(府県制中改正法律)
法令番号: 法律第三十五號
公布年月日: 大正3年4月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル府縣制中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年三月三十一日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
內務大臣 原敬
大藏大臣 男爵 高橋是淸
法律第三十五號
府縣制中左ノ通改正ス
目錄中「第二款歲入出豫算及決算」ノ次ニ「第五章ノ二 府縣組合」ヲ加フ
第五條中「內務大臣ノ許可ヲ得」ヲ削リ第三項ヲ左ノ如ク改ム
議員ノ配當ニ關シ必要ナル事項ハ內務大臣之ヲ定ム
議員ノ定數ハ總選擧ヲ行フ場合ニ非サレハ之ヲ增減セス
第六條中「神官」ノ下ニ「神職」ヲ加ヘ第九項ヲ左ノ如ク改ム
府縣ニ對シ請負ヲ爲ス者及其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員重役及支配人ハ其ノ府縣ニ於テ被選擧權ヲ有セス
第七條第二項ヲ左ノ如ク改メ第三項ヲ削ル
議員ノ任期ハ四年トシ總選擧ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第八條第一項ヲ左ノ如ク改メ第三項ヲ削ル
府縣會議員中闕員アルトキハ三箇月以內ニ補闕選擧ヲ行フヘシ
第十二條第九項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
天災事變等ノ爲必要アルトキハ更ニ選擧人名簿ヲ調製シ又ハ之ヲ縱覽ニ供スヘシ
同條第十項中「前項名簿」ヲ「前二項ノ名簿」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
府縣郡市町村ノ廢置分合境界變更ノ場合ニ於ケル名簿ノ分合ニ關シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十三條ニ左ノ一項ヲ加フ
天災事變等ノ爲投票ヲ行フコトヲ得サルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ府縣知事ハ當該選擧區又ハ投票區ニ付投票ヲ行フヘキ日時ヲ定メ少クトモ七日前ニ之ヲ吿示スヘシ
第十五條 投票區ハ市町村ノ區域ニ依ル
特別ノ事情アル市町村ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ二箇以上ノ投票區ヲ設ケ又ハ數町村ノ區域ニ依リ一投票區ヲ設クルコトヲ得
投票所ハ市役所町村役場又ハ市町村長ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ケ市町村長其ノ事務ヲ管理ス
投票所ハ市町村長ニ於テ選擧ノ日ヨリ少クトモ五日前ニ之ヲ吿示スヘシ
第二項ノ場合ニ於テ投票ニ關シ本法ヲ適用シ難キトキハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第十七條 選擧人ニ非サル者ハ投票所ニ入ルコトヲ得ス但シ投票所ノ事務ニ從事スル者投票所ヲ監視スル職權ヲ有スル者又ハ警察官吏ハ此ノ限ニ在ラス
投票所ニ於テ演說討論ヲ爲シ若ハ喧擾ニ涉リ投票ニ關シ協議若ハ勸誘ヲ爲シ其ノ他投票所ノ秩序ヲ紊ス者アルトキハ投票管理者ハ之ヲ制止シ命ニ從ハサルトキハ之ヲ投票所外ニ退出セシムヘシ
前項ノ規定ニ依リ退出セシメラレタル者ハ最後ニ至リ投票ヲ爲スコトヲ得但シ投票管理者投票所ノ秩序ヲ紊スノ虞ナシト認ムル場合ニ於テ投票ヲ爲サシムルヲ妨ケス
第十八條第三項ヲ左ノ如ク改ム
