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(不動産登記法中改正法律)
法令番号: 法律第十八號
公布年月日: 大正2年4月9日
法令の形式: 法律
被改正法
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改正:
不動産登記法
廃止:
(債務者ニ代位スル債権者ノ登記申請ニ関スル法律)
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル不動產登記法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年四月八日
內閣總理大臣 伯爵 山本權兵衞
司法大臣 松田正久
內務大臣 原敬
大藏大臣 男爵 高橋是淸
法律第十八號
不動產登記法中左ノ通改正ス
第十一條第一項第二號中「設定、」ヲ「設定及ヒ存續期間、存續期間ノ變更、」ニ改メ左ノ一號ヲ加ヘ同條第二項ヲ削ル
四
所有權、質權又ハ百年ヨリ長キ存續期間ノ定アル地上權ノ登記名義人ノ表示ノ變更
第十六條
登記簿ハ其一用紙ヲ登記番號欄、表題部及ヒ甲乙ノ二區ニ分チ尙ホ表題部ニ表示欄、表示番號欄ヲ設ケ各區ニ事項欄、順位番號欄ヲ設ク
登記番號欄ニハ各土地又ハ各建物ニ付キ登記簿ニ始メテ登記ヲ爲シタル順序ヲ記載ス
表示欄ニハ土地又ハ建物ノ表示ヲ爲シ及ヒ其變更ニ關スル事項ヲ記載シ表示番號欄ニハ表示欄ニ登記事項ヲ記載シタル順序ヲ記載ス
甲區事項欄ニハ所有權ニ關スル事項ヲ記載ス
乙區事項欄ニハ所有權以外ノ權利ニ關スル事項ヲ記載ス
順位番號欄ニハ事項欄ニ登記事項ヲ記載シタル順序ヲ記載ス
第十七條
削除
第二十一條ノ二
登記簿ノ謄本又ハ抄本ノ交付ヲ請求スル者カ不動產ノ目錄ヲ提出シタルトキハ登記所ハ其書面ヲ用井テ謄本又ハ抄本ヲ作成スルコトヲ得
第二十八條ノ二
滯納處分ニ因ル差押ノ登記ヲ囑託スル場合ニ於テ必要アルトキハ官廳又ハ公署ハ登記名義人又ハ相續人ニ代ハリ不動產ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ變更又ハ相續ニ因ル權利移轉ノ登記ヲ登記所ニ囑託スルコトヲ要ス
第二十八條ノ三
第四十六條ノ二、第五十條第三項、第六十條ノ二及ヒ第六十三條ノ三ノ規定ハ前條ノ登記ニ之ヲ準用ス
第三十一條中「官廳」ヲ「官廳又ハ公署」ニ改ム
第三十七條ニ左ノ一項ヲ加フ
前條第二號ニ揭ケタル事項ハ前項ノ申請書ニハ之ヲ記載スルコトヲ要セス
第四十六條ノ二
債權者カ民法第四百二十三條ノ規定ニ依リ債務者ニ代位シテ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ債權者及ヒ債務者ノ氏名又ハ名稱、住所又ハ事務所及ヒ代位原因ヲ記載シ且代位原因ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第五十條ニ左ノ一項ヲ加フ
第四十六條ノ二ノ申請アリタル場合ニ於テ登記ヲ爲スニハ前項ノ規定ニ依ルノ外事項欄ニ債權者ノ氏名又ハ名稱、住所又ハ事務所及ヒ代位原因ヲ記載スルコトヲ要ス
第五十九條ノ末尾ニ「字又ハ其名稱ノ變更アリタルトキ亦同シ」ヲ加フ
第六十條ノ二
第四十六條ノ二ノ場合ニ於テ登記官吏カ登記ヲ完了シタルトキハ前條第一項ニ揭ケタル書類ヲ債權者ニ還付シ且登記濟ノ旨ヲ登記權利者ニ通知スルコトヲ要ス
