(海軍服装令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百九十二號
公布年月日: 大正4年11月2日
法令の形式: 勅令
朕海軍服裝令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年十一月一日
內閣總理大臣 伯爵 大隈重信
海軍大臣 加藤友三郞
勅令第百九十二號
海軍服裝令中左ノ通改正ス
第二條第一項第四號ヲ左ノ如ク改ム
四 勳章賜授ノ式又ハ勳章授與ノ式ニ於テ傳達者、受章者又ハ班列者タルトキ
第四條第一項中左ノ如ク改メ第十九號ヲ第二十號トシ以下順次繰下ク
十三 迎送式又ハ伺候式ヲ行フトキ前條第一項第七號ノ場合ヲ除ク
十六 司令長官司令官艦長司令ノ著任退職、海軍大臣元帥タル海軍大將海軍軍令部長駐箚國ニ於ケル我大使公使ノ公式訪問若ハ勅使侍從武官東宮武官差遣ノ場合ニ於テ其ノ迎送ヲ爲ストキ又ハ之ニ準スヘキトキ
十九 初テ軍艦旗ヲ揭揚スルトキ又ハ軍艦除籍セラレ軍艦旗ヲ降下スルトキ
同條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
檢閱ヲ受クルトキハ通常禮裝ヲ爲スヲ例トス
同條第三項中「前二項」ヲ「前三項」ニ改ム
第十條表禮裝ノ項中下士卒ノ欄「軍衣」ノ下及軍樂手軍樂生ノ欄「禮衣」ノ下ニ「臂章ハ金繡ノモノヲ用ウ」ヲ加ヘ下士卒ノ欄「卒ノ前章ハ金繡ノモノヲ用ウ」ヲ削リ特別規定ノ欄第二號ヲ左ノ如ク改メ第三號ヲ削ル
二 夏季ニ在リテハ第三條第一項第一號乃至第四號第八號及勳章大綬佩用ノ場合ハ正袴禮袴ニ代フルニ夏袴ヲ以テス其ノ他ノ場合ハ短劒ニ代フルニ長劒ヲ以テスルヲ除クノ外第二種軍裝ニ同シ
同表通常禮裝ノ項中特別規定ノ欄ヲ左ノ如ク改ム
夏季ニ在リテハ第二種軍裝ニ同シ
同表軍裝(第一種)ノ項中軍樂手軍樂生ノ欄「軍衣」ノ下ニ「臂章ハ赤絨ノモノヲ用ウ」ヲ、「軍袴」ノ次ニ「劒帶」及「短劒」ヲ加ヘ下士卒ノ欄「軍帽卒ノ前章ハ金箔ノモノヲ用ウ」ヲ「軍衣臂章ハ赤絨ノモノヲ用ウ」ニ改ム
同表軍裝(第二種)ノ項中下士卒及軍樂手軍樂生ノ欄「夏衣」ノ下ニ「臂章ハ紺絨ノモノヲ用ウ」ヲ、軍樂手軍樂生ノ欄「夏袴」ノ次ニ「劒帶」及「短劒」ヲ加フ
同表備考ノ項ヲ左ノ如ク改ム
備考
一 准士官以上禮衣軍樂長軍樂師ハ軍衣ヲ著用スルトキハ黑色蝶結狀ノ襟紐ヲ用ウヘシ
二 准士官以上又ハ候補生制服ヲ著用スルトキハ白色ノ麻襟及麻襦袢用ウヘシ但シ第二種軍裝ニアリテハ禮裝又ハ通常禮裝ニ用井ル場合ヲ除クノ外ハ艦船部隊等ノ各部內ニ在ルトキニ限リ之ヲ用井サルコトヲ得
三 准士官以上ノ禮衣軍樂長軍樂師ハ軍衣ニハ胴衣ヲ用井ルヲ例トス
四 准士官以上又ハ候補生制服ヲ著用スルトキハ白色革製ノ手袋ヲ用ウヘシ但シ軍裝ニハ白色莫大小製又ハ茶褐色若ハ鼠色ノ革製若ハ莫大小製ノモノヲ用井ルコトヲ得
五 軍樂手軍樂生ノ劒帶及短劒ハ隊伍ヲ編成セサルトキハ之ヲ佩用セス
六 卒ノ中著襟ハ氣候ニ依リ中著ニ代用スルモノトス
七 水兵ハ何レノ服裝ニ在リテモ折メス(紐トモ)ヲ携帶スヘシ
八 准士官以上又ハ候補生ノ短靴又ハ半靴ハ黑革製、白色半靴ハ白布製トス但シ正裝禮裝又ハ通常禮裝ヲ爲ス場合ニ在リテハ縫目ナキ短靴ヲ用ウヘシ
第十一條中「將官及參謀又ハ副官第十二條ノ者ニ限ル」ヲ「將官又ハ參謀、副官第十二條ノ者ニ限ル若ハ皇族附武官」ニ改ム
第十二條中「軍事參議官副官」ノ次ニ左ノ如ク加フ
臨時編制部隊ノ副官海軍大臣ノ指定シタル者ニ限ル
第十八條但書ヲ削ル
第二十六條中「機關部ノ准士官以上當直」ヲ「准士官以上又ハ候補生石炭搭載其ノ他ノ汚染事業ニ從事スルトキ又ハ機關部ニ當直」ニ改ム
第二十七條 雨天又ハ惡路ノトキニハ准士官以上又ハ候補生ハ軍裝ニ黑色長靴ヲ用井ルコトヲ得
