(耕地整理法中改正法律)
法令番号: 法律第四十五號
公布年月日: 大正8年4月10日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル耕地整理法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正八年四月九日
內閣總理大臣 原敬
大藏大臣 男爵 高橋是淸
農商務大臣 山本達雄
法律第四十五號
耕地整理法中左ノ通改正ス
第一條中第三號ヲ第四號トシ「前二號」ヲ「前三號」ニ改メ左ノ一號ヲ加フ
三 開墾又ハ湖海ノ埋立若ハ干拓ニ依ル耕地整理ニ附隨シテ行フ整理施行地ノ利用ニ關スル必要ナル工作物ノ設置其ノ他ノ施設
第五條中「消滅シタルトキハ」ノ下ニ「帝室及國ヲ除クノ外」ヲ加フ
第九條中「登記所」ノ下ニ「、漁業ニ關スル登錄官廳」ヲ加ヘ「耕地整理組合ノ組合長、組合副長」ヲ「耕地整理組合若ハ耕地整理組合聯合會ノ組合長組合副長若ハ聯合會會長聯合會副會長」ニ改ム
第十四條第二項中「二十年以上三十年以內」ヲ「四十年」ニ、但書中「二十年以內」ヲ「十年以內」ニ改ム
第十四條ノ二中「五十年以內」ヲ「六十年」ニ、「十年以內」ヲ「二十年」ニ、但書中「二十年以內」ヲ「十年以內」ニ改ム
第十五條中「九年」ヲ「二十年」ニ、第三號中「十年目」ヲ「二十一年目」ニ改ム
第十六條中「九年」ヲ「二十年」ニ改ム
第二十五條中「訴訟ノ目的タリ又ハ整理施行地區ニ編入後訴訟ノ目的ト爲リタル爲」ヲ「訴訟ノ目的タル爲」ニ改ム
第二十五條ノ二 整理施行地ニ付存スル漁業權カ登錄シタル先取特權又ハ抵當權ノ目的タル場合ニ於テ第二十七條ノ二ノ規定ニ依リ補償金ヲ拂渡スヘキトキハ整理施行者ハ其ノ金額ヲ供託スヘシ但シ先取特權者又ハ抵當權者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ハ整理施行地ニ付存スル漁業權又ハ入漁權カ訴訟ノ目的タル爲訴訟當事者ヨリ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス
登錄シタル先取特權若ハ抵當權ヲ有スル者又ハ訴訟當事者ハ前二項ノ規定ニ依リ供託シタル金錢ニ對シテモ其ノ權利ヲ行フコトヲ得
第二十七條ノ二 整理施行地ニ付漁業權存スル場合ニ於テハ漁業權者ニ對シ、漁業權及入漁權存スル場合ニ於テハ漁業權者及入漁權者ニ對シ整理施行者ハ整理施行ニ依リ生スヘキ損害ヲ補償スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依ル補償ヲ受クル權利ハ漁業權者及入漁權者共同シテ之ヲ有スルモノトス
整理施行者ハ前二項ノ規定ニ依リ損害ノ補償ヲ爲シタル後ニ非サレハ工事ニ著手スルコトヲ得ス但シ其ノ損害ノ補償ヲ受クル權利者ノ同意ヲ得タルトキ、第二十五條ノ二ノ規定ニ依リ供託ヲ爲シタルトキ又ハ第八十七條第三項ノ規定ニ依リ決定ヲ得タル金額ヲ供託シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十八條中「前條」ヲ「第二十七條」ニ改ム
第四十條ノ二 整理施行地區カ數府縣ニ涉ル場合ニ於テハ本法中地方長官ノ職權ニ屬スル事項ハ關係地方長官中主務大臣ノ指定スルモノ之ヲ行フ
第五十條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ土地所有者中共有者アル場合ニ於テハ各共有地ニ付共有者總數ノ二分ノ一以上ニシテ其ノ持分ノ三分ノ二以上ニ當ル者ノ同意ヲ得タルトキハ其ノ共有地ニ付同意アリタルモノト看做ス