選擧人ハ選擧ノ當日投票時間內ニ自ラ投票所ニ到リ選擧人名簿ノ對照ヲ經又ハ確定裁決書若ハ判決書ヲ提示シテ投票ヲ爲スヘシ
同條第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
投票時間內ニ投票所ニ入リタル選擧人ハ其ノ時間ヲ過クルモ投票ヲ爲スコトヲ得
同條ニ左ノ二項ヲ加フ
選擧人名簿調製ノ後選擧人其ノ投票區域外ニ住所ヲ移シタル場合ニ於テ仍選擧權ヲ有スルトキハ前住所地ノ投票所ニ於テ投票ヲ爲スヘシ
第三十二條第一項若ハ第三十六條ノ選擧又ハ補闕選擧ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選擧ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第二十七條ニ左ノ一號ヲ加フ
六 現ニ府縣會議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
第二十九條 府縣會議員ノ選擧ハ有效投票ノ最多數ヲ得タル者ヲ以テ當選者トス但シ其ノ選擧區ニ配當セラレタル議員定數ヲ以テ選擧人名簿ニ登錄セラレタル人員數ヲ除シテ得タル數ノ七分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
當選者ヲ定ムルニ當リ得票ノ數同シキトキハ年長者ヲ取リ年齡同シキトキハ選擧長抽籤シテ之ヲ定ム
第三十條中「選擧ノ效力」ヲ「選擧及當選ノ效力」ニ改ム
第三十一條中「前三項」ヲ「前二項」ニ改メ第四項ヲ削ル
第三十二條中「同年月ナルトキ」ヲ「年齡同シキトキ」ニ改ム
第三十四條中「選擧ノ日ヨリ」ヲ「選擧ニ關シテハ選擧ノ日ヨリ當選ニ關シテハ前條吿示ノ日ヨリ」ニ改メ「申立ノ有無ニ拘ラス」ノ下ニ「選擧ニ關シテハ」ヲ「報吿ヲ受ケタル日ヨリ」ノ下ニ「當選ニ關シテハ同條第二項又ハ第三項ノ申立アリタル日ヨリ」ヲ加ヘ第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ場合ニ於テハ府縣參事會ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以內ニ之ヲ決定スヘシ
第三十五條第一項ヲ左ノ如ク改ム
選擧ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選擧ノ結果ニ異動ヲ生スルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選擧ノ全部又ハ一部ヲ無效トス
第三十六條ニ左ノ一項ヲ加フ
議員ノ定數ニ足ル當選者ヲ得ルコト能ハサルトキハ其ノ不足ノ員數ニ付更ニ選擧ヲ行フヘシ此ノ場合ニ於テハ第二十九條第一項但書ノ規定ヲ適用セス
第三十七條第一項ヲ左ノ如ク改ム
府縣會議員ニシテ被選擧權ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ禁錮以上ノ刑ノ宣吿ヲ受ケタル者ヲ除ク外其ノ被選擧權ノ有無ニ關スル異議ハ府縣參事會之ヲ決定ス
同條第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第三十四條第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十九條第二項ヲ左ノ如ク改ム
町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同處理スルモノハ之ヲ一町村其ノ組合ノ管理者ハ之ヲ町村長ト看做シ本款ノ規定ヲ準用ス
第四十七條第二項ヲ左ノ如ク改ム
議長及副議長ノ任期ハ議員ノ任期ニ依ル
第四十八條 議長故障アルトキハ副議長之ニ代ハリ議長副議長共ニ故障アルトキハ臨時ニ議員中ヨリ假議長ヲ選擧スヘシ
