(帝国鉄道会計法中改正法律)
法令番号: 法律第十三號
公布年月日: 大正10年3月30日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル帝國鐵道會計法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年三月二十九日
內閣總理大臣 原敬
大藏大臣 子爵 高橋是淸
鐵道大臣 元田肇
法律第十三號
帝國鐵道會計法中左ノ通改正ス
第二條 帝國鐵道資本補足ニ必要ナル金額ハ鐵道益金ヲ以テ之ニ充ツ但シ鐵道益金不足ノ場合ニ於テハ公債ヲ發行シ又ハ借入ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル公債及借入金ノ總額ハ帝國鐵道ノ建設費、改良費及用品資金補足ノ豫算定額以內トス
第二條ノ二ヲ削ル
第三條 左ニ揭クル國債ハ本會計ノ負擔トス
一 帝國鐵道ノ事業ヲ經營スルニ必要ナル經費ヲ支辨スル爲從來發行シタル公債
二 第二條第一項ノ規定ニ依ル公債又ハ借入金
三 鐵道又ハ軌道ノ買收又ハ補償ノ爲發行シタル公債又ハ政府ノ負擔ニ歸シタル債務
四 本會計ノ負擔ニ屬スル國債ノ整理又ハ償還ノ爲起債シタル國債
前項ニ揭クル國債ノ償還金、利子、割引料竝發行及償還ニ關スル經費ノ支出ニ必要ナル金額ハ每年度之ヲ國債整理基金特別會計ニ繰入ルヘシ
第四條 本會計ハ之ヲ資本勘定、用品勘定及收益勘定ニ區分ス
第五條 資本勘定ハ鐵道益金繰入額、公債募集金及借入金竝所屬財產ノ賣拂代金其ノ他附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ建設費、改良費、國債償還金、用品資金補足其ノ他附屬諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
第六條 用品勘定ハ從來ノ用品資金及將來補足スル金額ヲ以テ其ノ資金トシ用品收入、工作收入其ノ他附屬雜收入ヲ以テ其ノ歲入トシ用品費、工作費其ノ他附屬諸費ヲ以テ其ノ歲出トス
用品勘定ノ決算上生シタル過剩金ハ之ヲ資本勘定ニ繰入ルヘシ
第七條中「負債ニ對スル」ヲ「國債ノ」ニ改メ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
鐵道及軌道ニ關スル監督上ノ諸費用及地方鐵道補助金ハ本會計ノ負擔トシ收益勘定ノ歲出トス
第八條 輸送數量ノ增加其ノ他避クヘカラサル事由ニ因リ生シタル豫算ノ不足ヲ補フ爲收益勘定歲出ニ豫備費ヲ設クヘシ
第九條 收益勘定ニ於テ歲入總額ノ歲出總額ニ超過スル金額ハ之ヲ益金トシ資本勘定ニ繰入ルヘシ
第十一條中「及積立金勘定」ヲ削リ「各勘定ニ於テ」ヲ「之ヲ」ニ、「順次」ヲ「遞次」ニ改ム
第十一條ノ二及第十一條ノ三ヲ削ル
第十二條中「一般會計他ノ特別會計其ノ他ヨリ一時借入金」ヲ「一時借入」ニ改メ同條第四項ヲ削ル
第十三條 本會計ニ於テ仕拂上現金ニ餘裕アルトキハ之ヲ大藏省預金部ニ預入ルヘシ
第十四條 削除
第十六條中「借入金」ヲ「借入金又ハ一時借入金」ニ改ム
附 則
本法ハ大正十年度ヨリ之ヲ施行ス但シ第二條ノ二、第十一條ノ三、第十二條第四項、第十三條及第十四條ノ改正規定ノ施行期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
從來ノ積立金勘定ニ屬スル資金及輕便鐵道補助金豫算繰越額ニ相當スル資金ハ之ヲ大正十年度資本勘定歲入ニ繰入ルヘシ
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル帝国鉄道会計法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年三月二十九日
内閣総理大臣 原敬
大蔵大臣 子爵 高橋是清
鉄道大臣 元田肇
法律第十三号
帝国鉄道会計法中左ノ通改正ス
第二条 帝国鉄道資本補足ニ必要ナル金額ハ鉄道益金ヲ以テ之ニ充ツ但シ鉄道益金不足ノ場合ニ於テハ公債ヲ発行シ又ハ借入ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル公債及借入金ノ総額ハ帝国鉄道ノ建設費、改良費及用品資金補足ノ予算定額以内トス
第二条ノ二ヲ削ル
第三条 左ニ掲クル国債ハ本会計ノ負担トス
一 帝国鉄道ノ事業ヲ経営スルニ必要ナル経費ヲ支弁スル為従来発行シタル公債
二 第二条第一項ノ規定ニ依ル公債又ハ借入金
三 鉄道又ハ軌道ノ買収又ハ補償ノ為発行シタル公債又ハ政府ノ負担ニ帰シタル債務
四 本会計ノ負担ニ属スル国債ノ整理又ハ償還ノ為起債シタル国債
前項ニ掲クル国債ノ償還金、利子、割引料並発行及償還ニ関スル経費ノ支出ニ必要ナル金額ハ毎年度之ヲ国債整理基金特別会計ニ繰入ルヘシ
第四条 本会計ハ之ヲ資本勘定、用品勘定及収益勘定ニ区分ス
第五条 資本勘定ハ鉄道益金繰入額、公債募集金及借入金並所属財産ノ売払代金其ノ他附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ建設費、改良費、国債償還金、用品資金補足其ノ他附属諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
第六条 用品勘定ハ従来ノ用品資金及将来補足スル金額ヲ以テ其ノ資金トシ用品収入、工作収入其ノ他附属雑収入ヲ以テ其ノ歳入トシ用品費、工作費其ノ他附属諸費ヲ以テ其ノ歳出トス
用品勘定ノ決算上生シタル過剰金ハ之ヲ資本勘定ニ繰入ルヘシ
第七条中「負債ニ対スル」ヲ「国債ノ」ニ改メ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
鉄道及軌道ニ関スル監督上ノ諸費用及地方鉄道補助金ハ本会計ノ負担トシ収益勘定ノ歳出トス
第八条 輸送数量ノ増加其ノ他避クヘカラサル事由ニ因リ生シタル予算ノ不足ヲ補フ為収益勘定歳出ニ予備費ヲ設クヘシ
第九条 収益勘定ニ於テ歳入総額ノ歳出総額ニ超過スル金額ハ之ヲ益金トシ資本勘定ニ繰入ルヘシ
第十一条中「及積立金勘定」ヲ削リ「各勘定ニ於テ」ヲ「之ヲ」ニ、「順次」ヲ「逓次」ニ改ム
第十一条ノ二及第十一条ノ三ヲ削ル
第十二条中「一般会計他ノ特別会計其ノ他ヨリ一時借入金」ヲ「一時借入」ニ改メ同条第四項ヲ削ル
第十三条 本会計ニ於テ仕払上現金ニ余裕アルトキハ之ヲ大蔵省預金部ニ預入ルヘシ
第十四条 削除
第十六条中「借入金」ヲ「借入金又ハ一時借入金」ニ改ム
附 則
本法ハ大正十年度ヨリ之ヲ施行ス但シ第二条ノ二、第十一条ノ三、第十二条第四項、第十三条及第十四条ノ改正規定ノ施行期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
従来ノ積立金勘定ニ属スル資金及軽便鉄道補助金予算繰越額ニ相当スル資金ハ之ヲ大正十年度資本勘定歳入ニ繰入ルヘシ