(外国保険会社ニ関スル件中改正ノ件)
法令番号: 勅令第五十七號
公布年月日: 大正元年12月27日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ明治三十三年勅令第三百八十號中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正元年十二月二十六日
內閣總理大臣 公爵 桂太郞
司法大臣 松室致
農商務大臣 仲小路廉
勅令第五十七號
明治三十三年勅令第三百八十號中左ノ通改正ス
第一條 外國人又ハ外國會社ハ日本ニ支店、事務所又ハ代理店ヲ設ケ主務官廳ノ免許ヲ受クルニ非サレハ保險事業ヲ營ムコトヲ得ス
第一條ヲ第一條ノ二トス
第二條ニ左ノ一項ヲ加フ
前條第一項ノ代表者ニ付キ前項ノ屆出アリタルトキハ主務官廳ハ其氏名、住所ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二條ノ二 外國會社ノ代表者ハ退任ノ後ト雖之ニ代ハルヘキ代表者ノ氏名、住所ニ付キ商法第二百五十五條ノ登記及ヒ公吿又ハ前條第二項ノ公吿アル迄仍代表者ノ權利義務ヲ有ス
第三條第一項第六號ヲ左ノ如ク改ム
六 財產ノ利用方法ヲ記載シタル書類
第三條ノ二 外國會社カ解散シ又ハ日本ニ於ケル事業ヲ廢止シタルトキハ遲滯ナク之ヲ主務官廳ニ屆出ツルコトヲ要ス
第五條 外國會社ハ生命保險ヲ目的トスルモノニ在リテハ十五萬圓、損害保險ヲ目的トスルモノニ在リテハ十萬圓ノ金額ヲ供託スルニ非サレハ其事業ヲ開始スルコトヲ得ス
外國會社ハ生命保險ヲ目的トスルモノニ在リテハ各事業年度ノ終ニ於テ計算シタル責任準備金額ノ十分ノ六ニ相當スル金額、損害保險ヲ目的トスルモノニ在リテハ各事業年度ニ於テ收入シタル保險料ヨリ日本ニ於テ支拂ヒタル再保險料ヲ控除シタル殘額ノ十分ノ五ニ相當スル金額カ會社ノ旣ニ供託シタル金額ヲ超ユルトキハ差額ヲ次ノ事業年度開始後六箇月內ニ供託スルコトヲ要ス其金額カ旣ニ供託シタル金額ニ達セサルトキハ供託金カ第一項ノ金額ヲ下ラサル限度ニ於テ差額ノ還付ヲ請求スルコトヲ得
外國會社ハ主務官廳ノ認許シタル有價證券ヲ以テ前二項ノ供託金ニ代フルコトヲ得
第六條ニ左ノ一項ヲ加フ
日本ニ於ケル一般ノ債權者ハ外國ニ於ケル保險契約者、被保險者、保險金額ヲ受取ルヘキ者、外國相互會社ノ社員及ヒ一般ノ債權者ニ對シ供託物ノ上ニ優先權ヲ有ス
第七條 外國相互會社ノ日本ニ於ケル一般ノ債權者ハ日本ニ於ケル社員竝ニ其爲シタル契約ニ因ル被保險者及ヒ保險金額ヲ受取ルヘキ者ニ對シ供託物ノ上ニ優先權ヲ有ス
第七條ノ二 外國會社ハ契約ヲ以テ責任準備金算出ノ基礎ヲ同クスル日本ニ於ケル保險契約ノ全部ヲ包括シテ日本ニ於テ事業ヲ營ム他ノ保險會社ニ移轉スルコトヲ得
保險業法第二十條ノ二第二項、第三項、第二十條ノ三乃至第二十條ノ五、第二十條ノ八及ヒ第二十條ノ九ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但第二十條ノ五中株主總會ノ決議アリタル時トアルハ移轉契約書作成ノ時、第二十條ノ九第二項中第二十條ノ二第三項ノ決議ノ後トアルハ移轉契約書作成ノ後トス
前項ニ揭ケタル規定中總會ノ決議及ヒ其決議錄ニ關スル規定ハ外國會社ニ付テハ之ヲ準用セス
第七條ノ三 外國會社カ日本ニ於ケル保險契約全部ノ移轉ヲ爲シタルトキハ其事業ヲ廢止シタルモノト看做ス
第八條中「報吿書ヲ作リ」ノ下ニ「遲滯ナク」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
外國會社ハ前項ノ時期ニ於テ日本ニ於ケル保險契約ニ付キ其種類ニ從ヒ責任準備金ヲ計算シ且之ヲ特ニ設ケタル帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
第十條中「又ハ保險金額ヲ受取ルヘキ者」ヲ「、保險金額ヲ受取ルヘキ者又ハ一般ノ債權者」ニ改メ同條第一項中「書類」ノ下ニ「、帳簿」ヲ加フ
第十條ノ二 外國會社ノ交付スル保險證券ニハ保險約款ヲ記載シ又ハ之ヲ記載シタル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ保險證券及ヒ保險約款ハ別段ノ請求ナキトキハ日本語ヲ以テ之ヲ記載スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ運送保險、海上保險又ハ再保險ノ契約ニハ之ヲ適用セス