前項假議長ノ選擧ニ付テハ年長ノ議員議長ノ職務ヲ代理ス年齡同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
第五十四條 議長及議員ハ自己又ハ父母祖父母妻子孫兄弟姊妹ノ一身上ニ關スル事件ニ付テハ其ノ議事ニ參與スルコトヲ得ス但シ府縣會ノ同意ヲ得タルトキハ會議ニ出席シ發言スルコトヲ得
第五十五條中「選擧ヲ行フトキハ」ノ下ニ「本法中別段ノ規定アル場合ヲ除ク外」ヲ加ヘ「匿名投票」ヲ「無記名投票」ニ「同年月ナルトキ」ヲ「年齡同シキトキ」ニ改メ「其ノ他ハ第十八條第二十七條及第二十八條ノ規定ヲ準用ス」ヲ削リ第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ場合ニ於テハ第十八條及第二十七條ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ效力ニ關シ異議アルトキハ府縣會之ヲ議決ス
第一項ノ選擧ニ付テハ府縣會ハ其ノ議決ヲ以テ指名推選ノ法ヲ用ウルコトヲ得
第五十七條ニ左ノ二項ヲ加フ
議員定員ノ半數以上ヨリ請求アルトキハ議長ハ其ノ日ノ會議ヲ開クコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ議長仍會議ヲ開カサルトキハ第四十八條ノ例ニ依ル
前項議員ノ請求ニ依リ會議ヲ開キタルトキ又ハ議員中異議アルトキハ議長ハ會議ノ議決ニ依ルニ非サレハ其ノ日ノ會議ヲ閉チ又ハ中止スルコトヲ得ス
第六十四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
府縣會ハ會議規則及傍聽人取締規則ヲ設クヘシ
會議規則ハ內務大臣ノ許可ヲ受クルコトヲ要ス
第六十五條中「八名」ヲ「十名」ニ「六名」ヲ「七名」ニ改ム
第六十六條第三項乃至第五項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ場合ニ於テハ第十八條第二十七條及第二十九條ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ效力ニ關シ異議アルトキハ府縣會之ヲ議決ス
名譽職參事會員中闕員アルトキハ府縣知事ハ補充員ノ中ニ就キ之ヲ補闕ス其ノ順序ハ選擧ノ時ヲ異ニスルトキハ選擧ノ前後ニ依リ選擧同時ナルトキハ得票數ニ依リ得票同數ナルトキハ年長者ヲ取リ年齡同シキトキハ抽籤ニ依ル仍闕員アル場合ニ於テハ臨時補闕選擧ヲ行フヘシ
名譽職參事會員及其ノ補充員ハ每年之ヲ選擧スヘシ
名譽職參事會員ハ後任者就任ノ前日マテ在任ス府縣會議員ノ任期滿了シタルトキ亦同シ
第七十條中「第四十九條」ノ下ニ「第五十一條第三項第五十五條第五十七條第一項」ヲ加フ
第七十四條中「第六十六條第三項」ヲ「第六十六條第四項」ニ改ム
第八十二條中「法律命令」ノ下ニ「若ハ會議規則」ヲ加フ
第八十五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
府縣會又ハ府縣參事會ニ於テ其ノ議決スヘキ事件ヲ議決セサルトキハ前項ノ例ニ依ル
第九十四條第二項ヲ左ノ如ク改ム
費用辨償額及其ノ支給方法ハ府縣會ノ議決ヲ經テ府縣知事之ヲ定ム
第九十五條乃至第九十七條中「退職給與金」ノ下ニ「死亡給與金」ヲ加フ
第百條第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法中別ニ規定アルモノヲ除ク外使用料手數料ニ關スル細則ハ府縣會ノ議決ヲ經テ府縣知事之ヲ定ム其ノ細則ニハ過料五圓以下ノ罰則ヲ設クルコトヲ得
第百六條中「若ハ使用シ」ヲ「使用シ若ハ占有シ」ニ改メ但書ヲ削ル