第二十九條中「七月一日」ヲ「六月一日」ニ改ム
附 則
本令ハ大正四年十一月五日ヨリ之ヲ施行ス
朕海軍服装令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正四年十一月一日
内閣総理大臣 伯爵 大隈重信
海軍大臣 加藤友三郎
勅令第百九十二号
海軍服装令中左ノ通改正ス
第二条第一項第四号ヲ左ノ如ク改ム
四 勲章賜授ノ式又ハ勲章授与ノ式ニ於テ伝達者、受章者又ハ班列者タルトキ
第四条第一項中左ノ如ク改メ第十九号ヲ第二十号トシ以下順次繰下ク
十三 迎送式又ハ伺候式ヲ行フトキ前条第一項第七号ノ場合ヲ除ク
十六 司令長官司令官艦長司令ノ著任退職、海軍大臣元帥タル海軍大将海軍軍令部長駐箚国ニ於ケル我大使公使ノ公式訪問若ハ勅使侍従武官東宮武官差遣ノ場合ニ於テ其ノ迎送ヲ為ストキ又ハ之ニ準スヘキトキ
十九 初テ軍艦旗ヲ掲揚スルトキ又ハ軍艦除籍セラレ軍艦旗ヲ降下スルトキ
同条第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
検閲ヲ受クルトキハ通常礼装ヲ為スヲ例トス
同条第三項中「前二項」ヲ「前三項」ニ改ム
第十条表礼装ノ項中下士卒ノ欄「軍衣」ノ下及軍楽手軍楽生ノ欄「礼衣」ノ下ニ「臂章ハ金繍ノモノヲ用ウ」ヲ加ヘ下士卒ノ欄「卒ノ前章ハ金繍ノモノヲ用ウ」ヲ削リ特別規定ノ欄第二号ヲ左ノ如ク改メ第三号ヲ削ル
二 夏季ニ在リテハ第三条第一項第一号乃至第四号第八号及勲章大綬佩用ノ場合ハ正袴礼袴ニ代フルニ夏袴ヲ以テス其ノ他ノ場合ハ短剣ニ代フルニ長剣ヲ以テスルヲ除クノ外第二種軍装ニ同シ
同表通常礼装ノ項中特別規定ノ欄ヲ左ノ如ク改ム
夏季ニ在リテハ第二種軍装ニ同シ
同表軍装(第一種)ノ項中軍楽手軍楽生ノ欄「軍衣」ノ下ニ「臂章ハ赤絨ノモノヲ用ウ」ヲ、「軍袴」ノ次ニ「剣帯」及「短剣」ヲ加ヘ下士卒ノ欄「軍帽卒ノ前章ハ金箔ノモノヲ用ウ」ヲ「軍衣臂章ハ赤絨ノモノヲ用ウ」ニ改ム
同表軍装(第二種)ノ項中下士卒及軍楽手軍楽生ノ欄「夏衣」ノ下ニ「臂章ハ紺絨ノモノヲ用ウ」ヲ、軍楽手軍楽生ノ欄「夏袴」ノ次ニ「剣帯」及「短剣」ヲ加フ
同表備考ノ項ヲ左ノ如ク改ム
備考
一 准士官以上礼衣軍楽長軍楽師ハ軍衣ヲ著用スルトキハ黒色蝶結状ノ襟紐ヲ用ウヘシ
二 准士官以上又ハ候補生制服ヲ著用スルトキハ白色ノ麻襟及麻襦袢用ウヘシ但シ第二種軍装ニアリテハ礼装又ハ通常礼装ニ用井ル場合ヲ除クノ外ハ艦船部隊等ノ各部内ニ在ルトキニ限リ之ヲ用井サルコトヲ得
三 准士官以上ノ礼衣軍楽長軍楽師ハ軍衣ニハ胴衣ヲ用井ルヲ例トス
四 准士官以上又ハ候補生制服ヲ著用スルトキハ白色革製ノ手袋ヲ用ウヘシ但シ軍装ニハ白色莫大小製又ハ茶褐色若ハ鼠色ノ革製若ハ莫大小製ノモノヲ用井ルコトヲ得
五 軍楽手軍楽生ノ剣帯及短剣ハ隊伍ヲ編成セサルトキハ之ヲ佩用セス
六 卒ノ中著襟ハ気候ニ依リ中著ニ代用スルモノトス
七 水兵ハ何レノ服装ニ在リテモ折メス(紐トモ)ヲ携帯スヘシ
八 准士官以上又ハ候補生ノ短靴又ハ半靴ハ黒革製、白色半靴ハ白布製トス但シ正装礼装又ハ通常礼装ヲ為ス場合ニ在リテハ縫目ナキ短靴ヲ用ウヘシ
第十一条中「将官及参謀又ハ副官第十二条ノ者ニ限ル」ヲ「将官又ハ参謀、副官第十二条ノ者ニ限ル若ハ皇族附武官」ニ改ム
第十二条中「軍事参議官副官」ノ次ニ左ノ如ク加フ
臨時編制部隊ノ副官海軍大臣ノ指定シタル者ニ限ル
第十八条但書ヲ削ル
第二十六条中「機関部ノ准士官以上当直」ヲ「准士官以上又ハ候補生石炭搭載其ノ他ノ汚染事業ニ従事スルトキ又ハ機関部ニ当直」ニ改ム
第二十七条 雨天又ハ悪路ノトキニハ准士官以上又ハ候補生ハ軍装ニ黒色長靴ヲ用井ルコトヲ得
第二十九条中「七月一日」ヲ「六月一日」ニ改ム
附 則
本令ハ大正四年十一月五日ヨリ之ヲ施行ス