第六十三條ノ二
前條ノ場合ニ於テ登記ノ錯誤又ハ遺漏カ登記官吏ノ過誤ニ出テタルトキハ登記上利害ノ關係ヲ有スル第三者アル場合ヲ除ク外登記官吏ハ遲滯ナク地方裁判所長ノ許可ヲ得テ登記ノ更正ヲ爲シ其旨ヲ登記權利者及ヒ登記義務者ニ通知スルコトヲ要ス
前條但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十三條ノ三
前二條ノ通知ハ第四十六條ノ二ノ場合ニ於テハ債權者ニ亦之ヲ爲スコトヲ要ス
第七十九條及第八十九條中「、字」ヲ削ル
第八十條
前條ノ規定ニ從ヒテ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ土地ノ分合、滅失若クハ增減シタル段別若クハ坪數竝ニ現在ノ段別若クハ坪數又ハ新地目若クハ新番號ヲ記載シ且土地臺帳謄本ヲ添附スルコトヲ要ス
第九十條
削除
第九十一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
建物ノ敷地ノ番號ノ變更アリタルトキ亦同シ
第九十二條中「新地目、新字若クハ」及「又ハ增減シタル段別若クハ坪數竝ニ現在ノ段別若クハ坪數」ヲ削ル
第百條
第八十九條ノ規定ハ建物ノ番號ノ變更、建物若クハ附屬建物ノ構造ノ變更又ハ敷地ノ番號ノ變更ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百條ノ二
行政區畫又ハ字ノ變更ニ伴ヒ土地ノ番號ノ變更アリタルトキハ土地臺帳所管廳ハ遲滯ナク其旨ヲ登記所ニ通知スルコトヲ要ス
前項ノ通知ヲ受ケタル登記所ハ遲滯ナク登記用紙中表示欄ニ變更ノ登記ヲ爲スコトヲ要ス
第百二條ノ三
旣登記ノ土地カ河川ノ敷地ト爲リタル場合ニ於テハ當該官廳ハ遲滯ナク其登記ノ抹消ヲ登記所ニ囑託スルコトヲ要ス
前項ノ囑託ヲ爲ス場合ニ於テ必要アルトキハ當該官廳ハ登記名義人又ハ相續人ニ代ハリ土地ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ變更又ハ相續ニ因ル所有權移轉ノ登記ヲ囑託スルコトヲ得
第一項ノ囑託ヲ受ケタル登記所ハ登記用紙中表示欄ニ河川ノ敷地ト爲リタル旨ヲ記載シ土地ノ表示、表示番號及ヒ登記番號ヲ朱抹シ其登記用紙ヲ閉鎖スルコトヲ要ス此場合ニ於テハ第百二條ノ規定ヲ準用ス
第百三條
土地ノ收用ニ因ル所有權移轉ノ登記ハ登記權利者ノミニテ之ヲ申請スルコトヲ得其申請書ニハ補償金ノ受取證又ハ供託受領證ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ申請ヲ爲ス場合ニ於テ必要アルトキハ起業者ハ登記名義人又ハ相續人ニ代ハリ土地ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ變更又ハ相續ニ因ル所有權移轉ノ登記ヲ申請スルコトヲ得
官廳又ハ公署カ起業者ナルトキハ其官廳又ハ公署ハ遲滯ナク前二項ノ登記ヲ登記所ニ囑託スルコトヲ要ス
第百三條ノ次ニ左ノ一條ヲ加ヘ「第百三條ノ二」ヲ「第百三條ノ三」ニ改ム
第百三條ノ二
第四十六條ノ二、第五十條第三項、第六十條ノ二及ヒ第六十三條ノ三ノ規定ハ第百二條ノ三第二項及ヒ前條第二項ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百二十二條ノ二
