ以テ之ヲ行フ
投票ハ調査委員及補闕員ノ各選擧ニ付選擧區域每ニ一人一票ニ限ル
選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ投票所ニ至リ被選擧人各一人ノ氏名ヲ各別ノ投票用紙ニ記載シテ投票スヘシ但シ選擧區域ヲ異ニシ各別ニ營業稅ヲ納ムル場合ニ於テハ代人ヲシテ投票セシムルコトヲ得
投票用紙ハ選擧ノ當日投票所ニ於テ之ヲ選擧人ニ交付ス
第二十六條ノ十 市區町村長又ハ戶長ハ投票ヲ調査シ直ニ其ノ結果ヲ稅務署長ニ報告スヘシ
第二十六條ノ十一 稅務署長前條ノ報告ヲ受ケタルトキハ選擧會ヲ開キ之ヲ調査スヘシ
第二十六條ノ十二 投票、開票及選擧會ニハ立會人ヲ立會ハシムヘシ
立會人ニ關スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六條ノ十三 投票ノ多數ヲ得タル者ヲ以テ當選人トス投票ノ數同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
調査委員ニ當選シタル者同時ニ補闕員ニ當選スルモ補闕員タルコトヲ得ス
第二十六條ノ十四 調査委員及補闕員ノ選擧終了シタルトキハ稅務署長ハ當選人ノ氏名ヲ公示シ且之ヲ當選人及市區町村長又ハ戶長ニ通知スヘシ
市區町村長又ハ戶長前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ當選人ノ氏名ヲ公示スヘシ
第二十六條ノ十七 調査委員及補闕員ノ任期ハ選擧期日ノ屬スル月ヨリ四年トス但シ選擧區域ニ變更ヲ生シタル場合ニ於テハ其ノ任期ハ選擧區域ニ變更ヲ生シタル日ノ屬スル月ヲ以テ終了スルモノトス
第二十六條ノ十九 調査委員ニ闕員ヲ生シタルトキハ投票ノ最多數ヲ得タル補闕員ヨリ順次之ヲ補充シ投票ノ數同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
調査委員ニ闕員ヲ生シ之ヲ補充スヘキ補闕員ナキトキハ調査委員ノ補闕選擧ヲ行フ
第二十六條ノ二十中「補闕員ヨリ調査委員」ヲ「前條ノ規定ニ依リ調査委員又ハ補闕員」ニ改ム
第二十六條ノ二十七中「五月三十一日」ヲ「三月三十一日」ニ改ム
第二十八條ノ一 前條ノ請求アリタルトキハ營業稅審査委員會ノ決議ニ依リ政府ニ於テ其ノ課稅標準ヲ決定ス
審査委員會ハ前條ノ請求ヲ爲シタル者ニ對シ營業ニ關スル事項ヲ質問スルコトヲ得
第二十六條ノ二十八ノ規定ハ之ヲ審査委員會ノ決議ニ準用ス
第二十八條ノ二 各稅務監督局所轄內ニ營業稅審査委員會ヲ置ク
審査委員會ハ左ノ審査委員ヲ以テ之ヲ組織ス
一 收稅官吏中ヨリ大藏大臣ノ命シタル者三人
二 稅務監督局所轄內各府縣又ハ北海道ニ於テ調査委員ノ互選シタル者府縣ニ在リテハ各一人北海道ニ在リテハ四人
審査委員會、審査委員及其ノ補闕員ニ關スル事項ハ本法ニ定ムルモノヲ除クノ外命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八條ノ三 調査委員ヨリ選擧セラレタル審査委員ニハ日當及旅費ヲ給ス
第二十八條ノ四 課稅標準中其ノ年ノ實蹟ニ依リ計算シタル額カ政府ノ決定シタル額ノ二分ノ一ニ達セサルモノアルトキハ政府ハ營業者ノ請求ニ因リ其ノ課稅標準ヲ更訂ス
第二十九條 其ノ年ニ於ケル營業ノ利益カ其ノ年分營業稅額ニ達セサルトキハ營業者ノ請求ニ因リ其ノ不足額ニ相當スル營業稅ヲ免除ス
前項ノ利益ノ計算ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第三十條 前二條ノ規定ニ依リ課稅標準ノ更訂又ハ營業稅ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ翌年一月三十一日迄ニ之ヲ政府ニ請求スヘシ但シ法人ニ在リテハ前條ノ請求ニ限リ其ノ年十二月末日ヲ含ム事業年度終了後三十日以內ニ請求スルコトヲ得
