工業や産業の発展による国力増進には、理化学の独創的研究と日本人の発明能力の発揮が不可欠である。特に欧州戦争により、軍事材料の独立と工業物資の持久が緊要となり、理化学研究の必要性が一層痛感された。しかし日本にはその研究機関が不足していた。今回、民間有志により理化学研究所設立の計画があるが、必要な資金を民間の醵金のみでは賄えない。そこで政府は国家事業として10年間で総額200万円、年25万円以内を補助し、民間資金と合わせて必要資金を確保しようとするものである。
参照した発言:
第37回帝国議会 衆議院 本会議 第28号