第六十一條中第十號ヲ第十一號、第十一號ヲ第十二號トシ左ノ一號ヲ加フ
十 耕地整理組合聯合會ヲ設ケ、聯合會ニ加入シ又ハ聯合會ヲ脫退スル事
第八十條中「二十年迄延期スルコトヲ得」ヲ「五十年以內ト爲スコトヲ得」ニ改ム
第二章ノ二 耕地整理組合聯合會
第八十一條ノ二 耕地整理組合ハ登記手續ニ關スル事項ヲ除クノ外其ノ事業ノ一部ヲ他ノ耕地整理組合ト共同シテ行ハムトスル場合ニ於テ之ヲ代リ行ハシムル爲協議ニ依リ設計書及規約ヲ作リ地方長官ノ認可ヲ得テ耕地整理組合聯合會ヲ設クルコトヲ得
聯合會ハ法人トス
聯合會其ノ所屬組合ノ增減ヲ爲サムトスルトキハ各組合ノ協議ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
聯合會ニ會長一人及副會長一人又ハ數人ヲ置ク
第四十二條ノ二、第四十六條、第五十一條乃至第五十四條、第五十七條乃至第五十九條第一項、第六十條、第七十三條乃至第七十五條及第七十七條乃至第八十一條ノ規定ハ聯合會ニ之ヲ準用ス但シ第五十九條第一項中土地所有者トアルハ組合、第七十三條中組合員トアルハ聯合會所屬組合ノ組合員トス
第八十三條中「組合長若ハ組合副長」ヲ「組合長組合副長若ハ聯合會會長聯合會副會長」ニ、「組合ノ解散」ヲ「組合組合聯合會ノ解散」ニ改ム
第八十七條ニ左ノ一項ヲ加フ
第二十七條ノ二第一項ノ規定ニ依ル補償金ニ付亦前二項ニ同シ
第九十一條中「耕地整理組合ノ組合長若ハ組合副長」ヲ「組合長組合副長若ハ聯合會會長聯合會副會長」ニ改ム
第九十一條ノ二中「耕地整理組合ノ組合長、組合副長」ヲ「組合長、組合副長、聯合會會長、聯合會副會長」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前第十四條及第十四條ノ二ノ規定ニ依ル許可アリタル土地ニ關シテハ仍從前ノ例ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル耕地整理法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正八年四月九日
内閣総理大臣 原敬
大蔵大臣 男爵 高橋是清
農商務大臣 山本達雄
法律第四十五号
耕地整理法中左ノ通改正ス
第一条中第三号ヲ第四号トシ「前二号」ヲ「前三号」ニ改メ左ノ一号ヲ加フ
三 開墾又ハ湖海ノ埋立若ハ干拓ニ依ル耕地整理ニ附随シテ行フ整理施行地ノ利用ニ関スル必要ナル工作物ノ設置其ノ他ノ施設
第五条中「消滅シタルトキハ」ノ下ニ「帝室及国ヲ除クノ外」ヲ加フ
第九条中「登記所」ノ下ニ「、漁業ニ関スル登録官庁」ヲ加ヘ「耕地整理組合ノ組合長、組合副長」ヲ「耕地整理組合若ハ耕地整理組合連合会ノ組合長組合副長若ハ連合会会長連合会副会長」ニ改ム
第十四条第二項中「二十年以上三十年以内」ヲ「四十年」ニ、但書中「二十年以内」ヲ「十年以内」ニ改ム
第十四条ノ二中「五十年以内」ヲ「六十年」ニ、「十年以内」ヲ「二十年」ニ、但書中「二十年以内」ヲ「十年以内」ニ改ム
第十五条中「九年」ヲ「二十年」ニ、第三号中「十年目」ヲ「二十一年目」ニ改ム
第十六条中「九年」ヲ「二十年」ニ改ム
第二十五条中「訴訟ノ目的タリ又ハ整理施行地区ニ編入後訴訟ノ目的ト為リタル為」ヲ「訴訟ノ目的タル為」ニ改ム