第十條ノ三 外國會社カ其事業ヲ廢止シ又ハ免許ヲ取消サレタル場合ニ於テ主務官廳ハ必要ト認ムルトキハ殘務ノ取扱ニ付キ代表者ヲ選任又ハ改任スルコトヲ得
第一條ノ二第二項及ヒ保險業法第十三條ノ三ノ規定ハ前項ノ代表者ニ之ヲ準用ス
第十條ノ四 外國會社カ其事業ヲ廢止シ又ハ免許ヲ取消サレタルトキハ日本ニ於ケル保險契約者又ハ社員ハ契約ノ解除ヲ爲スコトヲ得
前項ノ解除アリタルトキハ損害保險ヲ目的トスル會社ニ在リテハ未タ經過セサル期間ニ對スル保險料、生命保險ヲ目的トスル會社ニ在リテハ被保險者ノ爲メニ積立テタル金額ヲ拂戾スコトヲ要ス
第十條ノ五 外國會社カ其事業ヲ廢止シ又ハ免許ヲ取消サレタルトキハ遲滯ナク其旨ヲ公吿スルコトヲ要ス
第十三條 主務官廳ノ免許ヲ受ケスシテ保險事業ヲ營ムモノハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
第十三條ノ二 主務官廳ノ免許ヲ受ケサル外國人又ハ外國會社ノ爲ニ保險契約者若クハ社員ヲ募集シ又ハ募集セシメタル者ハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
第十四條中「外國會社ノ代表者」ヲ「外國人又ハ外國人若クハ外國會社ノ代表者」ニ、「過料ニ處セラル」ヲ「過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ左ノ四號ヲ加フ
七 第五條第一項ノ供託ヲ爲サスシテ事業ヲ開始シタルトキ又ハ同條第二項ノ規定ニ依ル供託ヲ爲ササリシトキ
八 第七條ノ二ノ規定ニ違反シテ保險契約ノ移轉ヲ爲シ又ハ保險契約ヲ爲シタルトキ
九 第八條第二項ノ規定ニ違反シタルトキ
十 第十條ノ二ノ規定ニ違反シタルトキ
第十四條ノ二 外國人又ハ外國人若クハ外國會社ノ代表者ハ左ノ場合ニ於テハ五圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 本令ニ定メタル登記ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
二 本令ニ定メタル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキ
三 第二條第一項ニ揭ケタル事項ニ變更ヲ生シタル場合ニ於テ其屆出ヲ爲スコトヲ怠リタルトキ
四 第三條ノ二又ハ第八條第一項ノ規定ニ違反シタルトキ
五 第八條第一項又ハ第九條ニ揭ケタル書類ヲ備ヘ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ爲シタルトキ
第十五條中「前二條」ヲ「前四條」ニ改ム
第十六條 保險業法第三條、第四條、第七條及ヒ第九條乃至第十一條ノ規定ハ外國會社ニ之ヲ準用ス
保險業法第十三條ノ規定ハ事業ヲ廢止シ又ハ免許ヲ取消サレタル外國會社カ殘務ノ取扱ヲ爲ス場合ニ之ヲ準用ス
第十六條ノ二 商法第二百六十條ノ規定ハ外國會社カ日本ニ事務所又ハ代理店ヲ設ケタル場合ニ之ヲ準用ス
外國會社カ商法第二百六十條ノ規定ニ依リ支店、事務所又ハ代理店ノ閉鎖ヲ命セラレタルトキハ免許ヲ取消サレタルモノト看做ス
非訟事件手續法第百二十六條第二項及ヒ第百三十四條乃至第百三十五條ノ二ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十七條中「第四十一條、」ノ下ニ「第四十八條ノ二、」ヲ加フ
第二十條中「支配人ノ選任ヲ證スル書面」ヲ「支配人ノ選任及ヒ數人ノ支配人カ共同シテ代理權ヲ行フヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定ヲ證スル書面」ニ改ム
第二十一條中「第百四十九條、」ノ下ニ「第百五十條ノ二、」ヲ加ヘ「第百五十一條」ヲ「第百五十一條乃至第百五十一條ノ四」ニ、「第百六十五條」ヲ「第百六十四條」ニ改ム
第二十二條 第一條ノ二乃至第六條、第七條ノ二乃至第十一條、第十六條及ヒ第十六條ノ二ノ規定ハ外國人ニ之ヲ準用ス