第三十一條 前條ノ請求アリタルトキハ政府ハ其ノ處分ノ確定スルニ至ル迄稅金ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
第三十一條ノ二 營業者第二十八條ノ一ノ決定又ハ第二十八條ノ四若ハ第二十九條ノ處分ニ對シ不服アルトキハ訴願又ハ行政訴訟ヲ爲スコトヲ得
第三十三條ノ二 政府ハ同業組合其ノ他ノ營業者ノ團體ニ對シ營業稅ノ課稅標準ニ關スル事項ヲ諮問スルコトヲ得
前項ノ諮問ヲ受ケタル團體ハ命令ノ定ムル所ニ依リ課稅標準ニ關スル調書ヲ提出スヘシ
附 則
本法ハ大正十二年三月三十一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十二條、第十七條及第二十八條ノ四乃至第三十一條ノ改正規定ハ大正十二年分營業稅ヨリ之ヲ適用ス
營業稅調査委員及營業稅審査委員ニ關シテハ大正十二年五月十日迄ハ仍從前ノ規定ニ依ル
第二十六條ノ二十七ノ改正規定中三月三十一日トアルハ大正十二年ニ限リ五月十日トス
大正十二年三月末日ニ於テ任期ノ終了スヘキ營業稅調査委員及補闕員ノ任期ハ大正十二年五月十日迄之ヲ延長ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル営業税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十二年三月二十六日
内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎
大蔵大臣 市来乙彦
法律第九号
営業税法中左ノ通改正ス
第五条ノ二中「私設鉄道法、軽便鉄道法」ヲ「地方鉄道法」ニ改ム
第十二条第一項ヲ左ノ如ク改ム
営業税ハ左ノ課税標準及税率ニ依リ毎年之ヲ賦課ス
業名
課税標準
税率
物品販売業
売上金額
卸売
甲 万分ノ八
乙 万分ノ十一
小売
甲 万分ノ二十
乙 万分ノ三十
従業者
一人毎ニ二円
銀行業、保険業、無尽業
資本金額
千分ノ三、五
従業者
一人毎ニ二円
金銭貸付業、物品貸付業
運転資本金額
千分ノ四、八
従業者
一人毎ニ二円
製造業、印刷業、出版業、写真業
資本金額
千分ノ三、三
従業者
一人毎ニ二円
従業者ノ内職工労役者
一人毎五十銭
運送業、運河業、桟橋業、船舶碇繋場業、貨物陸揚場業
資本金額
千分ノ三、五
従業者
一人毎ニ二円
従業者ノ内職工労役者
一人毎五十銭
倉庫業
建物賃貸価格
千分ノ五十七
従業者
一人毎ニ二円
従業者ノ内職工労役者
一人毎五十銭
鉄道業
収入金額
千分ノ十四
従業者
一人毎ニ二円
従業者ノ内職工労役者
一人毎五十銭
請負業
請負金額
千分ノ二、八
従業者
一人毎ニ二円
従業者ノ内職工労役者
一人毎五十銭
席貸業
建物賃貸価格
千分ノ七十九
従業者
一人毎ニ二円
料理店業
建物賃貸価格
千分ノ八十
従業者
一人毎ニ二円
旅人宿業
建物賃貸価格
千分ノ五十七
従業者
一人毎ニ二円
周旋業、代理業、仲立業、問屋業、信託業
報償金額
千分ノ二十一
従業者
一人毎ニ二円
第十七条 製造業ノ資本金額カ左ノ金額ノ十二割ニ相当スル金額ヲ超過スルトキハ其ノ超過額ヲ課税標準ヨリ控除ス
一 前年ノ資本金額カ前前年ノ資本金額以下ナルトキハ前年ノ資本金額
二 前年ノ資本金額カ前前年ノ資本金額ヲ超過スルトキハ前前年ノ資本金額
第二十六条 課税標準ハ営業税調査委員会ノ調査ニ依リ政府ニ於テ之ヲ決定ス
調査委員会閉会後課税標準ノ決定ニ付脱漏アルコトヲ発見シタルトキハ其ノ決定ヲ為スヘカリシ年ノ翌年ニ於ケル調査委員会ノ調査ニ依リ政府ニ於テ其ノ課税標準ヲ決定スルコトヲ得
調査委員会閉会後営業者納税義務アルコトヲ申出テ又ハ課税標準ノ増加アルコトヲ申出テタルトキハ前二項ノ規定ニ拘ラス政府ニ於テ其ノ課税標準ヲ決定ス