第百七條 納稅者ノ府縣外ニ於テ所有シ使用シ占有スル土地家屋物件若ハ其ノ收入又ハ府縣外ニ於テ營業所ヲ定メタル營業若ハ其ノ收入ニ對シテハ府縣稅ヲ賦課スルコトヲ得ス
住所滯在同時ニ府縣ノ內外ニ涉ル者ノ前項以外ノ收入ニ對シ府縣稅ヲ賦課スルトキハ其ノ收入ヲ各府縣ニ平分シ其ノ一部ニノミ賦課スヘシ
第百八條 府縣ノ內外ニ涉リ營業所ヲ定メテ爲ス營業又ハ其ノ收入ニ對シ本稅ヲ分別シテ納メサル者ニ對シ關係府縣ニ於テ營業稅附加稅所得稅附加稅又ハ鑛產稅附加稅ヲ賦課スルトキハ關係府縣知事協議ノ上其ノ步合ヲ定ム若協議調ハサルトキハ內務大臣及大藏大臣之ヲ定ム
鑛區又ハ砂鑛區カ府縣ノ內外ニ涉ル場合ニ於テ鑛區稅又ハ砂鑛區稅ノ附加稅ヲ賦課スルトキハ鑛區又ハ砂鑛區ノ屬スル地表ノ面積ニ依リ本稅額ヲ分割シ其ノ一部ニノミ賦課スヘシ
第百十六條第三項乃至第六項ヲ左ノ如ク改ム
前項徵收金ノ先取特權ノ順位ハ國ノ徵收金ニ次クモノトス
府縣ノ收入金及支拂金ニ關スル時效ハ其ノ年度經過後五年ヲ以テ完成ス但シ府縣債ニ付テハ國債ノ例ニ依ル
第二項ノ場合ニ於テ郡島ノ官吏吏員又ハ市町村吏員ノ處分ニ不服アル者ハ府縣參事會ニ訴願シ其ノ裁決又ハ府縣知事ノ處分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ關シテハ府縣知事郡島ノ官吏吏員又ハ市町村吏員ヨリモ亦訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第二項ノ處分中差押物件ノ公賣ハ處分ノ確定ニ至ルマテ執行ヲ停止ス
第百二十六條中「府縣吏員」ヲ「府縣出納吏及府縣吏員」ニ改ム
第五章ノ二 府縣組合
第百二十六條ノ二 府縣ハ其ノ事務ノ一部ヲ共同處理スル爲其ノ協議ニ依リ規約ヲ定メ內務大臣ノ許可ヲ得テ府縣組合ヲ設クルコトヲ得
府縣組合ハ法人トス
第百二十六條ノ三 府縣組合ノ規約ニハ其ノ名稱組合ヲ組織スル府縣組合ノ共同事務組合會ノ組織事務ノ管理費用ノ支辨方法其ノ他必要ナル事項ヲ定ムヘシ
府縣組合ノ事務ハ內務大臣ノ指定シタル府縣知事之ヲ管理ス
第百二十六條ノ四 府縣組合ノ組合府縣數ヲ增減シ共同事務ノ變更ヲ爲シ其ノ他規約ヲ變更セムトスルトキ又ハ府縣組合ヲ解カムトスルトキハ關係府縣ノ協議ニ依リ內務大臣ノ許可ヲ受クヘシ此ノ場合ニ於テ財產處分ヲ要スルトキハ其ノ財產處分ニ付亦同シ
第百二十六條ノ五 前三條ノ場合ニ於テハ府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經ルコトヲ要ス
第百二十六條ノ六 公益上必要アル場合ニ於テハ內務大臣ハ關係アル府縣會ノ意見ヲ徵シ府縣組合ヲ設ケ若ハ之ヲ解キ組合規約ヲ定メ若ハ之ヲ變更シ又ハ財產處分ノ方法ヲ定ムルコトヲ得
第百二十六條ノ七 府縣組合ニ關シテハ法律勅令中別段ノ規定アル場合ヲ除ク外府縣ニ關スル規定ヲ準用ス但シ府縣組合ニハ參事會ヲ置カス其ノ權限ニ屬スヘキ事項ハ組合事務ヲ管理スル府縣知事之ヲ行フ
第百二十八條 異議ノ申立又ハ訴願ノ提起ハ處分ヲ受ケ又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ二十一日以內ニ之ヲ爲スヘシ但シ本法中別ニ期間ヲ定メタルモノハ此ノ限ニ在ラス
行政訴訟ノ提起ハ處分ヲ受ケ又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三十日以內ニ之ヲ爲スヘシ
決定書又ハ裁決書ノ交付ヲ受ケサル者ニ關シテハ前二項ノ期間ハ吿示ノ日ヨリ起算ス
異議ノ申立ニ關スル期間ノ計算ニ付テハ訴願法ノ規定ニ依ル
異議ノ申立ハ期限經過後ニ於テモ宥恕スヘキ事由アリト認ムルトキハ仍之ヲ受理スルコトヲ得