第二十五條中「第四條乃至」ヲ「第二條乃至」ニ改メ「第十五條、」ノ下ニ「第十六條第二項、第十六條ノ二、」ヲ加ヘ「、第九十七條」ヲ削ル
附 則
第一條 本令ハ明治四十五年法律第十八號施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 本令施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外從前ノ規定ヲ適用ス
第三條 本令施行前ニ免許ヲ受ケタル外國會社ニシテ命令ヲ以テ第三條第一項第二號ニ揭ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項及ヒ同條第一項第六號ニ揭ケタル書類ニ定ムヘキ事項ニ付キ認可ヲ受ケサルモノハ本令施行後一年內ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
第四條 本令施行前ニ免許ノ申請ヲ爲シタル外國人又ハ外國會社ハ命令ヲ以テ第三條第一項第二號ニ揭ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項及ヒ第三條第一項第六號ニ揭ケタル書類ヲ補充スルニ非サレハ免許ヲ受クルコトヲ得ス
第五條 外國會社カ從前ノ規定ニ依リ供託シタル金額ハ本令ニ依リ供託シタルモノト看做ス
主務官廳ハ外國會社カ本令ノ施行ニ依リ最初ニ供託スヘキ金額ニ付キ供託ノ期限、方法其他必要ナル事項ヲ指定スルコトヲ得
前項ノ指定ニ依リ未タ供託スルコトヲ要セサル金額ハ第五條第二項ノ差額ノ算出ニ付テハ之ヲ供託シタルモノト看做ス
第六條 本令施行前ニ免許ヲ受ケタル外國會社ハ日本ニ於テ用ウル保險證券ノ樣式及ヒ普通保險約款ニシテ未タ認可ヲ受ケサルモノニ付キ本令施行後一年內ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
第十條ノ二ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ認可ヲ受クル迄其會社ニ付キ之ヲ適用セス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ明治三十三年勅令第三百八十号中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正元年十二月二十六日
内閣総理大臣 公爵 桂太郎
司法大臣 松室致
農商務大臣 仲小路廉
勅令第五十七号
明治三十三年勅令第三百八十号中左ノ通改正ス
第一条 外国人又ハ外国会社ハ日本ニ支店、事務所又ハ代理店ヲ設ケ主務官庁ノ免許ヲ受クルニ非サレハ保険事業ヲ営ムコトヲ得ス
第一条ヲ第一条ノ二トス
第二条ニ左ノ一項ヲ加フ
前条第一項ノ代表者ニ付キ前項ノ届出アリタルトキハ主務官庁ハ其氏名、住所ヲ公告スルコトヲ要ス
第二条ノ二 外国会社ノ代表者ハ退任ノ後ト雖之ニ代ハルヘキ代表者ノ氏名、住所ニ付キ商法第二百五十五条ノ登記及ヒ公告又ハ前条第二項ノ公告アル迄仍代表者ノ権利義務ヲ有ス
第三条第一項第六号ヲ左ノ如ク改ム
六 財産ノ利用方法ヲ記載シタル書類
第三条ノ二 外国会社カ解散シ又ハ日本ニ於ケル事業ヲ廃止シタルトキハ遅滞ナク之ヲ主務官庁ニ届出ツルコトヲ要ス
第五条 外国会社ハ生命保険ヲ目的トスルモノニ在リテハ十五万円、損害保険ヲ目的トスルモノニ在リテハ十万円ノ金額ヲ供託スルニ非サレハ其事業ヲ開始スルコトヲ得ス
外国会社ハ生命保険ヲ目的トスルモノニ在リテハ各事業年度ノ終ニ於テ計算シタル責任準備金額ノ十分ノ六ニ相当スル金額、損害保険ヲ目的トスルモノニ在リテハ各事業年度ニ於テ収入シタル保険料ヨリ日本ニ於テ支払ヒタル再保険料ヲ控除シタル残額ノ十分ノ五ニ相当スル金額カ会社ノ既ニ供託シタル金額ヲ超ユルトキハ差額ヲ次ノ事業年度開始後六箇月内ニ供託スルコトヲ要ス其金額カ既ニ供託シタル金額ニ達セサルトキハ供託金カ第一項ノ金額ヲ下ラサル限度ニ於テ差額ノ還付ヲ請求スルコトヲ得
外国会社ハ主務官庁ノ認許シタル有価証券ヲ以テ前二項ノ供託金ニ代フルコトヲ得
第六条ニ左ノ一項ヲ加フ