前條ノ場合ニ於テ不動產カ五箇以上ナルトキハ申請書ニ共同擔保目錄ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ目錄ニハ各不動產ニ關スル權利ノ表示ヲ爲シ申請人之ニ署名、捺印スルコトヲ要ス
第百二十二條ノ三
一箇又ハ數箇ノ不動產ニ關スル權利ヲ目的トスル先取特權、質權又ハ抵當權ノ保存又ハ設定ノ登記ヲ爲シタル後同一ノ債權ニ付キ他ノ一箇又ハ數箇ノ不動產ニ關スル權利ヲ目的トスル先取特權、質權又ハ抵當權ノ保存又ハ設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ前ノ登記ヲ表示スルニ足ルヘキ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
第百二十四條ノ二
申請書ニ共同擔保目錄ヲ添附シタル場合ニ於テ其一箇ノ不動產ニ關スル權利ニ付キ登記ヲ爲ストキハ其不動產ノ登記用紙中相當區事項欄ニ共同擔保目錄ニ揭ケタル他ノ不動產ニ關スル權利ト共ニ擔保ノ目的タル旨ヲ記載スルヲ以テ足ル
第百二十四條ノ三
共同擔保目錄ハ之ヲ登記簿ノ一部ト看做シ其記載ハ之ヲ登記ト看做ス
第百二十四條ノ四
第百二十二條ノ三ノ規定ニ依ル登記ノ申請アリタル場合ニ於テ登記ヲ爲ストキハ其登記及ヒ前ノ登記ニ各不動產ニ關スル權利カ共ニ擔保ノ目的タルコトヲ記載スルコトヲ要ス
第百二十四條及ヒ第百二十四條ノ二ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百二十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
數箇ノ不動產ニ關スル權利カ先取特權、質權又ハ抵當權ノ目的タル場合ニ於テ其一箇ノ不動產ニ關スル權利ヲ目的トスル先取特權、質權又ハ抵當權ノ消滅ノ登記ヲ爲シタルトキハ他ノ不動產ニ關スル權利ニ付キ第百二十四條ノ規定ニ從ヒテ爲シタル登記ニ其旨ヲ附記シ消滅ニ係ル事項ヲ朱抹スルコトヲ要ス其一箇ノ不動產ニ關スル權利ノ表示ニ付キ變更ノ登記ヲ爲シタルトキ亦同シ
第百二十六條ノ二
前條第一項ノ規定ニ從ヒテ爲スヘキ登記ハ共同擔保目錄アル場合ニ於テハ其目錄ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第百二十七條ノ二
第百三條及ヒ第百三條ノ二ノ規定ハ土地ニ關スル所有權以外ノ權利ノ收用ニ因ル權利移轉ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百四十九條ノ二
登記官吏ハ登記ヲ完了シタル後其登記カ第四十九條第一號又ハ第二號ニ該當スルモノナルコトヲ發見シタルトキハ登記權利者、登記義務者及ヒ登記上利害ノ關係ヲ有スル第三者ニ對シ一个月ヲ超エサル期間ヲ定メ其期間內ニ異議ノ申立ナキトキハ登記ヲ抹消スヘキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
通知ヲ受クヘキ者ノ住所又ハ居所カ知レサルトキハ前項ノ通知ニ代ヘ商業登記ニ付キ定メタル公吿ト同一ノ方法ヲ以テ公吿スルコトヲ要ス
登記官吏ハ前項ノ外相當ト認ムル新聞紙ニ同一ノ公吿ヲ揭載セシムルコトヲ得
第百四十九條ノ三
異議ノ申立アリタルトキハ登記官吏ハ理由ヲ附シタル決定ヲ以テ其裁判ヲ爲スコトヲ要ス
前項ノ裁判ニ對シテハ卽時抗吿ヲ爲スコトヲ得抗吿ハ執行停止ノ效力ヲ有ス
第百四十九條ノ四