異議ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ爲シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ申立人ニ交付スヘシ
異議ノ申立アルモ處分ノ執行ハ之ヲ停止セス但シ行政廳ハ其ノ職權ニ依リ又ハ關係者ノ請求ニ依リ必要ト認ムルトキハ之ヲ停止スルコトヲ得
第百三十三條中左ノ如ク改ム
三から七まで 削除
第百三十四條 府縣債ヲ起シ又ハ起債ノ方法利息ノ定率若ハ償還ノ方法ヲ定メ若ハ變更セムトスルトキハ內務大臣及大藏大臣ノ許可ヲ受クヘシ但シ第百十七條第三項ノ借入金ハ此ノ限ニ在ラス
第百三十九條ノ二 第四十九條及第七十六條ノ規定ニ依ル府縣知事ノ職權ハ東京府ニ在リテハ警視總監亦之ヲ行フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
名譽職參事會員及其ノ補充員ノ任期ニ關シテハ次ノ總選擧マテ仍從前ノ規定ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル府県制中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年三月三十一日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
内務大臣 原敬
大蔵大臣 男爵 高橋是清
法律第三十五号
府県制中左ノ通改正ス
目録中「第二款歳入出予算及決算」ノ次ニ「第五章ノ二 府県組合」ヲ加フ
第五条中「内務大臣ノ許可ヲ得」ヲ削リ第三項ヲ左ノ如ク改ム
議員ノ配当ニ関シ必要ナル事項ハ内務大臣之ヲ定ム
議員ノ定数ハ総選挙ヲ行フ場合ニ非サレハ之ヲ増減セス
第六条中「神官」ノ下ニ「神職」ヲ加ヘ第九項ヲ左ノ如ク改ム
府県ニ対シ請負ヲ為ス者及其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行為ヲ為ス法人ノ無限責任社員重役及支配人ハ其ノ府県ニ於テ被選挙権ヲ有セス
第七条第二項ヲ左ノ如ク改メ第三項ヲ削ル
議員ノ任期ハ四年トシ総選挙ノ日ヨリ之ヲ起算ス
第八条第一項ヲ左ノ如ク改メ第三項ヲ削ル
府県会議員中闕員アルトキハ三箇月以内ニ補闕選挙ヲ行フヘシ
第十二条第九項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
天災事変等ノ為必要アルトキハ更ニ選挙人名簿ヲ調製シ又ハ之ヲ縦覧ニ供スヘシ
同条第十項中「前項名簿」ヲ「前二項ノ名簿」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
府県郡市町村ノ廃置分合境界変更ノ場合ニ於ケル名簿ノ分合ニ関シテハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十三条ニ左ノ一項ヲ加フ
天災事変等ノ為投票ヲ行フコトヲ得サルトキ又ハ更ニ投票ヲ行フノ必要アルトキハ府県知事ハ当該選挙区又ハ投票区ニ付投票ヲ行フヘキ日時ヲ定メ少クトモ七日前ニ之ヲ告示スヘシ
第十五条 投票区ハ市町村ノ区域ニ依ル
特別ノ事情アル市町村ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ二箇以上ノ投票区ヲ設ケ又ハ数町村ノ区域ニ依リ一投票区ヲ設クルコトヲ得
投票所ハ市役所町村役場又ハ市町村長ノ指定シタル場所ニ之ヲ設ケ市町村長其ノ事務ヲ管理ス
投票所ハ市町村長ニ於テ選挙ノ日ヨリ少クトモ五日前ニ之ヲ告示スヘシ
第二項ノ場合ニ於テ投票ニ関シ本法ヲ適用シ難キトキハ命令ヲ以テ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第十七条 選挙人ニ非サル者ハ投票所ニ入ルコトヲ得ス但シ投票所ノ事務ニ従事スル者投票所ヲ監視スル職権ヲ有スル者又ハ警察官吏ハ此ノ限ニ在ラス
