現行の刑事訴訟法では、区裁判所で刑事事件の鑑定が必要な場合、所在地に鑑定人がいないと他の裁判所に鑑定を嘱託する方法が認められていない。一方、証人取調べについては他の裁判所への嘱託が可能で便利である。鑑定人不在の場合、遠方から鑑定人を呼び寄せねばならず、多額の費用と裁判の遅延が生じている。そこで法改正により、国家の経費削減と被告人の便益のため、鑑定についても他の裁判所への嘱託を可能にしようとするものである。
参照した発言: 第28回帝国議会 衆議院 本会議 第19号