(朝鮮人官吏ノ恩給、退隠料及遺族扶助料等ニ関スル法律)
法令番号: 法律第30号
公布年月日: 大正7年4月2日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

旧韓国政府および統監府時代の官吏で、その後も継続して奉職している者の退官・退職に際し、現行規則では併合前の奉職年数を通算できない。しかし統監府設置から併合までの期間の勤務実態は現在の総督府と同様であり、また新附の臣民への優遇措置として、統監府設置事務開始から日韓併合までの約4年間を恩給や遺族扶助料の計算における在官年数に加算することを提案するものである。

参照した発言:
第40回帝国議会 貴族院 本会議 第8号

審議経過

第40回帝国議会

貴族院
本会議 - 第8号
(大正7年2月25日)
朝鮮人官吏の恩給、退隠料及遺族扶助料等に関する法律案特別委員会 - 第1号
(大正7年3月1日)
本会議 - 第10号
(大正7年3月4日)
衆議院
本会議 - 第20号
(大正7年3月7日)
朝鮮人官吏の恩給、退隠料及遺族扶助料等に関する法律案委員会 - 第2号
(大正7年3月9日)
朝鮮人官吏の恩給、退隠料及遺族扶助料等に関する法律案委員会 - 第3号
(大正7年3月16日)
本会議 - 第25号
(大正7年3月19日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル朝鮮人官吏ノ恩給、退隱料及遺族扶助料等ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年四月一日
內閣總理大臣　伯爵　寺內正毅
法律第三十號
第一條　朝鮮人ノ舊韓國政府、統監府又ハ其ノ所屬官署ニ在官又ハ在職シタル月數及明治四十三年勅令第三百十九號第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル在職月數ハ本法ノ定ムル所ニ依リ官吏恩給法、官吏遺族扶助法、明治四十五年法律第十一號ノ在官年數又ハ巡査看守退隱料及遺族扶助料法ノ勤續年數ニ通算ス
第二條　左ニ揭クル月數ハ之ヲ官吏恩給法及官吏遺族扶助法ノ在官年數ニ通算ス但シ年齡二十歲ニ滿タサル者ノ在官在職月數ハ此ノ限ニ在ラス
一　舊韓國政府、統監府又ハ其ノ所屬官署ノ文官判任以上ノ者ノ明治三十九年二月一日以後ノ在官月數
二　明治四十三年勅令第三百十九號第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル者ノ其ノ待遇ヲ受ケタル在職月數
第三條　左ニ揭クル月數ハ之ヲ明治四十五年法律第十一號ノ學校職員ノ在官年數ニ通算ス但シ退職給與金ニ關シテハ明治四十四年十一月一日前ヨリ勤續シタル者ノ勤續月數ニ限リ之ヲ通算ス
一　舊韓國政府ノ文官判任以上ノ敎官又ハ敎育事務ニ從事スル者ノ明治三十九年二月一日以後ノ在官月數
二　明治四十三年勅令第三百十九號第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル者ニシテ敎育又ハ敎育事務ニ從事シタルモノノ其ノ待遇ヲ受ケタル在職月數
第四條　左ニ揭クル月數ハ之ヲ巡査看守退隱料及遺族扶助料法ノ巡査ノ勤續年數ニ通算ス但シ一時金ニ關シテハ明治四十三年八月二十九日前ヨリ勤續シタル者ノ勤續月數ニ限リ之ヲ通算ス
一　舊韓國政府ノ權任又ハ巡檢ノ明治三十九年二月一日以後ノ在職月數
二　舊韓國政府又ハ統監府ノ巡査ノ在職月數
第五條　舊韓國政府又ハ統監府ノ看守ノ在職月數ハ之ヲ巡査看守退隱料及遺族扶助料法ノ看守ノ勤續年數ニ通算ス但シ一時金ニ關シテハ前條但書ノ規定ヲ準用ス
第六條　前四條ノ規定ニ依リ在官在職月數ヲ通算スヘキ官職ニ在リタル者其ノ通算スヘキ在官又ハ在職中懲戒處分ニ依リ免官免職セラレ又ハ刑事裁判ニ依リ失官失職シタルトキハ其ノ免官免職又ハ失官失職前ノ在官在職月數ニ付本法ヲ適用セス
附　則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行後退官又ハ退職シタル者及在官又ハ在職中死亡シタル者ノ遺族ニ限リ之ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル朝鮮人官吏ノ恩給、退隠料及遺族扶助料等ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年四月一日
内閣総理大臣　伯爵　寺内正毅
法律第三十号
第一条　朝鮮人ノ旧韓国政府、統監府又ハ其ノ所属官署ニ在官又ハ在職シタル月数及明治四十三年勅令第三百十九号第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル在職月数ハ本法ノ定ムル所ニ依リ官吏恩給法、官吏遺族扶助法、明治四十五年法律第十一号ノ在官年数又ハ巡査看守退隠料及遺族扶助料法ノ勤続年数ニ通算ス
第二条　左ニ掲クル月数ハ之ヲ官吏恩給法及官吏遺族扶助法ノ在官年数ニ通算ス但シ年齢二十歳ニ満タサル者ノ在官在職月数ハ此ノ限ニ在ラス
一　旧韓国政府、統監府又ハ其ノ所属官署ノ文官判任以上ノ者ノ明治三十九年二月一日以後ノ在官月数
二　明治四十三年勅令第三百十九号第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル者ノ其ノ待遇ヲ受ケタル在職月数
第三条　左ニ掲クル月数ハ之ヲ明治四十五年法律第十一号ノ学校職員ノ在官年数ニ通算ス但シ退職給与金ニ関シテハ明治四十四年十一月一日前ヨリ勤続シタル者ノ勤続月数ニ限リ之ヲ通算ス
一　旧韓国政府ノ文官判任以上ノ教官又ハ教育事務ニ従事スル者ノ明治三十九年二月一日以後ノ在官月数
二　明治四十三年勅令第三百十九号第五項ノ規定ニ依リ官吏ノ待遇ヲ受ケタル者ニシテ教育又ハ教育事務ニ従事シタルモノノ其ノ待遇ヲ受ケタル在職月数
第四条　左ニ掲クル月数ハ之ヲ巡査看守退隠料及遺族扶助料法ノ巡査ノ勤続年数ニ通算ス但シ一時金ニ関シテハ明治四十三年八月二十九日前ヨリ勤続シタル者ノ勤続月数ニ限リ之ヲ通算ス
一　旧韓国政府ノ権任又ハ巡検ノ明治三十九年二月一日以後ノ在職月数
二　旧韓国政府又ハ統監府ノ巡査ノ在職月数
第五条　旧韓国政府又ハ統監府ノ看守ノ在職月数ハ之ヲ巡査看守退隠料及遺族扶助料法ノ看守ノ勤続年数ニ通算ス但シ一時金ニ関シテハ前条但書ノ規定ヲ準用ス
第六条　前四条ノ規定ニ依リ在官在職月数ヲ通算スヘキ官職ニ在リタル者其ノ通算スヘキ在官又ハ在職中懲戒処分ニ依リ免官免職セラレ又ハ刑事裁判ニ依リ失官失職シタルトキハ其ノ免官免職又ハ失官失職前ノ在官在職月数ニ付本法ヲ適用セス
附　則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法ハ本法施行後退官又ハ退職シタル者及在官又ハ在職中死亡シタル者ノ遺族ニ限リ之ヲ適用ス