投票所ニ於テ演説討論ヲ為シ若ハ喧擾ニ渉リ投票ニ関シ協議若ハ勧誘ヲ為シ其ノ他投票所ノ秩序ヲ紊ス者アルトキハ投票管理者ハ之ヲ制止シ命ニ従ハサルトキハ之ヲ投票所外ニ退出セシムヘシ
前項ノ規定ニ依リ退出セシメラレタル者ハ最後ニ至リ投票ヲ為スコトヲ得但シ投票管理者投票所ノ秩序ヲ紊スノ虞ナシト認ムル場合ニ於テ投票ヲ為サシムルヲ妨ケス
第十八条第三項ヲ左ノ如ク改ム
選挙人ハ選挙ノ当日投票時間内ニ自ラ投票所ニ到リ選挙人名簿ノ対照ヲ経又ハ確定裁決書若ハ判決書ヲ提示シテ投票ヲ為スヘシ
同条第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
投票時間内ニ投票所ニ入リタル選挙人ハ其ノ時間ヲ過クルモ投票ヲ為スコトヲ得
同条ニ左ノ二項ヲ加フ
選挙人名簿調製ノ後選挙人其ノ投票区域外ニ住所ヲ移シタル場合ニ於テ仍選挙権ヲ有スルトキハ前住所地ノ投票所ニ於テ投票ヲ為スヘシ
第三十二条第一項若ハ第三十六条ノ選挙又ハ補闕選挙ヲ同時ニ行フ場合ニ於テハ一ノ選挙ヲ以テ合併シテ之ヲ行フ
第二十七条ニ左ノ一号ヲ加フ
六 現ニ府県会議員ノ職ニ在ル者ノ氏名ヲ記載シタルモノ
第二十九条 府県会議員ノ選挙ハ有効投票ノ最多数ヲ得タル者ヲ以テ当選者トス但シ其ノ選挙区ニ配当セラレタル議員定数ヲ以テ選挙人名簿ニ登録セラレタル人員数ヲ除シテ得タル数ノ七分ノ一以上ノ得票アルコトヲ要ス
当選者ヲ定ムルニ当リ得票ノ数同シキトキハ年長者ヲ取リ年齢同シキトキハ選挙長抽籤シテ之ヲ定ム
第三十条中「選挙ノ効力」ヲ「選挙及当選ノ効力」ニ改ム
第三十一条中「前三項」ヲ「前二項」ニ改メ第四項ヲ削ル
第三十二条中「同年月ナルトキ」ヲ「年齢同シキトキ」ニ改ム
第三十四条中「選挙ノ日ヨリ」ヲ「選挙ニ関シテハ選挙ノ日ヨリ当選ニ関シテハ前条告示ノ日ヨリ」ニ改メ「申立ノ有無ニ拘ラス」ノ下ニ「選挙ニ関シテハ」ヲ「報告ヲ受ケタル日ヨリ」ノ下ニ「当選ニ関シテハ同条第二項又ハ第三項ノ申立アリタル日ヨリ」ヲ加ヘ第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ場合ニ於テハ府県参事会ハ其ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ十四日以内ニ之ヲ決定スヘシ
第三十五条第一項ヲ左ノ如ク改ム
選挙ノ規定ニ違反スルコトアルトキハ選挙ノ結果ニ異動ヲ生スルノ虞アル場合ニ限リ其ノ選挙ノ全部又ハ一部ヲ無効トス
第三十六条ニ左ノ一項ヲ加フ
議員ノ定数ニ足ル当選者ヲ得ルコト能ハサルトキハ其ノ不足ノ員数ニ付更ニ選挙ヲ行フヘシ此ノ場合ニ於テハ第二十九条第一項但書ノ規定ヲ適用セス
第三十七条第一項ヲ左ノ如ク改ム
府県会議員ニシテ被選挙権ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ禁錮以上ノ刑ノ宣告ヲ受ケタル者ヲ除ク外其ノ被選挙権ノ有無ニ関スル異議ハ府県参事会之ヲ決定ス
同条第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第三十四条第四項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十九条第二項ヲ左ノ如ク改ム
町村組合ニシテ町村ノ事務ノ全部又ハ役場事務ヲ共同処理スルモノハ之ヲ一町村其ノ組合ノ管理者ハ之ヲ町村長ト看做シ本款ノ規定ヲ準用ス
第四十七条第二項ヲ左ノ如ク改ム
議長及副議長ノ任期ハ議員ノ任期ニ依ル
第四十八条 議長故障アルトキハ副議長之ニ代ハリ議長副議長共ニ故障アルトキハ臨時ニ議員中ヨリ仮議長ヲ選挙スヘシ
