(取引所法中改正法律)
法令番号: 法律第三十三號
公布年月日: 大正3年3月31日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル取引所法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年三月三十日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
農商務大臣 山本達雄
法律第三十三號
取引所法中左ノ通改正ス
第八條中「指圖式ノ倉荷證書」及「倉荷證書」ヲ「預證券、質入證券又ハ倉荷證券」ニ改ム
第十條 取引所ノ營業部類ニ屬スル商業ニ從事スル商人ハ定款ノ規定ニ從ヒ其ノ取引所ノ會員トナルコトヲ得
取引所ノ仲買人トナラムトスル者ハ政府ノ免許ヲ受クヘシ
第十一條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
婦女、未成年者、復權セサル家資分散者及破產者竝本法ニ依リ除名セラレ除名ノ日ヨリ五箇年ヲ經過セサル者ハ會員トナルコトヲ得ス
懲役若ハ重禁錮一年以上ノ刑ニ處セラレタル者又ハ刑法第二編第十六章乃至第十九章第二十三章第三十五章乃至第三十九章、舊刑法第二編第四章第一節乃至第五節第二百六十條乃至第二百六十二條第八章第九章第三節第三編第二章第一節第二節第四節乃至第六節、通貨及證券模造取締法、明治三十八年法律第六十六號、紙幣類似證券取締法、印紙犯罪處罰法、商法第二百六十一條、明治二十三年法律第三十二號商法第三編第九章、同年法律第百一號、保險業法第九十八條ノ三若ハ本法第三十一條乃至第三十二條ノ五ノ規定ニ依リ刑ニ處セラレタル者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル日ヨリ五箇年ヲ經過セサル者ハ仲買人トナルコトヲ得ス前項ニ該當スル者亦同シ
第十一條ノ二 會員第十條第一項ノ要件ヲ缺キ又ハ前條第一項若ハ第二項ニ該當スルニ至リタルトキハ其ノ取引所ヨリ脫退ス
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ會員トナリタル者又ハ第十條第一項ノ要件ヲ缺キ若ハ前條第一項第二項ニ該當スル者ニシテ會員トナリタル者アルコトヲ發見シタルトキハ之ヲ除名シ又ハ其ノ取引所ヨリ脫退セシムルコトヲ得
仲買人前條第一項又ハ第三項ニ該當スルニ至リタルトキハ免許ハ其ノ效力ヲ失フ
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ仲買人タルノ免許ヲ受ケタル者又ハ前條第一項若ハ第三項ニ該當スル者ニシテ免許ヲ受ケタル者アルコトヲ發見シタルトキハ之ヲ除名シ又ハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第十一條ノ三 仲買人他ノ取引所ノ仲買人タル免許ヲ受ケタルトキハ前ノ免許ハ其ノ效力ヲ失フ
前項ノ規定ハ仲買人カ取引所ノ役員タル認可ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス
第十一條ノ四 仲買人ハ第二項但書ノ場合ヲ除クノ外支店、出張所其ノ他何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス其ノ本店以外ノ場所ヲ以テ賣買取引ノ取扱ヲ爲ス場所ト爲スコトヲ得ス
何人ト雖定期取引ノ委託ノ代理、媒介又ハ取次ヲ營業ト爲スコトヲ得ス但シ仲買人農商務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十五條ノ二 取引所ハ其ノ定款ヲ以テ會員若ハ仲買人トナルニ必要ナル條件ヲ定メ又ハ仲買人ノ員數ヲ制限スルコトヲ得
第十一條ノ二ノ規定ハ會員若ハ仲買人カ前項ノ要件ヲ缺クニ至リタル場合又ハ之ヲ缺ク者ニシテ會員若ハ仲買人トナリタル者アルコトヲ發見シタル場合ニ之ヲ準用ス
第十五條ノ三 仲買人ハ廢業後ト雖其ノ取引所ニ於ケル取引ノ結了及監督ノ目的ノ範圍內ニ於テハ取引結了後二週間ヲ經過スル迄仍廢業セサルモノト看做ス
仲買人死亡シ若ハ除名セラレ又ハ其ノ免許カ取消サレ若ハ效力ヲ失ヒタル場合ニ於テハ其ノ取引所ニ於ケル取引ノ結了ニ至ル迄亦前項ニ同シ
前項ノ規定ハ會員ノ死亡、除名及脫退ノ場合ニ之ヲ準用ス
前三項ノ場合ニ於テ會員又ハ仲買人ノ行爲ヲ爲ス者ナキトキハ取引所ハ定款ノ定ムル所ニ從ヒ他人ヲシテ其ノ行爲ヲ爲サシムルコトヲ得
第十六條ニ左ノ一項ヲ加フ