前條第二項ノ卽時抗吿ニ付テハ非訟事件手續法ノ規定ヲ準用ス
第百四十九條ノ五
異議ノ申立ナキトキ又ハ異議ヲ却下スル裁判カ確定シタルトキハ登記官吏ハ職權ヲ以テ登記ヲ抹消スルコトヲ要ス
附 則
第一條
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條
本法施行前ニ登記所ノ受附タル事件ハ從前ノ規定ニ依リ完結ス
第三條
本法施行前ニ調製シタル登記簿ハ當分ノ內之ヲ使用スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ登記簿ニ關スル從前ノ規定ハ仍ホ其效力ヲ有ス
第四條
本法ニ依ル登記簿ニ始メテ登記ヲ爲ス場合ニ於ケル登記番號ハ從來ノ番號ヲ追ヒテ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第五條
從前ノ規定ニ依ル登記用紙中表題部又ハ或區カ登記ヲ爲スヘキ餘白ナキニ至リタルトキハ本法ニ依ル登記簿ニ繼續用紙ヲ設クルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ乙區事項欄ニ登記ヲ爲ストキハ新ナル順位番號ヲ記載スルコトヲ要ス
第六條
所有權以外ノ權利ニ關スル登記ノ前後ハ從前ノ規定ニ依ル登記簿ニ爲シタルモノト本法ニ依ル登記簿ニ爲シタルモノトノ間ニ在リテハ受附番號ニ依ル
第七條
從前ノ規定ニ依ル登記簿ニ爲シタル所有權以外ノ權利ニ關スル登記ニ付キ本法ニ依ル登記簿ニ附記登記ヲ爲ス場合ニ於テハ主登記ヲ爲シタル區ノ名稱ヲ記載スルコトヲ要ス
第八條
從前ノ規定ニ依ル登記簿ヨリ本法ニ依ル登記簿ニ所有權以外ノ權利ニ關スル登記ヲ移シ又ハ轉寫スルトキハ受附番號ノ順序ヲ追ヒテ新ナル順位番號ヲ記載シ其左側ニ從前ノ規定ニ依ル登記簿ニ於ケル區ノ名稱及ヒ順位番號ヲ記載スルコトヲ要ス
第九條
不動產登記法施行前ニ登記シタル不動產ニ付キ本法施行ノ後登記ノ申請アリタル場合ニ於テ本法ニ依ル登記簿ニ登記ヲ爲ストキハ第百六十三條ノ規定ヲ準用ス
第十條
明治三十九年法律第五十五號ハ之ヲ廢止ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル不動産登記法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正二年四月八日
内閣総理大臣 伯爵 山本権兵衛
司法大臣 松田正久
内務大臣 原敬
大蔵大臣 男爵 高橋是清
法律第十八号
不動産登記法中左ノ通改正ス
第十一条第一項第二号中「設定、」ヲ「設定及ヒ存続期間、存続期間ノ変更、」ニ改メ左ノ一号ヲ加ヘ同条第二項ヲ削ル
四
所有権、質権又ハ百年ヨリ長キ存続期間ノ定アル地上権ノ登記名義人ノ表示ノ変更
第十六条
登記簿ハ其一用紙ヲ登記番号欄、表題部及ヒ甲乙ノ二区ニ分チ尚ホ表題部ニ表示欄、表示番号欄ヲ設ケ各区ニ事項欄、順位番号欄ヲ設ク
登記番号欄ニハ各土地又ハ各建物ニ付キ登記簿ニ始メテ登記ヲ為シタル順序ヲ記載ス
表示欄ニハ土地又ハ建物ノ表示ヲ為シ及ヒ其変更ニ関スル事項ヲ記載シ表示番号欄ニハ表示欄ニ登記事項ヲ記載シタル順序ヲ記載ス
甲区事項欄ニハ所有権ニ関スル事項ヲ記載ス
乙区事項欄ニハ所有権以外ノ権利ニ関スル事項ヲ記載ス
順位番号欄ニハ事項欄ニ登記事項ヲ記載シタル順序ヲ記載ス
第十七条
削除
第二十一条ノ二