第二十五条ノ二 整理施行地ニ付存スル漁業権カ登録シタル先取特権又ハ抵当権ノ目的タル場合ニ於テ第二十七条ノ二ノ規定ニ依リ補償金ヲ払渡スヘキトキハ整理施行者ハ其ノ金額ヲ供託スヘシ但シ先取特権者又ハ抵当権者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ハ整理施行地ニ付存スル漁業権又ハ入漁権カ訴訟ノ目的タル為訴訟当事者ヨリ請求アリタル場合ニ之ヲ準用ス
登録シタル先取特権若ハ抵当権ヲ有スル者又ハ訴訟当事者ハ前二項ノ規定ニ依リ供託シタル金銭ニ対シテモ其ノ権利ヲ行フコトヲ得
第二十七条ノ二 整理施行地ニ付漁業権存スル場合ニ於テハ漁業権者ニ対シ、漁業権及入漁権存スル場合ニ於テハ漁業権者及入漁権者ニ対シ整理施行者ハ整理施行ニ依リ生スヘキ損害ヲ補償スルコトヲ要ス
前項ノ規定ニ依ル補償ヲ受クル権利ハ漁業権者及入漁権者共同シテ之ヲ有スルモノトス
整理施行者ハ前二項ノ規定ニ依リ損害ノ補償ヲ為シタル後ニ非サレハ工事ニ著手スルコトヲ得ス但シ其ノ損害ノ補償ヲ受クル権利者ノ同意ヲ得タルトキ、第二十五条ノ二ノ規定ニ依リ供託ヲ為シタルトキ又ハ第八十七条第三項ノ規定ニ依リ決定ヲ得タル金額ヲ供託シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十八条中「前条」ヲ「第二十七条」ニ改ム
第四十条ノ二 整理施行地区カ数府県ニ渉ル場合ニ於テハ本法中地方長官ノ職権ニ属スル事項ハ関係地方長官中主務大臣ノ指定スルモノ之ヲ行フ
第五十条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ土地所有者中共有者アル場合ニ於テハ各共有地ニ付共有者総数ノ二分ノ一以上ニシテ其ノ持分ノ三分ノ二以上ニ当ル者ノ同意ヲ得タルトキハ其ノ共有地ニ付同意アリタルモノト看做ス
第六十一条中第十号ヲ第十一号、第十一号ヲ第十二号トシ左ノ一号ヲ加フ
十 耕地整理組合連合会ヲ設ケ、連合会ニ加入シ又ハ連合会ヲ脱退スル事
第八十条中「二十年迄延期スルコトヲ得」ヲ「五十年以内ト為スコトヲ得」ニ改ム
第二章ノ二 耕地整理組合連合会
第八十一条ノ二 耕地整理組合ハ登記手続ニ関スル事項ヲ除クノ外其ノ事業ノ一部ヲ他ノ耕地整理組合ト共同シテ行ハムトスル場合ニ於テ之ヲ代リ行ハシムル為協議ニ依リ設計書及規約ヲ作リ地方長官ノ認可ヲ得テ耕地整理組合連合会ヲ設クルコトヲ得
連合会ハ法人トス
連合会其ノ所属組合ノ増減ヲ為サムトスルトキハ各組合ノ協議ニ依リ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
連合会ニ会長一人及副会長一人又ハ数人ヲ置ク
第四十二条ノ二、第四十六条、第五十一条乃至第五十四条、第五十七条乃至第五十九条第一項、第六十条、第七十三条乃至第七十五条及第七十七条乃至第八十一条ノ規定ハ連合会ニ之ヲ準用ス但シ第五十九条第一項中土地所有者トアルハ組合、第七十三条中組合員トアルハ連合会所属組合ノ組合員トス
第八十三条中「組合長若ハ組合副長」ヲ「組合長組合副長若ハ連合会会長連合会副会長」ニ、「組合ノ解散」ヲ「組合組合連合会ノ解散」ニ改ム
第八十七条ニ左ノ一項ヲ加フ
第二十七条ノ二第一項ノ規定ニ依ル補償金ニ付亦前二項ニ同シ
第九十一条中「耕地整理組合ノ組合長若ハ組合副長」ヲ「組合長組合副長若ハ連合会会長連合会副会長」ニ改ム
第九十一条ノ二中「耕地整理組合ノ組合長、組合副長」ヲ「組合長、組合副長、連合会会長、連合会副会長」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行前第十四条及第十四条ノ二ノ規定ニ依ル許可アリタル土地ニ関シテハ仍従前ノ例ニ依ル