取引所ノ仲買人トノ間ニ資金ノ供與、損益ノ分配其ノ他仲買人ノ營業ニ付特別ノ利害關係ヲ有スル者ハ其ノ取引所又ハ之ト同種ノ物件ヲ取引スル取引所ノ役員ト爲スコトヲ得ス
第十六條ノ二 役員前條第四項ニ該當スルニ至リタルトキ又ハ仲買人ノ免許ヲ受ケタルトキハ其ノ職ヲ失フ理事長又ハ理事他ノ取引所ノ理事長又ハ理事タル認可ヲ受ケタルトキ亦同シ
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ役員タルノ認可ヲ受ケタル者若ハ前條ノ規定ニ違反シテ役員トナリタル者アルコトヲ發見シ又ハ役員ニシテ第十七條第二項ノ規定ニ違反スル者アリト認メタルトキハ之ヲ解職スルコトヲ得
第十六條ノ三 農商務大臣ハ役員ノ職務ヲ行フ者ナキ場合ニ於テ必要ト認ムルトキハ假ニ役員ヲ選任スルコトヲ得
第十七條 役員又ハ取引所ノ使用人ハ何人ノ名ヲ以テスルヲ問ハス其ノ取引所ノ取引物件ニ付取引所ニ於ケル賣買取引ヲ爲シ又ハ其ノ委託ヲ爲スコトヲ得ス
役員又ハ取引所ノ使用人ハ其ノ取引所又ハ之ト同種ノ物件ヲ取引スル取引所ノ仲買人トノ間ニ資金ノ供與、損益ノ分配其ノ他仲買人ノ營業ニ付特別ノ利害關係ヲ有スルコトヲ得ス
第二十二條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ直取引又ハ延取引ノ違約ヨリ生スル損害ノ賠償ニ付テハ定款ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二十五條 仲買人ハ委託ヲ受ケタル取引所ノ定期取引ニ付取引所ニ於テ其ノ賣付、買付又ハ受渡ヲ爲サスシテ之ヲ爲シタルト同一又ハ類似ノ計算ヲ以テ委託者ニ對シ其ノ決濟ヲ爲スコトヲ得ス
前項ノ規定ニ違反シタル仲買人ハ取引所之ニ三箇月以上ノ營業停止ヲ命シ又ハ之ヲ除名スヘシ
第二十六條 取引所ハ命令ノ定ムル所ニ依リ公定相場ヲ決定シ之ヲ公示スヘシ
取引所ハ命令ノ定ムル所ニ依リ各仲買人ノ賣買高ヲ公示スヘシ
第二十六條ノ二 取引所ニ依ラスシテ定期取引ト同一若ハ類似ノ取引ヲ目的トスル市場ヲ開キ又ハ其ノ市場ニ於テ取引ヲ爲スコトヲ得ス
第三十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 第十二條第一項ノ規定ニ違反シタル者
二 第十七條第一項ノ規定ニ違反シ又ハ同條第二項ノ特別ノ利害關係ヲ生スルコトヲ目的トスル行爲ヲ爲シタル者
三 第二十六條ノ二ノ規定ニ違反シタル者
第三十二條 第十一條ノ四ノ規定ニ違反シタル者ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十二條ノ二 取引所ノ役員又ハ取引所ニ於ケル受渡物件ノ格付ヲ爲ス者其ノ職務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲ササルトキハ三年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追徵ス
第三十二條ノ三 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 取引所ノ役員又ハ取引所ニ於ケル受渡物件ノ格付ヲ爲ス者ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者
二 取引所ニ於ケル相場ヲ僞リテ公示シタル者
三 公示若ハ頒布ノ目的ヲ以テ虛僞ノ相場ヲ記載シタル文書ヲ作製シタル者又ハ之ヲ頒布シタル者
前項第一號ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ免除スルコトヲ得
第三十二條ノ四 取引所ニ於ケル相場ノ變動ヲ圖ル目的ヲ以テ虛僞ノ風說ヲ流布シ、僞計ヲ用ヒ又ハ暴行若ハ脅迫ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十二條ノ五 取引所ニ依ラスシテ取引所ノ相場ニ依リ差金ノ授受ヲ目的トスル行爲ヲ爲シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス但シ刑法第百八十六條ノ適用ヲ妨ケス
第三十二條ノ六 會員又ハ仲買人ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ第十一條ノ四若ハ第十二條第一項ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
附 則