登記簿ノ謄本又ハ抄本ノ交付ヲ請求スル者カ不動産ノ目録ヲ提出シタルトキハ登記所ハ其書面ヲ用井テ謄本又ハ抄本ヲ作成スルコトヲ得
第二十八条ノ二
滞納処分ニ因ル差押ノ登記ヲ嘱託スル場合ニ於テ必要アルトキハ官庁又ハ公署ハ登記名義人又ハ相続人ニ代ハリ不動産ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ変更又ハ相続ニ因ル権利移転ノ登記ヲ登記所ニ嘱託スルコトヲ要ス
第二十八条ノ三
第四十六条ノ二、第五十条第三項、第六十条ノ二及ヒ第六十三条ノ三ノ規定ハ前条ノ登記ニ之ヲ準用ス
第三十一条中「官庁」ヲ「官庁又ハ公署」ニ改ム
第三十七条ニ左ノ一項ヲ加フ
前条第二号ニ掲ケタル事項ハ前項ノ申請書ニハ之ヲ記載スルコトヲ要セス
第四十六条ノ二
債権者カ民法第四百二十三条ノ規定ニ依リ債務者ニ代位シテ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ債権者及ヒ債務者ノ氏名又ハ名称、住所又ハ事務所及ヒ代位原因ヲ記載シ且代位原因ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第五十条ニ左ノ一項ヲ加フ
第四十六条ノ二ノ申請アリタル場合ニ於テ登記ヲ為スニハ前項ノ規定ニ依ルノ外事項欄ニ債権者ノ氏名又ハ名称、住所又ハ事務所及ヒ代位原因ヲ記載スルコトヲ要ス
第五十九条ノ末尾ニ「字又ハ其名称ノ変更アリタルトキ亦同シ」ヲ加フ
第六十条ノ二
第四十六条ノ二ノ場合ニ於テ登記官吏カ登記ヲ完了シタルトキハ前条第一項ニ掲ケタル書類ヲ債権者ニ還付シ且登記済ノ旨ヲ登記権利者ニ通知スルコトヲ要ス
第六十三条ノ二
前条ノ場合ニ於テ登記ノ錯誤又ハ遺漏カ登記官吏ノ過誤ニ出テタルトキハ登記上利害ノ関係ヲ有スル第三者アル場合ヲ除ク外登記官吏ハ遅滞ナク地方裁判所長ノ許可ヲ得テ登記ノ更正ヲ為シ其旨ヲ登記権利者及ヒ登記義務者ニ通知スルコトヲ要ス
前条但書ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十三条ノ三
前二条ノ通知ハ第四十六条ノ二ノ場合ニ於テハ債権者ニ亦之ヲ為スコトヲ要ス
第七十九条及第八十九条中「、字」ヲ削ル
第八十条
前条ノ規定ニ従ヒテ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ土地ノ分合、滅失若クハ増減シタル段別若クハ坪数並ニ現在ノ段別若クハ坪数又ハ新地目若クハ新番号ヲ記載シ且土地台帳謄本ヲ添附スルコトヲ要ス
第九十条
削除
第九十一条第二項ヲ左ノ如ク改ム
建物ノ敷地ノ番号ノ変更アリタルトキ亦同シ
第九十二条中「新地目、新字若クハ」及「又ハ増減シタル段別若クハ坪数並ニ現在ノ段別若クハ坪数」ヲ削ル
第百条
第八十九条ノ規定ハ建物ノ番号ノ変更、建物若クハ附属建物ノ構造ノ変更又ハ敷地ノ番号ノ変更ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百条ノ二
行政区画又ハ字ノ変更ニ伴ヒ土地ノ番号ノ変更アリタルトキハ土地台帳所管庁ハ遅滞ナク其旨ヲ登記所ニ通知スルコトヲ要ス
前項ノ通知ヲ受ケタル登記所ハ遅滞ナク登記用紙中表示欄ニ変更ノ登記ヲ為スコトヲ要ス
第百二条ノ三
既登記ノ土地カ河川ノ敷地ト為リタル場合ニ於テハ当該官庁ハ遅滞ナク其登記ノ抹消ヲ登記所ニ嘱託スルコトヲ要ス