前項仮議長ノ選挙ニ付テハ年長ノ議員議長ノ職務ヲ代理ス年齢同シキトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
第五十四条 議長及議員ハ自己又ハ父母祖父母妻子孫兄弟姉妹ノ一身上ニ関スル事件ニ付テハ其ノ議事ニ参与スルコトヲ得ス但シ府県会ノ同意ヲ得タルトキハ会議ニ出席シ発言スルコトヲ得
第五十五条中「選挙ヲ行フトキハ」ノ下ニ「本法中別段ノ規定アル場合ヲ除ク外」ヲ加ヘ「匿名投票」ヲ「無記名投票」ニ「同年月ナルトキ」ヲ「年齢同シキトキ」ニ改メ「其ノ他ハ第十八条第二十七条及第二十八条ノ規定ヲ準用ス」ヲ削リ第二項ヲ左ノ如ク改ム
前項ノ場合ニ於テハ第十八条及第二十七条ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ効力ニ関シ異議アルトキハ府県会之ヲ議決ス
第一項ノ選挙ニ付テハ府県会ハ其ノ議決ヲ以テ指名推選ノ法ヲ用ウルコトヲ得
第五十七条ニ左ノ二項ヲ加フ
議員定員ノ半数以上ヨリ請求アルトキハ議長ハ其ノ日ノ会議ヲ開クコトヲ要ス此ノ場合ニ於テ議長仍会議ヲ開カサルトキハ第四十八条ノ例ニ依ル
前項議員ノ請求ニ依リ会議ヲ開キタルトキ又ハ議員中異議アルトキハ議長ハ会議ノ議決ニ依ルニ非サレハ其ノ日ノ会議ヲ閉チ又ハ中止スルコトヲ得ス
第六十四条第一項ヲ左ノ如ク改ム
府県会ハ会議規則及傍聴人取締規則ヲ設クヘシ
会議規則ハ内務大臣ノ許可ヲ受クルコトヲ要ス
第六十五条中「八名」ヲ「十名」ニ「六名」ヲ「七名」ニ改ム
第六十六条第三項乃至第五項ヲ左ノ如ク改ム
前二項ノ場合ニ於テハ第十八条第二十七条及第二十九条ノ規定ヲ準用ス其ノ投票ノ効力ニ関シ異議アルトキハ府県会之ヲ議決ス
名誉職参事会員中闕員アルトキハ府県知事ハ補充員ノ中ニ就キ之ヲ補闕ス其ノ順序ハ選挙ノ時ヲ異ニスルトキハ選挙ノ前後ニ依リ選挙同時ナルトキハ得票数ニ依リ得票同数ナルトキハ年長者ヲ取リ年齢同シキトキハ抽籤ニ依ル仍闕員アル場合ニ於テハ臨時補闕選挙ヲ行フヘシ
名誉職参事会員及其ノ補充員ハ毎年之ヲ選挙スヘシ
名誉職参事会員ハ後任者就任ノ前日マテ在任ス府県会議員ノ任期満了シタルトキ亦同シ
第七十条中「第四十九条」ノ下ニ「第五十一条第三項第五十五条第五十七条第一項」ヲ加フ
第七十四条中「第六十六条第三項」ヲ「第六十六条第四項」ニ改ム
第八十二条中「法律命令」ノ下ニ「若ハ会議規則」ヲ加フ
第八十五条第二項ヲ左ノ如ク改ム
府県会又ハ府県参事会ニ於テ其ノ議決スヘキ事件ヲ議決セサルトキハ前項ノ例ニ依ル
第九十四条第二項ヲ左ノ如ク改ム
費用弁償額及其ノ支給方法ハ府県会ノ議決ヲ経テ府県知事之ヲ定ム
第九十五条乃至第九十七条中「退職給与金」ノ下ニ「死亡給与金」ヲ加フ
第百条第一項ヲ左ノ如ク改ム
本法中別ニ規定アルモノヲ除ク外使用料手数料ニ関スル細則ハ府県会ノ議決ヲ経テ府県知事之ヲ定ム其ノ細則ニハ過料五円以下ノ罰則ヲ設クルコトヲ得
第百六条中「若ハ使用シ」ヲ「使用シ若ハ占有シ」ニ改メ但書ヲ削ル
第百七条 納税者ノ府県外ニ於テ所有シ使用シ占有スル土地家屋物件若ハ其ノ収入又ハ府県外ニ於テ営業所ヲ定メタル営業若ハ其ノ収入ニ対シテハ府県税ヲ賦課スルコトヲ得ス
住所滞在同時ニ府県ノ内外ニ渉ル者ノ前項以外ノ収入ニ対シ府県税ヲ賦課スルトキハ其ノ収入ヲ各府県ニ平分シ其ノ一部ニノミ賦課スヘシ
第百八条 府県ノ内外ニ渉リ営業所ヲ定メテ為ス営業又ハ其ノ収入ニ対シ本税ヲ分別シテ納メサル者ニ対シ関係府県ニ於テ営業税附加税所得税附加税又ハ鉱産税附加税ヲ賦課スルトキハ関係府県知事協議ノ上其ノ歩合ヲ定ム若協議調ハサルトキハ内務大臣及大蔵大臣之ヲ定ム