日本ニ於ケル一般ノ債権者ハ外国ニ於ケル保険契約者、被保険者、保険金額ヲ受取ルヘキ者、外国相互会社ノ社員及ヒ一般ノ債権者ニ対シ供託物ノ上ニ優先権ヲ有ス
第七条 外国相互会社ノ日本ニ於ケル一般ノ債権者ハ日本ニ於ケル社員並ニ其為シタル契約ニ因ル被保険者及ヒ保険金額ヲ受取ルヘキ者ニ対シ供託物ノ上ニ優先権ヲ有ス
第七条ノ二 外国会社ハ契約ヲ以テ責任準備金算出ノ基礎ヲ同クスル日本ニ於ケル保険契約ノ全部ヲ包括シテ日本ニ於テ事業ヲ営ム他ノ保険会社ニ移転スルコトヲ得
保険業法第二十条ノ二第二項、第三項、第二十条ノ三乃至第二十条ノ五、第二十条ノ八及ヒ第二十条ノ九ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス但第二十条ノ五中株主総会ノ決議アリタル時トアルハ移転契約書作成ノ時、第二十条ノ九第二項中第二十条ノ二第三項ノ決議ノ後トアルハ移転契約書作成ノ後トス
前項ニ掲ケタル規定中総会ノ決議及ヒ其決議録ニ関スル規定ハ外国会社ニ付テハ之ヲ準用セス
第七条ノ三 外国会社カ日本ニ於ケル保険契約全部ノ移転ヲ為シタルトキハ其事業ヲ廃止シタルモノト看做ス
第八条中「報告書ヲ作リ」ノ下ニ「遅滞ナク」ヲ加ヘ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
外国会社ハ前項ノ時期ニ於テ日本ニ於ケル保険契約ニ付キ其種類ニ従ヒ責任準備金ヲ計算シ且之ヲ特ニ設ケタル帳簿ニ記載スルコトヲ要ス
第十条中「又ハ保険金額ヲ受取ルヘキ者」ヲ「、保険金額ヲ受取ルヘキ者又ハ一般ノ債権者」ニ改メ同条第一項中「書類」ノ下ニ「、帳簿」ヲ加フ
第十条ノ二 外国会社ノ交付スル保険証券ニハ保険約款ヲ記載シ又ハ之ヲ記載シタル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
前項ノ保険証券及ヒ保険約款ハ別段ノ請求ナキトキハ日本語ヲ以テ之ヲ記載スルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ運送保険、海上保険又ハ再保険ノ契約ニハ之ヲ適用セス
第十条ノ三 外国会社カ其事業ヲ廃止シ又ハ免許ヲ取消サレタル場合ニ於テ主務官庁ハ必要ト認ムルトキハ残務ノ取扱ニ付キ代表者ヲ選任又ハ改任スルコトヲ得
第一条ノ二第二項及ヒ保険業法第十三条ノ三ノ規定ハ前項ノ代表者ニ之ヲ準用ス
第十条ノ四 外国会社カ其事業ヲ廃止シ又ハ免許ヲ取消サレタルトキハ日本ニ於ケル保険契約者又ハ社員ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得
前項ノ解除アリタルトキハ損害保険ヲ目的トスル会社ニ在リテハ未タ経過セサル期間ニ対スル保険料、生命保険ヲ目的トスル会社ニ在リテハ被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ払戻スコトヲ要ス
第十条ノ五 外国会社カ其事業ヲ廃止シ又ハ免許ヲ取消サレタルトキハ遅滞ナク其旨ヲ公告スルコトヲ要ス
第十三条 主務官庁ノ免許ヲ受ケスシテ保険事業ヲ営ムモノハ十円以上千円以下ノ過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
第十三条ノ二 主務官庁ノ免許ヲ受ケサル外国人又ハ外国会社ノ為ニ保険契約者若クハ社員ヲ募集シ又ハ募集セシメタル者ハ十円以上千円以下ノ過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
第十四条中「外国会社ノ代表者」ヲ「外国人又ハ外国人若クハ外国会社ノ代表者」ニ、「過料ニ処セラル」ヲ「過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ左ノ四号ヲ加フ
七 第五条第一項ノ供託ヲ為サスシテ事業ヲ開始シタルトキ又ハ同条第二項ノ規定ニ依ル供託ヲ為ササリシトキ
八 第七条ノ二ノ規定ニ違反シテ保険契約ノ移転ヲ為シ又ハ保険契約ヲ為シタルトキ
九 第八条第二項ノ規定ニ違反シタルトキ
十 第十条ノ二ノ規定ニ違反シタルトキ