前項ノ嘱託ヲ為ス場合ニ於テ必要アルトキハ当該官庁ハ登記名義人又ハ相続人ニ代ハリ土地ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ変更又ハ相続ニ因ル所有権移転ノ登記ヲ嘱託スルコトヲ得
第一項ノ嘱託ヲ受ケタル登記所ハ登記用紙中表示欄ニ河川ノ敷地ト為リタル旨ヲ記載シ土地ノ表示、表示番号及ヒ登記番号ヲ朱抹シ其登記用紙ヲ閉鎖スルコトヲ要ス此場合ニ於テハ第百二条ノ規定ヲ準用ス
第百三条
土地ノ収用ニ因ル所有権移転ノ登記ハ登記権利者ノミニテ之ヲ申請スルコトヲ得其申請書ニハ補償金ノ受取証又ハ供託受領証ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ申請ヲ為ス場合ニ於テ必要アルトキハ起業者ハ登記名義人又ハ相続人ニ代ハリ土地ノ表示若クハ登記名義人ノ表示ノ変更又ハ相続ニ因ル所有権移転ノ登記ヲ申請スルコトヲ得
官庁又ハ公署カ起業者ナルトキハ其官庁又ハ公署ハ遅滞ナク前二項ノ登記ヲ登記所ニ嘱託スルコトヲ要ス
第百三条ノ次ニ左ノ一条ヲ加ヘ「第百三条ノ二」ヲ「第百三条ノ三」ニ改ム
第百三条ノ二
第四十六条ノ二、第五十条第三項、第六十条ノ二及ヒ第六十三条ノ三ノ規定ハ第百二条ノ三第二項及ヒ前条第二項ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百二十二条ノ二
前条ノ場合ニ於テ不動産カ五箇以上ナルトキハ申請書ニ共同担保目録ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ目録ニハ各不動産ニ関スル権利ノ表示ヲ為シ申請人之ニ署名、捺印スルコトヲ要ス
第百二十二条ノ三
一箇又ハ数箇ノ不動産ニ関スル権利ヲ目的トスル先取特権、質権又ハ抵当権ノ保存又ハ設定ノ登記ヲ為シタル後同一ノ債権ニ付キ他ノ一箇又ハ数箇ノ不動産ニ関スル権利ヲ目的トスル先取特権、質権又ハ抵当権ノ保存又ハ設定ノ登記ヲ申請スル場合ニ於テハ申請書ニ前ノ登記ヲ表示スルニ足ルヘキ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
第百二十四条ノ二
申請書ニ共同担保目録ヲ添附シタル場合ニ於テ其一箇ノ不動産ニ関スル権利ニ付キ登記ヲ為ストキハ其不動産ノ登記用紙中相当区事項欄ニ共同担保目録ニ掲ケタル他ノ不動産ニ関スル権利ト共ニ担保ノ目的タル旨ヲ記載スルヲ以テ足ル
第百二十四条ノ三
共同担保目録ハ之ヲ登記簿ノ一部ト看做シ其記載ハ之ヲ登記ト看做ス
第百二十四条ノ四
第百二十二条ノ三ノ規定ニ依ル登記ノ申請アリタル場合ニ於テ登記ヲ為ストキハ其登記及ヒ前ノ登記ニ各不動産ニ関スル権利カ共ニ担保ノ目的タルコトヲ記載スルコトヲ要ス
第百二十四条及ヒ第百二十四条ノ二ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百二十六条第一項ヲ左ノ如ク改ム
数箇ノ不動産ニ関スル権利カ先取特権、質権又ハ抵当権ノ目的タル場合ニ於テ其一箇ノ不動産ニ関スル権利ヲ目的トスル先取特権、質権又ハ抵当権ノ消滅ノ登記ヲ為シタルトキハ他ノ不動産ニ関スル権利ニ付キ第百二十四条ノ規定ニ従ヒテ為シタル登記ニ其旨ヲ附記シ消滅ニ係ル事項ヲ朱抹スルコトヲ要ス其一箇ノ不動産ニ関スル権利ノ表示ニ付キ変更ノ登記ヲ為シタルトキ亦同シ
第百二十六条ノ二