鉱区又ハ砂鉱区カ府県ノ内外ニ渉ル場合ニ於テ鉱区税又ハ砂鉱区税ノ附加税ヲ賦課スルトキハ鉱区又ハ砂鉱区ノ属スル地表ノ面積ニ依リ本税額ヲ分割シ其ノ一部ニノミ賦課スヘシ
第百十六条第三項乃至第六項ヲ左ノ如ク改ム
前項徴収金ノ先取特権ノ順位ハ国ノ徴収金ニ次クモノトス
府県ノ収入金及支払金ニ関スル時効ハ其ノ年度経過後五年ヲ以テ完成ス但シ府県債ニ付テハ国債ノ例ニ依ル
第二項ノ場合ニ於テ郡島ノ官吏吏員又ハ市町村吏員ノ処分ニ不服アル者ハ府県参事会ニ訴願シ其ノ裁決又ハ府県知事ノ処分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ関シテハ府県知事郡島ノ官吏吏員又ハ市町村吏員ヨリモ亦訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第二項ノ処分中差押物件ノ公売ハ処分ノ確定ニ至ルマテ執行ヲ停止ス
第百二十六条中「府県吏員」ヲ「府県出納吏及府県吏員」ニ改ム
第五章ノ二 府県組合
第百二十六条ノ二 府県ハ其ノ事務ノ一部ヲ共同処理スル為其ノ協議ニ依リ規約ヲ定メ内務大臣ノ許可ヲ得テ府県組合ヲ設クルコトヲ得
府県組合ハ法人トス
第百二十六条ノ三 府県組合ノ規約ニハ其ノ名称組合ヲ組織スル府県組合ノ共同事務組合会ノ組織事務ノ管理費用ノ支弁方法其ノ他必要ナル事項ヲ定ムヘシ
府県組合ノ事務ハ内務大臣ノ指定シタル府県知事之ヲ管理ス
第百二十六条ノ四 府県組合ノ組合府県数ヲ増減シ共同事務ノ変更ヲ為シ其ノ他規約ヲ変更セムトスルトキ又ハ府県組合ヲ解カムトスルトキハ関係府県ノ協議ニ依リ内務大臣ノ許可ヲ受クヘシ此ノ場合ニ於テ財産処分ヲ要スルトキハ其ノ財産処分ニ付亦同シ
第百二十六条ノ五 前三条ノ場合ニ於テハ府県知事ハ府県会ノ議決ヲ経ルコトヲ要ス
第百二十六条ノ六 公益上必要アル場合ニ於テハ内務大臣ハ関係アル府県会ノ意見ヲ徴シ府県組合ヲ設ケ若ハ之ヲ解キ組合規約ヲ定メ若ハ之ヲ変更シ又ハ財産処分ノ方法ヲ定ムルコトヲ得
第百二十六条ノ七 府県組合ニ関シテハ法律勅令中別段ノ規定アル場合ヲ除ク外府県ニ関スル規定ヲ準用ス但シ府県組合ニハ参事会ヲ置カス其ノ権限ニ属スヘキ事項ハ組合事務ヲ管理スル府県知事之ヲ行フ
第百二十八条 異議ノ申立又ハ訴願ノ提起ハ処分ヲ受ケ又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ二十一日以内ニ之ヲ為スヘシ但シ本法中別ニ期間ヲ定メタルモノハ此ノ限ニ在ラス
行政訴訟ノ提起ハ処分ヲ受ケ又ハ決定書若ハ裁決書ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内ニ之ヲ為スヘシ
決定書又ハ裁決書ノ交付ヲ受ケサル者ニ関シテハ前二項ノ期間ハ告示ノ日ヨリ起算ス
異議ノ申立ニ関スル期間ノ計算ニ付テハ訴願法ノ規定ニ依ル
異議ノ申立ハ期限経過後ニ於テモ宥恕スヘキ事由アリト認ムルトキハ仍之ヲ受理スルコトヲ得
異議ノ決定ハ文書ヲ以テ之ヲ為シ其ノ理由ヲ附シ之ヲ申立人ニ交付スヘシ
異議ノ申立アルモ処分ノ執行ハ之ヲ停止セス但シ行政庁ハ其ノ職権ニ依リ又ハ関係者ノ請求ニ依リ必要ト認ムルトキハ之ヲ停止スルコトヲ得
第百三十三条中左ノ如ク改ム
三から七まで 削除
第百三十四条 府県債ヲ起シ又ハ起債ノ方法利息ノ定率若ハ償還ノ方法ヲ定メ若ハ変更セムトスルトキハ内務大臣及大蔵大臣ノ許可ヲ受クヘシ但シ第百十七条第三項ノ借入金ハ此ノ限ニ在ラス
第百三十九条ノ二 第四十九条及第七十六条ノ規定ニ依ル府県知事ノ職権ハ東京府ニ在リテハ警視総監亦之ヲ行フ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
名誉職参事会員及其ノ補充員ノ任期ニ関シテハ次ノ総選挙マテ仍従前ノ規定ニ依ル