本法ハ大正三年九月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル取引所法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正三年三月三十日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
農商務大臣 山本達雄
法律第三十三号
取引所法中左ノ通改正ス
第八条中「指図式ノ倉荷証書」及「倉荷証書」ヲ「預証券、質入証券又ハ倉荷証券」ニ改ム
第十条 取引所ノ営業部類ニ属スル商業ニ従事スル商人ハ定款ノ規定ニ従ヒ其ノ取引所ノ会員トナルコトヲ得
取引所ノ仲買人トナラムトスル者ハ政府ノ免許ヲ受クヘシ
第十一条第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
婦女、未成年者、復権セサル家資分散者及破産者並本法ニ依リ除名セラレ除名ノ日ヨリ五箇年ヲ経過セサル者ハ会員トナルコトヲ得ス
懲役若ハ重禁錮一年以上ノ刑ニ処セラレタル者又ハ刑法第二編第十六章乃至第十九章第二十三章第三十五章乃至第三十九章、旧刑法第二編第四章第一節乃至第五節第二百六十条乃至第二百六十二条第八章第九章第三節第三編第二章第一節第二節第四節乃至第六節、通貨及証券模造取締法、明治三十八年法律第六十六号、紙幣類似証券取締法、印紙犯罪処罰法、商法第二百六十一条、明治二十三年法律第三十二号商法第三編第九章、同年法律第百一号、保険業法第九十八条ノ三若ハ本法第三十一条乃至第三十二条ノ五ノ規定ニ依リ刑ニ処セラレタル者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル日ヨリ五箇年ヲ経過セサル者ハ仲買人トナルコトヲ得ス前項ニ該当スル者亦同シ
第十一条ノ二 会員第十条第一項ノ要件ヲ欠キ又ハ前条第一項若ハ第二項ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ取引所ヨリ脱退ス
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ会員トナリタル者又ハ第十条第一項ノ要件ヲ欠キ若ハ前条第一項第二項ニ該当スル者ニシテ会員トナリタル者アルコトヲ発見シタルトキハ之ヲ除名シ又ハ其ノ取引所ヨリ脱退セシムルコトヲ得
仲買人前条第一項又ハ第三項ニ該当スルニ至リタルトキハ免許ハ其ノ効力ヲ失フ
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ仲買人タルノ免許ヲ受ケタル者又ハ前条第一項若ハ第三項ニ該当スル者ニシテ免許ヲ受ケタル者アルコトヲ発見シタルトキハ之ヲ除名シ又ハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第十一条ノ三 仲買人他ノ取引所ノ仲買人タル免許ヲ受ケタルトキハ前ノ免許ハ其ノ効力ヲ失フ
前項ノ規定ハ仲買人カ取引所ノ役員タル認可ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス
第十一条ノ四 仲買人ハ第二項但書ノ場合ヲ除クノ外支店、出張所其ノ他何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス其ノ本店以外ノ場所ヲ以テ売買取引ノ取扱ヲ為ス場所ト為スコトヲ得ス
何人ト雖定期取引ノ委託ノ代理、媒介又ハ取次ヲ営業ト為スコトヲ得ス但シ仲買人農商務大臣ノ認可ヲ受ケタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十五条ノ二 取引所ハ其ノ定款ヲ以テ会員若ハ仲買人トナルニ必要ナル条件ヲ定メ又ハ仲買人ノ員数ヲ制限スルコトヲ得
第十一条ノ二ノ規定ハ会員若ハ仲買人カ前項ノ要件ヲ欠クニ至リタル場合又ハ之ヲ欠ク者ニシテ会員若ハ仲買人トナリタル者アルコトヲ発見シタル場合ニ之ヲ準用ス
第十五条ノ三 仲買人ハ廃業後ト雖其ノ取引所ニ於ケル取引ノ結了及監督ノ目的ノ範囲内ニ於テハ取引結了後二週間ヲ経過スル迄仍廃業セサルモノト看做ス
仲買人死亡シ若ハ除名セラレ又ハ其ノ免許カ取消サレ若ハ効力ヲ失ヒタル場合ニ於テハ其ノ取引所ニ於ケル取引ノ結了ニ至ル迄亦前項ニ同シ
前項ノ規定ハ会員ノ死亡、除名及脱退ノ場合ニ之ヲ準用ス
前三項ノ場合ニ於テ会員又ハ仲買人ノ行為ヲ為ス者ナキトキハ取引所ハ定款ノ定ムル所ニ従ヒ他人ヲシテ其ノ行為ヲ為サシムルコトヲ得
第十六条ニ左ノ一項ヲ加フ
取引所ノ仲買人トノ間ニ資金ノ供与、損益ノ分配其ノ他仲買人ノ営業ニ付特別ノ利害関係ヲ有スル者ハ其ノ取引所又ハ之ト同種ノ物件ヲ取引スル取引所ノ役員ト為スコトヲ得ス