前条第一項ノ規定ニ従ヒテ為スヘキ登記ハ共同担保目録アル場合ニ於テハ其目録ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第百二十七条ノ二
第百三条及ヒ第百三条ノ二ノ規定ハ土地ニ関スル所有権以外ノ権利ノ収用ニ因ル権利移転ノ登記ニ之ヲ準用ス
第百四十九条ノ二
登記官吏ハ登記ヲ完了シタル後其登記カ第四十九条第一号又ハ第二号ニ該当スルモノナルコトヲ発見シタルトキハ登記権利者、登記義務者及ヒ登記上利害ノ関係ヲ有スル第三者ニ対シ一个月ヲ超エサル期間ヲ定メ其期間内ニ異議ノ申立ナキトキハ登記ヲ抹消スヘキ旨ヲ通知スルコトヲ要ス
通知ヲ受クヘキ者ノ住所又ハ居所カ知レサルトキハ前項ノ通知ニ代ヘ商業登記ニ付キ定メタル公告ト同一ノ方法ヲ以テ公告スルコトヲ要ス
登記官吏ハ前項ノ外相当ト認ムル新聞紙ニ同一ノ公告ヲ掲載セシムルコトヲ得
第百四十九条ノ三
異議ノ申立アリタルトキハ登記官吏ハ理由ヲ附シタル決定ヲ以テ其裁判ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ裁判ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得抗告ハ執行停止ノ効力ヲ有ス
第百四十九条ノ四
前条第二項ノ即時抗告ニ付テハ非訟事件手続法ノ規定ヲ準用ス
第百四十九条ノ五
異議ノ申立ナキトキ又ハ異議ヲ却下スル裁判カ確定シタルトキハ登記官吏ハ職権ヲ以テ登記ヲ抹消スルコトヲ要ス
附 則
第一条
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条
本法施行前ニ登記所ノ受附タル事件ハ従前ノ規定ニ依リ完結ス
第三条
本法施行前ニ調製シタル登記簿ハ当分ノ内之ヲ使用スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ登記簿ニ関スル従前ノ規定ハ仍ホ其効力ヲ有ス
第四条
本法ニ依ル登記簿ニ始メテ登記ヲ為ス場合ニ於ケル登記番号ハ従来ノ番号ヲ追ヒテ之ヲ記載スルコトヲ要ス
第五条
従前ノ規定ニ依ル登記用紙中表題部又ハ或区カ登記ヲ為スヘキ余白ナキニ至リタルトキハ本法ニ依ル登記簿ニ継続用紙ヲ設クルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於テ乙区事項欄ニ登記ヲ為ストキハ新ナル順位番号ヲ記載スルコトヲ要ス
第六条
所有権以外ノ権利ニ関スル登記ノ前後ハ従前ノ規定ニ依ル登記簿ニ為シタルモノト本法ニ依ル登記簿ニ為シタルモノトノ間ニ在リテハ受附番号ニ依ル
第七条
従前ノ規定ニ依ル登記簿ニ為シタル所有権以外ノ権利ニ関スル登記ニ付キ本法ニ依ル登記簿ニ附記登記ヲ為ス場合ニ於テハ主登記ヲ為シタル区ノ名称ヲ記載スルコトヲ要ス
第八条
従前ノ規定ニ依ル登記簿ヨリ本法ニ依ル登記簿ニ所有権以外ノ権利ニ関スル登記ヲ移シ又ハ転写スルトキハ受附番号ノ順序ヲ追ヒテ新ナル順位番号ヲ記載シ其左側ニ従前ノ規定ニ依ル登記簿ニ於ケル区ノ名称及ヒ順位番号ヲ記載スルコトヲ要ス
第九条
不動産登記法施行前ニ登記シタル不動産ニ付キ本法施行ノ後登記ノ申請アリタル場合ニ於テ本法ニ依ル登記簿ニ登記ヲ為ストキハ第百六十三条ノ規定ヲ準用ス
第十条
明治三十九年法律第五十五号ハ之ヲ廃止ス
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