第二十六条ノ二ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ前条第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第二十六条ノ三中「又ハ北海道、沖縄県ノ区」ヲ削ル
第二十六条ノ四 調査委員ハ各選挙区ニ於テ之ヲ選挙ス
調査委員ヲ選挙スルトキハ同時ニ之ト同数ノ補闕員ヲ選挙スヘシ
第二十六条ノ五 調査委員及補闕員ノ選挙区域ハ調査委員会ヲ置クヘキ区域ニ依リ投票区及開票区ハ市町村ノ区域ニ依ル但シ市制第六条ノ規定ニ依リ指定セラレタル市ニ在リテハ区ノ区域ニ依ル
町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同処理スルモノハ之ヲ一町村ト看做ス
第二十六条ノ六 選挙区域内ニ於テ営業シ其ノ年第十三条ノ申告ヲ為シ課税標準ノ決定ヲ受ケタル者ニシテ選挙人名簿ニ登録セラレタルモノハ調査委員及補闕員ヲ選挙シ又ハ調査委員若ハ補闕員ニ選挙セラルルコトヲ得但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ此ノ限ニ在ラス
一 無能力者
二 破産若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復権セサル者又ハ身代限ノ処分ヲ受ケ債務ノ弁済ヲ了ヘサル者
三 国税滞納処分ヲ受ケタル後一年ヲ経サル者
四 六年以上ノ懲役若ハ禁錮ノ刑ニ処セラレ又ハ旧刑法ノ重罪ノ刑ニ処セラレタル者
五 六年未満ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタル者ニシテ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至ル迄ノ者
六 第三十四条ノ二又ハ第三十四条ノ三ノ規定ニ依リ処罰セラレタル後五年ヲ経サル者
其ノ年分課税標準決定前選挙ヲ為ス場合ニ於テハ前年営業税ヲ納メ其ノ年第十三条ノ申告ヲ為シタル者ヲ以テ課税標準ノ決定ヲ受ケタル者ト看做ス
営業継続ノ場合ニ於テハ前ノ営業者ノ為シタル申告若ハ納税又ハ其ノ受ケタル課税標準ノ決定ハ後ノ営業者ノ為シタル申告若ハ納税又ハ其ノ受ケタル課税標準ノ決定ト看做ス
営業者カ法人ナル場合ニ於テハ選挙ニ関スル代表者ヲ定メ政府ニ申告スヘシ
調査委員ニ当選シタル者又ハ第一項但書ニ該当スル者ハ法人ノ代表者タルコトヲ得ス
選挙人名簿ニ関スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六条ノ七 投票及開票ニ関スル事務ハ市区町村長又ハ戸長之ヲ担任シ選挙会ニ関スル事務ハ税務署長之ヲ担任ス
第二十六条ノ五第二項ノ町村組合ニ付テハ其ノ組合管理者ヲ町村長ト看做ス
第二十六条ノ八 税務署長ハ調査委員及補闕員ノ選挙期日ヲ定メ之ヲ市区町村長又ハ戸長ニ通知スヘシ
市区町村長又ハ戸長前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ少クトモ選挙期日七日前其ノ旨ヲ公示スヘシ
第二十六条ノ九 選挙ハ無記名投票ヲ以テ之ヲ行フ
投票ハ調査委員及補闕員ノ各選挙ニ付選挙区域毎ニ一人一票ニ限ル
選挙人ハ選挙ノ当日投票時間内ニ自ラ投票所ニ至リ被選挙人各一人ノ氏名ヲ各別ノ投票用紙ニ記載シテ投票スヘシ但シ選挙区域ヲ異ニシ各別ニ営業税ヲ納ムル場合ニ於テハ代人ヲシテ投票セシムルコトヲ得
投票用紙ハ選挙ノ当日投票所ニ於テ之ヲ選挙人ニ交付ス
第二十六条ノ十 市区町村長又ハ戸長ハ投票ヲ調査シ直ニ其ノ結果ヲ税務署長ニ報告スヘシ
第二十六条ノ十一 税務署長前条ノ報告ヲ受ケタルトキハ選挙会ヲ開キ之ヲ調査スヘシ
第二十六条ノ十二 投票、開票及選挙会ニハ立会人ヲ立会ハシムヘシ
立会人ニ関スル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十六条ノ十三 投票ノ多数ヲ得タル者ヲ以テ当選人トス投票ノ数同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
