明治29年制定の造船奨励法は20年余りの実績があったが、第一次世界大戦の影響で状況が一変した。戦時中の船舶不足により造船業が急激に発達し、奨励金支出が著しく増加している。現在は船価が高騰しており、一トンあたり20~22円の奨励金は不要な状態である。しかし、戦後に欧米の造船業が回復すれば、原料を輸入に頼る日本の造船業は保護が必要となる可能性がある。そのため法律を廃止せず、当分の間支給を停止し、必要な場合は再開できるようにする。また期限を大正13年まで延長し、その頃には日本の製鉄業の発達により奨励金が不要となることを期待している。
参照した発言:
第39回帝国議会 衆議院 本会議 第4号