第十四条ノ二 外国人又ハ外国人若クハ外国会社ノ代表者ハ左ノ場合ニ於テハ五円以上五百円以下ノ過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 本令ニ定メタル登記ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
二 本令ニ定メタル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキ
三 第二条第一項ニ掲ケタル事項ニ変更ヲ生シタル場合ニ於テ其届出ヲ為スコトヲ怠リタルトキ
四 第三条ノ二又ハ第八条第一項ノ規定ニ違反シタルトキ
五 第八条第一項又ハ第九条ニ掲ケタル書類ヲ備ヘ置カス、之ニ記載スヘキ事項ヲ記載セス又ハ之ニ不正ノ記載ヲ為シタルトキ
第十五条中「前二条」ヲ「前四条」ニ改ム
第十六条 保険業法第三条、第四条、第七条及ヒ第九条乃至第十一条ノ規定ハ外国会社ニ之ヲ準用ス
保険業法第十三条ノ規定ハ事業ヲ廃止シ又ハ免許ヲ取消サレタル外国会社カ残務ノ取扱ヲ為ス場合ニ之ヲ準用ス
第十六条ノ二 商法第二百六十条ノ規定ハ外国会社カ日本ニ事務所又ハ代理店ヲ設ケタル場合ニ之ヲ準用ス
外国会社カ商法第二百六十条ノ規定ニ依リ支店、事務所又ハ代理店ノ閉鎖ヲ命セラレタルトキハ免許ヲ取消サレタルモノト看做ス
非訟事件手続法第百二十六条第二項及ヒ第百三十四条乃至第百三十五条ノ二ノ規定ハ第一項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第十七条中「第四十一条、」ノ下ニ「第四十八条ノ二、」ヲ加フ
第二十条中「支配人ノ選任ヲ証スル書面」ヲ「支配人ノ選任及ヒ数人ノ支配人カ共同シテ代理権ヲ行フヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定ヲ証スル書面」ニ改ム
第二十一条中「第百四十九条、」ノ下ニ「第百五十条ノ二、」ヲ加ヘ「第百五十一条」ヲ「第百五十一条乃至第百五十一条ノ四」ニ、「第百六十五条」ヲ「第百六十四条」ニ改ム
第二十二条 第一条ノ二乃至第六条、第七条ノ二乃至第十一条、第十六条及ヒ第十六条ノ二ノ規定ハ外国人ニ之ヲ準用ス
第二十五条中「第四条乃至」ヲ「第二条乃至」ニ改メ「第十五条、」ノ下ニ「第十六条第二項、第十六条ノ二、」ヲ加ヘ「、第九十七条」ヲ削ル
附 則
第一条 本令ハ明治四十五年法律第十八号施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 本令施行前ニ生シタル事項ニ付テハ本令ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外従前ノ規定ヲ適用ス
第三条 本令施行前ニ免許ヲ受ケタル外国会社ニシテ命令ヲ以テ第三条第一項第二号ニ掲ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項及ヒ同条第一項第六号ニ掲ケタル書類ニ定ムヘキ事項ニ付キ認可ヲ受ケサルモノハ本令施行後一年内ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
第四条 本令施行前ニ免許ノ申請ヲ為シタル外国人又ハ外国会社ハ命令ヲ以テ第三条第一項第二号ニ掲ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項及ヒ第三条第一項第六号ニ掲ケタル書類ヲ補充スルニ非サレハ免許ヲ受クルコトヲ得ス
第五条 外国会社カ従前ノ規定ニ依リ供託シタル金額ハ本令ニ依リ供託シタルモノト看做ス
主務官庁ハ外国会社カ本令ノ施行ニ依リ最初ニ供託スヘキ金額ニ付キ供託ノ期限、方法其他必要ナル事項ヲ指定スルコトヲ得
前項ノ指定ニ依リ未タ供託スルコトヲ要セサル金額ハ第五条第二項ノ差額ノ算出ニ付テハ之ヲ供託シタルモノト看做ス
第六条 本令施行前ニ免許ヲ受ケタル外国会社ハ日本ニ於テ用ウル保険証券ノ様式及ヒ普通保険約款ニシテ未タ認可ヲ受ケサルモノニ付キ本令施行後一年内ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
第十条ノ二ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ認可ヲ受クル迄其会社ニ付キ之ヲ適用セス