調査委員ニ当選シタル者同時ニ補闕員ニ当選スルモ補闕員タルコトヲ得ス
第二十六条ノ十四 調査委員及補闕員ノ選挙終了シタルトキハ税務署長ハ当選人ノ氏名ヲ公示シ且之ヲ当選人及市区町村長又ハ戸長ニ通知スヘシ
市区町村長又ハ戸長前項ノ通知ヲ受ケタルトキハ当選人ノ氏名ヲ公示スヘシ
第二十六条ノ十七 調査委員及補闕員ノ任期ハ選挙期日ノ属スル月ヨリ四年トス但シ選挙区域ニ変更ヲ生シタル場合ニ於テハ其ノ任期ハ選挙区域ニ変更ヲ生シタル日ノ属スル月ヲ以テ終了スルモノトス
第二十六条ノ十九 調査委員ニ闕員ヲ生シタルトキハ投票ノ最多数ヲ得タル補闕員ヨリ順次之ヲ補充シ投票ノ数同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
調査委員ニ闕員ヲ生シ之ヲ補充スヘキ補闕員ナキトキハ調査委員ノ補闕選挙ヲ行フ
第二十六条ノ二十中「補闕員ヨリ調査委員」ヲ「前条ノ規定ニ依リ調査委員又ハ補闕員」ニ改ム
第二十六条ノ二十七中「五月三十一日」ヲ「三月三十一日」ニ改ム
第二十八条ノ一 前条ノ請求アリタルトキハ営業税審査委員会ノ決議ニ依リ政府ニ於テ其ノ課税標準ヲ決定ス
審査委員会ハ前条ノ請求ヲ為シタル者ニ対シ営業ニ関スル事項ヲ質問スルコトヲ得
第二十六条ノ二十八ノ規定ハ之ヲ審査委員会ノ決議ニ準用ス
第二十八条ノ二 各税務監督局所轄内ニ営業税審査委員会ヲ置ク
審査委員会ハ左ノ審査委員ヲ以テ之ヲ組織ス
一 収税官吏中ヨリ大蔵大臣ノ命シタル者三人
二 税務監督局所轄内各府県又ハ北海道ニ於テ調査委員ノ互選シタル者府県ニ在リテハ各一人北海道ニ在リテハ四人
審査委員会、審査委員及其ノ補闕員ニ関スル事項ハ本法ニ定ムルモノヲ除クノ外命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十八条ノ三 調査委員ヨリ選挙セラレタル審査委員ニハ日当及旅費ヲ給ス
第二十八条ノ四 課税標準中其ノ年ノ実蹟ニ依リ計算シタル額カ政府ノ決定シタル額ノ二分ノ一ニ達セサルモノアルトキハ政府ハ営業者ノ請求ニ因リ其ノ課税標準ヲ更訂ス
第二十九条 其ノ年ニ於ケル営業ノ利益カ其ノ年分営業税額ニ達セサルトキハ営業者ノ請求ニ因リ其ノ不足額ニ相当スル営業税ヲ免除ス
前項ノ利益ノ計算ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第三十条 前二条ノ規定ニ依リ課税標準ノ更訂又ハ営業税ノ免除ヲ受ケムトスル者ハ翌年一月三十一日迄ニ之ヲ政府ニ請求スヘシ但シ法人ニ在リテハ前条ノ請求ニ限リ其ノ年十二月末日ヲ含ム事業年度終了後三十日以内ニ請求スルコトヲ得
第三十一条 前条ノ請求アリタルトキハ政府ハ其ノ処分ノ確定スルニ至ル迄税金ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
第三十一条ノ二 営業者第二十八条ノ一ノ決定又ハ第二十八条ノ四若ハ第二十九条ノ処分ニ対シ不服アルトキハ訴願又ハ行政訴訟ヲ為スコトヲ得
第三十三条ノ二 政府ハ同業組合其ノ他ノ営業者ノ団体ニ対シ営業税ノ課税標準ニ関スル事項ヲ諮問スルコトヲ得
前項ノ諮問ヲ受ケタル団体ハ命令ノ定ムル所ニ依リ課税標準ニ関スル調書ヲ提出スヘシ
附 則
本法ハ大正十二年三月三十一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十二条、第十七条及第二十八条ノ四乃至第三十一条ノ改正規定ハ大正十二年分営業税ヨリ之ヲ適用ス
営業税調査委員及営業税審査委員ニ関シテハ大正十二年五月十日迄ハ仍従前ノ規定ニ依ル
第二十六条ノ二十七ノ改正規定中三月三十一日トアルハ大正十二年ニ限リ五月十日トス
大正十二年三月末日ニ於テ任期ノ終了スヘキ営業税調査委員及補闕員ノ任期ハ大正十二年五月十日迄之ヲ延長ス