第十六条ノ二 役員前条第四項ニ該当スルニ至リタルトキ又ハ仲買人ノ免許ヲ受ケタルトキハ其ノ職ヲ失フ理事長又ハ理事他ノ取引所ノ理事長又ハ理事タル認可ヲ受ケタルトキ亦同シ
農商務大臣ハ不正ノ手段ニ依リ役員タルノ認可ヲ受ケタル者若ハ前条ノ規定ニ違反シテ役員トナリタル者アルコトヲ発見シ又ハ役員ニシテ第十七条第二項ノ規定ニ違反スル者アリト認メタルトキハ之ヲ解職スルコトヲ得
第十六条ノ三 農商務大臣ハ役員ノ職務ヲ行フ者ナキ場合ニ於テ必要ト認ムルトキハ仮ニ役員ヲ選任スルコトヲ得
第十七条 役員又ハ取引所ノ使用人ハ何人ノ名ヲ以テスルヲ問ハス其ノ取引所ノ取引物件ニ付取引所ニ於ケル売買取引ヲ為シ又ハ其ノ委託ヲ為スコトヲ得ス
役員又ハ取引所ノ使用人ハ其ノ取引所又ハ之ト同種ノ物件ヲ取引スル取引所ノ仲買人トノ間ニ資金ノ供与、損益ノ分配其ノ他仲買人ノ営業ニ付特別ノ利害関係ヲ有スルコトヲ得ス
第二十二条第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ直取引又ハ延取引ノ違約ヨリ生スル損害ノ賠償ニ付テハ定款ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第二十五条 仲買人ハ委託ヲ受ケタル取引所ノ定期取引ニ付取引所ニ於テ其ノ売付、買付又ハ受渡ヲ為サスシテ之ヲ為シタルト同一又ハ類似ノ計算ヲ以テ委託者ニ対シ其ノ決済ヲ為スコトヲ得ス
前項ノ規定ニ違反シタル仲買人ハ取引所之ニ三箇月以上ノ営業停止ヲ命シ又ハ之ヲ除名スヘシ
第二十六条 取引所ハ命令ノ定ムル所ニ依リ公定相場ヲ決定シ之ヲ公示スヘシ
取引所ハ命令ノ定ムル所ニ依リ各仲買人ノ売買高ヲ公示スヘシ
第二十六条ノ二 取引所ニ依ラスシテ定期取引ト同一若ハ類似ノ取引ヲ目的トスル市場ヲ開キ又ハ其ノ市場ニ於テ取引ヲ為スコトヲ得ス
第三十一条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十二条第一項ノ規定ニ違反シタル者
二 第十七条第一項ノ規定ニ違反シ又ハ同条第二項ノ特別ノ利害関係ヲ生スルコトヲ目的トスル行為ヲ為シタル者
三 第二十六条ノ二ノ規定ニ違反シタル者
第三十二条 第十一条ノ四ノ規定ニ違反シタル者ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
第三十二条ノ二 取引所ノ役員又ハ取引所ニ於ケル受渡物件ノ格付ヲ為ス者其ノ職務ニ関シ賄賂ヲ収受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス因テ不正ノ行為ヲ為シ又ハ相当ノ行為ヲ為ササルトキハ三年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ場合ニ於テ収受シタル賄賂ハ之ヲ没収ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハサルトキハ其ノ価額ヲ追徴ス
第三十二条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ一年以下ノ懲役又ハ三千円以下ノ罰金ニ処ス
一 取引所ノ役員又ハ取引所ニ於ケル受渡物件ノ格付ヲ為ス者ニ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタル者
二 取引所ニ於ケル相場ヲ偽リテ公示シタル者
三 公示若ハ頒布ノ目的ヲ以テ虚偽ノ相場ヲ記載シタル文書ヲ作製シタル者又ハ之ヲ頒布シタル者
前項第一号ノ罪ヲ犯シタル者自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得
第三十二条ノ四 取引所ニ於ケル相場ノ変動ヲ図ル目的ヲ以テ虚偽ノ風説ヲ流布シ、偽計ヲ用ヒ又ハ暴行若ハ脅迫ヲ為シタル者ハ二年以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
第三十二条ノ五 取引所ニ依ラスシテ取引所ノ相場ニ依リ差金ノ授受ヲ目的トスル行為ヲ為シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス但シ刑法第百八十六条ノ適用ヲ妨ケス
第三十二条ノ六 会員又ハ仲買人ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ニシテ其ノ業務ニ関シ第十一条ノ四若ハ第十二条第一項ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ス
附 則
本法ハ大正三年九月一日ヨリ之ヲ施行ス